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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: とったま!! ( No.6 )
- 日時: 2014/07/16 18:33
- 名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: YC5nxfFp)
【#5 小さな化け物】
入学式当日。
宏太はもう心の高鳴りが止められない。
入学式中もソワソワして落ち着かなかった。早く、早く部活の時間にならないか。
入学式も終わり、教室に戻ると上部に入部希望と書かれた紙を渡された。
これで、念願のバレー部員だ!宏太はそう思った。
しかし、担任となった綺麗な顔立ちの男に、今日は何処も部活動をしていない。と聞かされた時、止まらなかったソワソワが一気に冷めてしまった。
「はぁ……。」
大きな溜息をつき、教室を出ようとした。その時、
ドンッ!!
突然宏太は隣の教室から走ってきた男に衝突された。
男はその場に尻餅をつき、宏太はバランスを崩し掛けたが、なんとか持ち堪えた。
いそいで、男に手を差し出す。
「ごめん、大丈………」
パシッ
鋭い音が廊下に響いた。
男が宏太の手を叩いたのだ。
唖然とする宏太を置いて、男は立ち上がる。
背が低いなぁ。と思っている間にも男は宏太の横を走り去ってしまった。
「……………。」
身長に似合わない鋭い目。短い髪。
そして微妙にチャックが閉まっていない鞄から、バレーシューズが覗いていることを、宏太はしっかり覚えていた。
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