コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力少女 ( No.88 )
- 日時: 2015/07/17 20:36
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
そう彼女、リナがこのように言い終わるとため息をつき
「あー思い出したくないもの思い出したなー」と言って、
床に座り込んだ。しかし、まだ大事なことを話してもらってない。
謎が膨らんだままだ。
だから俺はリナに急かすように問う。
「それで、どうなったんだ? ユリは。そしてなぜ、君がユリの中に入ったのか教えて」
それを聞いてリナはニカッとわらい、
「それはですね、私が転送されたのは家で、目を開けたら親がいたので
そのとき起こったことを能力を使ってだーっと頭の中に直接流したんです。
そしたら2人とも頭が良かったから全て理解してくれて、
急いでその現場のスーパーに行ったわけです。するとどうでしょう!
姉は生きてました。そして、立ってました。放心状態で。
もう、目に何も映ってませんでしたね。真っ暗でした。
で、おかしなことがありました。さっき私はなんと言いました? そう、
ゆりの姿は真っ赤に染まってたといいました。するとどうでしょう
。ユリの姿は服などは赤くなってました、しかし、おかしいんです。
ユリの体には傷一つ、かすり傷ひとつついていませんでした。
そう、服も白が赤になってたものの、そのほかは何一つ変わっていませんでした。
きれいでした。だからこそおかしいのです。ユリは、能力者じゃないはずなのに・・・・・・。
その考えが頭の中に駆け巡りました。なぜ? なぜってそう思いましたよ。
でも、私は短気なんです。なので能力を使いました。
能力を調べる能力と、相手の記憶を調べる能力。そして知りました。
ユリは能力者ということを。ユリが服を直したということを。
ユリが強く失望感を抱いてるということを。ま、軽く言うとユリは生き返ったんです。
能力が強力すぎるせいだと思うのですが、ユリは生き返りました。これは内緒ですよ。
親達には。で、ユリが突っ立ていたのは疲れたからというのもありました。
叫んだんですって。受け止めきれなくて。今はわかんないですけど。
と、そんな感じでユリと私の悲しき物語は幕を開けたということですね。
そして本題。わたし達が11歳の時の話ですね。実はこれ本当に覚えてないのですよ。
事件が起こったのはとある工場みたいなとこで、私とユリはいつの間にかそこにいたという
感じでしたね。で、そこにいたのはほぼほぼ能力者でした。
能力者以外はその血縁者と親友とか恋人とか。あ、この事件が起こったのは日本です。
製品名とかが日本語で書かれていたので。あの両親がユリを日本に置いとくのはこういうことです。
で、ここから記憶がぶっ飛びます。気が付いたらユリはもの凄く悲しい顔をしていました。
そして、私のところにこようとしか瞬間、私は気を失いました。なぜかって?
それは殴られたからですよ。後ろから不意打ちでした。誰に殴られたのかもわかりません。
私がもうちょっと気をつけてれば良かったのですがね、やってしまいました。
その過ちで今はこうしてユリの中にいることになっちゃってるんですから、悲しいことです。
でも私は、ユリのとっさの判断に救われたというかなんというか・・・・・・。
ま、一言で言うと私はこれでよかったと思っています。
ユリのとっさの判断は私の魂を肉体から引き剥がすというものでした。
そして私は魂と肉体を引き剥がされ、ユリの体の中というか精神? にはいりました。
そのときにユリは何もいいませんでしたが、敵を軽く蹴散らした後、ユリは泣きながら私にいました。
『ゼッタイ助けるから、それまでここ・・・・・・私の中でまってて』と。
ここでユリは意識を失ったのでした。私がおぼえているのはここまでです。意外と長かったですね」
と、リナが笑ったままでいった。ずっと笑ったままでリナは話してた。
だから、温度差が凄くて、逆にぞっとした。本音を言うと、
怖かった。
凄く。
甘那達を見るとなんともいえない表情をしていた。
とても悲しいような、恐ろしいような、だからこそ何か声をかけたいけどなんてかけたらわからないという感じだ。
そうすると、リナはそれを感じ取ったのか、
「あはは! そんな変に思ってもらっても困りますよ! 大丈夫、私は?
こうして元気ですよ! ユリはわかんないけど、でも今はとても楽しそうだし、
そんなに気を遣ってもらおうと思っていませんし。むしろ気をつかわないでほしいですし、
だからそんな顔しないでください。と、いうことでそろそろ私はおさらばします!
なので、これは私からの忠告! ユリは昔の事を思い出しているときは決まって
少し首を傾げています。そんな時はちょっかいを出してあげてください。
過去に引きずられてもいいことないですからね」
と、リナが元気に言った。
「そうか」
俺がうなずくとリナは元気に
「はい!」
と返事をした。本当に笑うやつだと思う。そして、
「わかったわ、ユリちゃんをかわいがればいいということね!」
甘那が少し興奮気味にいった。ちなみにその隣にいる垣根さんもなぜか興奮気味だった。
それを見てリナは笑う。
「あはは、そういうことです。では、またこんど」
そういってリナはユリの中に帰っていった。