コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 能力少女 ( No.86 )
日時: 2015/07/11 01:03
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

 もう、訳がわかりませんでした。
 まず、なぜ、わたし達が生きていたのが不思議でたまりませんでした。だってもう、私達以外は皆、死んでいたのですから。
 そう、みんなみんな動いていませんでした。いや、動いていた人はいましたね。ほんの数人。全員、何かしら武器持ってましたけど。動いていたのは私達姉妹と、テロみたいのを起こした者達。
 そして、その人たちのリーダーらしきスーツの上に白衣を着た以下にも真面目そうな風貌で銃とナイフを手に持っている男の人は私達に向かって言いました。楽しそうに、うれしそうに。とにかく、狂っているように私は見えました。
「ねぇ、君たち、今の気持ちはどぉ? さぞかし怖いのだろうね。大丈夫? うーん、白い服を着た女の子、君はもうちょっと怯えたような顔したほうがいいよ、そうしないと俺がつまらない! そう! つまらないんだよ! だからもっと怯えてよ! 泣き喚け! 命を請えよ! その隣の黒い服を着た女の子は今にも泣きそうな顔をしているというのに! あれ? もう泣きそうな顔をしていない!? むしろ俺をいたい人を見るような目つきで見ている! なんと! これは驚きと共に怒りがわめいてきているぞ! でも! 俺は君は殺せない! そう! あと俺が殺せるのは・・・・・・あの、白いワンピースの少女のみ・・・・・・。あはははは!! なんと悲しいことなんだ! 俺的にはもの凄く気に入ったやつを殺せて、俺的にもの凄く気に入らないやつを殺せないなんて! ああ! なんと悲しいことなんだ!」 と。
 私には意味は全くわかりませんでした。
 しかし、ユリは、この言葉をきいてつぶやいたのでした。隣にいるわたしにぎりぎり聞き取れるぐらいの声量で「そういうことか」と。その後にも男の人は何か大声で言葉を続けていましたが、私はユリの言葉の意味が知りたくて頭をフル回転していたので頭に入ってきませんでした。そんな時にユリは私の耳に唇を近づけていったのでした。さっきよりも小さな声で。
「こいつらは私がひきつける。だから、リナは、逃げて」と。もう、意味がわかりませんでした。
 なので、私は声に出して反論するのをやっとの思いで抑え、テレパシーで私の思っていることを伝えました。そんなのは無理だと。ユリを置いて逃げることは出来ないと。
 でも、ユリは、そんなことは認めてくれませんでした。
 帰ってきた言葉は「だいじょうぶ」この言葉だけでした。わたしを信じてという言葉も、絶対死なないからとか言う言葉もありませんでした。そして、ユリは挑発するように男の人に言いました。「馬鹿じゃないの? こんなことして何になるって言うの。あんた達の計画は絶対に成功しない。私がいる限り」 と。
 そのときのユリの顔はとても笑っていました。男の人たちを嘲笑っていました。
 その行動を見た男の人はとてもきれていました。この世のものとは思えない鬼のような形相でした。
そして言いました。「おお! 君は何を言うんだ!? 君は何を知っている!? 君のような凡人が! 君は少し物事を考えたほうがいい! 俺たちとは格が違うんだよ!? 人間では天才でも、俺たちにとっては
凡人で、虫けらみたいなものだということを知ったほうがいい!」 しかしユリはそれを嘲笑うかのごとく、というか嘲笑っていたのですが、言いました。「え? なんで? 私にしたら、あんたらのほうが凡人なんだけど?」 と。
 もう意味がわかりませんでした。私の頭はパンクしそうでした。
 そんな時にときに私の体に異変が起こりました。勝手にある能力を起動していたのです。
 その能力は空間転移。場所と場所を行き来できる能力。
 それを見たユリは私に向かって言いました。「早く行け! こいつらが狙っているのは、あんたの能力だ!!」 と。そういうユリの顔はとても悲しそうな顔をしていました。とても、とても。まるで、もう、自分がいなくなることを悟ったみたいに。
私ともう、一緒にいられないのを悲しむかのように。
 なぜ、瞬間移動じゃなかったのかなぞですが、まあ、それはおいといて、空間転移をし終わる頃、最後に私が見たユリの姿は真っ赤に染まっていました。