コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 雨のあと君と見た虹 ( No.2 )
- 日時: 2014/08/09 09:36
- 名前: 瑠亜 (ID: HijqWNdI)
Part1 不思議
「ねえ、あの人って———」
「そうそう、あの人あれだよ——」
高校一年の春、私は苦しみを味わっている
なんで、みんな私を見て笑ったりこそこそするのだろう
訳が分らないよ、逃げ出したい。
「もう、みんななんでそんなにこそこそするのよっ!」
叫んでしまった。休み時間教室のど真ん中で自分の本音を…。
すると、ある女の子が私の目の前に近づき
「…えっと、鹿部さんだっけ…本当にわかってないの?…なら自分でわかってよ」
と、半笑いで言ってきた
その瞬間、クラスのみんなは大笑いした。
嫌いだ、嫌いだ。高校生なんて…
大っきらい!
逃げ出して、引きこもりたかったけど現実はそんなに甘くない
逃げ出したくせに、またあの教室に戻るなんて嫌だった。
なのに—————
気持ちって案外単純だった。
それは、逃げ出してきた翌日の朝だった。
「おっと、大丈夫?」
下を向いて歩いてた自分が悪いんだが、男がぶつかって来た。
同じ制服か…
「あんたさ、鹿部さん?」
まさか、ほかの学年ほかの組みにも私は嫌われているって有名になっていたのか…
「…どなた?」
「同じクラスの久佐田です」
ほかの組みには知られていないのかもとほっとしてしまった。
「昨日、大変だったね…色々と」
ぐさっと私の気になっていたことを言われた
「あ、あんたね!そうやって気になっている所つつくなよ ばかっ」
「ご、ごめん」
あ、私ったらこういう言い方だから嫌われたのかな…
「噂通りの人だね」
「う、噂って?…」
「それは言えない」
理由を聞かされない
『…なら自分でわかってよ』
昨日言われたことがよみがえる…
普通に、普通にって頑張ったのに…頑張ったのに…
「ちょ、鹿部さんなんで泣くの!?」
「な、泣いてない、泣いてないもん…」
泣いてないって言いながらも目から水みたいな、なにかが溢れ落ちる。
しょっぱい、海みたいな味。
そっと、久佐田くんは私の頭を撫でた
「えっと…なんかごめん。」
「ごめんなんて聞きたくないっ」
「じゃあ、ありがとう?」
「ありがとうってなによバカにしてるのかっ」
「ま、まあ、泣くなよ、何かあったら俺に相談乗れ」
「え…」
その瞬間びっくりした。もうクラスのみんなが私の言葉も嫌なくらい
嫌いなだって思ってた
「…落ち着いた?もう少しで遅刻しちゃうから行こうよ」
「…うん…!」
つい、笑顔が溢れてしまった
「…鹿部さんって不思議…」
「今なにか言った?」
「…ううん、なんでもない」
Part1end