コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 活動7 絶望のチョコレート工場 ( No.33 )
- 日時: 2014/08/27 01:43
- 名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)
「それでは、ペンスキー製菓の関東工場を
ご案内したいと思いまーす!」
やけに張り切った笑顔でバートリが
一同を工場に案内する。
工場に入るとすぐに一義の目に入ったのは
この工場の社訓だったが、
その社訓が異様なものだった。
・お金じゃないよやりがいだよ
・ロボットに負けるな
・バートリ工場長こそが正義
「あの、この壁にあるのって……」
小百合がバートリに尋ねる。
「あぁ、我が社の社員はこれを
一日千回は唱和しますよ」
バートリが笑う。
一義たちの顔が引きつる。
工場のレーンに入れてもらうと、
様々な人が働いていた。
お菓子を袋詰めする人、
ダンボールを出荷する人、
機会の操作をする人、
様々な人が忙しなく働いており、
どの人も目に輝きはなく、
何かに怯えているようだった。
すると、材料の砂糖を抱えていた人が
転んで、砂糖を撒き散らしてしまった。
「あーぁ、何やってんの?」
その人の横にバートリが立ちはだかる。
その目には殺気すら漂っていた。
「ゆ、許してください」
作業員が土下座をするが、
バートリは笑顔で答えた。
「だめ」
次の途端、バートリが土下座する作業員の
頭を踏みつけた。
「アハハハハハ、
この班の皆様のお仕置きが決まりました!」
バートリが悪魔のような笑いをしながら
作業員達に言い放つ。
「今日は休憩無しであと20時間残業!
ついでに全員給料なし!」
作業員達がショックのあまりへたり込む。
「おい、そりゃあんまりじゃねぇか?」
おっさんがバートリに詰め寄る。
その手にはペンスキー製菓の
チョコレートが握られていた。
「ちょっとあんた、商品をタダで食べるのは
やめてよ!」
バートリが激怒する。
「あんた、今度同じ事したら
ここで一生働いてもらうからね?」
バートリがおっさんの胸ぐらを掴んで警告する。
「わかったよ、もうしない」
おっさんがゆっくりとチョコレートを床に落とす。
一義がバートリに怯えている。
「おっさんの胸ぐらを掴むやつなんてはじめて見た……
オレですら掴めないのに……」
「お前が掴む必要はねぇだろ」
元治が呟く。
その後も、工場内はどこかのチョコレート工場のような
楽しそうな施設もなかった。
「小人がいるわけでもないんだな」
家康がつまらなそうに呟く。
特にここの食堂は酷いありさまで、売れ残りのお菓子を
食べさせられていた。
「というわけで、今回はお疲れ様でした
就職もお待ちしております」
見学を終えて、バートリが手を振って
一義たちを見送った。
「やっぱりあれは酷いよね?」
キャロルが小百合に尋ねた。
「うん、黙って見ているわけにはいかないよ」
小百合も複雑そうな表情を見せる。