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Re: 舞えし蝶は暗闇へ散る゜.:。+゜ ( No.43 )
日時: 2014/10/21 00:05
名前: 覇蘢 (ID: VhCiudjX)





_『我等愛姫の名の基に。』

愛姫ーーーー?

「姫、翠蓮さんがお待ちです。…あの祠で」

クウカが頭を下に垂らし、淡々と告げる。

アカツキもクウカ同様、頭を上げようとはしない。

「空火?」

「来い、祠に行くなら俺のが早い」

クウカへと伸ばした手は、アカツキに引かれ抱き寄せられる。

それを見たクウカは、ピクリと眉を動かしたが静かにわたしとアカツキの側へと寄った。

激しい風が勢いよく吹き荒れる。

一瞬にしてわたし達を囲み、止む頃には森へと景色は変わっていた。

「ここは……」

「ようやく、集まりましたね」

目の前には、スイレンが立っておりその後ろには…………

「祠…?」

にしては、大きい。

幼子おさなごが入るくらいの祠だ。

「あとは、篠だけですか」

シノって………

「僕ならここ」

声と共に、暗闇から出てきたのはあの時の綺麗な青年だった。

「時は満ち、再び会えたこと神に礼を言おう」

シノを確認すると、翠蓮の声で集まった男達はわたしに向かって膝をつき頭を垂れる。

「大切なものを守るためーーーー。」


「信念を貫き通すためーーーー。」


「この先を紡ぐためーーーー。」


「守るべきもののためーーーー。」





「「「「姫の為、どんな苦境に陥ろうともこの命が果てるまで守り通す事を誓いましょう」」」」





……先程から何だというのだ。

『姫』だの、『祠』だの。

さっぱり今の状況が掴めない。

「姫、貴方にお話する時がようやくきましたーーーー貴方が藍鏨《こんぜん》だった時のことを……」

と、一匹の蝶がスイレンの手から舞いわたしの目の前で無残に散ったーー…………