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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: .*+恋色涙+*. 君といた時間 ( No.8 )
- 日時: 2014/08/09 09:37
- 名前: 花楠 (ID: yWcc0z5O)
*Episode4*
桜木祭準備の説明も終わって、皆はもう帰りだしている。
小波戸くんもさっきすごい勢いで走ってちゃった。
よし、私も帰ろっ、そう思ったとき
「ねぇ」
「はいっ」
後ろを振り向くと、さっきの男の子2人が立っていた。
「俺たちまだ自己紹介してなかったよな?」
「え!?あ、そうですね...」
「俺は、風間優翼。1年D組」
屈託のない笑顔の男の子。
風間くんっていうんだ。
「で、こっちが五十嵐凪也」
よし、五十嵐君ね。
覚えたよ。
「私は狐弓彩緒です。えっと、1年E組です」
「狐弓か...よろしくな!」
「こちらこそ」
えっと、五十嵐くんにも挨拶を...
「お前、ホントに狐弓彩緒!?」
目の光を鋭くさせて聞いてくる五十嵐くん。
「う...ん。そうだけど...」
五十嵐くんは、はぁーとため息をついた。
「マジかよ...」
え...何...?
何かまずいことでもあったかな?
不安になる私。
そんな私をよそに、五十嵐くんはコソッと風間くんに耳打ちした。
「それ、ホント?」
「ああ。コイツだったんだな...」
何なのー!?
「私がどうかした?」
思い切って聞いてみた。
こっちに向き直る2人。
五十嵐くんが口を開いた。
「お前さ、天野翔真って知ってるよな?」
グラッッ
その名前を聞いた途端、視界が揺らいだ。
何でその名前を知ってるの?
聞きたいのに言葉がでない。
ガタンッ
「おいっ、大丈夫かっ!?」
「狐弓っ、狐弓っ」
遠くで私を呼ぶ声がする。
“彩緒、会いたいよ...”
やめて、やめてっ。
私は黒い世界へと、引きずりこまれていった。
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