コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(1) ( No.1 )
- 日時: 2014/08/15 17:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ここは京都府京都市にある洛西学園都市。
平和だった学園生活もある少女との出会いで変わっていく。
おっと、自己紹介がまだだったな。
僕は『熊本 健太郎』。
洛西学園中等部3年3組だ。
俺には両親と妹が2人いる。
だけど僕は生憎1人暮らしをしている。
何しろ、両親は遠くで仕事をしているし、2人の妹も京都市街の家から学校へ通っている。
僕の家のクローゼットの中には熊本家伝来の宝刀がある。
それが金でできた剣、『白竜』、鋼鉄でできた剣、『黒竜』なんだ。
中学3年生になって6日、新しいクラスに馴染んでいる。
俺は2人で今帰っているところだ。
一緒なのは僕の隣人で、無二の親友である『阿蘇宮 篤である。
京都の町も4月は肌寒い。
やはり早く帰りたいところ。
なんだけど・・・
「どいてぇぇぇぇぇぇ!!」
僕らは、いわれるままにとっさにかわした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(2) ( No.2 )
- 日時: 2014/08/16 17:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
完全にかわしたら1人の少女がずっこけていた。
その少女は蜜柑色のロングヘアーで電灯の光を帯びて光沢ができていた。
まさにその後姿から僕と同年代ぐらいだった。
その瞼から檸檬色の瞳が映る。
その容姿を僕らは見とれていた。
そんな状況の中、
「危ないから逃げて!!」
何も分かってない僕は、後ろ上空を見上げた。
1人の青髪の少女が月夜をバックに電柱のてっぺんに立っていた。
「——ッ!?」
1人の少女がこちらに襲い掛かる前に僕らは2人して袖口を引っ張られた。
「後ろに乗って!!」
いわれるままにその華奢な肢体をした女の子の背中に乗った。
僕ら2人が乗るや否や
「いい?しっかり掴まっててね?じゃあ——行くよっ!!」
そう言って、足を強く踏み切った。
僕らは宙に浮いていた。
気がつくと、俺は謎の少女の背中に乗る——というよりも、おぶさるような感じで空を飛んでいた。
ふと下の様子を眺めると、目の前に広がる美しい洛西学園都市の夜景に僕は少し感動した。
だけど僕らにはそんなこと考えてる暇なんてなかった。
例の少女が後ろから迫っているのだから。
「この近くに隠れられるところない?」
「そうだな・・・学校とか?」
「ガッコウ?まあいいや。そこに案内してっ!」
僕らの学校である洛西学園は幼稚園から高校まである学園なのだ。
しかしこの学校警備脆すぎだ。
警備員たちは一体何をしているんだろうか・・・。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.3 )
- 日時: 2014/08/17 15:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕らは体育館の人目につかない用具入れの跳び箱辺りに座るなりした。
「ねぇ、あなたの名前は?」
「僕?僕は熊本健太郎。んで、こっちが阿蘇宮篤」
「ふ〜ん……あっ、私の名前は『メリア=ラルロスト=アルゴン』。皆からは“ルリ”って呼ばれてるの。よろしく♪」
「外国人にしては、珍しい名前だな。いったい何者なんだ?」
「ええと、私は魔界の人間なの。私は魔界の大魔王の娘だから……」
僕らは一瞬分かりかねた顔をした。
「魔界のお嬢様?」
「うん、まあそんなところ」
「なあ、さっきの奴、何者だったんだろう」
篤が例の少女のことを聞く。
「詳しい事は後で話すよ。今はとにかく、身を隠していられるような場所が必要なんだけど、どこかいい場所ない?」
「じゃあ、僕んちに来る?」
「いいのか、こんなとこに連れて行ってばれないか?」
「大丈夫だよ」
「う〜ん、そうだね。分かった、連れて行って!!」
僕らの家があるマンションは17階建てだ。
僕らはそのうちの8階に住んでいる。
部屋取りは、僕が804号室で篤が805号室だ。
僕の引越しの時、整理して間もないから、十分きちっとしているっちゃしてる。
「ふふっ、人間界には面白いものや興味深いものがたくさんあるんだね……。やっぱり来て良かった〜。最初は何もかもが不安でしょうがなかったんだけど、私の選択は正しかったよ」
「それ、どういうこと?」
篤がそれを訊く。
「私が魔界から来た大魔王の娘だってことは、さっき話したよね?」
「もちろんだよ」
「私、魔界から家出してきたの・・・」
「何でそんなことを?」
僕らは生徒だけで遠出することはあっても、ちゃんと先生にLINEで情報送っているから先生も安心している。
「お父様との暮らしや今の生活が嫌になったの。毎日毎日、暗がりの部屋でいつも勉強してばかり。そんなのつまらないだけ……。だから私は、ここに自由な生活を求めて来たの。でも、すぐに追っ手に見つかった。さっき、私達を襲ってきたのは、魔界の住人で『護衛役』って言うの……」
「ああ、あの少女もそうなの?」
「そう、護衛役っていうのは、私達のような位の高い人達を護ることを言うの。魔界兵戦士育成教育学園——通称『魔界学園』の優秀な成績を残した卒業生にのみ与えられる称号。それが護衛役。今年は、最悪なことに最強の16人が称号を受け取ったの……」
「最強の16人って、どんなに強いんだ?」
「青竜院一族。今年の護衛役は、どういうわけか偶然にも十二人全員同じ血を持った、古の一族である青竜院一族、それが彼らの特徴。それぞれ一人一人が特別な力を持っていて、その力量は計り知れない。多分、それも理由の一つになって、今年の護衛役が彼らに決まったんだろうね。……ここまでのことで何か分からない事はある?」
何がなんだか分からないや。
さっき話していた護衛役っていう強い奴らがここに来たらどうする?魔界で最強だって言われてるやつに、人間の俺が勝てるのか?
「ふっ……ようやく見つけたぞ、姫様」
青髪の少女が月明かりに照らされ、電柱の上に佇んでいた……。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(3) ( No.4 )
- 日時: 2014/08/18 16:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はいつもの癖である星空を見上げるためにベランダに出た。
だけどそれがうかつだった。
いきなりさっきの少女が襲い掛かってきたのだから。
とっさにクローゼットから持ち出した白竜・黒竜を抜いた。
「彼女は魔界では1、2を争う剣士だから気をつけて!」
「な!?」
「お前は相当強そうな奴だな。名を名乗れ」
「俺か?俺は、近畿きっての最強居合い少年、そして妖怪の総大将ぬらりひょんの血を引く男、熊本健太郎だ」
「ぬ、ぬらりひょんの一族だと!?」
「ああ、悪いがここは行かせない!これは瑠璃の意思だ!」
「意思だかなんだか知らんがここは通させてもらう!」
「ぜってぇ負けっかよ!!!」
鍔迫り合いとにらみ合いが40秒ぐらい続いた末に後ろへ引いて体勢を立て直した。
「この私の『斬空刀』をしのいだだと!?まあいい、それはそれで面白い。姫は返してもらう!まずはお前からだ!!!」
「手加減なしだ!」
斬空刀と白竜・黒竜の3本の鍔迫り合いが続く。
「てめぇら、瑠璃の護衛役なのにどういうことだ!?瑠璃の意思に抗うということは」
「大魔王様のご命令だ。大魔王様は絶対的な存在だ。そのご命令は必ず守り抜く。たとえ私の意思に反していてもな!!」
くそぅ、大魔王の命令だということはよく分かった。
けれどもぜってぇ負けねぇ。
だったらどうすれば・・・・・・
「そうか・・・ならば俺はその大魔王の命令など拒否ってやつができるようにしてやらぁ!!!!!」
「何!?こいつ、本気を出したというのか!!?」
「ぜってぇ負けるわけにはいかねぇんでな」
「何!?消えただと!!?どこへ行った!?」
「行くぜ、受け取れ!雷竜白雷撃!!!!!!!」
「ぐあああああああああ!!!!!!!!!!!!これは・・・・・!!!」
「そう、雷竜の力を持つものこそ使える技だ」
そうそう、言い忘れていたけど俺には雷竜の血も引いているんだ。
30Vの電気が流れ終え、相当な電流をまともに喰らった少女を仰向けに倒れていた。
よかった、まだ脈はある。
そいつを負ぶってとっさに804号室へはいることにした。
あとがき ぬら孫の世界観も混ざっていますが大目に見てやってくださいf(^-^;)
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.5 )
- 日時: 2014/08/19 12:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は彼女を負ぶって804号室へ戻った。
僕は自分の部屋のベッドに寝かすことにした。
時計を覘くと18時。
「しかし護衛役、結構な実力持ってるなんて知らんかったなぁ」
何しろつばぜり合いと入っても火花は結構出ているもので、火傷は軽症だけどちょいちょい痛む。
しばらくして、傷だらけでさっきの少女が部屋に入ってきた。
「よかった、無事だったんだな」
「人のこと心配するより自分ほうが心配すべきではないか?」
あ、やけどのあとはアロエで湿布して直すことにしよう。
「言い忘れていたが、私は青竜院霄というものだ」
霄でそらと読むんだ。
難しい名前だな・・・
「やはりその刀、姉者が作ったものだな」
「お姉さんが作ったやつがなぜここに!?」
「おそらくその剣は両方とも聖剣だからな・・・これが大魔王には気に召さなかったのだろう」
「こ、これが聖剣!!?って、斬空刀が光を帯びてるぞ?」
「くっ、熱い!?まさか進化しているのか!?」
「し、進化!?」
「魔刀の中にはある程度使うと進化して、聖剣になるものがあるんだ・・・」
「光が・・消えた?なんだこの刻印!?五月雨?」
「そう、それこそ斬空刀の進化系、五月雨という聖剣だ」
「こ、これは、銀でできている!?すげぇ・・・」
「それより、これやってほしい」
「それは・・・」
「握手ってやつだ。これで友の契りとかいろんな用途があるんだ」
霄は照れ笑いして、握手をした。
こうして、僕にとっての悪魔との最初の戦いが終わった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(4) ( No.6 )
- 日時: 2014/08/20 21:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
翌日は土曜日である。
15時ごろ、ベランダで佇んでいたら、1匹の猫が居座っていた。
猫にしては青い?
護衛役を見つめてると、ちょっと不安になってしまう。
僕の妹が訪ねてきたとき、あんな美人の女の子2人がいるってことがばれたらどうなるか知ったもんじゃない。
猫の瞳をよく見てみると霄と同じ色の瞳だ。
この猫の目を見ているうちに睡魔が襲ってきて猫の上に倒れてしまった。
「イッタァァァァァァイ!!!!」
「ん?!猫がしゃべった!!???」
そんなことに気がつけば猫は逃げていってしまった。
僕はとっさに猫が逃げていった805号室へ入っていった。
「篤〜、猫見かけなかった?」
「あの猫?ああ、霄が捕まえてった。さっきの猫、どこ行ったんだろう?」
「その猫?霊のことか?そいつに服着せているところなのだが」
「霊?例の猫?」
「そうだ、私の妹だ」
「そうなんだ・・・ってえええええ!!??さっきの猫が!!?」
「驚きすぎだ。さっきのは人間界で『青竜院霊』だ」
「そうよ。ところであなたたちの名前は?」
「僕?僕は熊本健太郎。んで、こっちが阿蘇宮篤」
「へぇ。でもお姉ちゃん、どうしてこんな男のとこにいるの?魔界に戻ろうよ。お姉ちゃんたちも心配してるよ?」
「仕方ないだろ?姫様がここにいたいって言うから・・・その護衛役としてここにいる必要があるだろう」
「護衛役ってまさか、僕らを殺すつもりなんじゃ・・・」
「事の内容次第ではあなたを殺さないといけない。でもそういうわけにはいかないの」
おそらく僕らを殺すのは2の次ってやつか。
でもほんとの内容ってなんだろう?
