コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 能力少女 ( No.95 )
- 日時: 2015/11/23 19:57
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
「甘那さん、これからどこ行くんですか?」
これから何が起こるのがわからないユリは甘那に楽しそうにそう問いかけた。
「ん? 聞く前に能力で探ったほうが早くない?」
ユリに問いかけられた甘那は、きょとんとした顔をしてそういったが、その後、やってしまった、という顔になった。
しかし、ユリはあっけらかんとこう言ったのだった。
「確かにそうなんですけどね、能力は極力使いたくないんですよ」
玲が何かに気づき、助け舟を出す。
「体力消耗するからだろ?」
「うん。そう。というか、それさっき言った気がするんだけど・・・・・・」
「ごめんね、ユリちゃん、私物覚え悪いから」
甘那がしゅんと悲しそうな表情でユリを見る。ユリはそれを見てその空気を一掃するように笑う。
「いえいえ、大丈夫ですよ」
まあ、そのほかにも理由はあるんだけどね。言わないけど、絶対めんどくさいから。
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たわいのない雑談をしながら3人はあのいろんな濃い人たちがいた大広間みたいなところに通じる扉のところまできた。
そしてユリはこれから何か起きそうな気しかなく、内心ハラハラドキドキしていた。
しかし、そんなユリとはよそに、他の二人はしれーっと普通に中に入ろうとする。そして、甘那は扉にそっと触れる。
—————————————————ッパーーーーン!
「せーの」「「「「「「「ようこそ! 咲乃ユリさん! 我が組織へ!!」」」」」」」」
扉が開いた瞬間、ユリに向かって一斉にクラッカーが鳴らされた。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
予想はしていたものの、まさかクラッカー×約10を一気に浴びせられるとは思っていなかったユリは楽しいほどいい反応をした。
我ながら凄い反応をしてしまったな・・・・・・。まさかこんなにクラッカーが鳴らされるとは。ビックリして倒れこんでしまった。
でも、私は見逃していない。
ユリはある方角に向かって睨む。
「れーーーーーいーーーーー?」
「ギクッ」
そこには玲が立っていた。
「クラッカーは火薬使ってあるって知らない? 今、能力、使ったよね?」
玲が怖気づいて涙目になる。
「は、はいっ! いや、でも! これは計画内の範囲でして!!」
「緊張しすぎで強かったよー、玲、緊張しちゃだめでしょ」
甘那がユリの味方についた。
「と、言うことだよ」
ユリが服に汚れがついていないか確認しながら立ち上がる。
「ごめんなさい」
玲はきれいに体を90度に曲げ、謝った。