コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力少女 ( No.130 )
- 日時: 2017/04/06 11:30
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
「そして数週間後。誰が何と言おうが、数週間たったのだ。あの言い方がおかしいおっさんは警察に捕まり、その相手方の組織も何人かは捕まり、何人かはというか、一人だけ普通にただたんに本当に何も悪意もなく本当に操られていただけの雷女だけ玲の所属している組織に預けられた。リナのことは正直本当に死んだと親は思っていたので、結構な感じで驚かれたけれど、いろんな人の協力もあって、そしてもともと親がおかしな人で会ってくれたため、能力とかそういうものを使わずに受け入れてもらえることができた。そして今——私にはやっと数年ぶりの平穏が訪れてイタッ」
ユリは頭と舌を同時に抑えながら、何か重たいもので自分の頭を叩いてきた人物を瞬時に特定し、勢いよく睨んだ。
「なーにが平穏だよ。こっちはいろいろわっかんねえ内にいろいろ終わって、よく分からないうちにいろんなことが始まって大変なんだよ。ふざけんなよ」
ユリが睨んだ先にいたのは金髪でいかにも柄が悪そうな男の紅佐凪 愁哉(くさなぎ しゅうや)だった。そんな一見厳つい顔を気だるそうにめんどくさそうに、それでいて少々機嫌が悪そうに歪めながら、その手には軽く数十キロは入っているであろう業務用の小麦粉の袋存在していた。どうやらこれでユリを殴ったらしい。
「紅佐凪さん! ちょっとそれで今やったんですか!? すっごい痛かったのですけれども!」
「あ? なんだっていいだろう。ハケでも、25キロ入った小麦粉の袋でも、ゴムヘラでも」
そういいながら愁哉は持っていた袋をどさっと床に置き、近くにあったはかりで粉の分量を量りだしす。
「よくないですよ!」
「叫ぶな。大事な食料に唾が飛んだらどうするんだよ。大事な食料がお前の無駄な息でどんで言ったらどうするんだよ」
「うぐっ……ぐぬぬぬ」
何も言えないとばかりにユリは目に涙を浮かべながら手を握り締めた。
そんな瞬間にチリンチリンという可愛らし気な音がユリと愁哉の耳に届く。
「ん? 今は確かクローズに……あ、こいつらならいいや」
そういって作業に戻る愁哉。ユリは誰が来たのだろうと顔をあげた。
するとそこには、メイドと執事の格好をした二人組、か弱そうな男の子、一見女に見えるけど男の人、何やら楽し気にある県の名物の餅を持っている人、何やら怪しげな服とカメラを持っている人、自意識高そうな人、それをハラハラそしていらいらしながら見ている人、それをなだめている人、そして、それを楽しそうに物珍しそうに見ている人がいた。
異能組織の人たちだった。
その中の黒っぽい服を着たユリにそっくりな少女が楽しげに声を上げてくる。
「ユリ! 来たよ!」
エプロン姿のユリは嬉しそうに、今までの笑顔で一番幸せそうに笑って言った。
「———」