僕が聞く間も与えず、
「大魔王様の伝言を受け取ってきたの」
手紙みたいなのをとると魔界に帰って来いと書いてあり、その傍らにはとんでもないことが書いてあった。
「帰って来なかったら僕らの人間界を攻め滅ぼすだとぉ!?」
冗談じゃねぇ、僕らの大好きなこの世界をやすやすと攻め滅ぼされてたまるかってんだ。
ん、まだ続きがあるようだ。
「のど越し抜群饅頭を買って来い?」
のど越し抜群饅頭なんて饅頭聞いたことも見たことももちろん食べたことなんてありやしない。
「先輩に聞いてみるとしようか」
去年の生徒会会長だった『延岡理久』に訊いてみることにした。
「もしもし先輩?」
<おう熊本君か。どうしたの?>
「のど越し抜群饅頭って名前聞いたことあります?」
<聞いたことないまんじゅうだな>
「そうですか・・・ありがとうございます」
電話を切られた。
「やっぱり分からなかったみたい」
「そうか・・・篤も聞き覚えのない饅頭の名前だと思ったが」
「いったい何なんだろうね・・・のど越し抜群饅頭って・・・・・・」
みんなため息をひとつずつ吐いた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(5) ( No.7 )
- 日時: 2014/08/21 15:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
月曜日の放課後・・・
下校中、篤は急に腹痛を訴えたので、早めに帰ることにした。
「霊〜、篤の具合が悪い様子だけど」
「うわっ、顔色悪いよ!?大丈夫!?」
「まだ脈はあるようなんだけど・・・・・・」
「こうなったら仕方ないわね・・・治癒能力発動……『治癒鈴音』!!!」
「うぐぐ・・・な、ここは・・・?」
「よかった、気がついた・・・・・・っ!?」
「この2本の傷、まさか・・・・・・」
僕が見上げると1人の少女が突っ立っていた。
青い髪に青い瞳・・・
「その面、護衛役!?」
「ええ、そこの男の食事に毒を入れたのは私です」
「何!!?」
「魔界で作られたものなので、人間にとって効き目は抜群のはずです。効果としては、激しい頭痛、眩暈、吐き気。他にも高熱や、脱水症状などが起きます……」
「くそぅ、具合はどうだ?」
「今は大丈夫だ。それより、篤に弦を渡してくれ」
「やはり、この様子からして僕らを狙っているようだな」
「はい。それにしても憎たらしい顔ですね」
「それはどうでもいい。ここは僕がやるしかないな」
「いいや、ここは篤がやる」
「その姿・・・抜け首?」
「そういえば、まだ自己紹介していませんでしたね。私は『ミレイ=ルピチカ=ルドラ』……またの名を、水蓮寺一族八女の『水蓮寺零』と言います」
「阿蘇宮篤・・・7代前は加賀の弦殺師、それが篤の先祖だ」
「弦殺師・・・ですか・・・その弦が武器ということなのですね?」
「こうなったら喩え女でも手加減なしです」
「では、魔刀『舞花刀』開放!!!」
「舞花刀!?」
「この剣にはある言い伝えがあります。この剣は、地獄の血の湖で『舞姫』と呼ばれる姫様の魂が踊っていた時、その踊りを見ていた鍛冶屋の『八兵衛』という人がつけた名前です。この剣から流れ出る血は、その舞姫のものだとも言われています……」
「篤は、絶対負けない・・・どのような力を持っているとしても!」
「では行きます……。壱の型……『流血祭』!!」
「くぅっ!」
弦でとめてしのいだ。
「なるほど、その弦はただの弦ではないってことですね?」
「ああ、錫と繊維をつむいだ弦だからな」
「なるほど、その弦真っ二つに斬り甲斐がありそうですね。ならば、これはどうです?弐の型『針血祭』!!」
「うあっ・・・・」
ダメージを食らって弦を離しそうになる。
「人間にしてはなかなかやりますね……。しかし、この攻撃は耐えられるでしょうか? 参の型『乱風血祭』!!」
「がはっ!!!!」
体勢を立て直して弦を持ち直す。
「この状況だとまだ型がありそうですね」
「ええ、まだ後四つも型があります。果たして、最後まで耐えられるのかどうか、楽しみですね」
「ならばこっちから行きます!殺取・水竜螺旋陣!!!!」
「うああああ!!!なんて威力なんですか・・・しかし、まだ終わってません!!!」
「まだ型が四あったか。油断していた!」
「肆の型『粘血祭』!!」
「くそっ、この技思った以上に厄介だな!!」
そう思うのも無理ない。
赤いガムが篤の靴の裏についてその粘り気がすごいのだ。
「これは特殊技か・・・・」
「そんなこと言っていられるのも今のうちです!伍の型『千血祭』!!」
「うわああああああ!!!!!!」
もう19時、双方の傷も癒えていない。
「ここでつばぜり合いなどやったって無意味です。ここで決めます!!!」陸の型『雨酸血祭』!!」
「これは、血の雨!!???」
「ただの血の雨ではありません・・・」
「頬が熱い?まさかこれは・・・」
「これは、いわゆる酸性雨です。しかし、この血の雨はそれ以上の威力を持っています。普通の人間であれば、簡単に跡形もなく溶けるでしょう」
「くそっ、思った以上に厄介だな!!!」
「そうですか、これで止めです!!!!漆の型『舞踏・散血祭』!!!!!!!」
「とうとう最強技きたか!!!」
全くもって零は危険だ。何せ、今の篤は正しく危機一髪を言わざるを得ない状況だったからだ。後ろにはコンクリの塀。目の前には剣先を篤に向けて、青い瞳を見開き篤を睨み付けている護衛役の少女。しかも俺の左脇には、先程零が蹴った片方の剣が突き刺さっていた。
「言っておきますが、私のこの型はまだ続きがあるんですよ? ですから、最後まで頑張って耐えてくださいね?」
続きに凌いで凌いで凌ぎまくって最強技を持ち出すチャンスを狙う。
「これで終わりです……!」
篤はジグザグに水をまとった弦を持ちながら避けきった。
「そ、そんな……。今まで溜めておいた全魔力を、この一撃に込めたのに……」
「ほう、それは残念だったな」
「いつの間に!?」
「もう遅い!!!!束ねた力、その身に受けよ!!!!!!!!水竜高籠波!!!!!!!!!」
「うああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
竜巻の形になった糸によって舞花刀は道路に見事突き刺さり、糸による切り傷が開く。
倒れ落ちたところで舞花刀が光を放った。
光が消えたところで刀を鞘に納めると零をお嬢様抱っこして家へと戻った。
「霄、今帰ったぞ」
「どうした篤、その傷は。誰にやられた?」
「霄の妹だよ」
「・・・・・っ?姉上?」
「れ、零……なのか?」
「よかった、気がついたか」
篤は零をおろす。
「はい……姉上。会いたかったです!!」
零はマジ泣きで霄に抱きついた。
「そうか……。私もお前に会いたかった。よしよし、これからはずっと一緒だからな」
「で、身内に対して敬語はやめときな」
僕までやさしい声かけをしてやった。
これが篤にとっての悪魔との最初の戦いだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(6) ( No.8 )
- 日時: 2014/08/22 17:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕もれっきとした中3、勉強も22時ぐらいまでやっている。
けれどいつもの習慣である夜空を見上げるのは続けている。
あの青髪の青年は・・・・ってまさか護衛役じゃねぇか!!
霄たちが僕の叫び声を聞いてなんだなんだと駆けつける。
「あ、あれは兄者!?」
「さ、さっきのが?」
「さっきのは青竜院雫・・・・・私たちの兄です・・・・」
「ああ、てめぇを殺しにここまで来た。あんな優男と姫が同居しているなんてな。姫を渡せ」
「わりぃが、それはご免こうむるぜ」
「ああ、この世界に来てからどうも私たちはおかしくなったようでね、姫様は帰らせるわけには行かない!!」
「仕方ねぇ、俺が相手になってやるぜ!!!!」
「ぬらりひょんの血が出たのですね・・・ならば私も相手します!!!!!」
「だったら篤もいく!!」
「おっと、こんな狭苦しいとこで戦ったら思う存分の力が出せねぇからな、嵐山での戦いにするか!」
嵐山につくと零が耳打ちした。
「私たちのような悪魔は人間に左右される生物ではないんです。私たちのように闘わずにいると力が弱ってあなたたちと同じくらいにまで弱くなるんです」
「そういうことはよく分かった。さぁ、決闘開始だ!!!!」
「くらえ、烈風破!!!!」
「天竜雷斬!!!!!」
「なるほど、てめぇがぬらりひょんの血を継ぐものということか。だったら面白い!!!まとめてぶっ飛ばしてやる!!!」
「させません!!!殺取・水蓮花!!!!」
「くっ、こいつもやるじゃねぇか・・・くそっ、体が悪いだと!!??てめぇ、何しやがった!!??」
「この技を受けたものは毒が襲う」
「くそっ、毒が回る・・・・!!!」
「私たちは変われる!!!」
「え?」
僕はとっさに零の声に反応した。
「悪魔も人間と同じように、変われます・・・」
「バカな、そんな言葉を誰が信じるんだ…。第一、お前は変わったのか?」
「はい、ここに来てから人を殺したことは一度もありません。本来なら掟で任務をしくじったり戦いに負けたりすれば、水蓮寺の血を受け継ぐものとしてその名を汚さないためにも首を切るところです。しかし、篤、加賀の弦殺師の子孫に会って敗れました。彼は私を殺していません。それは、みな同じです」
「ほう、だったらその意思を見せてみろ!!!!」
「来ましたか・・・本気モードの兄上・・・」
「くらえ!!!水流X斬り!!!!!」
「どぅわ!!!!」
「はははは、これで思い知ったか。悪魔と人間の格の違いを」
「まだです・・・束ねた力、今こそ私に!!!雷雲大惨歌!!!!!!!!!」
「どわあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「これこそ私の聖剣、『炎天下』の力です」
「バカな・・・魔刀の中には聖剣になるものがあるとは聞いていたがまさか本当だとは・・・・・・」
「ふっ、どうだ?人間によって悪魔が倒れる様子は」
「くっ、…あまり調子に乗るなよ? 言っておくが、こうやってお前達人間が平和ボケしている間にも、魔界では順調に大魔王が例の計画を進めているんだからな…」
「何のことだ!?」
「何だ、お前姫に聞いていなかったのか?姫には人間界に来た本当の目的があるんだよ」
「へぇ、あの家出にはちゃんとした意味があるって訳か」
「まぁな、いずれにせよ、この人間界も悪魔が支配される運命なんだからな」
「ふぅん、そうじゃなければそうじゃなかったで困るからな。何せ俺の力が振るえるんでね!」
「そうか、今日は俺の負けだ。次はそういかないぜ?」
「へぇ、楽しみにしとく」
そして、洛西学園都市内・・・・・・
「ブアアックション!! ズズズ…誰か俺の噂してやがるな…。にしても、あいつらがまさかあの男によって変わるとはな。『人間だけじゃなく悪魔も変わりたいという思いさえあれば変われるんだよ!』か…。あの霄が俺に歯向かうようになるとは…今日はいい思い出が出来たな(いろんな意味で…)」
「ところで話は変わるが、ルリ…雫が言ってたんだが、お前に本当の目的があるって本当か?」
「えっ……そう、雫から聞いたんだね?本当はその時が来たら話すつもりだったんだけど、どうやら今がその時みたいだね…。少し早いような気もするけど話すよ…」
「まずは、この世界の仕組みから話そうか…。結構話長いからよ〜く聞いててね?」
「いいとも」
「この世界は全部で五つの世界で構成されていて、その一つでも消えてしまえば他の世界もバランスを崩して世界は崩壊すると言われているの。それで、それぞれの世界を守る“要”の役目を果たす守護神が必要となるの…。それがそれぞれの世界にいるんだけど、その五つの世界っていうのは、お母様の住んでいる『天界』、お父様や私達が元々住んでいた『魔界』。響史達人間が住んでいる『人間界』、人間界と全く真逆の世界で私のお母様の妹つまり、私から見たら叔母さんだけが住んでいる『鏡界』、最後にお父様のお兄様が住んでいる『冥界』の五つがあるんだけど、その均衡が今崩れようとしているの」
「それで?」
「400年前、14代目の大魔王がここへ攻撃してきたの・・・・・・。その大将に自分の秘書、九尾の狐を抜擢したの・・・・けれどもあなたたちの先祖が破ったことで平和になった・・・・」
「そうか、それで大魔王は?」
「14代大女神は魔界の人間に厳しい罰を与えた。それが、このストッパー…」
「この腕輪?」
「これは私達悪魔の力を抑えるために作られたもので、あることをしないと外れないの」
「どうやって?」
「それは分からない・・・・・でも、分かっているのはそのストッパーの効果が出るのは魔界から出た時だけ…。要するに、お父様達は魔界から出なければ思う存分力を使うことが出来るの…」
「じゃあ、他の世界に入らない限りは力を制限されないってことか!!」
「うん、それに私たち天魔は、悪魔との子は悪魔、天使の子は天使、天魔同士なら人間になるの。私と私の妹は天魔。お父様がどうして私を外の世界に出したくないのかこれで分かったでしょ?」
「そうか、ほかの世界にいったりなどしたらそこの世界のやつとの子、人間や天使を作ってしまうことになるからか!」
「そういうこと…。お父様は跡継ぎを作るためにも私達を外に出したくないの…。だから、私はここに来た。でも、本当の目的はそれだけじゃない。お父様の計画を止めるためでもあるの!!」
「そりゃ大きく出たな、そうそう、雫も言ってたな…。ルリの父親が考えている計画って何なんだ?」
「それは、全てを支配するということ」
「支配する?すべてを?どうして大胆なことに?」
「そう…だからお父様は考えた。魔界の領土を広げれば、その分自分の力が半減せずに天界へ近づけるということ。だからお父様は、まず手近な冥界から攻めているの!」
「わっ!この地震は!?」
「この地震はお父様の軍が冥界を攻撃している音なの…。本来、冥界は死人の霊を審判するところで、
それによって死人の霊が天界に行くべきか魔界に行くべきかを審判してもらうんだけど、この戦いのせいで審判することが出来ずに死者の魂が地上に溢れているの。全く、昔はお父様もこんなことをする人じゃなかったのに…。どうして…」
「それで、瑠璃、まず僕らはどうすればいいんだ?」
「うん…お父様を止めるためにも、私はこのことをお母様に報告しないといけない。そのために人間界に来たんだから…」
「どうやって出てきたんだ?」
「『空の裂け目』って所。天界に行くためには天の力を授かったとされる、十人の太陽系の陰陽師に証をもらわないといけないの。そのためには、人間の協力が必要なんだよ…」
「太陽系の陰陽師・・・・・・京都にいるのか?」
「まぁね。しかも元和の結界というものがあって10の寺院・神社に押さえがあるの」
「太陽系の陰陽師・・・・・・いそうなところはおじいちゃんから聞いたことあるよ・・・・第10『延暦寺』、第9『慈照寺』、第8、『伏見稲荷神社』
第7『桂離宮』、第6『竜安寺』、第5『清水寺』、第4『西本願寺』、第3『鹿苑寺』、第2『相国寺』、第1『二条城』と太陽系の冥王星から内側へとあるんだ」
うーわ、もう2時!?明日は休みだって先生にLINEで伝えとこう。
「じゃあ、もう遅いしその話はまた明日…、っていうか一度十分に睡眠を取ってからにしような…」
ルリも僕の意見に賛成し、僕ら二人はパジャマに着替えリビングの電気を消すと、階段をゆっくり上がっていった。
僕は少し隙間のあいた状態になっている自分の部屋の扉を開くと、壁にあるスイッチを、暗闇の中手探りで見つけ出し押した。すると、二、三回点滅して照明がついた。今まで暗闇だった部屋がいきなり明るくなり、僕は一瞬眩しいと思った。
しばらくして目もだんだん慣れてきたのか視界がよくなってきた。
僕はベッドに進み、視線を下に向けた。すると、僕の一人用のベッドはとんでもない状態になっていた。俺は少し大きめの枕でないと眠れないため少し大きめの枕を使っているのだが、その枕も護衛役の零や霊達に占領されていた。ベッドを思いっきり霄が取っているため、僕が——もとい僕とルリの寝る場所が殆どなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(6-1) ( No.9 )
- 日時: 2014/08/22 17:27
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正箇所 響史達人間が住んでいる『人間界』→あなたたち人間が住んでいる『人間界』
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(7) ( No.10 )
- 日時: 2014/08/23 19:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕の家には悪魔がいるという非日常的なことがある。
翌朝10時、起きれば悲鳴があった。
護衛役らしい少女が篤の家にいた。
待て、これで5人目の護衛役じゃねぇか!
