コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力少女 ( No.78 )
- 日時: 2015/02/16 23:51
- 名前: ろろ (ID: .KVwyjA1)
涙を流してしまったユリは、崩れるように床にしゃがみこんだ。そして、うめき声のように小さく、う・・・うう・・・と言いながら手で顔を押さえ、必死に涙をこれ以上流さないようにする。
もう、なんで泣いちゃうかな・・・私、これは、もう、認めたことになっちゃうじゃん。
顔も多分真っ赤だよこれ。自分でも熱く感じるもん。ああ、馬鹿だ。自分。
ばれるわけにはいかないのに・・・。ばれるわけには・・・
『もう、ユリってば気ィ使いすぎ。 大丈夫だよ言っても』
!! いきなり話しかけないでよ、ビックリするじゃん! でも、いいの?
『いいよ。 てか、この人たちはユリを守ろうとしてくれてる人達なんでしょ?
だったら話さなきゃだめ。良いとか、悪いとかの問題じゃないとも思う。』
そうか、まあ、本人に言われちゃ何にもいえないよね。
『そうだよ。 アンタの体の中にいる本人がそういってるんだよ? だったら話さなきゃ。
そうでしょ?』
うん。そうだね。じゃあ話すよ。といってもどう話がいいかわかんないんだけどね!
『あぁ?』
・・・・・・。スミマセン。オ姉サマ、でも、完璧に、周りの方がなんか言って
くれないと気まずいというものがあります!
『ああ、泣き崩れちゃったからね。それならあたしが自分で話そうか?』
ううん。でもがんばる。だけど、自分から言いたくなったら言い出していいよ。
『そう、わかった。それちゃあ、五感だけ共有対象にしとくから。がんばれ』
あれ? さっきも共有してなかったっけ?
『細かいこと気にしたら負け。だから、がんばれ』
そうだね。うん。がんばる。
そして、ユリは止んだ涙を拭いて立ち上がった。立ち上がったら正面に3人がいた。
「うわ!」
「「「おお」」」
ユリの驚いた声で3人が微妙に反応した。しかも、声はそろっていた。そしてユリは、
「ビックリしたー!!」
心臓に手を当て、笑いそうなんだか、呼吸を整えてるのかよくわからないしぐさをしていた。
それを見た垣根がわざとらしく手を肩まで上げながら言った。
「いや、こっちの台詞だよ。急に泣いちゃったと思ったらしゃがみこんじゃったし、
それに今、急に立ち上がったら涙なんて、え? さっきホントに泣いてたっけ?
涙線どころか、目が赤くはれ上がってもいないし! 何なんだよ! 君は!!」
「え!? 私ですか!?」
すると垣根はビシッと指をユリに向けていった。いじけた感じで、怒ってる感じで。
「そうだよ! もうユリちゃんが考えてることがよくわかんないよ!」
「いや、私からしたら垣根さんの考えてることがわかんないんですけど」
「そうなの? あと、誠仁さんって呼んで!君からはそれがいい!」
なぜか垣根は威張る風に言ったのでユリは首をかしげながら言った。
「? そうなんですか・・・。わかりました」
そうして、話がひと段落と言うかなんともいえない落ち着いたら雰囲気になったら
「で」
と、とても低い声が聞こえた。ので、ユリが声をした方向を見た。するとそこには、
まっすぐにユリを見て、腕組している甘那がいた。どうやらその声は甘那から
発しられたらしい。そして玲が甘那の隣から笑いながら甘那に言った。
「お前、今すっごい低い声でたな」
そして甘那は首を縦に振りながら言った。
「うん。自分でもビックリした。でも今はそれどころじゃない。ねえ、ユリちゃん」
「何ですか?」
「今気づいたんだけどさ、ユリちゃん、なんで瞳孔赤いの?
この前会った時は黒かったよね」
「お、甘那さんよく気づきましたね」
「うん。なんかふと見たらって感じだったんだけどね」
「ユリはたまに瞳孔赤くなるよな。それってなんか意味でもあるのか?」
「うん。あるよ。でもそれを話すには少し話が長くなっちゃうと思うけどそれでもいい?」
「ああ、いいとも! それが、ユリちゃんの泣き崩れる理由につながるなら」
「そうですか。それじゃあ、お話しします」
「ということは・・・・・・」
「つながってますよ。というか、それが原因というか・・・」
『うわー。ユリひどーい』
ごめんごめん。
「それじゃあ、お話ししますよ。なんで私の瞳孔が赤くなるのかも、なんで私が、
さっき泣き崩れたのかも」
「うん!お願いするとするよ!」
垣根が元気な声で返事をするように言った。そして、ユリはゆっくりと言った。
「まず、か・・・じゃない。誠仁さんの言うことは当ています。ほぼ的確に」
「ということは・・・」
「うん。私の体の中にはある超能力者の魂が入っています。そしてその人が、
私の五感を共有する時にだけ瞳孔が赤くなります」
「そうなんだ。そして、その超能力者って誰?」
甘那がユリに意味深に聞いた。どうやら興味津々のようだ。そしてユリは、
「それは・・・」
今にも消えそうな声で言う。それ玲と甘那は2人声をそろえて
「「それは?」」
と聞いてくる。垣根は楽しそうに腕組をしながらユリの言葉に耳を傾けている。
そして、ユリは今にも消えそうな声でそれでも意を決したように言った。
「それは、私の・・・私の双子の姉、咲乃 リナです」