<プロローグ>あぁ、なんて美しいんだろう……。梓は自分のほうへ近づいてくる人をそう思った。その人はだんだんと梓の顔に唇を落としていく。その唇は思った以上にも生暖かく優しい。そして梓はその人を抱きしめて今、この瞬間の幸せを梓自身に本物だということを自覚させる。梓は願う。この幸せが長く長く続きますように…と。