僕が考えているうちに、近くにいた霊を見るや否や突然彼女は半開きの眼を全開にして、霊に抱きついた。
「お姉さまああああ!!!」
「へ、お姉さま?ってちょっと待て、霊の妹?」
「ええ、そうですわよ。私は姫様の護衛役で、霊お姉様の妹の『青竜院霰』と申します…。これからお世話になりますわ」
この様子から僕の命を狙うつもりじゃないんだな。
けどどうして霰は霊を病的になるまで好きになってしまったんだ?
それを零に聞いてみた。
「それは、姉上が猫好きだからです・・・」
あ、確かに、たまに猫の特徴といえる耳に尻尾・・・
「でも猫好きにしちゃ異常じゃないかな?」
「でしょうね。あなたがそう思うのも無理ありません・・・・。いいですか?姉上は魔界にいるとき事故に遭ったんです・・・」
「それを救ったのが霊?」
「はい、それが霊姉様の悪夢の始まり…。それ以来、霰姉様は霊姉様のことを恩人の様に慕い続け、最終的には好意を寄せてしまったんです。ただでさえ、猫が好きなのにその上恩人ともなれば姉上が黙っているわけもなく…。それ以来、霰姉様は誠心誠意霊姉様に恩を返し続けました。主に、嫌がらせばかりですが…」
「ほう」
「でも、肝心の姉上がそれを覚えていないんです…」
「いったい何があったんだ?」
「恐らく、あんなにも面倒な嫌がらせばかりをされて忘れてしまったんでしょう…。そのせいもあってか、だんだんと霊姉様は『霰姉様恐怖症』にかかってしまったんです」
「いったいどれくらい・・・・」
「はい…。要するに今では姉上の声を聞いただけで身の毛がよだったり寒気がしたりなど、とにかく姉上に近づきたくなくなっていったんです」
けれども、僕には太陽系の陰陽師を探さねばならない。
今日は京都市を巡りたい。
まずは二条城へ行くことにした。
二条城・・・・第1の封印、太陽の陰陽師がいるところだ。
二条城に入っていくと貴族らしい服装の図体がでかい男に出会った。
「おう、お前がぬらりひょん23代目か?」
「え?23代目?どういうことですか?」
「僕の血筋は19代目から混血が進み、僕の代で23代目になるんだ」
「お前がぬらりひょんの血を引く男に間違いないようだな。俺は太陽の陰陽師、『陽河芳樹』蘆屋道満の一族だ」
「蘆屋道満?誰なんだそいつは?」
「蘆屋道満は阿部晴明の好敵手だよ」
「阿部・・・・晴明・・・・・・」
「よし、ここでいっちょやってくか?」
「ああ、こっちも望むところだ!」
「よし、戦い開始だ!」
「いくぜ!」
ついに戦いが開始した。
「お前が勝てば太陽の証はくれてやろう。しかし俺が勝ったら滅される。どうだ?いい条件だろう?」
「ああ、上等だ!」
ついに僕と芳樹との戦いがスタートした。
「白竜に黒竜か・・・いい刀持ってんじゃねぇか」
「はい、しかしこの戦い、勝たせてもらいます!」
「こっちも負けねぇ!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.11 )
- 日時: 2014/08/24 17:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
芳樹と俺の剣の打ち合いは続いていた。
「お前の実力はよく分かった」
「そうか」
「ならばこっちの本気を見せてやる!!憑鬼槍!!!」
竜のオーラをまとった芳樹がそこにいた。
「俺は火竜の血も引いているんでね。さあいくぞ!」
「俺も行くぜ!」
俺はぬらりひょんに雷竜の一族の末裔だ。
負けたくねぇ。
「どうした?ぬらりひょんの一族はそんなに弱かったのか?」
「いいや、これから俺の畏れ、見せてやる!!!」
「消えた?ぬらりひょんらしいやり方だな・・・ぐわっ!」
「俺の力、受け取れ!竜王百鬼!!!!!」
「どわああああああああああああ!!!!!!!!」
「へへ、俺の勝ちだ!!」
戦いが終わり、次第に暖かくなった。
「おめでとうぬらりひょんよ・・・君は俺に力を見せた。よってこの太陽の証をやろう!」
「やったな・・・」
「ああ」
「こいつは何かに役立つかも知れねぇから持っていけ!」
「陰陽師・・・蘆屋道満・・・か・・・」
俺は絶対陰陽師に負けねぇ。
そう誓った。
あとがき 次回予告 いよいよ学校に行くことになります。お楽しみに!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(8) ( No.12 )
- 日時: 2014/08/25 13:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は水曜日を控えた前夜、僕はみんなに訊いた。
「みんな、学校とやらに行きたいと思わないか?」
「思わない!!」
霊がにべもなく答える。
おいおい即答?
瑠璃がみんなをなだめると、
「どうしてそれを?」
「まぁ僕が学校にいる間、護衛役に襲われたりしたら心配じゃないか。だからさ・・・」
「ふぅ〜ん。まぁ、確かに響史と一緒に学校にいるほうが、なにかと安全かもしれないし、すぐに連絡も取りあえるかぁ。それに、人間界のことについて学ぶいい機会かもしれないし、私はいいよ?」
「仕方ないな・・・姫様がそう言うのであれば、私も行かない訳には行くまい。何せ、私は姫様の護衛役だからな……」
「OK。みんな行くことになるのか・・・」
そして翌朝、僕はみんなの髪を結んだりなんかで結構大変だった。
僕の家から学校まで6分しかかからない。
「おはよう」
「おはようございます」
「どうした?その子達は。まさか、熊本君のコレか?」
「いえ、そんなんじゃなくて」
「ああ、はいはい」
「校長室にお願いします」
「分かった分かった」
さっきのは生活指導主任でなおかつ2年の理科の先生である『小倉圭典』先生だ。
「校長先生、おはようございます」
「おはようござい・・・ってどうしたその子達は?」
「いえね、学校に通わせてもらえないかと・・・・・・やっぱり無理ですかな・・・」
中学の校長先生は『柳川稔雄』先生だ。
「いいや、教頭先生に聞いてみて、空きがあるかどうか、確かめてみますんで、ちょっと待っててください・・・」
そして3分して、
「人数としては、まぁ空きが高校に22人分、中学29人分、小学46人分だな。けど年齢的には14〜17歳ぐらいだろうかな・・・・」
「そうですか、ところで、条件はありますか?」
「そうだな・・・強いてあげれば君が昨年度といた学年末テストあるだろ?それを説いて気味より高得点を取ったら入れてやろうじゃないですか」
「はい、ありがとうございました!」
「ところで、君は何点取ったかな?」
「え?428点ですかな」
「そうか、それなら、429点以上で合格としよう」
「そうですか、ありがとうございました」
そしてその日の放課後、僕はとある塾に連れて行った。
あらゆる辞典を持っていった。
「こんな大きな本もっていってどうするつもりだ?」
「もちろん、僕ら人間界にある言語の勉強だよ」
「そんなにあるんですか?」
「まぁね。ここには3000語もあるけど、そこまで学ぶ必要はないと思うから、日本語と英語を学ぶことにしよう」
「オッケー!」
「そうと決まればまずは、ひらがなってやつからいこうかな。僕らの住む日本ではそれ以外に漢字やカタカナがあって、それらをつむぎ合わせて文章を作るんだよ・・・」
「へぇ〜。日本語ってなかなか面白いんだね〜♪」
「他人事みたいに言っちゃって〜。お前も受けねばいけないんだよ」
「え〜〜〜」
そして、日本語(国語)のところが終った後で訊いてみた。
「例の魔界学園の偏差値範囲ってどれくらい?」
「うーん、0〜100ですね」
「で、偏差値どれくらいだった?」
「80は超えてましたね」
おいおい80って・・・こっちの偏差値に還元したら65かそこらじゃん!!!
「ビビッてないで健太郎・・・私はそんなによくないよ?」
「じゃあどれくらいなんだ?」
「私?70くらい」
70って僕といい勝負じゃねーか!!!!
「ところで、霊も偏差値80?」
「いや、60かそこらです」
「あれ?護衛役って80が合格ラインじゃなかったっけ?」
「姉上はあるもので80を突破してしまうんです・・・」
「あるもの?」
「それは、魚です・・・・・・・・・」
「ああそう。現金なやつだなぁ」
霊にこういってやった。
「お〜い、霊〜?もし430点以上取ったら魚料理の大判振る舞いだよ〜?」
「えっ、本当?」
「え、まあな」
「ああ…明日のことなんだが、学園に入るのは別に構わないんだが、私たちの年齢、考えているのか?」
「いや全然。人間界の年齢に直すと何歳ぐらい?」
「そうだな、私が16の高2で、霊が15の高1、霰も15の高1、零が14の中3くらいだな・・・」
「そっか、零が14って・・・・中3。ならば零のことはよしとして、霊たち陸先輩たちに頼むことにしよう」
そうすることした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(8-1)・(9) ( No.13 )
- 日時: 2014/08/25 19:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正 陸→理久
そして金曜日の放課後に僕は呼び出されて、今回の入学テストの結果を発表された。
「すごいな。みんな450点以上か・・・・あれ?1人例外がいるな・・・・」
「例外?」
「瑠璃って女の子だよ」
あちゃ〜やっちゃったのかあいつ〜!
「それでもなかなかやるもんだ。444点だからな」
「あ、そっか・・・」
ひとまず胸をなでおろす僕。
「しかし、ここまでやるんだからには認めよう。合格だ!」
「はい、ありがとうございました!」
「後は、制服の採寸だけだな」
「そうですか」
「まず、先生たちはひとまず退散しよう」
僕らは保健室から遠のくことにした。
「行橋先生」
これが養護教諭の『行橋佳樹』だ。
「おう、熊本君。さっきの女の子たち、ここに転校するんだってな」
「はい」
「青い髪の女の子に至ってはよく似てたなぁ」
「そいつら全員姉妹だとか」
「そっか。今からやってきます!」
「そうそう、月曜日からの登校が決まったぞ」
「クラス割りは?」
「そうだな・・・・零は3年3組だ」
よかった。
3年4組だったら変態に何されるか分かったもんじゃないからな。
「瑠璃も3年3組」
中学校は7階建ての5階〜7階だ。
「ここですか・・・3年3組・・・」
「間違いない」
そして、HR(ホームルーム)が始まった。
「皆さん、おはようございます」
「おはようございます」
「さて、みんなの新しい仲間がここに来ることになりました」
「転校生は男子と女子のどっちですか?」
さっきのは『水俣芳大』で狒々の血を引いている。
「女子が2人ですかね」
「では…入ってきてください…」
2人の女子が入ってきた。
「自己紹介をお願いします」
「私が今回転校してきた『玖珠原瑠璃』で〜す!この1年間よろしくお願いします!」
「しかしめっちゃ可愛いな」
「ま、まあね」
「私は・・・『青竜院零』です・・・」
「なんか人見知りっぽいな」
「うん、確かに」
「こんな女の子と一緒じゃ3年4組怖くなるぞ」
「え、だったら自重するしかないな」
僕と芳大のやりとりはまだ続く。
「めっちゃ可愛かったな。さっきの瑠璃に零だったんでしょ」
話しかけてきたのは『杵築望恵』だ。
僕のクラスのメンバーを紹介しよう。
まず三羽鴉の『島原唯真」、『天草翔貴』、『竹田愛』。
鎌鼬の『八代海斗』。
天の邪鬼の『宇佐美晴海』。
毛倡妓の子孫、『国東マルシー』。
青田坊の『人吉幌大』。
黒田坊の『長崎光平』。
雪女の『大分紗野』、『中津桃歌』。
僕らの頼れる兄貴分、牛鬼の子孫『雲仙明』。
後は純粋な人間の『城下玲菜』・『由布院真有』・『日田野菜緒』たちだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(10) ( No.14 )
- 日時: 2014/08/26 21:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして、火曜日放課後の京都・相国寺・・・
「いったい僕らをこんなとこに呼び出して何のつもりだ」
「さあな。おそらくここが水星の陰陽師がいる所なのは間違いないだろう・・・」
「あら、今日はぬらりひょんにろくろっ首?」
「そんだけじゃねぇ。雪女もいるぜ?」
「あら、今日は3人の来客ね」
「俺はぬらりひょん23代目、熊本健太郎」
「あら、相当強そうね」
「まあな」
「すかした態度。嫌いじゃないわそれ」
「負ける気なんてぜんぜんしねぇ」
俺は白竜・黒竜の剣を抜く。
「いいわ。ちょっとだけ遊んであげる」
「絶対負けねぇ」
こいつが水星の陰陽師か・・・
「私が水星の陰陽師、蘆屋道満の一族、『水野麗』よ」
「行くぜ!お前の実力見せてみろ!」
「負けないわよ!!!」
「こっちから行くぜ!雷炎岩石!!!」
「くっ!!!なんて威力の攻撃・・・でも私が勝ったらあなたたちは滅される・・・」
「篤も行くぞ!殺取・水竜螺旋陣!!!」
「きゃあああ!!!」
「どうした、お前の力はそんなもんか?」
「くっ、なめないで・・・この力で滅してやるわ!!!式神!桜花!!」
「式神?陰陽師が使う・・・」
「ええ、この姿に勝てるかしら・・・」
そこに立っていたのはいつかホームページで見た小峰シロに似ていた。
「行くわ、疾風桜花!!!」
「どわっ!」
速い。
速すぎる。
けど・・・僕はぬらりひょん。
相手をぬらりくらりと翻弄する妖。
「私がやる!呪いの吹雪・熊殺し!!!」
「寒い!まさに真冬の寒さ!なんて力なの・・・」
「ふっ、これこそ半妖の実力・・・」
「半妖なんて認めない!絶対滅してあげる!!!!桜花大爛漫!!!!!!!!」
「うわあああああああああああああ!!!!!!!!!!」
剣が見事に3人に直撃した。
「この力、蘆屋道満の一族ということはあるぜ」
「ふん、それほどでも」
「だが、俺はぬらりひょん。百鬼を統べる者として負けるわけにはいけねぇんだよ!!!」
「やれるものならやってみなさい!!」
「行くぜ、妖の畏れとくとみよ!!!雷竜百鬼夜行!!!!!!!」
「きゃあああああああああああああ!!!!!!!!」
斬撃をまともにくらった麗は地に堕ちた。
「まだよ・・・」
傷ついてなお立ち上がろうとする麗。
「頭冷やしな」
そういって立ち去ろうとする俺たち。
そんな時、
「へ〜、あんたも結構いい胸してんじゃない。でも私のほうが大きいかな〜」
「女の声?いったいどこから?」
「へぇ、こいつぬらりひょんの血ひいてる男なの?優男すぎ」
「な・・・」
可愛くて胸の大きい女の子がいた。
「で、水星の陰陽師、さっさと証渡してくれない?」
「何なのよさっきから!?」
「さっさと渡しなさい!!!」
「分かったわ!渡せばいいんでしょ!」
「ぬらりひょんの23代目、キザすぎる男」
「な、お前さっきから・・・」
「あたしはルナ」
「僕は熊本健太郎。ぬらりひょん23代当主だ」
「当主?あたしは発明家。また会えるといいわね」
あの女、いったい何者なんだ・・・?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(5-1)・(11) ( No.15 )
- 日時: 2014/08/26 21:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正『青竜院零』
木曜日・・・
僕は相変らずなんでもなさそうな生活をしている。
「ん、あの女2人は何しにここへ・・・」
「どうした、なんかあった?」
「い、いえ、特にこれといったことじゃないんで・・・」
「そうか・・・」
そうそう言い忘れてた。
僕のクラスの担任は英語の『荒尾健太郎』先生で僕の学年の人は僕を熊本君、先生を荒尾先生と呼び分けている。
「ん?女の人が2人?」
「まあ、何かあったんでしょうか・・・」
そして休み時間、
「はい、何でしょうか?」
そこには瑠璃と同じく蜜柑色の髪の毛をした、瑠璃と全く同じ顔だちの少女と、水色の髪の毛に蒼く光る瞳…そして、特徴的な丸いメガネをかけた、見た目的に20歳くらい感じの女性だった。
「この男が、お姉様をたぶらかした変態……」
「はい、情報によるとそうでしょうね」
おいおい、早速変態扱い!?
