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Re: 舞えし蝶は暗闇へ散る゜.:。+゜remake ( No.25 )
日時: 2014/09/23 22:23
名前: 覇蘢 (ID: GqvoTCxQ)



_「はい、どーん」

振り下ろされる大剣に目を瞑る。

「———ッッ!!!」

当たるッッ!!!

「…はい、どーん…っ」

「え」

何が起こったのか一瞬分からなかった。

目の前からは猿男が消え、遠くに飛ばされている。

その変わりに、猿男のセリフを繰り返し吹っ飛ばした張本人が目の前にいた。

「やり過ぎだろ」

「あ…」

目の前にいたのは先程の黒豆、アカツキだった。

「女相手に、刃下ろすんじゃねえよ」

猿男は気を失って倒れてしまっている。

でも、これは…

「…違反だわ」

助けてくれたのは有難いがこれは。

「弐人、両者退場願いたい」

【失格】

「そんなっっ」

「………」

アカツキは無言でその場を離れた。

「あっちょっっ!」

必死に追いかけ門を出たところでアカツキを捕まえた。

「ちょ……っ待って、くださっっ」

歩くのが早いっ!!

少し息を切らしながらアカツキの衣服の先端を掴む。

「………」

アカツキは離れようとしない。

どうやら、話は聞いてくれるようだ。

「…あの、助けてくださったのは有難いですが……」

次の言葉が出ない。

『あなたのせいで失格になった』『助けてくれなくても良かった』

どれもこれも本人を前にして言えない。

「……っあの、えっと」

「……悪かった」

「え」

いきなりの謝罪の言葉に、ポカンとしてしまう。

見上げると、何故か泣きそうなアカツキの顔。

「………ッ」

何…?

そっと掴まれた手首に力が入る。

「……痛っ」

アカツキはハッと我に返り、手首を離した。

怯えたように。

「あ、また俺…」

1歩ずつ下がりわたしから距離をとる。

《怯えないで、わたしは貴方の味方》

女の人の声。

ガンガンと頭に響く。

な、に……?

記憶?

自分の意思関係なく、手がアカツキへと伸ばされた。

「おい」

だが、その手は声の主に掴まれる。

「空火……!?」