コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.28 )
日時: 2014/07/23 11:47
名前: 音宮 (ID: FUCcV96u)

奏side

暑い…。
この部屋はエアコンが入っていない。
入っていない理由は、今回の検査で影響が出るからだと。
俺にしてみれば、そんなこと知ったことかっと言いたい。

「あー、もうっ。びしょびしょっ」
いつもの白いシャツをバタバタと仰ぐ。
汗臭いにおいが一気に俺の鼻へと来る。

うわっ、くさいと思いながら仰いでいると
トントン。
夢が来たらしい。

「暑いですね。…さん、着替えますか?」
同じ服をズボンから下着まで持っていた。

「ああ。頼む」

俺は一人では着替えができない。
検査の日は点滴などのコードにつながれており、
無理に手を上げたりすると、コードが、からまって
大変なことになってしまう。
汗を拭きながら俺の着替えを始める夢。
もちろん、少し恥ずかしいが下半身も着替えさせてもらっている。
彼女は赤面しながら着替えさせてくれる。

「終わりました。…さん、今日、私と…」
「ありがとう。なんだ?夢が俺に話なんて珍しいこともあるんだな」

俺は礼をいつものように言い、彼女をみる。
珍しくもじもじする彼女を少し、かわいく思う。

「えっ、あの…私と夏祭りに行きませんか…?
もちろんあれが終わったらですけど」

ああ。そういえば、今日このあたりで夏祭りやるって言ってたな。
検査の後、気晴らしに行くのもいいかなと俺は考え
「ああ。いいよ、行こうよ、夏祭り」
すると彼女は満足したような満面の笑顔をみせ、部屋を出ていった。

でもどうして俺となのか、よくわからなかったが、
たまには出かけるのもいいかなと思うのだった。

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.29 )
日時: 2014/07/22 15:44
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

この二人も夏祭り行くのか〜。
面白い展開になりそう!

あと、誤字(?)というかおかしいと思う表現が……。

「手を無理に手を上げたりすると」じゃなくて「手を無理に上げたりすると」か「無理に手を上げたりすると」のほうがいい気がするよ。
もしわざとこうしてたらごめん。

私も勉強から逃げ出したい!w

合作、がんばろうね。

こっちの更新も期待してるよ〜。

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.30 )
日時: 2014/07/23 11:46
名前: 音宮 (ID: FUCcV96u)

夕陽
あ、本当!
あとで直すわw
気付かなかったわw
ありがとう!!

だよね…。
もう、無理…っ。
一教科、ワーク100ページ以上ってw
ぎゃああああ!!!
もう、いやああ。

うん、ガンバロッ!

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.31 )
日時: 2014/07/23 15:10
名前: 音宮 (ID: i7JBbubJ)

 
「お待たせ、希ちゃん、更科さん」
浴衣で神社の鳥居の前で待っていてくれた更科さんと希ちゃんに
笑顔で言う。
夏祭りは神社の周辺で行われるからだ。

すると
「あ、かわいいね、その浴衣」
「ありがとう」

淡い水色の生地に下の方にアサガオの刺繍がおおきくあった。
一方、兄の方は黒一色の浴衣。
更科さんも同じような浴衣で紺一色。
希ちゃんのはオレンジ色で桜や桜の花びらがいたるところに描かれている。

「希ちゃんも似合ってるよ」
「ありがとう。早く奥の方まで行こうよ!」
「そうだね!」
きゃっ、きゃっとはしゃいで奥の方へ走っていく。
途中でリンゴ飴や焼きそば、綿あめをみんなで食べあったりして。

両手がもういっぱい。
右手にはリンゴ飴の食べかけ、左手には綿あめ。
希ちゃんもそんな感じ。
「梓ちゃん、重い?持とうか」
更科さんが気遣ってくれるけど、なるべく一人で持ちたい。
「大丈夫ですよ、これくらい」
へへっと笑って言う。

「梓、あっちに恋みくじがあるよ!引いてみよう」
と行列のほうを指す。
すごい人。
しかも女子ばっかり。
でも恋みくじかぁ。今年はひいてないし、引いてみてもいいかな。
「うん、じゃ、ならぼ」

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.32 )
日時: 2014/07/24 11:28
名前: 音宮 (ID: i7JBbubJ)

奏side

「まってて。夢、待てよ」
前を浴衣姿で走る夢に言う。
「早くぅ。早くここの恋みくじ、引きたいんですよ」
俺も浴衣に着替えてきたのだが、これは間違えだったらしい。
とにかく走りにくいし、薄くてちょっと風が冷たく感じる。

