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*Episode9*

「ごめんねっ...忘れてて」

屋上につくと既に、五十嵐くんがいた。

「あーいいよ。まだ優翼来てねぇし」

「あ、そっか」

風間くんまだなのか...

話って何だろ。

またあの変なやつかな？

それとも...

ガチャ

「ごめん、遅くなった」

風間くんが髪を振り乱して入ってきた。

「片ついた？」

「ああ」

「そっか...」

なんだろ？

「あのさ...」

風間くんが私を見る。

「俺と付き合ってください」

うん...

って、えええええええええええ!?

「い...今何て？」

「え？付き合ってくださいって」

私の聞き間違いだよね？

うん、絶対そうだよ。

「狐弓ー？お前耳聞こえてんの？」

五十嵐くんが、すっごくあきれた目で見てくる。

だって、あの風間くんだよ？

ないないないない。

これで“はい”とか言って、嘘に決まってんじゃんって言われたら終わるし...

「おい、狐弓っ」

「えっと...何で私なの？」

「え？」

私のどこがいいのか、分かんない。

それに風間くん、女の子よりどりみどりのはずなのに...

「別に何だっていいじゃん」

風間くんではなく、五十嵐くんが怒ったように答える。

「早く返事してやれよ」

えー、そんなこと言われても...

「返事はまた後でいいから」

そういうと、風間くんは帰って行ってしまった。

あ、怒らせちゃったかも...

「とにかく早く決めろよ？じゃーな」

何で、五十嵐くんに“早く、早く”ってせかされるんだろ？

それにしてもどうしよーっっ。

あ、こういうときは梨奈に相談しよ。

梨奈ーー、助けてー。