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Re: とったま!! ( No.4 )
日時: 2014/07/15 19:34
名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: YC5nxfFp)

【#3 夢の高校へ】



「〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

流新は隣に座る宏太を横目で見た。
一応、“分からない所”が分かるようになり、さあこれからだという所で宏太はフラフラと立ち上がり、参考書系の本棚の間を抜け、スポーツ系の本棚が並ぶ列へ向かった。
そしてしばらくすると一冊の薄めの本を手に帰って来た。再び机に向かうと、本を広げ、活字を追い始める。
一体何の本だ、と流新は本を覗き、声を上げそうになった。本のページにはビッシリと高校の名前が掲載されていたからだ。しかも、スポーツの強豪校ばかり。
ページの内容に声を上げそうになったのもあるが、何方かと言えば受験勉強中に何やってんだ、という意味で声を上げそうになったのだった。
流新は意外と不良のような外見(主に顔付き)をしているが、中々勉強に熱心な男なのだ。

「おい……、勉強しろよ……。」

流新は小声で囁くが、宏太の返事は「うん」という何ともシンプルな物だった。
「ああ、此奴逝っちまってる」と感じた流新は視覚を宏太から机に広げたノートに移した。
宏太の他人から「癒される」、「見てたら気が楽になる」と言われる優しめの顔は、完全に本に囚われ、若干にやけ混じりの奇妙な顔に変わっていた。

ただ、流新は一つ思った。







ー此奴、こんな調子で受験受かるか?ー
と。