「おとなしくお姉様を返してもらうわよ…」
「お姉さま?瑠璃のこと?」
「何よさっきからこの男・・・お姉様を呼び捨てにするなんて…斃してやるわ!」
「ま、大魔王の力なんぞに、畏れなんざ感じねぇけどよ」
「どうしても行かねばならない理由があるの」
「ふん、ここは行かせねぇ!!」
「この男・・・ぬらりひょんの血を引いているとでも言うの!?けどそんなの斃せばいいだけの話・・・そして私は『青竜院澪』…。青竜院一族の長女よ!!」
「ああ、はいはい俺がぬらりひょん23代目だ」
「やはり、ぬらりひょん!!!」
「ぜってぇ屈しねぇ」
「まさかその剣・・・白竜に黒竜!!なぜあんたが持ってんの!?」
「お前、魔剣作ろうとしてたんじゃねぇのか?」
「ええ、そうよ!」
「だが、何かの手違いで聖剣になった・・・違うか?」
「な、どうしてそれを・・・」
「俺は母さんと同様、察しがいいもんでね」
「そんな余裕言ってられないわよ?」
「え?」
俺は彼女の鞭に吹っ飛ばされた。
「ぐあっ!!」
俺は壁に頭を打ち付けた。
頭が痛い・・・
「健太郎先生!?どうかしました!?」
「それが、見てのとおりだ」
「零・・・」
「姉上・・・ですか?」
「あんたもこんなとこでいつまで長居してるつもり?さっさと帰るわよ!!大魔王様がかんかんよ!!」
「すいませんが・・・あんな暗闇のところには帰りたくなくなりました。私はここにいたいのです・・・」
「戯言を・・・」
「俺は、確かに自分勝手のクズで弱虫で言ってることは詭弁かもしれない。けど、僕の思いは澪の思いと負けず劣らずの思い、そう思うぜ!!」
「あんたってよっぽどバカ・・こっからは正々堂々と戦うわよ!!!!」
「望むところだ!!!!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 (12) ( No.16 )
- 日時: 2014/08/28 22:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
風が吹き荒れ始める。
「行くぜ、武器展開!」
「まさに白竜に黒竜・・・まさに私が作った武器ね・・・」
「ま、お前に借りができちまったわけでいい?」
「そうね」
「熊本君、何やってんの!?」
理科の『飯塚恵』先生が駆けつける。
「何って、もちろんバトルに決まってるでしょう?分かったら後ろに下がってるほうが賢明ですよ」
「熊本君、バトルって言うなら俺も加勢するぜ!」
芳大が太刀を構える。
「僕は澪、芳大はあっちを頼む!」
「了解だぜ」
「なるほど、あんたみたいな男が私の相手って訳ね・・・」
「俺を見くびるな。俺は狒々の子孫で相当な怪力の持ち主。水俣芳大だ
!!」
「あっそう。あたしは魔界の姫の麗魅よ!!」
「俺だって手加減しねぇぜ!!」
「それはこっちのせりふよ!!」
ついに2対2のバトルがスタートした。
「行くぜ、煉獄凌駕!!!」
「くっ、まさに火竜の血を引く男・・・」
「受け取れ、雷竜白雷撃!!!」
「何この圧倒的な雷撃・・・」
「これこそ俺たちの力だ!」
「まだよ・・・千手斬刀!!!」
「うおっ!!危ねぇ・・・」
「人間のくせにしぶといわね!!」
「はっ、俺たちは半ば妖怪でね・・・そう簡単に死にっこないぜ?」
「そう、総てを支配する力、とくと味わいなさい・・・」
「ならば、これで決めてやる!!!!!!」
「何ですって!!???」
「受け取れ!!!!!雷電大煉獄!!!!!!!!!!」
雷をまとった剣と炎をまとった太刀が2人まとめて切り裂いた。
「きゃあああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「この技は全ての悪を浄化する」
「くっ、熱い、なんて熱さ・・・悪魔の炎すら凌駕する圧倒的熱量・・・これが・・・狒々とぬらりひょんの炎なの・・・」
チタンすら気化する3400℃の炎に焼かれ、墜ちていった。
「よっしゃぁ!これで勝ちだ!!」
そういってられるのも今のうち。
僕らはかなりの体力を消耗してしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(13) ( No.17 )
- 日時: 2014/08/29 18:56
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「何その宝石!?まさか、あんたら・・・」
「ああ、僕らは太陽系の陰陽師と戦っているんだ・・・」
「陰陽師・・・ね・・・」
「そんなとこだ」
「けれど、彼らは直系じゃないってこと、知ってる?」
「何のことだ?」
「徳川の世ができてまだ10年かそこらしか経っていない時のこと・・・あんたらも知ってるでしょ?人間界と魔界で戦いがあったこと・・・」
「もちろん」
「12度にわたって、王の心を惑わす狐・・・そいつが九尾の狐・・・」
「九尾の狐って何のこと?」
「存在そのものが国を傾けるほどの美女とかになれる妖怪と悪魔の混血・・・」
「妖怪と・・・悪魔・・・?」
「ええ、例えば妲己に褒似、華陽夫人やら楊貴妃、玉藻の前とか張喜嬪、マリー・アントワネットとか・・・言い出したらきりがないからここでやめるわね・・・」
「それで?」
「彼女たちは夫や恋人になった王の最期を狂わせたの」
「なるほどね」
「本題に戻すわよ、大魔王様の先祖はここがどうしてもほしかった・・・」
「ここを支配で着たら天界へは一瀉千里でいけるしね」
「ここを攻めるために指揮官を中心である九尾の狐に抜擢した」
「まず、彼女は地球のことを下見するべくある幼女に取り付いたの」
「ある幼女・・・?」
「淀殿」
「淀殿に?」
「うん、豊臣秀吉に嫁いだとき彼女は分離した。けれど、淀殿のその頃の記憶はコピーされてるって言うか・・彼女はおなかに子を宿した・・・」
「どんな子を?」
「そう、史上最強の悪魔・・・・・・メフィスト」
「メフィスト?」
「うん、その子のためにはどうしても生き胆が必要で・・・」
「生き胆を結構奪ったんだよね・・・」
「ええ、あるときは歴戦の猛将、またあるときは絶世の美女・・・」
「そんなに生き胆を奪ったんだ・・・なんて奴だ・・・・・」
「でも、その願いは封印されてしまった・・・あなたの先祖に・・・」
「僕の・・・先祖に?」
「それからというもの、人間とか妖怪としか子を成せなくなった・・・」
「で、陰陽師の件は?」
「そっちも、13代目以降の嫡男は2,30代のうちに亡くなってしまう・・・そんな呪いがかけられたの・・・・」
「そうか・・・」
「よく分かった?あなたは今後、九尾の狐と戦う運命だということを・・・・」
「ああ、僕は、戦うしかないようだな・・・・」
「私はこの世界にいるから、心配しないで。麗魅、ここにいよう?」
「うん・・・・・」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(14) ( No.18 )
- 日時: 2014/08/29 22:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕ら3年3組の苦難はまだ続く。
そして金曜日・・・・
紗野は登校中だった。
ゴン!
1人の青髪少女にぶつかった。
「何だよあんた!何自分からぶつかってきてんだよ!」
「それはこっちの・・・ってまさか護衛役?」
「ああ、あんたなんかに邪魔はさせない!!」
「何よ!雪女である大分紗野を愚弄する気!?」
「ああ!?あんたなんか知るか!」
「それよりあんたは誰!?」
「あたしか?あたしは『青竜院霙』!!熊本健太郎って男はどこにいるんだ!?」
「んなもん知らないわよ!阿蘇宮篤ってやつと一緒よ!」
「阿蘇宮・・・ああ、零たちを誑かせてる野郎のことか!」
「そいつらに何の用よ!!」
「あいつらをぶっ殺すためさ!!!」
「それよりあいつに用があるなら学校につれてってあげる!!」
「ふん、あんたってよっぽどバカ」
「何よ」
「何でもねぇ」
そして・・・
「こいつがぬらりひょんでもある熊本健太郎?ぜんぜん強そうじゃないな・・・」
「ほっとけよ!それより紗野、そいつ連れてきて何の用があるんだ?」
「どうも紗野、霙っていう護衛役とぶつかって・・・」
「こいつが護衛役?」
「霙姉上?」
「姉上って・・・おいおいまさかこいつが姉ぇぇぇぇ!!!???」
「反応が大きすぎです。それよりここに来たのなら、暴力振るったんですか?」
「そんなことするか!こいつと単に口喧嘩しただけだ!!!」
「みっともない・・・大魔王に負けず劣らずの怪力の持ち主がこんなところで口喧嘩とは・・・・・・」
霙の顔が真っ赤になる。
「お前、相当な怪力だって?俺だって相当怪力なんだ」
「こいつは?」
「人吉幌大だ」
「あっそう。ここって相当悪くないとこだな。ここに居させてもらうよ」
「なんて純粋な・・・・・・・・・・」
僕らは唖然としてるだけだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(15) ( No.19 )
- 日時: 2014/08/31 17:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
まーだ僕らの苦難は続く・・・
そして4時限目、何者かからの手紙が来た。
「ん?昼休み、屋上に来い?」
そして言われるがままに屋上に行った。
「あら、あなたがぬらりひょん23代目、熊本健太郎ね?」
「ん、ああそうだけど?どうして僕の名を?」
「そりゃ魔界じゃその名は有名だからね・・・」
「俺はぬらりひょんだけど、俺になんか用か?」
「それより、まず言っとくわ。私は『青竜院露』よ!」
「ならば姫たちを返せ、だろうな」
「ええ、そうよ!けど、それより妹たちを返してほしいの・・・」
「はぁ?」
「………きだから」
「おいおい・・・」
「妹達が好きだからよっ!!」
ええええ・・・・・
「まさか・・・澪までも・・・好きだとでも・・・」
「そ、そうよ!」
俺はこのことでよくわかってしまった。
露は、とてつもない変態ということを・・・・
「あの、その、ただ、そのですね・・・」
「人の趣味言われたくないわ!あなただって可愛い妹に囲まれハーレムになってうれしいんでしょ!!」
「別に、俺はそんなこと・・・・・・望んで・・・・」
言い終わらないうちに、露が槍の様な物で攻撃してきた。
「どわっと!」
「なかなかやるわね・・・」
「は、俺たちは悪魔を何人も相手にしてきたんで、なんともねぇんだよ!」
けど、霙と紗野の時は口喧嘩だけだったんだけどな・・・
「ここでいかせてもらうわよ!」
「なっ!?」
「千連水操!!」
槍が100になって僕に襲ってきた。
「消えた!?」
「俺はここだ、受け取れ!竜王止水“桜”!」
「きゃあっ!?」
酒をぶちまけて炎で攻撃した。
二人して睨み合いが続く。
「何、妹たちと一緒にいたいって言うのなら、ここにいれば言いだけの話・・・ここは露たちを追い払うなんてクズなまねはしないさ。好きにいていいんだ!!霊とか零とかと一緒に痛いんならここにいればいいだけじゃねぇか!」
「そう、分かったわ」
霙たちが駆けつけた。
「どうした、2人して?」
「いやな、それが露って・・・・」
言い終わらないうちに霙に露は襲い掛かってきた。
「ふん!!!」
幌大は一発拳骨を据えてやった。
「露・・・ね・・・相変わらず変態なんだよ。許してやってくれ」
苦笑いしかできない霙だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(16) ( No.20 )
- 日時: 2014/08/31 20:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
土曜日、僕らは相も変わらず京都の街に行っていた。
西本願寺にて・・・
「西本願寺・・・第4の封印か・・・ここに地球の陰陽師・・・」
「そうだな・・・」
「とりあえず入りましょう」
金閣寺には紗野たち12人、西本願寺には僕ら12人で行くことにした。
「待ってたっすよ」
「お前が、地球の陰陽師!」
「そうっす。僕が地球の陰陽師、そして蘆屋家五条流、『高地政宗』っす!」
「俺はぬらりひょん23代当主、熊本健太郎だ」
「ぬらりひょん・・・さぞ滅しがいがありそうっすね・・」
「言っとくが、俺は簡単に滅せないぜ?」
「ではいくっすよ?」
「こっちもだ!」
「殺取・水竜螺旋陣!!!!!!」
「うおおお!!!すごい威力っすね・・・ならこれはどうっすか?重力操作!!!」
「体が浮いてる!?うあっ!」
「これで首無も動けないっす」
「さすがですね・・・私たちもいきますか・・・疾風雷電!!」
「これもなかなかっすね」
「俺たちは百鬼夜行なんでね」
「ならば、これはどうっすか?大結界・鋼!!!」
「これは、鋼の陣!?」
「これでみんな逃げれっこないっすよ」
「余計な真似すんじゃねぇ!!竜王止水“桜”!!!!!」
「おっと」
「避けられたか・・・」
「なら、これはどうっす?大結界・氷!!!!」
「くそ、これを破るのは一苦労ってやつだな・・・・・」
「こうなったら・・・・雷雲大惨歌!!!!」
「無駄っす!」
「そいつはどうですかね・・・・」
「氷の結界を・・・破った!」
「五条流、結界を作るのが相当うまいようでしょうけど・・・肝心の結界を壊せばいいだけです!!!」
「しまったっす!!」
「だったら受け取れ・・・」
「いつの間に!!??」
「竜王止水“柳”!!!!!!!!」
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
また酒をぶちまけたが、今度は雷で攻撃した。
さてその頃の金閣寺・・・
「へぇ、あなたが雪女の大分紗野ね。いいわ、この『金城麗華』の遊び相手にはね!」
「いくわ!風櫻鶴麗!!」
「冷たい!!まさに雪女らしい攻撃ね・・・」
「どう?この威力?」
「こんなもの私の力に比べりゃ可愛いものよ・・・おいで!鳳凰丸!!」
「これがあんたの式神?」
「そうよ!私の力・・・とくと味わいなさい!!!」
鳳凰丸が鹿苑寺の道をめちゃくちゃに壊す。
「すごい怪力の力ね・・・」
「これを逆手に取ればこっちのもんだ!」
「そ、総大将!!」
「ぬらりひょん?相当可愛げのある子。滅してあげるわ!!」
「ふん、俺の力、甘く見るなよ」
「そう、こいつもやっちゃいなさい!鳳凰丸!!」
「退け」
一発で鳳凰丸を斬り捨てた。
「いきますよ・・」
「受け取れ・・・竜王止水“百花繚乱”!!!!」
「きゃあああああああ!!!!!!!!!」
「これが妖の力」
ついに京都市内の戦いが決着した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(15-1)・(17) ( No.21 )
- 日時: 2014/09/01 18:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正 いたいんなら
僕は日曜日、事故を起こしてしまった。
スケボーで駆け下りていた時のこと。
「うーわー、風が気持ちいいなー」
風に当たっていられたのも今のうちだった。
横から突然コロコロ転がってくる赤いリンゴと、髪の毛を両結びにした少女が飛び出してきたのだから。
「うおっ!?危ねっ!!??」
「へ?きゃあああああああ!!!!!!」
案の定間に合わず、1人の少女を轢いてしまった。
「僕、まさか人を・・・ってあ!!!青髪、青の瞳・・・・もしかして・・僕・・・・」
僕が轢いてしまったのはまさかまさかの護衛役。
つまりは霄達の妹を轢いたということになる。
「ここは杵築ちゃん家に近いはず・・・こうなったら霊にも呼び出してもらうか」
死なないでくれ・・・
15歳直前で人殺し、いや、悪魔殺しは御免だよ?
