コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!![参照200突破] ( No.50 )
日時: 2014/08/23 09:52
名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)

第六話 梓の記憶と兄の葛藤

目を覚ますとそこは兄の部屋だった。
相変わらず私の写真がたくさん飾られている。

「梓!?起きたのか!?」
兄が私が目を覚ましたことに気が付き、ベットに身を乗り出してくる。

「うん、私、なんでここにいるの?」

「梓が倒れて俺がここまで連れてきた」

「そっか…」
私はそういって起き上がろうとする。

「だめだよ、梓。もう少し寝てなきゃ」
それを阻止しようとする。

「でも学校は?」

「学校なら今話したことを伝えて休んだ。俺もそう」

「そうなんだ」
納得する。
確かに倒れたのであれば休む必要があるだろう。

「だからもう少し寝てろ。お兄ちゃんは朝食の片づけをやってくるから」
というとすたすたと部屋から出て行ってしまった。

なんで倒れたのかと自分でも不思議に思う。
だってあんなにも目覚めの良い朝を迎えたはずなのに。
やっぱり昨日、お祭りではしゃぎすぎたのかな…。
お祭りか…、楽しかったはずなのになぜか涙がこぼれた。

「あれ…そういえば…なにか…忘れているような」
何か白いのが脳内に浮かぶ。
なんだろう…。
もうちょっとくわしく考えようとしたがすぐに消えてしまった。
ちょっと不思議に思いながらもそれほど重要じゃないかなと思い直し、
布団をかけなおしながら
まぶたを閉じ、私は再び深い眠りについていった。

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!![参照200突破] ( No.51 )
日時: 2014/08/23 09:49
名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)


「梓…」
俺は洗い物を終えてまた梓の様子を見に来たら梓は寝ていた。

なんだかこのような梓の姿を見ていると申し訳ないなって思う。

いくら梓のためにしたこととはいえ、ほとんどは自分の感情だった。

大好きな妹を自分の知らない男にとられることが、怖かった。

自分のそばから梓がいなくなると思うとやだった。

ただ俺は妹のためとか言っておきながらも、実際には梓を独占したかっただけ。

自分の勝手な都合で梓をこんな目にして…

今、よくよく考えてみると本当にすまないことをしたなと思う。

「ごめん、梓。本当にごめん…っ」

でもそう思う一方で、喜んでいる自分がいる。

梓が本当に記憶をなくしたならば、この先、あいつの元にはいかない。

ずっと梓が俺のそばにいる。

そう思うと嬉しくなって顔がにやける。

俺は二つの感情が混じって…頭がおかしくなる。

というよりも梓がこんな風になって喜んでいる自分が嫌だ。

なんてひどい兄なのだろうと自分でも思う。

「俺は…ああ、もう。俺は泣くべきなのになぜ笑ってしまうんだ…!?」



Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!![参照200突破] ( No.52 )
日時: 2014/08/23 09:59
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

こんにちは。
梓ちゃん、記憶消えちゃったんだ……。
それにしても慧は本当に梓ちゃんのことが好きなんだね。
知らない人にとられるのが怖いなんて。

続きがすごい気になる!
更新、がんばってね!

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!![参照200突破] ( No.53 )
日時: 2014/08/25 15:25
名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)

夕陽
うん。
梓の記憶、消えたんだ。
慧がなぜそんなに梓のことが好きなのかはもうちょっとしたら分かるかもね。

ありがとう。
頑張る。
夕陽も頑張れっ!

Re: 過保護すぎる兄と私とその他の人達!![参照200突破] ( No.54 )
日時: 2014/08/25 15:36
名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)


「お兄ちゃん…?」
梓は兄がそばにいることに気が付き、目が覚める。

「梓…っ」

「お兄ちゃん、どうしたの」
梓が俺がわけもなく涙を流しながら笑っていることに心配そうにする。

俺はすぐに涙を袖でふく。
「ああ、なんでもない…。梓は安静にしてて」

「うん…」

気まずい沈黙が訪れる。
その沈黙を破ったのはインターホンだった。

「誰か来たみたいだ。行ってくる」
俺はそういって気まずい沈黙から逃げた。

ドアをあけると20歳くらいの男がいた。

「どうも、慧さん。お久しぶりですね」

「お、お前…」

その男に俺は驚く。
だってだってそいつは俺の—