「俺、ちょっともう…」
ぜいぜいと息を切らして頑張って声を出していうのだが、
夢はちっとも聞きやしない。

「もう、奏さんは体力ないですね。だからお部屋ばっかりにいちゃあ」

ここまで戻って来て下から目線のせいか、自然と上目づかいになる。

「だめですよぉ」
甘え声とともに来るこの上目づかい。
いつもより数倍色っぽい。

「てゆうか、なんでそんなに恋みくじごときで急ぐ必要があるわけ?」
恋みくじのために走る理由がわからん。
疲れるだけじゃんかと思う。
そういうとぷぅと赤く頬を膨らませていう。
「それはあれを見てください。それよりも恋みくじごときって奏さん、
ひどいです。そんな言い方ないじゃない」
神社のほうに指が向けられる。

なるほど。
そこには女性の行列があった。
「……」
その長さに無言になってしまう。
「でしょ。だから早く並ばなきゃいけないんですよ。あまりの大行列で
去年は引けなかった人もいるようです」
うんうんと頷く。
そんなに。人気なのかよ。
ということは当たるんだよな。
じゃ、今、恋してる真に引かせてやりたい。
そう思うと急に意識がもうろうしてめまいが襲ってくる。
「奏さぁん!?」
肩をおさえて僕を支えてくれる。
「奏じゃないよ、夢ちゃん」
次の瞬間、僕と奏は入れ替わっていた。
「真…くん…」
夢ちゃんは驚いたような悲しそうな顔をしていう。
そんな顔する理由は僕にはわかる。
でも奏は分かってないみたい。
「こんにちは。僕も恋みくじ引くよ。奏に引いてみたらって言われた」

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.33 )
日時: 2014/07/25 17:15
名前: 音宮 (ID: 9QWGnv70)

「そうなんですかぁ」
「そう」
並びながら話す。
これだけ前にいるなら待ち時間がたっぷりとある。
だけどなぜか僕らの空気は気まずい。
それを少しでも回避するため、
前方のほうをみて進み具合を見ると
僕は息をのむ。
だって

あの人が…っ

あの人が…

いたから…っ。

「ど…し…ですかっ?真くん?」
夢ちゃんが何か言ってる。
でもよく聞き取れない。

僕の視界にはあの人しか見えなくなってしまっていた。

「い…きゃ」
「えっ。ちょっと真くぅん!」

つぎの瞬間、僕の体はあの人の元へと走っていたー

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.34 )
日時: 2014/07/25 17:55
名前: ヒナ (ID: mx7sK3li)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode



小説では初めまして。ヒナです。

慧と梓sideと真と奏sideで二つ小説が作れそうなほど面白い内容ですね!
読んでいてこれからどうなるのかとても気になります。

更新がんばってください!

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.35 )
日時: 2014/07/28 19:38
名前: 音宮 (ID: 9QWGnv70)

ヒナさん
そうですね。
基本的には真、奏、梓で行きますが。
たまには慧の視点でもいいかなと思いますよ。

更新頑張りますよぉー!(^O^)/

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.36 )
日時: 2014/07/29 08:15
名前: 音宮 (ID: 9QWGnv70)

梓side
「そういえば、希ちゃん。希ちゃんは好きな人いるのかな?」
今まで気になっていた疑問を希ちゃんに聞く。
すると希ちゃんはトマト見たいに真っ赤になって
私を兄たちから遠ざけるように引っ張る。

「なんで?」
「なんでって気になっていたから。てゆうか何故小声?」
「だって聞こえるとまずいじゃん」
「で、いるの?」
すると希ちゃんは恥ずかしそうに小さくうなずく。
「えぇええ!はふ」
口をふさがれる。
「しぃっ。聞こえちゃう」
まわりを気にするようにキョロキョロと見る。
「ぇ?ふれなお?」
ふさがれたまま、話すためにうまく言えない。
「ごめん。何?」
ふさいだ手をはなしてくれる。
「ありがとう。で、誰?」
首をさすりながら言う。
赤面しながら人差し指をゆっくりと遠方を差す。
指した方を私も見る。
あそこにいるのは兄と更科さんだけど……。
まさか兄ではないであろう。
や、でも…。
「分かったでしょ、私の好きな人は更科さんなんだ」
最後の方を小さく言う希ちゃんは恥ずかしそうであり嬉しそうである。
やっぱり兄ではなかったかと少し残念に思うが、こうやって打ち明けてくれると
友達としてうれしく思う。

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.37 )
日時: 2014/07/29 17:59
名前: 音宮 (ID: 9QWGnv70)


「そういえば、お兄ちゃんの好きな人って…」
兄たちの元へ戻って他の人の好きな人を聞こうとする。

「ふっ。無駄な質問だよ。もちろん、梓に決まっているじゃないかっ!」
だめだ。兄に聞いたのが間違えだった。
こんな答え、分かり切っていたはずなのに、どうして私、聞いたんだろう。
よし、思い直して更科さんに聞いてみよう。

「更科さんは?」
となりでゴクッと唾を飲み込む音がする。
希ちゃんだ。
希ちゃんも気になっていたんだ。そうだよね。
自分の好きな人の好きな人、知りたいもんね。

すると、更科さんは急に真っ赤になって目をそらす。
「更科さん…?」

「ごめんっ。無理、言えない。これ、大事なことだから」
口元を手の甲で隠しながら言う。

なんかものすごい真剣に言われたから何も言わなかったけど、
言えないってことはこの近くにいるってことだよね。
希ちゃんかな?
そうだったらいいよな。二人が両想い…、なんかいいなー。