「おーい、杵築ちゃん早く来てくれよ」
「どうしたの?」
「ちょっと面倒かもしれない用事があるんで・・・・」
「いいよ」
ドアが開いた。
「熊本君、どうしたのその子・・・・」
「かくかくしかじかで出血多量なんだよ!」
「電話したる。もしもし?霊いる?」
<いるが・・・霊・・・変わってくれ>
<どうしたの?健太郎、何かやらかしたの?>
「いえね・・・熊本君、事故起こしちゃって・・・」
<え?何のこと?>
「だから、事故で悪魔を撥ねちゃったの」
<えー?本当?>
「だからほんとのことって言ってるでしょ!!!だからこっちにいらっしゃい!」
そして8分後・・・
「霖がどうしてこんなとこに?」
霖という少女瞬時に理解した。
というか、ここにいる人物からしてこの少女しか残っていなかったのだ。
「ほんとに済まない・・・・まさかこんな事態になるなんて・・・・・」
「安心して。私の力は治癒能力があるんだよ!」
「すごい!!」
「ん?これは大量のりんご?いったい何作るつもりだったのかな・・・・」
「たぶん、アップルパイだと思うよ」
「あ、そう・・・」
「アップルパイなら作り方知ってるで」
「え、マジ!?」
「せやで」
「だったら作ってやってくれ・・・僕はちょっと看病に行ってくるから」
そして2階に駆け上がる。
「霊、霖今大丈夫かな?」
「あ、ちょうど終ったところ」
「悪魔なら結構早く治療完了するんだ」
「うん、人間なら1時間はかかるけど・・・・」
「あ、このにおいはもしかして、アップルパイ?」
「できたでー。みんな食べに来いや」
「オッケー!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(18) ( No.22 )
- 日時: 2014/09/01 19:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はちょっとはっとした。
霖のことだ。
望恵にいったん部屋に留まらせた。
「……霊がお前を助けてくれたんだ。でも、あの時どうしてあんなところに?」
「実は私、こっちに来た時、当初は神童響史——即ち、あなたのところに来る予定だったんだけど、人間界の世界の道はよく分からないからすっかり迷っちゃって……。結局、路頭に迷っていた私は橋の下で一夜を過ごすことになったの。最初は不安と孤独感と寒さで死にそうだったよ。でも、あの人達が助けてくれたんだ……」
「え?」
「ほら、ホームレスだよ!」
あ、そうそう思い出した。桂離宮付近を流れる桂川にはホームレスがいたっけ。
「あの人たちは本当に優しい人たちばかりだね。孤独感も一気に拭われたし、おかげさまで寂しいっていう気持ちと不安感もなくなった。おまけにあの人たちのおかげでこの光影市については殆ど学ぶことが出来たよ。それで、お礼にと思って私は次の日の夜、彼らにカレーライスを作ってあげたんだ。それで、今日がその三日目の日。本来なら、橋の下に行って彼らに三日目のカレーとホームレスの仙人に習ったアップルパイを食べさせてあげたかったんだけど……。あの時、リンゴを一個誤って落としちゃって。それで——」
「だからあんなにりんごを買ったんだ・・・」
「そ。ところで・・・ひとつお願いがあるんだけど・・・」
「何?」
「お姉ちゃんって呼んでもいい?」
「ええええええ!!!!???????」
「どうした?」
僕はとっさに駆け上がった。
とはいってもまだアップルパイは手付かずなのだが・・・・・
「ちょっと聞いて。お姉ちゃんになるねん」
「一人っ子のはずじゃ・・・って霖に?」
「そう」
「本人がいいなら、それでいいんじゃない?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(18-1)・(19) ( No.23 )
- 日時: 2014/09/02 15:51
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正 熊本健太郎
夕焼けが明るい洛西学園都市。
「ホームレスのメンバーに会いに行くことにしようか」
「ありがとう!熊本君!!」
「ケンでいいよ」
「じゃあ、ありがとう、ケン!!」
というわけで、僕らは桂川付近に行くことにした。
「ここが桂川だが、ホームレスどこにいるの?」
「ここだが・・・わしらの恩人、知らないか?」
「え、ああ、あの・・・」
「そうそう、青い髪の毛に蒼い瞳……それからリボンで髪をくくってるやつ」
「それって……」
「そうそう、そいつのことさ。おーい皆、俺たちの恩人がここに来たぞー!!」
「え?何のこと?」
「ああ、俺たちにカレーとかを恵んだ恩人だ!」
しかし僕には聞く暇などなかった。
何せ今16時。
「よく分かった」
「杵築ちゃん、その子を頼んだぞ?」
「え、はい」
そして、帰ってきたのは17時。
いつものようにマンションに帰ってきた。
すると・・・・・・・・・・
「この変態男め、いったい何をしていたのですの!!!???」
「うわっ!!!いったい僕が何を・・・・・・・・・・・・・」
「お姉さまにいったい何をなさったのです!!???」
「僕は何も・・・・ただ、これは本当なんだ・・・・」
「・・・・・・・・なるほど、あなたは霖を轢いてしまったのですね?」
「あれはわざとじゃないから!!!」
「いいえ、私たちに毎度振り回される腹いせに霖を轢いたとも考えられますわ」
「いや違うってば!!!」
言い争ってるうちに露が襲い掛かる。
「ケン怖い・・・・・・・」
「露、いったい・・どうしたのその面・・・・・」
「そりゃあ、私には霖ちゃんとチョメチョメするっていう使命があるの!!」
「真面目に言うのやめなさい!!!」
今日も散々振り回されっぱなしの僕だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(20) ( No.24 )
- 日時: 2014/09/02 16:32
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
月曜日放課後・・・・・・・・・・
京都市東山区清水寺・・・・
僕はこんなところへ呼び出された。
「ここが、第5の結界・・・清水寺・・・・・・」
「あら、妖2人に悪魔1人、まとめて滅するわ!」
「この声は、『火崎未来』!!!」
「そうよ。わたしの堀川流陰陽術・・・とくと思い知りなさい!!」
「こっちもいくぜ!!」
「大文字燃焼!!!」
「うわっ!早速危ない技を・・・」
「篤がいく!殺取・岩蜘蛛!!」
「きゃっ!なめられたものね・・・式神!獅子王!!」
「ふっ、かかったな。殺取・水竜螺旋陣!!!」
「嘘!私の式神ちゃんが・・・・」
「私が止めを刺すわ・・・」
「澪!?」
「いくわ・・・冷却氷畏!!!」
「鞭で、相手を氷漬けにした!?」
「私が火星の証を受け取るわ」
「ん?」
「ごめんなさいね。わたしはこれでも人間の血を引いてるの」
「すごい・・・」
「金星に地球の証。これだのこる陰陽師はあと半分」
「その前に滅されないようにしなくちゃな」
残る陰陽師はあと5人。
次なる結界は竜安寺だ。
追記 青竜院16人兄弟のうち8人がわかっていますが、ここで一発年齢・誕生日もまとめることにしました。
澪・・・長女(20歳)<7月11日>
雫・・・長男(18歳)<11月16日>
露・・・三女(17歳)<5月22日>
霄・・・四女(16歳)<8月27日>
霊・・・五女(15歳)<6月7日>
霙・・・六女(15歳)<6月7日>
霰・・・七女(15歳)<6月7日>
零・・・八女(14歳)<9月24日>
霖・・・九女(13歳)<4月28日>
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(21) ( No.25 )
- 日時: 2014/09/03 18:10
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は人間としてだけじゃなく、妖怪としての人格を持っている。
霙とともに竜安寺に向かっていた。
「ここが竜安寺・・・・石とかが水によく見立ててるな」
「まあな。こういうのを枯山水って言うんだ」
「枯山水・・・確かに水は見当たらないしな」
「ここに木星の陰陽師がいたんだっけな」
「陰陽師・・・か・・・」
「俺はここにいるぜ」
ぬっと男が現れた。
「俺が『木下和幸』。木星の陰陽師だ」
「ぬらりひょん23代目、熊本健太郎」
「なるほど・・・23代目、滅すべきだな」
「そうはさせねえぜ!」
「霙!?」
「ここはあたしが戦うんでね。ちょっと下がってな」
「え?」
「ぬらりひょんとして大魔王と戦う運命なんだろ?ここでくたばったら元元も子もねえじゃねえか」
「そりゃそうさ。けど・・・」
「あたしは大丈夫だから☆木星の陰陽師を倒させてくれや」
「いいぜ」
「霙って娘が相手か・・・相手にとって不足はない!!」
「かかってこい!」
「いくぜ!木竜の剣!」
「これは!?木でできてるのにすごい切れ味・・・あいつらの刀よりもすごいかも知れねえ」
「油断してる余裕があるのか?木竜・・・大文字斬り!!」
「うおっ!」
「これが陰陽師の力だ」
「ならば受け取りな・・・・悪魔の力……」
「何!?」
「大文字鉄槌!!!!」
「ふん!!」
「かわしたあとが本番の技だ」
「何だと!?」
大文字の形に地割れが発生した。
「どわあああああああああ!!!!!!!」
「すげえ・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうした?」
雫が駆けつけた。
「どうも霙・・・すごい新必殺技を作っちまったんだよ」
「何だこの地割れは!!??」
「大文字鉄槌によってできた地割れだよ・・・・」
「どんな怖い技出してんだこいつ・・・・・・・・・・・・・」
雫が完全にビビッてしまった。
僕はため息をつかざるを得なくなった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(22) ( No.26 )
- 日時: 2014/09/03 18:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
竜安寺からの帰り、僕は新たなる護衛役と出会うのだった。
「雫、僕は大魔王の計画を阻止できるのかな・・・・」
「それはお前が強さ次第だな」
「そうかもな・・・ってあれ?」
「どうした?」
「さっき、僕らの目の前にいたの・・・護衛役?」
「丸太町通りを走ってたの?ああ、霞のことか」
「霞?」
「そうだ、あいつは俺の姉でもあり、澪の妹さ」
「うんそうか・・・さっきの、今僕らの後ろにいない?」
「何言ってんだよ・・・って霞!!!???」
「見つけたで・・・・雫・・・・・そして熊本健太郎・・・・・・」
「まずいな・・・とりあえず・・・・」
「おい・・・・・・・」
「逃げるぞ!!!!!!!!!!」
「ちょっとそれどういうこと!!??」
「待ちやああ!!!!!!」
京都駅構内まで逃げた僕は霞について聞いた。
「なあ、霞ってどんな奴なんだ?」
「そうだな・・・関西弁使ってただろ?」
「うん」
「それだけじゃねえ。二挺銃使ってるからな・・・長ドス使ってるお前でも危険だぞ?」
「刃渡り80cm・・・・ってまずい!!!」
「おい、何かあったか?」
「銃刀法に完全に引っかかってる!」
「警察の中に陰陽師いたか?」
「そこまでは分からない」
「俺たち・・・つかまるな・・・・・」
「冗談言ってられるか・・・俺は大魔王の野望阻止するまでにくたばるわけに這いかねえのに・・・・・・」
「言ってるうちに妖怪になってるぞ?」
「そう?まずい。あいつに滅されるぞ」
「誰に?」
「蘆屋一族の末裔の警部によ・・・」
「そいつ、誰なんだよ?」
「蘆屋義憲だよ。妖怪は徹底的に滅するのが彼のモットーでね、喩えそれが僕みたいな人間としての人格を持っていてもね」
「お前、滅されたらどうなるんだよ?」
「妖怪としての人格は消え、人間としての人格しか残らないんだ」
「そりゃ大変だ」
「ルナ!!!!こっち来てくれ!!!」
「ルナ、テレポートするしかないが・・・どうする?」
「そうね・・・ぬらりひょんの人格手に入れてるなら、ぬらりくらりとかわせば?」
「やるしかないな・・・」
しょうがないからぬらりひょんの力を発揮することにした。
7分で洛西学園都市にまで逃げた。
「逃げ切ったか・・・」
「逃がさへんで・・・・・・・」
「おい、逃げ切れなかったが・・・どうする?」
「俺たちの負けだな」
「あんたなあ!!!」
「うおっ!!!!!!」
いきなり僕の胸倉を掴まれた。
「いったいうちの姉貴や可愛い妹たちを手玉に取ってんねん!!!!!!!!」怒るとこそこ?
