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*Episode10*

「梨奈ーーーっっ」

教室に飛び込む。

あれ？

いない...？

帰っちゃったかな？

「水谷なら、さっき柏木と教室出てったけど」

クラスの男子が教えてくれる。

「教えてくれてありがとっ」

私は教室を飛び出した。

亜朱花、用事じゃなかったのかな？

2人だけで帰っちゃったのかな？

不安が押し寄せてくる。

体育館裏をのぞいてみると...

あ、いたっ!!

「おーい、2人ともー」

私の声に反射的に振り向いた梨奈。

「あ、彩緒か...」

それを聞き、亜朱花もこっちを見た。

え...??

亜朱花の目が真っ赤になっている。

「亜朱花...？どうしたの？」

「何でもないよ。ね？亜朱花？」

「うん...なにもないよ」

だって、その目何もなくないでしょ...

どう見たって泣いた目だよ。

ねぇ、何があったの？

聞きたいけど、聞いちゃいけない気がする。

てか、梨奈が“これ以上は聞いてくるな”オーラ放ってる。

「そっか。何でもないなら良かった」

これしか言うことないよね...

「よしっ、帰ろ」

2人が立ちあがって、歩いていく。

けど、私はそこから動くことができない。

私、何かしたかな...？

怖いよ...