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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: とったま!! ( No.9 )
- 日時: 2014/07/19 21:50
- 名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: FvYbH6zw)
【#6 崩落】
「あの子、背低かったなぁ。」
宏太は自室のベッドに寝転びながらぼーっと天井を眺めていた。
考える事はただ一つ、今日帰りに出会った男の事である。
鋭い目、短い髪、低い身長。そして鞄から覗いていたバレーシューズ。
「あの子もバレーやるのかな……?」
そんな事を思っていると、突然睡魔に襲われた。
宏太は睡魔に抵抗せず、静かに目を閉じた。
入学してから二日目。
見学でも体操着を着ていれば、少しだけ練習を体験できるという。
それって見学じゃなくね。と思いつつもさっさと体操着に着替え、第二体育館へ向かった。
ガラ、と重い扉を開き、中の様子を伺う。
まだ練習は始まっていないらしく、中ではネットを張ったりしていた。
その光景を見ていた宏太に、一人の男が近付いてきた。
無造作に跳ねた髪、眠そうな目、宏太より高い身長。
「一年?」
顔だけで無く、声も眠そうな男の質問に宏太は大きく頷いた。
男はそれを確認すると
「身長は?」
と聞いた。
シンチョウ、身長。
宏太はその質問に若干混乱した。勿論身長が何か知らない訳では無い。
しかし、何故突然そんな事を聞くんだ?そう思いつつ、宏太は素直に自分の身長を伝えた。
「百七十三です。」
「ふーん……。」
男はまじまじと宏太を見詰めると、こう言い放った。
「ウチ、百八十以外いらない。」
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