コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力少女 ( No.110 )
- 日時: 2016/03/29 18:26
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
ここは、玲達の組織と対立している組織。要するに、ユリが病院にいた頃話されたものにも出てきた、超能力を持って頭がおかしくなったやつらで、能力者だけの世界を作ろうとしている組織だ。
そんな組織に潜入しているのがさっきも出てきた、黒田 柳だ。柳の能力は造形能力(ただし物騒な物しか作れない)と物の命を吸う能力だ。そう、彼の能力は非常に危険で、物凄く日常に使えない。しかし、スパイとして雇うのなら結構使える。バレたとしても何とかなる。因みに甘那に人としてやってはいけないことは絶対にやるな。ときつく言われているのでそういうことは絶対にやらない。
「あー、甘那さんに会いたい。話したい。遊びたい……」
そう呟きながら彼の一日は大抵終わっていく——はずだった。
「ねえ! 黒田さん! 何赤いソファーに座りながら虚空を見つめているのですか? 暇なら遊びましょ! トランプとか!! で!!」
「……面倒くさいから、やらない」
いま柳に向かって話しかけてきたのは少し明るい肩まである黒髪に紫の瞳を持つ、黒咲 闇だ。ここのボスの娘であり、結構な戦闘員。雷が操れ、身体の形を変え、凶器にできる能力を持つ高校一年生の15歳の少女だ。
「えー。いいじゃないですか!! ほら、今ならほかのメンバーもいますから大富豪とかできますよ? やりましょうよ。ね! 麻央!」
と、唐突にたまたま近くにいた黒髪で肩まである髪をツインテールにしている中学一年12歳の少女、時を止められ、人間の心が読める能力を持つ、大庭 麻央(おおにわ まお)に話を振る。
「どうでもいいです」
が、即答で断られた。
「あうっ……釣れないなぁ。ねえ! 七草! あんたは!」
「……俺はパス。ロイがやってるれるって。良かったね」
「え!? 俺やるの!?」
七草、城内 七草(じょうのうち ななくさ)とはユリを血まみれにした男で、女の子のようにかわいい外見を持っている。能力は存在を消すことができるというものだ。ロイ、南会 ロイ(みなみえ ロイ)は指令を出していた、玲に化けていた人で、能力は姿を変えることができるというもの。
ロイはとてもめんどくさそうに溜息を吐く。が、そんなことお構いなしに、闇は目を輝かせる。
「ほんと!? ロイありがとー!」
「マジかよ……」
「ドンマイ」
「お前なぁ……」
「あ! 常盤さん! 常盤さんも一緒にトランプやりましょ!」
常盤、常盤 絵梨(ときわ えり)しょっぱなからユリの頭をもってつりさげた本人。だが、その記憶はユリの手によって消去されたので今は無い。茶髪のウェーブがかかった髪を持ち、一般から見たらお嬢様と思えるほどの容姿を持っている。能力は、運動能力の上昇だ。
そんな絵梨は何かを考えているかのように壁にもたれながらうなだれていた。
「…………」
「? 常盤さん? どうされました?」
気づかれなかったという悔しさに、闇は耐えつつ、もう一度言うと、絵梨がキョトンとした表情で闇を見た。
「……? あ、ごめんごめん聞いてなかった」
この状況はトランプどころではないと判断したのだろう。闇は眉を八の字にしながら問う。
「どうされたのですか? 何か悩み事でもおありなのですか? 私で良ければお聞きしますが」
「ん、そんな大したわけでもないんだけれど。この前敵の組織さんと戦った時、その中の男の子の知り合いらしき人が割り込んできちゃったのよ」
「ほう」
「で、私は何も出来ずに逃がしちゃったんだけれど、なんかどっかで見た顔だなって思ってさ、それを思い出そうとしていたのよ」
誰なんだろう? と頭を傾げながら必死に思い出そうとしている、絵梨に反応したのが一人いた。ロイだ。
「あ! それってあの、詠紀玲ってやつと一緒に住んでる咲乃ユリってやつですかね? 黒と茶色がごちゃごちゃにまじりあってる髪を持ったポニテの子!」
その名前を聞き、柳は気づかれない程度に目を見開く。そのまま、興味が無いという風に装いながら話に耳に傾けた。
ロイの答えは正解だったようで、絵梨はとても気持ちよさそうにする。
「あ、その子! って、ずいぶん詳しいのね」
「ええ、この前襲撃してきましたからね。結構な曲者だったので覚えていただけです」
「……ああ、あの子か。ロイの能力を見抜いたけど俺にやられちゃった子」
そこに七草も参加してきた。
「え? 殺ったの?」
「命令が出たんで」
「素晴らしいね」
「マジかよ」
柳は思い出す。確か咲乃ユリは玲が密かに思っ……じゃなかった。一緒に住んでいる少女のことだ。たまに組織に帰る時があるけれど、玲にあうと結構その子の話を聞かされた。
その子が殺されたとなると、ものすごく玲が壊れてしまうのではないだろうか? そんな不安が柳の体を蝕んでいった。
そんな時だった。
「お? 咲乃ユリ? お前らなんでそんなガキのこと知ってるんだ?」
地味に野太い、しかし空間に通る声が一同の耳に入ってきた。
「あ、邦真! そういえばあんた前はあっちの組織に属してたんだっけ」
そう、裏切り者、程よい筋肉を持った年齢24歳の荒野 邦真(こうや ほうま)だ。炎と自我をあやるれる能力を持つ、最も敵に廻して行けなかった人間。
邦真は懐かしそうにする。
「玲のやつがよく話してたな。俺の家族なんだって」