コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 能力少女 ( No.83 )
日時: 2015/06/10 02:19
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

 さて、何から話しましょうか。まずは私たちのことをおさらいしときましょうか。私とユリは咲乃真里斗、由理菜から生まれた一卵性の双子で、顔とか似てます。そして、私とユリは、生まれながらに能力を持っていました。ここまではいいですね?
 では、話していきましょう。私とユリの物語を。
 ここからは、私が知っていることだけのみを話します。言っておきますけど、ユリの中に魂が入っているからってユリの記憶や、考え事がわかるって事はありません。視覚や味覚、などの五感は分かってもそういうものは一切わからないです。その辺はご了承くださいね。
 私達は日本生まれですが、親の研究等の都合で約3歳ごろから海外で育ちました。そして私達は頭が良かったので、いわゆる飛び級というもので10歳には大学を卒業しました。
 能力? そうですね。そんなものは使っていませんでしたよ。あ、でも私は使ってたか。お遊び程度に。壁潜りとかやっていましたよユリと。あれは楽しかったなー。壁の中で内緒話とかよくやったなー。あと、どこでもドアとか創造してホントに作って扉開けてハワイ行ったりしたなー。でもその後お母さんにばれて怒られたんだよなー。懐かしい。
 あ、ちょっと話がずれてしまいましたね。戻します。
 そんな平凡な私たちの生活に変化が起きたのは大学にかよっているとき、9歳のころの事でした。その日は私とユリが母に買い物を頼まれ、ホームセンターに買い物を行くというただ聞いていばいい家族だなーとか、かわいい娘さん達だなーとか言って終わる日だったのですが、そうはいきませんでした。
 私達はその日、買い物に行ったホームセンターである事件に巻き込まれたんです。
 まあ、軽く言えば立てこもりです。死者はそのホームセンターでたまたま買い物していた人ほぼ全員で、生き残ったのはたった5,6人でした。
 その出来事によって私達姉妹の歯車が狂ったといっても過言ではありません。なにしろ、知りたくない事実を知ってしまったのだから。
 ここで言っておきますが、このエピソードはかなりグロイです。何しろ人が死んじゃってますからねえ。ま、聞きたくない人は目をつぶっていてくださいよ。
 これから私の能力付きでお話ししちゃいますから。



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 それはある春の出来事。私はいつもどおりに時が進んで楽しい一日になるんだろうと思っていました。お母さんに頼まれたいつかいは一回目でもなかったし、顔見知りのおばさんのいるホームセンターはとても好きな場所でした。ユリとはふつうに
「ユリ! 帰ったらなにする? おままごと?」
「それってリアルじゃ・・・・・・」
「え? なんでわかったの!? 凄いよユリ!」
「リナはいつもそればっかりじゃん・・・・・・。年齢相応の遊びしようよ・・・・・・」
「やだ!」
「わあ! きっぱり断られちゃった!」
 なんて会話しながらでしたし、とてもそのあと、あんな悪夢みたいな出来事が起こるとは思っても見ませんでした。

 私とリナは無事、ホームセンターに着き、顔見知りのおばさんと他愛のない会話をし、頼まれたものを買い物籠に入れてレジに通し、もう帰ろうとしたその時でした。

『バァン!』

 という音が聞こえたのでした。とても大きな音で、少しふらつくほどでした。私は怖くなって、ユリの顔を見ました。ユリはとても冷静でした。「行くよ!」と言って私の手を握り、出口に向かって走り出しました。しかし、出れませんでした。出口には、沢山の『銃』という武器を持った大人がいっぱいいたのでした。その大人たちの周りはなぜか真っ赤でした。白いはずの床が、真っ赤でした。不思議でした。そんなことを思っているまに私は意識を失いました。

 意識を取り戻した時、私はユリの隣にいました。しかし、体が動かず、手にガムテープがぐるぐるまきで貼ってありました。とても痛かったです。
 ユリの顔を見ると、とても険しい顔をしていました。でも、私が意識を取り戻したことに気づくと、顔をくしゃくしゃにしていました。泣きそうな顔をしていました。小さい声で「良かった」
って言いました。優しい声でした。私も小さい声で「大丈夫」って言いました。ユリは優しい顔で私を見てくれました。お姉さんみたいだなって思いました。実際は私のほうがお姉さんなのに。
 そして私はそのあと、そんなのんきなことを思っていたことに嫌気がさします。なぜって、そりゃ、周りが地獄絵図と化していれば誰だってそう思いますよ。そう、私たちの周りは、一言で言うと地獄絵図、
血の海というほどに悲惨なことになっていたのでした。