PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 舞えし蝶は暗闇へ散る゜.:。+゜ ( No.57 )
- 日時: 2014/11/25 22:22
- 名前: 覇蘢 (ID: n0SXsNmn)
_「っと……」
前を見ず走っていたせいか、大きな黒い物体に頭をぶつけ、蹌踉めく。
直ぐに強い力で引っ張られ、再び黒い物体へと飛び込んだ。
「俺は何度あんたを引っ張ればいいんだ」
「あ、空火…ごめ」
言いかけると、クウカの指がわたしの口を遮った。
徐々にその指は瞳へとうつり目尻のあたりを優しく撫でる。
「泣いた、のか」
「……っ」
気づけば、目尻が微かに濡れている。
「翠蓮さんに、何か言われたか?」
「…………」
優しく頬に手を当てるクウカ。
「空火?」
その仕草が余りにも優しすぎて、いつもの小言ばかり言うクウカとは違う。
「………空火も、わたしを見てないんだね……」
ドンッとクウカの胸板を押し退け裸足で縁側を下りて走りだした。
**********
「お前は、まっこと女心が解らぬ奴よのお」
「…………」
昔、毎回毎回耳が痛くなるくらい聞いた言葉ーー……
呆れたように俺の顔を見ながら溜息をつく。
「何も言い返さぬようだが、自分でも理解しておるのか」
この人は、何もわかっていない。
俺がどんな思いで……
「俺が、他の女人と遊び呆けてもいいと、そう言うのか藍鏨」
少し、不機嫌になりながらじろりと睨む。
「……フフ……ハハハハハハッッ!!」
最初は呆気に取られていたこんぜんだが、それは徐々に大爆笑へと発展した。
「何だ。わたしの事が好きなのか?空尊」
図星だ。
「本当、あんたには敵わない」
**********
「あんたと姫百合は似ても似つかない」
PR