「あいつら全員返してえや!!!」
「はあ、そんなことして大魔王の審判下されたらどうすんだよ」
「うっさい!!!!!」
ビンタ一発やられた。
「冗談じゃなくってここにいたほうが賢明だって言ってるの!!」
「どうしたの?雫に健太郎君」
「ちょっと霞にからまれて・・・・」
「霞姉上、落ち着いてください」
「そこまで言うんなら落ち着いたる」
霞はため息一発ついた。
「けど大義がなったら帰るで!」
「いや、そいつはどうかな・・・熊本の奴、最近力つけてるから・・・」
「あ、そう」
無愛想だな・・・・・
そう思う僕と雫だった。
追記 あ、すいません。実際分かってるのは9人です。10人目の護衛役、紹介します。
霞 次女(19歳)<4月28日>
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(23) ( No.27 )
- 日時: 2014/09/06 21:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
5月23日・・・・・・
定期テストも近づいてきた。
「熊本君」
「どうしたの?紗野」
「あのね、日曜日、洛西公園で青髪の女の子にあったの」
「青髪?」
「まさか護衛役か?」
篤が駆けつける。
「それが・・・・・・・」
「どうした?」
「杏香ちゃんと剛君が遊んでいたの」
「それから?」
「遊んでたのはまだ1人いたの」
「そいつが、護衛役かもしれないな」
放課後、大分紗野は洛西公園に来た。
口に棒付きキャンディーを頬張らせている。
それに、その女の子の瞳は髪の毛同様海の色の様に青かった。
とりあえず、紗野は名前を聞いた。
「あなた、名前は?」
「・・・・・・雪」
夏も近いのに寒気がする。
「雪ちゃんは、どこから来たの?」
「遠いところ。でもおねえちゃんにそんなこと話す必要があるの?」
「え?そ、それは・・・・」
言いよどんでいるうちに紗野の胸を触った・・・むしろ揉んできた。
「お姉ちゃん、胸小さいね」
「な・・・・」
顔が真っ赤になる。
「まあ少なくともお姉ちゃんよりは小さいね」
紗野は泣きかけになった。
「ちょっと雪!!覚えてなさい!!紗野ねえはいつかナイスバディーになって見返してあげるわよ!!!」
「剛、早く帰らなきゃ」
「あなたが帰る必要はないよ?」
「どういうことだ?」
「あなたは殺されるの。そう、阿蘇宮篤!!あなたを殺す!!!」
「え?」
「剛は阿蘇宮剛。阿蘇宮篤じゃないって」
「う、うそ。でもこの写真には・・・」
「ちょっと見せてくれ」
写真には自分に似たちょっと大きめの少年、阿蘇宮篤がいた。
「やっぱり。剛の兄だよ」
「そ、そんな・・・・・・・」
「そもそも、剛の瞳の色は紫色で、篤のは青紫色。けどまあいいさ、人違いなんてよくあることだから」
さりげなくフォローする剛。
「うう・・・まあいいよ。阿蘇宮剛!あなたにはぼくの人質になってもらうよ!!」
「え、えーーーー!!!!!!??????」
剛が驚くのも無理もない。
人違いの次は人質だから。
こんな無茶な頼みは過去に聞いた覚えなどありもしないことなのだから。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(24) ( No.28 )
- 日時: 2014/09/06 22:29
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「仮に剛が人質になったとして、何か得でもあるのか?」
「ある」
剛は何か冷たい気迫を感じた。
「どんな得なんだ?」
「それはあなたの兄、阿蘇宮篤に会える」
「そんなに、篤に会いたいのか?」
「うん、だってぼくのターゲットなのだから」
「う、嘘だ、絶対嘘だああああああああ!!!!!!!!!」
地に拳を叩きつけ叫ぶ剛。
「・・・・・・・・・・その気迫、たぶん悪魔だろうけど。どうしてそこまで篤をつけ狙うのか?篤がどんなことをしたって言うんだ」
「もちろん悪いことに決まってるよ。ぼくにはとても悪いことに思える」
「どんなことだ??」
「阿蘇宮篤、熊本健太郎の2人はぼくのおねえちゃんやおにいちゃんを奪ったこと」
「奪った?まさか殺したのか!!?」
「ううん、騙しまくってるの」
「違う!!!篤はそんな嘘吐きじゃない!!!!」
「・・・喩え本当にそうだとしても、剛に見せてる姿だけかもしれない。もしかして本当はぼくたちよりよっぽど悪魔かも」
「違う、そんなの嘘だ!!!!!!!!」
剛も兄を散々言われたことにカッときて殴りかかった。
「人質になってもらうって言ったから、あなたはそこでおとなしくしてて」
「うわっ!!」
氷の鎖に縛り付けられた剛。
それでもじたばたする剛。
剛の携帯に手をかけた。
さてその頃・・・・・・・
僕らは自宅にいた。
<もしもし・・・>
「誰だお前?」
<始めまして、阿蘇宮篤。電話で用件を済ませることには勘弁くださいね?>
「この様子からして、お前は護衛役か?」
<ふふっ、バレてしまったらしょうがない——か。そうだよ、その通り。雪は護衛役だよ>
「雪・・・」
零を見つめる篤。
「剛はどうした?」
<ああ、阿蘇宮剛なら人質のなってじたばたしてるよ>
僕は篤から受話器を奪った。
「何!!??てめぇ、篤の弟に手ぇ出してただで済むとでも思っているのか!!!!!???????」
<怖い怖い、さすがは本物の悪魔よりも悪魔みたいだと言われている熊本健太郎に阿蘇宮篤だね>
「んだと!?ふざけんのもいい加減にしろよ!!俺は正真正銘の半妖だ!!!そんじょそこらの悪魔と一緒にすんじゃねえ!!!」
<それってお姉ちゃんも入ってるの?>
「何?」
<青竜院雪、それこそぼくのフルネームさ>
「この様子じゃ護衛役だな・・・俺はぬらりひょん23代目、熊本健太郎とは俺のことさ!!!!!!」
俺は電話越しに怒鳴ってやった。
あとがき・追記 次回はついに雪とのバトルが待っています。
そして発覚した11人目の護衛役、雪のデータを載せちゃいます。
雪・・・十女(11歳)<12月22日>
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(25) ( No.29 )
- 日時: 2014/09/08 18:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
<やっぱりね・・・姫様を守る役目を担う者。ならば、その使命は姫様を悪者の手から守り抜くことだよ!>
「悪者が言ったら説得力ないだろーが!!!!」
<何言ってるの?悪者はそっちだよ。ボクからおねえちゃんやおにいちゃんを奪ったクセに〉
「おい、それどういうことだ?」
〈まぁ、細かいことは会ってゆっくり話そうか。まずは今の現状を教えてあげる〉
「んん?」
〈さっきも言ったけど、剛は今人質というわけで氷の鎖で縛り付けてるよ>
「いつ会えばいいんだ?」
<それより、今何時ごろか分かる?>
「・・・18時7分だ」
<じゃあ、18時30分までにこっちに来てもらえるかな?>
そこまで言わぬうちに俺は電話を切った。
「くそう、瑠璃や麗魅はもちろんだけど、あいつらを帰させたりするか!!あんなところに帰ればあいつらはいずれにせよ大魔王に酷い事をされるだけだ!!それだけはさせる気さらさらないぜ」
俺たちはとっさに洛西公園に向かった。
俺たちとぜんぜん変わらない少女がわけのわからぬ主人のために死ぬなど、わけが分からない。
「よし行くぜ!はあっ!!雷弧一割!!!」
「おっと」
「すば・・・ぐあっ!!これは、鞭か・・」
氷のような鞭を構えた雪がそこにいた。
「これであなたをビシバシ叩いてあげるよ」
「これはま・・・・・・」
「えい!」
「ぐわああ!!!」
ぼくは澪の時同様、壁に叩きつけられた。
「けふっ、けふっ、これが鞭!!?」
鞭を見ると相当ドMな男の恐怖を感じた。
「受け取れ、為虎双撃!!!」
これまた鞭、いや盾で凌がれた。
「もう一発だ!!」
今度は二丁の拳銃で凌がれた。
「ぬらりくらりと武器を変えやがる」
「ここが篤がやる。殺取・水竜螺旋陣・改!!!」
巨大な渦潮が雪を包み込む。
「はっ!!」
渦潮を槍でぶち破った。
「くっ、こうなりゃ大剣か・・・」
「よく分かったね・・・そうだよ、これはおねえちゃんやおにいちゃん達の武器なんだ」
「これがお前の武器か・・・お前に渡されるべき武器はどこにあるんだ?」
「……ない。雪に合う武器なんて、この世にはないんだよ」
「どういうことなんだ?」
「悪魔は成人の悪魔になると儀式を行った後にそれぞれ個人の武器を持つことを許されるの」
「けど、成人って言っても澪意外誰もいないじゃないか。例外があるのか?」
「うん。例外というのが、雪達のような悪魔。既に成人の悪魔の魔力を持ち合わせている者のことを言うの。元々悪魔が武器を持つのには二つ理由がある。一つは将来護衛役になって主を守ることになる場合。武器を持ってないと主を守れないからね。まぁたまに特殊能力などを武器にする悪魔もいるみたいだけど。そして、二つ目が魔力を抑えるため」
「悪魔の力は無限大だからな・・・・それを抑えるためなんだろ?」
「そう、武器を持っていても自分の魔力を制御できない者が時々暴走を起こすの」
「暴走・・・ね・・・」
俺は必殺の竜王止水“柳”で決めることにした。
しかし・・・・
ドックン!!
暴走が始まった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(26) ( No.30 )
- 日時: 2014/09/08 19:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「くそ、ついに始まったか・・・・」
「うう、こんな力さえなけりゃ、武器が手に渡れたのに・・・っ!」
「くそ・・・」
「はあああああああっ!!!!」
突如として紗野が薙刀で吹き飛ばした。
「待たせて悪かったわね・・・・・この薙刀『吹雪』で解放してあげるわ」
「紗野・・・・・」
「しっかりしなさい!!あんたは寂しかっただけなんでしょ!!!姉や兄を奪われたから寂しくなったんでしょ!!!!だから、こいつらにも同じことを味わわせるために剛君を人質にした」
「それは認めるし、謝る!!」
「けどそれにはちゃんとした意味がある!それは大魔王の審判を下されないようにするためだ!!!!!」
「そんなの絶対嘘だ!!!」
「いいや、嘘じゃない。もしこいつらがあいつらを引き止めてなけりゃ、どんな拷問をされたか分かったもんじゃない。そう考えたらこっちのほうがマシだと思わないか?」
いつの間にか芳大がこっちに来て言う。
「う・・・それは・・・」
「自分に合う武器がない?暴走を止められない?それなら作ればいいじゃない!!!!あんたもこっちに留まりなさい!!!!!こっちなら零たちにも会える!!!!!!だから戻ってきなさい!!!!!!!」
「紗野・・・・・・・」
ぼくはその気迫を見て本当に女神、ミネルヴァと重ねてしまいそうだった。
「ご、ごめんなさいごめんなさい!!あなたの言うとおり、ホントは寂しかっただけなの。おねえちゃんやおにいちゃんがいなくて、遊んでもらえる相手がいなくて……うぅ、ホントはこんな風におねえちゃん達にも抱きしめてほしかった!! うぐ、ぐす……うぅ、ひぐっ、うわあああああああああああああああん!!」
雪は雪女の紗野服を破れんばかりに引っ張り、涙を流しながら泣き続けた。
そんな僕らに雨が降り始めた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(26-1) ( No.31 )
- 日時: 2014/09/08 19:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正 のが抜けていました。すいません。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(27) ( No.32 )
- 日時: 2014/09/09 21:43
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
定期テストが終った後。
3年3組は半分妖怪で半分人間のクラスだ。
3年4組はといいますと・・・白黒はっきりいって変態が多い。
3組と4組は対照的だ。
3組は秀才がそこそこ集まるのになぜか4組はバカが多い。
京都で一番ユニークな学園でもさすがにこれは変わっている。
特に一番変わっているのは中等部3年3組・4組しかいないだろう。
半妖に変態・・・これはいくらなんでも変わりすぎだ。
「くぅぅぅぅぅまぁぁぁぁぁもぉぉぉぉぉとぉぉぉぉぉ!!!!!」
さっき怒鳴ってきたのは『川内亮太郎』だ。
「あん?どうした川内」
この気迫にどうやら荒尾先生も恐怖を感じたようだ。
「お前・・・・あんなに可愛い子と一つ屋根の下ということ…。それはもう、俺だったら天に召されてもいいぐらいの嬉しさだぞ!!??」
うーわ、これ絶対変態が言いそうなこと・・・・。
「そ、それは・・・」
先生も言いよどむこと以外何もできっこない。
そう、川内亮太郎は4組一の変態であるのだから。
「ただ単にクラス割りで3組がいいって・・・・・」
こうとしか言いようがない。
「何言ってもムダですよ。さっさと帰りましょうか」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(28) ( No.33 )
- 日時: 2014/09/11 20:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
定期テストが終った次の月曜からはテスト返し・・・
だけど今日は土曜日。
京都第7の結界、桂離宮の守護者『天王寺義満』との戦いを制し、ぼくはぬらりひょん23代目としての自覚が持てた。
だけど今は結構怪我してる。
療養が必要なんだけど・・・
僕は今、家の中。
薬局に一人で行ける体じゃないからな・・・・
どうすれば・・・・このまま自然に治るのを待てばいいのか?
