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活動8 狂演! 夜のヴィブラート ( No.37 )
日時: 2014/08/31 01:49
名前: コベントリー・プディング (ID: DdpclYlw)

「なぁ、朝見たあの女の人
新しくここにきた保険医さんだったぞ」
一義が元治に話しかけた。
すると、突然部室で絹恵が倒れこんだ。
「うぅ、助けてぇ」
絹恵が先程まで食べていたメロンパンの消費期限は
先週のものだった。
「消費期限だな、原因は」
一義が絹江をおぶる。

一義たちが保健室へ入る。
「あらぁ、また来たのかしらゴキブリ君」
あの保険医がタバコを吸っている。
「違います、彼女が腹痛を……」
すると、保険医の表情が一変する。
「それは大変、ここに寝かせて!」
先程までのサディスティックな態度から
優しい聖母のような対応を見せる。

保健室のベッドで絹恵が寝ている。
「下腹部を温めるだけで大分よくなったわ」
保険医が絹恵に優しく微笑む。
保険室内には一義と元治がいた。
「ほら、飲みなさいうじ虫君」
保険医が一義たちに紙コップのコーヒーを差し出す。
「自己紹介がまだだったわね、
私はレベッカ・フェイスフル、スコットランド出身よ」
保険医のレベッカ(CV:沢城みゆきさん)が
微笑む。
「あれっ、なんかこのコーヒーしょっぱいですね?」
元治がレベッカに尋ねる。
「あらごめんなさい、今日は教授達が検尿だったわ」
「まさか……」
一義たちの顔が青ざめる。
「アハハハ、噓に決まってるでしょ
そんなのも知らないのかしら、うじ虫君」
レベッカが笑う。

「おーい、容態はどうだ?」
おっさんと小百合、キャロルと家康が
保健室に入ってくる。
「て、てめぇ!
何しに来たんだ?」
おっさんがレベッカを指差して怒鳴りつける。
「あら、久しぶりねシンタロー」
レベッカが不敵な笑みを見せる。
「まだオレに付きまとうのか、この魔女め」
そう言い放つと、保健室を出て行った。
「魔女だって?
酷いこというよね……」
レベッカが寂しげに小百合に話しかける。

その日の晩、レベッカはおっさんの自宅の
一軒家のドアをノックした。
「夜遅くにごめんなさい、少しでいいから
私の話を聞いてほしいの」
「今度は何を企んでいるんだ?」
おっさんがレベッカを疑う。

数分後、おっさんとレベッカは居酒屋の
カウンターに座っていた。
「もつ煮とから揚げ、あとこいつに
おでんと焼き鳥おまかせで頼む」
おっさんが店主に注文する。
「久しぶりね、こうして二人で飲むなんて」
レベッカがおっさんにホッピー(ビール風の炭酸飲料)を注ぐ。
「あの時は洒落たパブだったよな」
おっさんがホッピーを一気飲みする。
「懐かしいわ、三年ぶりかしら」
レベッカが笑う。

実はこの二人の出会いは三年の1966年に開催された
ワールドカップのイングランド大会だった。