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Re: 能力少女 ( No.104 )
日時: 2016/03/24 00:49
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

 なんだったんだあの人はと頭のなかで重いが膨らむと同時に、ユリは少し呆然とした。が、

「お! どうしたの? ねえ、ねえ、ユリちゃんって言ったっけ? コスプレって興味ない?」

 そんな、甲高い、そしてテンションの高い声が聞こえてきた。

「え? コスプレ? 興味はないと言ったらうそになりますが……」

「じゃあ、やろう! あ、私の名前は坂上 華理奈(さかうえ かりな)だよ。能力は、瞬間移動だよ」

「ふぁ!?」

 ユリは嫌な予感がした。正確に言えば、ユリにとってはとても恥ずかしく、玲にとってはとてもうれしい事が起こるような気がした。
 そして、その予感は的中した。

「なんかユリちゃん年齢の割にいい体つきしてるから思い切ってチャイナ着よう? というか着せるね! はい!」

「・・・・・・っ!」

 一瞬で着替えさせられた。とっても目立つ、真紅のチャイナドレスというものに。ユリは一瞬恥ずかしさのあまり体が固まってしまった。
 すると、どこからか少し震えた、しかし、とてもユリには聞き覚えのある男の声が聞こえた。

「華理奈、ナイス」

 ユリがその方向を見ると、玲がいた。よく見ると鼻血を出している。少しその行動に引きながらも、ユリは玲にツッコミを入れた。

「ナイスじゃないわ! ていうか、肌の露出多くて恥ずかしいんだけれど! ・・・・・・着替える」

「え? 大丈夫! 似合っているよ? あ、言っておくと私はコスプレをするのは趣味じゃなくて、コスプレを見るのが趣味なんだよ。これからよろしくね」

「・・・・・・・・・・・・。よろしくお願いします」

 ユリは戸惑いながらも華理奈に挨拶をし、そのあと一瞬で服を着替え、玲の鼻血を止めた。


 そのあとに話してきたのは、執事とメイドの恰好をした、男女二人組だった。
 身長が私よりも少し小さく、青色の長い腰まである髪を両サイドでまとめた女の人が、ユリを心配しながら話しかけてきた。

「あのさ、さっきは大丈夫だった? 不意打ちだったでしょ。あ、私の名前は彩霧 璃柚(さいむ りゆ)だよ。年齢は二十歳で、持っている能力は相手の記憶や、思っていることを覗くことができる、だからいわゆる透視能力だね。で、私の隣にいる男の人は如月 紺(きさらぎ こん)で、同じく二十歳。持っている能力は未来を知れる能力、予知能力だよ。よろしくね」

 それと共に、隣にいた男、紺が挨拶をしてくる。

「よろしく」

 ユリはやっとまともな人に出会えたと思った。
 が、それは勝手の思い違いだということに気づくことになる。

「あれ? その格好ということは何か金持ちさんが、ここにいるということですか?」

 そう、この二人は絶対普通に人が仕事以外には、絶対にしないであろう格好をしている。
だから、そう思ったのだ。だが、違った。

「違うぞユリ。こいつらは趣味なんだ。この格好が」

「ふぁ!? え、そうなのですか!?」

 驚いたユリは瞬間的に質問した。それにニコニコしながら紺が答えた。

「うん。趣味だよ。だってこの格好なんかかっこいいじゃん。あ、もちろん公共のところでは、コスプレはマナー違反だからやってないよ。緊急の時は、そんな着替えてる暇あるのなら早く行けということで、着替えないで外に出るときもあるけど。ここにいるときは俺は執事で璃柚がメイドの格好してるんだよ」

「おお、そうなのですか・・・・・・。凄いですね」

 地味に丁寧な説明に、もうユリはただ茫然しながらも、ただ感心するしかなかった。