「それなら、魔界に生えている薬草を使えばいい」
霄が言う。
「その魔界の薬草って何だ?」
「人間たちには使ったことがないが、魔界では効きがいいということで人気なんだ」
「相当な効果もってそうだな」
「今もっているのはこれくらいしか・・・・」
「この薬草、なんかミントみたいだけど・・・」
「そう思うのも無理ない、これがミント草だからな」
「道理で、ミントみたいな形してると思った」
「その名の通り、ミントの様な香りがする薬草でな。この薬草をすり潰して粉にして、それをある液体と混ぜ合わせて作った薬が凄く効果覿面なんだ…」
「どんな効果があるんだ?」
「例えば・・・傷口をふさぐ効果だろ、それから・・・・・・・」
「重い病気すら軽症化する効果もあります・・・」
「そうそう、とにかく人気で、なかなか手に入らないといわれている薬草の一つだからな…」
「だからある液体って何?」
「ヴァンパイアの血液だ・・・」
「ヴァンパイア?」
「熊本君も知ってるでしょ?あの吸血鬼だよ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(29) ( No.34 )
- 日時: 2014/09/12 15:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
瑠璃が言う。
「ああ、あの吸血鬼のことね」
「これが吸血鬼の血液だ」
「ん??なになに、飲み薬としても使えますが、とても苦いです?」
「人間界の薬、苦い?」
「まあ、苦いのもあればそうじゃないものもある」
「それから温度は高温多湿の部屋に置くのはやめてください」
よくあるな、高温多湿はやめるって言うの。
「それから直射日光は避けてください」
これもよくある典型的なやつっすね。
「とまあ、説明書きはそれだけか・・・」
「どうした?最近、上の空のようだが」
「いや、相国寺で見かけた少女と桂離宮で見かけたのと同じ少女に会ったんだ」
「どんなふうだった?」
「えっと、白衣っぽいのを着てて、ツインテールで髪の毛の色は少しばかり青に近い感じの緑色——エメラルド的な色で・・・・」
「ほかに何かあった?」
「いやちょっとこっからはセクハラまがいのことでね・・・」
「だから何よ?」
「ううん、そうさな・・・・胸が大きかったな・・・・」
「健太郎…。お前いつもそんなことを考えながら、私たちを見ていたのか?」
「いや、それはその・・・・」
「スケベですね・・・」
「えっとそれはその・・・・そういうこと思い出しただけで・・・・・」
必死にぼくは言い繕った。
「けれどもそのおかげで、可能性が間違いないものになった!!」
「まさか・・・僕が見たのは・・・」
「私のおばさんだよ!!」
「ちょっと待て、少女なのにおばさんって矛盾してるよ」
「でも、ほんとのことだよ?だって私のお母さんの妹だから…。確か、お母さんと叔母さんは相当年離れてるはずだけど…」
「ああ、なるほどね・・・・」
そして10時・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.35 )
- 日時: 2014/09/12 23:29
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その時、ピンポーンと呼び鈴が鳴った。
僕はそのチャイムに対応する。
するとさっきの少女に会った。
「よっ!また会ったね!ていうか、私があなたに会いに来たんだけどね…」
「その顔、ルナ!?」
「それより瑠璃はいる?」
「あ、ああいるいる」
「どうしたの健太郎・・・あっ、おばさん!!」
「おばさん言うな!こう見えても私はまだ17よ!!」
ルナがむくれる。
「紗野より小さくて17?驚きだな・・・」
「あんたさぁ、そんな癇に障る言い方しかできないわけ?」
ルナはぷいとそっぽを向いた。
「ところで何しに来たんだ?」
「それは、魔界の状況を伝えに来たの」
「魔界?」
「今、大魔王が全てを支配しようとしてることは知ってるよね?」
「もちろんだよ」
「今、冥界の半分を支配しちゃったの」
「冥界の半分?」
「そう、冥界を制圧したら次は人間界を攻めるつもりなの」
「そんなことさせるかってんだ」
「こうなったら私が力を貸してあげるから♪」
こんなんで大丈夫かと思う僕だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(31) ( No.36 )
- 日時: 2014/09/13 19:02
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして日曜日・・・
僕は土星の陰陽師が守る伏見稲荷神社に向かっていた。
「伏見稲荷神社・・・なぜ土星の陰陽師がここを?」
「順序からすれば桂離宮を守るのが筋とちゃうんか?」
「たぶん今の土星の陰陽師がまだ幼いからな・・・」
今日は雫と霞をつれて伏見へ来ていた。
「魔界に似てるな・・・・」
「どこが似てるんだ?」
「魔界では跡継ぎがあまりにも幼いと後見人が必要なんだ・・・後見人は跡継ぎが16歳になるまで就く・・・どうだ?納得いくか?」
「普通に考えれば納得いくよ」
「ところで、半妖が滅されてもとの人間になったら、妖怪の時の記憶はどうなるんだ?」
「きっと消えてなくなってしまう・・・」
「これはきつ・・・あ」
「陰陽師がいたか?」
「ああ、小さな男の子だったかな」
「やったら確定やな。土星の陰陽師」
「ああ、話は聞いてるよ。ぬらりひょん23代目」
「ぬらりひょん23代目の熊本健太郎とは俺のことだが?」
「土星の陰陽師とはこの僕、『土井博』だよ!!」
「なるほど、確かに未来がある陰陽師らしいな」
「ぬらりひょん23代目、ここでどう滅してやろうかな」
「こいつが・・・・陰陽師・・・・・」
絶対に負けないという誓いを立てる僕だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(32) ( No.37 )
- 日時: 2014/09/15 01:39
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「いくよ!!式神!!シュー!!」
「シュー!?聞いたことない名前やな」
「霞、いいかシューはエジプトの神の1種で守るものは大気・・・」
「そんなこと言ってるうちに襲われるぞ!!!」
案の定、僕らはシューの餌食になった。
「ったく、俺が説明する前に霞ちゃんと学習しろよ」
「まったくこいつ侮れんやっちゃな」
「なんとでしても俺の剣を届かせるさ」
「これが、白竜と、黒竜?」
「剣って言っても長ドスの形してるな」
「ふん、どんな刀でも僕は一発で薙ぎ払っちゃうよ」
「霞、お前も行くぞ」
「へ?」
「いくぜ、かかってこい式神!!」
「余裕そうだね、じゃあこっちは式神を召喚するよ」
「来たか」
「式神!!アトゥム!!」
「次は天地創造の神だ!」
「雷弧一割!消えろ、アトゥム!!」
「こうなったらラー!アトゥムを守れ!」
「何!?」
「うちがやる!くらえ、天地双撃!!」
「これが二挺銃の威力」
「これが魔界最強やったスナイパーの実力や」
確かに、ラーもアトゥムも倒れている。
「まだだ・・・式神召喚!!!ゲブ!!!!」
「させねえ!!為虎双撃!!!!」
「うわっ!!!」
「さすがだな、ぬらりひょん」
「まだこいつは立ち上がるだろう」
「なめないで!!式神!!!オシリス!!!!」
「そんなことさせへん!!天地双撃!!!」
「うわあああああああ!!!!!!!!」
我ながら式神召喚前にダメージを与えるなど素晴しい。
「うう、よくも、よくもやったな!!!」
「こんな傷だらけじゃ、戦うこともままならないぜ」
「今日はおとなしく負けを認めて、強くなることだな」
雫も謙虚になれと促す。
「うう、今日は僕の負けだよ。この土星の証は何か役立つことがあるから持ってた方がいいよ」
そして伏見から帰る途中、
「あと残る結界は2つ・・慈照寺と延暦寺だな」
「あれだけ強かったんだ・・・残る2人も強いと思うぜ」
「せやな」
こうして、まだ油断できない僕らは伏見稲荷を去っていった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(33) ( No.38 )
- 日時: 2014/09/15 01:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は一人暮らしをしているわけだが決して寂しいわけじゃない。
そんなある日。
「どうした?この女の子は?」
霄が僕の写真をしげしげと見ていた。
「ああ、あれは3年前の写真だよ」
「で、こいつは?」
一瞬、はっとした。
「もしかして、杏香?」
「杏香?」
「ああ、蘆屋家の養子になり、陰陽術を磨いているんだよ」
「つまり、陰陽師の見習いってわけだな」
「僕はあいつがなぜ陰陽師になったのかは知らないけど、あいつは絶対当主になる。そう信じてるんだ」
「なるほど、妹思いのいい兄だな」
そう言われてうれしい気持ちと恥ずかしい気持ちが混ざった。
「ところで、今蘆屋家は何代目なんだ?」
「今は・・・30代目だ」
「名前は・・・」
霄がスマホで調べる。
「あっ、蘆屋・・・忠政?」
「蘆屋忠政・・・今の当主がそいつだよ」
「つまり、杏香が告げば31代当主になるってわけか」
「まあ、そういうことになるな」
「お前もぬらりひょん23代目として、がんばっていこうな」
「もちろんさ」
京都の愛宕山に沈む夕日がきれいだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(34) ( No.39 )
- 日時: 2014/09/15 02:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
6月4日・・・・
関西は入梅した。
「はあ・・・・」
「どうしたんですか、健太郎?ため息したら幸せがその分逃げちゃいますよ」
「それが、3年前のことを思い出しちゃってさ・・・」
「3年前、何があったんですか?」
「それが・・・」
3年前、僕は東京で21代山本五郎左衛門昌隆の下で修行を積んでいた。
僕以外に修行したものも多く、有名な妖怪の師だった。
しかし、3年前の関東の入梅の日・・・
山本は何者かによって殺されたのだ。
殺したのは1人の少女だった。
「おねえちゃんは・・・誰?そこにいるのは・・・誰?師匠をさしたのは・・・・誰?」
まだ僕は11歳だった。
その少女は14歳ぐらいはあったと思う。
いつも入梅の日に思い出すのだ。
あのほろ苦い思い出が・・・・
「そうですか・・・そんなことがあったんですか・・・・」
「うん」
「どんな感じでした?」
「尻尾が14本で・・・」
「もしかして、九尾の狐かもしれませんよ」
「何言ってんだ。九尾ぴったりあるはずなのに・・・」
「いや、九はたくさんという意味で使われてるんです」
「そうか・・・」
3年前の因縁と400年前の因縁が、今回の魔界軍との戦いで複雑に絡み合うことを、僕はまだ知るすべも何もなかった。
あとがき 一気に護衛役が2人登場します。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(33-1)・(35) ( No.40 )
- 日時: 2014/09/17 19:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正 継げば
京都市西京区洛西学園都市・・・・
京都の学園都市・ニュータウンという性格を持っている。
僕はここに住んでいる。
洛西学園の中3だ。
平和な(?)日々日々を送っている。
京都の太陽系の証も8つ手に入れた。
後は慈照寺と延暦寺だけだが、アイツらたぶん強いだろうな。
それに、悪魔13人を人間界に留まらせる責任もある。
護衛役はあと5人・・・
あいつらも同様に強いのかな・・・
そんなことを考えていた。
さてその頃の京都・・・・・・
「京都の半妖の奴らを倒してやろうか・・・」
そう、この2人の少年こそ護衛役なのだ。
「姉ちゃんたちを掻っ攫った罪・・・償ってもらうぞ」
血の気にはやる少年たち・・・
さてこちらは洛西学園。
ここは3年3組・・・
「なあ、最近零も瑠璃も麗魅もクラスに馴染んでるようだな」
「うん・・・」
「何だ、浮かない顔してるな」
「まあね」
「護衛役、そろそろ来てもおかしくないようですが・・・」
「あいつらのことだ、いつかやってくるさ」
そう、あいつらすぐ近くまで迫っていたのだ。
「僕の定めは九尾の狐と戦う・・・・・・か・・・」
澪の言葉を思い出してはっとした。
そんなことを考えているうちに魔界の手先はそこまで来ていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(36) ( No.41 )
- 日時: 2014/09/17 20:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして放課後・・・・・・
3年3組は帰ることになった。
だけど・・・・
「お前か、熊本健太郎」
「いかにも、そうだが」
「早く姉ちゃんを返せ」
「何のことか?」
「こいつ、ぬらりひょんを彷彿させやがる顔しているな」
「そりゃ無理ありませんよ。だって健太郎は23代当主なのですからね・・・・・・」
「おい、零。帰ってこないと思ったらこんなところに長居しやがって。さっさと帰るぞ!」
「それもいいけど今はまだやめとくわ」
「澪姉!?」
そこには澪が突っ立っていた。
「久しぶりね、水俣君に熊本君。それから、3年3組の愉快な仲間たちのみんな、はじめまして」
「略すのも無理ないけど、どうしてここに?」
「あなたにまた会いたくなっちゃって」
「で、今どうしてるんだ?」
「今、京都大学に通ってるの」
「じゃあ、大学生という身分なんだ」
「そういうことになるわね」
「ほかの姉ちゃんたちは?早く出せ!」
「ごめんね、この2人、魔界一乱暴者って言われてて・・・」
「くう、こうなったら名乗ってやるよ。俺たちは魔界最強の双子、『青竜院霜』と『震』だ!!」
「最強双子・・・・俺たちは20人がかりでやってやるよ!」
追記 ついにやってきた魔界の双子について表記しておきます。それから熊本君たちの誕生日も記載しておきます。
青竜院霜 次男(17歳)<4月11日>
青竜院震 三男(17歳)<4月11日>
熊本健太郎 (14歳)<9月24日>{熊本市}
阿蘇宮篤 (14歳)<12月22日>{阿蘇市}
水俣芳大 (14歳)<3月14日>{水俣市}
八代海斗 (14歳)<9月24日>{八代市}
天草翔貴 (14歳)<8月12日>{天草市}
人吉幌大 (14歳)<6月15日>{人吉市}
長崎光平 (14歳)<6月11日>{長崎市}
雲仙明 (14歳)<1月18日>{雲仙市}
島原唯真 (14歳)<8月7日>{島原市}
諫早敏輝 (14歳)<11月21日>{諫早市}
大分紗野 (15歳)<5月17日>{大分市}
中津桃歌 (14歳)<3月2日>{中津市}
国東マルシー (14歳)<2月16日>{国東市}
宇佐美晴海 (14歳)<10月19日>{宇佐市}
竹田愛 (14歳)<1月28日>{竹田市}
城下玲菜 (15歳)<5月1日>{日出町}
由布院真有 (14歳)<7月22日>{由布市}
日田野菜緒 (14歳)<10月5日>{日田市}
杵築望恵 (14歳)<10月27日>{杵築市}
玖珠原瑠璃 (14歳)<9月24日>{玖珠町}
玖珠原麗魅 (14歳)<9月24日>
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(37) ( No.42 )
