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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君といた時間...*+。 ( No.3 )
- 日時: 2014/08/07 08:58
- 名前: 花楠 (ID: yWcc0z5O)
*Episode1*
窓辺の席の私は窓から外を眺める。
満開だった花びらも散り、若葉色の葉が茂っている桜の木。
私はこの時期が好き。
皆に見られなくても、必死で葉を茂らす5月の桜。
それは、まるで“私たちは生きてるんだよ”と叫んでいるかのようで。
私にはできない、憧れの姿。
「—————で、こうなる。次に...」
先生の大きな声で一気に現実に引き戻される。
ああ...そっか。
今、授業中か...
危ない危ない。
急いで“私、授業ちゃんと受けてますよ”オーラを放つ。
ノートを開いて、シャーペンを走らせる。
けど、そこに書いたのは黒板に書かれているよく分かんない数式ではなくて...
あーあ、早く終わんないかなー?
時計を見上げる。
針は授業終了時間の5分前を示している。
あと5分!!
さっさと終われーっっ。
「狐弓...さっきから行動面白すぎるっしょ」
念じる私に隣から笑い声が...
「だって、早く授業終わってほしいんだもん」
私は素直に思っていることを言った。
「同感。マジ疲れたぁー。てか、めっちゃ腹へってるんだけど...」
「私も」
「やべぇ、腹なる...」
小波戸くんは、お腹を押さえこむ。
「鳴らしちゃってもいいよ?」
「いや、ぜってぇ鳴らさねぇ。残りの時間耐えてやる!!」
意気込む小波戸くん。
「がんばれ」
応援しとく、一応...ね。
もう、あと少しで授業が終わるという頃に隣から“ぐるるるるる”と大きな音。
「やべっ」
その音が合図かのように、チャイムが授業の終わりを告げた。
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