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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: とったま!! ( No.15 )
- 日時: 2014/07/29 19:39
- 名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: HYBdaZWe)
【#8 高と飛】
「いたた……ん?」
宏太は思い切り背中から床に落ち、頭を打ったとばかり思っていた。だが、違う。頭を打ったのは事実だが、背中に何かと凸凹した感じが伝わってくる。床はコンクリートで出来ている為、崩れた欠片くらいあるだろ。と思うが、そんな細かい物ではない。何というか……人?
宏太は体を起こし、背中の感触のした部分を摩りながら倒れていた場所を見た。
「げっ!!」
宏太は思わず声が出た。
自分の倒れていた場所には、もう一人人が倒れていたからだ。
「だ、だだだ大丈夫ッスか!?」
「ちょ、どうしよう……!」
猫目猫口(まあ彼は元から猫目猫口だが)で焦りまくりな常陸と自分の事でも無いのに自分の事のように焦る水野が駆け寄る。
水野が倒れている男の体に触れると、男の目が少し開いた。
低い身長に似合わない短い髪、鋭い目。
宏太はハッとした。
「君、あの時の!?」
人を指差すなと散々習ってきた宏太だが、この時だけはすっかりそんな事忘れていた。ビシッと人差し指を男に向けて問うと、男は首を傾げた。覚えてねえな此奴。と宏太は小さく呟いた。
「えと……君も一年生?」
水野が控えめに聞くと、男はこくりと頷いた。肩に掛かっているスポーツバッグから少しクシャクシャになった入部希望の紙を取り出すと、水野に渡した。
「えっと…………飛夜玖 清貴(ヒヤク キヨタカ)?」
「高と飛かー!今年の一年の名前は何かいい感じだべ!」
「それって俺達の名前が変って事……?」
「いや、そーいう訳じゃ……。」
そんな会話が聞こえてき、宏太のテンションは若干上がった。生まれてこの方他人にあまり名前を褒められた事が無かったからだ。
が、そんな宏太に対し、清貴の顔は若干怪訝だったがその事は誰も知らない。
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