コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 舞えし蝶は暗闇へ散る゜.:。+゜remake ( No.18 )
- 日時: 2014/08/20 00:34
- 名前: 覇蘢 (ID: o/NF97CU)
_「此処が競技場…」
むさ苦しい男達の中ウロウロと歩きまわる。
「おい、お前」
「どんな人がいるんだろ」
「おいッ」
「やっぱり薙刀は本来女人が使っていたものだから、わたしだけかな」
「……こら」
「あ!もしかしたら同い年位の女の子もいるかも!」
「おい…ッ!!無視すんじゃねえよッ!!!!」
思いっきり後ろから肩を引っ張られたため体制が崩れ、その人に体重を預ける形になってしまった。
「!!?!?」
「…ッたく。俺様を無視するなんていい度胸じゃねえか」
……背、高ッッ
その男に寄りかかったまま後に頭を上げた。
「………黒豆」
彼を見て出た言葉がこれだった。
「誰が、黒豆だ。コラ…」
「ッい!いヒャ!いヒャいいヒャいいヒャいッ」
頬を思いっきり抓られ、ヒリヒリしたそこを抑えた。
「ッだってあなた!肌が焼けてて黒いじゃない!」
「じゃあ、他の奴は白豆か?あ?」
上から睨みつけられ、怯んでしまう。
……この人、怖い人。
「…はあ。まあいい、お前早く観客席に移動しろ。此処は人相の悪い男ばかりで危ねえからな」
「それなら大丈夫。わたし、出場者だから」
「…………」
わたしの声でまわりが静まる。
「…何言ってんだ、お前」
彼の呆れた顔と、まわりの小馬鹿にしたような笑い声。
こんなのはもう、慣れっこだ。
『女のくせに』
皆、口を揃えてそう言った。
耳にタコができるくらい聞いた。
「分かってる。あなたも女のくせにってッ」
「女は守られる存在だろ」
「え…」
きゅっと拳を強く握ったのが分かった。
「…お前、名前は」
「姫百合」
「俺は…………」
『暁』——…
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「ああ………“暁”」
「あいつは……………………化け者だ」
『化け物』
風の音で聞こえなかった『単語』。
「そうだね…」
アカツキ ハ バケモノ ダ 。