「じゃ、聞くけど、梓ちゃんは好きな人いるの?」
更科さんが逆に聞いてくる。
なんか真剣。こんな顔するんだ…。
お兄ちゃん、希ちゃんからの視線も熱い。

好きな人。
……
…白君…?
なぜか二回しか会ってない白君の顔が浮かぶ。
私…白君が…気になるのかな。

「梓「ちゃん!!」
兄と更科さんが私の名前を大声で叫ぶ。

振り向くと誰かが走ってきた。
ものすごい速さで私の腕をつかんで走る。

「ふぇ?…し、白君?」
上を向いて私の腕をつかんで走る人物の顔を見る。
白君はこっちを振り向いて私に言う。

「こんにちは、七色ちゃん。つい。ごめんねっ」

結構、兄たちから離れたところあたりで私の腕を話して言う。
謝ってるけど無表情。
そして私は前から気になっていたことを言う。

「あの、私、七色ちゃんじゃ、ないです…」

えっと驚いたように見る。
これだけはなぜか覚えてほしかった…
なんでだろう、白君には私のすべてを知ってもらいたいなって思う。
本当によく分からないけど…

「私、藤間 梓ですよ、白君」
知ってほしい。
知っててもらいたい。
私も白君をいっぱい、いっぱい知りたいんだよ。

私はあなたに初めて会った時から気になって気になってしょうがなかった。
だから聞かせて、聞いて。


私のこと、あなたのこと。



Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.38 )
日時: 2014/07/30 17:26
名前: 音宮 (ID: IvdLyRwl)

真side

藤間 梓…。
七色ちゃんの本名…。
僕はやっと七色ちゃんの本名を…

「藤間…梓…?梓ちゃん、梓ッ、梓!」
「なんですか、白君?」
呼ぶと、腰をかがめて僕の顔をのぞいてくる。
あの人がよくやるしぐさ。
やっぱり似てる…。

だから僕の名前を知ってほしい、呼んでほしい。
まずはその白君をやめてもらわないと。
「僕は白君じゃない、僕は、真。綾崎…真。真って呼んで」
「真…君?」

その声は優しくて僕の体全体に響き渡る。
とても気持ちようでよんでもらった後なのに
ずっと呼んでもらっているような感じ。

なんかいい。
好きな人に呼ばれるなんて久しぶりなんだ。

真、もう俺もでる。
もうそろそろ入れ替わってないと…。
奏の声がひびく。
そっか、もう時間か…。
わかった、入れ替わる。
そう思うとだんだん力が抜けてきて
「真君!?」
「何?こいつか…」
次の瞬間、僕と奏は入れ替わっていた。

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!! ( No.39 )
日時: 2014/07/31 11:03
名前: 音宮 (ID: IvdLyRwl)

梓side

えっ。
誰、この人。
真君じゃない、でも顔は真君…。
どうなっているの。

「真くぅううん!!」
誰かが遠くから走って来て真君の腕の中に入る。

「夢…」
真君じゃない、誰かが女の子の名前を呼ぶ。
「その声…は…さん?」
女の子が真君じゃない誰かのことをよんで
「そう、おみくじは引き終わったのか?」

なんか恋人みたいな雰囲気。
二人の間には誰も入れない空気が漂っている。

ズキッ。
痛い、胸がなぜか張り切れそうに痛いよぉ。
真君じゃない誰かだけど顔は真君…。
二人が楽しそうに恋人のようにしてる…。

冷たい何かが私の頬をつたう。
えっ。何だろう…。
それを私は手で拭く。
これ…、涙だ。
私、泣いてるんだ…。
ただ二人が楽しそうに話しているのを見ているだけなのに。
どうしてこんなことで泣くのかな…。
こんなにも胸が締め付けられて息ができない…。
だめ、だめ、泣いたら…。
周りの人に迷惑がかかちゃう。
でも止められない、止められないよぉー。

「それでね…」
二人の会話が遠く聞こえるよぉ。
なんだかすべてが真っ白に見えてきた…。
私の目の前にいる真君じゃない真君は誰なの…。
私の知らないもう一人の真君。

ねぇ、誰か教えてよ。
この気持ち、締め付けられるような息ができなくなるような痛みは
何かって…。
真君…。
あなたのこと、少しは分かったような気がしてた。
名前、知っただけかもしれない。
だけどね、私にはとっても大切で、それだけでも真君に近づけたと思った。
でも実際、私は真君のほんの少ししかわかってなくて、
うんうん、1ミリもわかってなかった。
だから私は、なんでも知りたい。
真君という人を。
だから教えてよ、聞かせて。
ねぇ、あなたはどこにいるのかな。
目の前にいる真君は一体、誰なの。