- 日時: 2014/09/18 19:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ついに始まった。
魔界最強双子の戦いが。
澪たち護衛役はじっと眺めているしかできない。
「この巨大な剣に勝てると思うな!!」
「行くぜ、関西者の意地、見せてやるよ」
「お前に大意を阻もうとしたこと、後悔させてやる」
「んなもんに、俺はなりもしねえよ」
「いくぜ!!!仏斬刀!!!!」
「しかとその目に焼き付けるがいい!!白竜黒竜!!!!」
「紗野も行く!!吹雪に凍てつきなさい!」
「加賀の弦殺師・・・・・・それが篤の先祖だ」
「弦殺師にぬらりひょんに雪女・・・・まとめて全員片付けてやる!!!!!!」
「王駕裂帛!!!」
「氷壁!!!」
「くっ、凌がれたか・・・・」
「まずい!!」
「竜王止水“柳”」
「こざかしい真似を」
ひらりとかわされた。
「修羅獄門!!」
「為虎双撃!!!」
火花が散る。
「隙ができた・・・殺取・水竜螺旋陣!!!!!!!」
「ぐわっ!!」
「集え、嵐となれ!!!氷華蓮華!!」
「どわああ!!」
「受け取れ・・・」
「行きますよ・・・兄上・・・」
「何!!?」
「竜王止水“百花繚乱”!!!!!!!!!」
「ぐわあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
「終った・・・・」
「勝った・・・・・・・・」
「やった・・・・」
「決まったな・・・・・・」
零と僕は仲良く同時に着地した。
ついに双子は倒れた。
「ぬらりひょん23代目・・・どこまで強くなるんでしょうね・・・」
「さあな」
そうやさしく答えた。
僕は知らなかった・・・・
次なる追っ手が着ていることを・・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(37-1)・(38) ( No.43 )
- 日時: 2014/09/19 16:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正 来ている
そう、更なる追っ手がやってきた。
17時・・・
まったく京都の町はどうなってんだ・・・・
そう思っていた。
さて、ここは京都市伏見区鳥羽。
「さて、目的の男はどこかな?」
そう探しているうちに強面の男が現れた。
「貴様、不審者だな」
そう、この男こそが蘆屋義憲だ。
「あ、今私のこと恐れた。悪魔も人間も恐れたら負けよ。その目玉、もらうね☆」
少女は消えた。
義憲は動揺する。
「何をされた!?み、右が見えん!くそっ!!」
「あなたの眼球は、こちらの世界・・・」
「な、なめるなあ!」
刀を抜き、接近する。
しかし、薙刀で右目をつぶされた。
義憲は、倒れた。
魔界の戦いの前哨戦、鳥羽の戦いで蘆屋義憲は戦死した。
「・・・骸の世界へようこそ」
1人の女が近寄った。
「あ!お狐様!どうぞ、人間の生き胆です!!」
「・・・靉・・・そなた、父親より見所があるな・・・」
こうして、歴戦の刑事、蘆屋義憲は殉職した。
追記 ついに来ました14人目の護衛役。靉について書こうと思います。
青流院靉 十一女(10歳)<3月22日>
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(39) ( No.44 )
- 日時: 2014/09/19 17:57
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
洛西学園・・・
洛西学園の3年3組は半妖の多いクラスだ。
それだけじゃない。
悪魔も3人きているとかで異色なクラスだ。
洛西学園で3年3組の名を知らないものはいない。
また、同じくらい有名なクラスに、3年4組がある。
ここのクラスの男子は変態とかなんかで有名だ。
それだけでなくても1組も2組も5組もわけありで・・・・
まさに異色なクラスばかりである。
しかしそんな3組に魔の手が襲う。
「未来永劫人間は、悪魔に勝てない・・・」
靉は誓いを立てる。
そう、姫たちはもちろんだが兄弟も連れて帰ること。
そして、京都の洛西学園都市の近くまで来た。
「お姉ちゃんたちを奪っていったぬらりひょん…絶対許さない・・・」
さてその頃。
僕らは京都ではどんな名で知られてるかを零たちに話した。
「なるほど・・・皆そんなに京都では知られてるんですか」
零は相変わらず敬語だ。
「加賀の弦殺師といい、総大将といい、3年3組の特攻隊長!出れも皆すごすぎるよ!」
瑠璃も関心を示す。
「ふうん、京都ではすごい人物なんだ・・・」
「あの声は・・・・・・・・」
零が辺りを見回す。
「零?」
「あの声は靉の声のはず・・・」
「靉は私たち兄弟の末っ子・・・十一女です」
「兄弟多いな・・・しかも女の子の確率が多い・・・」
「私たち悪魔はXYが男でXXが女・・・そこまでは変わりませんが女の子が生まれる確率が多いんです・・」
「つまり、X精子が多いんだ」
「まあ、そうなりますね・・・」
「お姉ちゃんそこにいつまでいるの?」
「ちょっと何のつもり?」
「澪?」
「こいつ気まぐれなんだよな・・・」
「雫・・・」
「おい、そろそろ現れたらどうだ?」
「お兄ちゃんにお姉ちゃん、早く帰ろうよ・・・」
「こんなところに留まりたくないけど仕方ないでしょ?姫様がそこにいたいって言うし・・・護衛役だからここに留まってるだけよ」
「嫌だよ、こんな世界。地味だし・・・」
「何言ってんの?こっちのほうが平和で落ち着くわよ」
「だから地味だって言うの」
「俺もあいにくここに慣れちまったもんで結構平和ボケしてしまったな・・・」
「そんなあ」
「雪たちと一緒に留まろう?」
「あれ、雪?一人称変わった?」
「だってクラス皆下の名前で言ってるんだよ?だからそうすることにしたんだよ。郷に入ったら郷に従えってやつだよ」
「じゃあ、靉もそこに留まる」
こうして兄弟姉妹の説得で靉も留まることになった。
あとがき ついにプール授業スタートです!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(40) ( No.45 )
- 日時: 2014/09/21 17:41
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
洛西学園でももちろんプール開きはある。
「今日は3年3組のプール開きか・・・」
そういや前回の体育で、
「明日からプールやで」
と言われてたっけ。
「ラジオ体操はじめ」
光平の号令でラジオ体操を始めた。
ラジオ体操を始める3年3・4組。
京都の夏はかなり暑いから、結構早いんだろう。
ラジオ体操をし終えた後。
川内が話しかけてきたがパスすることにした。
所詮、変態が考えそうなことだろう。
先生が話しかけてきた。
今のは男子の体育の『玉名貞治』先生だ。
「熊本君、なんかあの3人輝いてるんじゃないかな」
「ん??」
「ほら、メラニンなんて寄せ付けないほど白いし、髪もオレンジとか青じゃないかな」
「はい、そうですけど・・・・・・」
「本当に宝石みたいに見えてくるな」
「え???」
僕は困惑した。
いったい何に喩えるつもりなのかな・・・・
「そうだな・・・ダイヤモンドとサファイア、トパーズ・・・かな?」
ずいぶん金の香りがしそうですけど・・・
「いったいどんな手入れしてるんやろな」
「分かりません・・・・」
そう言うしかできなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(41) ( No.46 )
- 日時: 2014/09/22 18:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
遂に川内が暴走した。
川内の暴走癖は日常茶飯事だが、変態精神が疼いてきてしまったのだろうか、暴走は4組男子全員をも巻き込んだ。
さらには女子までも・・・・・・・・・・
こいつのカリスマ性、半端ないな。
僕だって魑魅魍魎の主の23代目。
絶対負けたくない。
というわけで3組VS4組の勝負が始まった。
内容はリレー対決。
ルールは19人を代表として選び、リレー対決をするという内容だ。
3年3組は1泳者・島原唯真、2泳者・諫早敏輝、3泳者・大分紗野、4泳者・阿蘇宮篤、5泳者・八代海斗、6泳者・水俣芳大、7泳者・雲仙明、8泳者・長崎光平、9泳者・天草翔貴、10泳者・中津桃歌、11泳者・国東マルシー、12泳者・宇佐美晴海、13泳者・人吉幌大、14泳者・竹田愛、15泳者・玖珠原瑠璃、16泳者・玖珠原麗魅、17泳者・青竜院零、18泳者・杵築望恵、19泳者は僕、熊本健太郎というメンバーになった。
一方3年4組はというと、3泳者・出水吉郎、4泳者・阿久根敏郎、5泳者・日置揺宗、6泳者・鹿児島脇衛門、7泳者・枕崎甘受郎、8泳者・市来瑛足、12泳者・串木野武、13泳者・4組一の腐女子、鹿屋恵理子、15泳者・志布志祐子、16泳者・垂水洋子、17泳者・霧島牧子、19泳者はなんと、変態軍団のボス、川内亮太郎というメンバーになった。
19泳者はボスVS総大将という構図になってしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(42) ( No.47 )
- 日時: 2014/09/22 19:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
3泳者め、大分VS出水の前、こんなやり取りがあった。
「てめぇみたいな、ドジ娘の雪女に負ける気はさらさらねぇぜ」
「な、お前、いつから大分ちゃんがドジ娘になったと!?」
「だって大分はドジっ子だろう? 何せ、いつもノートを職員室まで運ぶ際に、何もないところで転んでは23代目ぬらりひょんの熊本に助けてもらってるだろうがぁ!」
「ホントなのか?」
天草が詰め寄る。
「それは認めるけど、いつの間に見てたってわけだろ?こいつ変態だぜ」
「あたぼうよ!!!俺は変態軍団の一員なんだからな!」
「こんな軍団は3年2組に滅させてもらうしかないな」
3年2組は蘆屋一族の陰陽師が結構集うクラスだからだ。
「滅?何で?」
「もちろん、式神破軍に決まってるぜ」
「俺たちには無効だぜ?」
こいつ、言わせときゃいい気になりやがってるぜ。
「絶対あきらめない。3組雪女の名にかけて勝つ。絶対にね!」
「へっへっへ、面白い!勝負だ!!!!!」
3組の2泳者がゴールした。
雪女、がんばれ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(43) ( No.48 )
- 日時: 2014/09/23 09:57
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「負けるな雪女!」
「がんばれ紗野ぁ!!」
3組からのエールがくる。
「雪女なんかに負けるな出水ぅぅぅ!!!」
「絶対雪女は熱中症でダウンだ!」
うわあ、4組のはもうエールって言うか、もう罵りじゃないか。
泳ぎきった。
よし、次は加賀の弦殺師の子孫、阿蘇宮篤だ。
弦殺師の子孫も侮られては困るしな。
僕は紗野の頭を撫でてやった。
「総大将マジリア充」
3組の皆は僕をおちょくる。
出水が泳ぎきった頃にはもう篤は半分まで泳ぎきっていた。
「くそ、くそ、何で雪女なんかに!!!」
出水は地面を叩いて悔しがっている。
ボスVS総大将のプライドがぶつかろうとする。
「まだだ、ここでやられるわけにはいかないかないからな」
「この差埋められるもんなら埋めてみろ」
ついに6泳者も泳ぎきった。
7泳者以降の泳ぎ方はというと、なんと異様だった。
クロールともバタフライともいえない……そんなものだった。
謎の泳ぎ。
しかし、それを見ているだけで不快感を感じる。
それはまさに変態の、変態による、変態にだけしかできない泳法——変態泳ぎそのものだった。
明もその泳ぎ方を見ると寒気を感じた。
17泳者目、零が着水する。
16泳者目の麗魅が泳ぎきる瞬間にあわせて泳ぎ始めた。
零は平泳ぎの様子。
平泳ぎとは言えど彼女も結構速い。
これなら勝てる!
なんせ、一蹴りの威力は1mもいく。
零が泳ぎきった瞬間、18泳者の望恵の水着がはだけてしまった。
零はとっさに着なおさせる。
そんな零を見て、ホントは優しいなと思う。
望恵は気を取り直して泳ぎを始める。
ついに泳ぎきった。
間髪いれずに僕は背泳ぎを始める。
川内がこっちに向かって突進をした。
だが僕の敵ではなくバタ足の右がクリティカル。
天井までぶっ飛んだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(44) ( No.49 )
- 日時: 2014/09/23 10:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ボスがやられた。
これに意気消沈した4組。
「僕らの勝ちでいいですか?」
先生のほうを見る。
先生もはっとして、
「3組の勝ちぃ!」
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
皆の勝ち鬨の声が上がる。
もうこうなったら審判の時が来る。
「お、おい、なにを」
「そりゃもちろん審判を下すに決まってるじゃないですか♪♪」
零が杯に酒を入れる。
「や、やめ・・・」
「受け取れ、竜王止水“百花繚乱”!!!!」
「殺取・水竜高籠波!!!!」
「雹破裂帛!!!!」
「レインクラッシュ!!!!」
全員審判を下され大ダメージを食らった。
このあと、4組の惨状に後々来るクラスの悲鳴が木霊したのは言うまでもないことだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(43) ( No.50 )
- 日時: 2014/09/24 22:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都の第9の結界、慈照寺・・・・・・
僕はこの近くまで訪れていた。
ぬらりひょん23代目、熊本健太郎。
いまや総大将だ。
この23代目・・・山本の死、過去の記憶がよみがえる。
僕は、初めてここにいる。
「総大将、ここが第9の結界、慈照寺ですか」
「篤1人で十分だ」
「な、今日はお前が・・・」
「篤もかっこいいところ見せんと行かんからな」
京都第9の結界での戦いが今、始まろうとしていた。
「そうか、行って来いよ」
「加賀の弦殺師の子孫、阿蘇宮篤が参る」
「ほう、あんたが遊び相手ね・・・」
ついに、9人目の陰陽師が現れた。
「わらわは理系の陰陽師、海野ゆりか、海王星の陰陽師じゃ!」
「君の実力といい、器といい、見せてみてください」
「では行くぞ?氷結結界!」
「これは!?」
「この結界は水をも凍らせる。わらわは蘆屋家五条流の陰陽師じゃ!」
「行きますよ・・・殺取・鎖水母!!」
氷の結界の上面部を壊す。
「加賀の弦殺師・・・滅してやろうぞ」
「このなりでやらせてもらいます」
この戦い、僕らにはどちらが勝つか予想もできない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(46) ( No.51 )
- 日時: 2014/09/24 22:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都慈照寺・・・・・・・
「殺取・水竜螺旋陣!!」
「ふん!!!」
「さすが海王星の陰陽師・・・・なかなかやります」
「この理系の力とくとみよ!!式神!!マグマ!!!!」
マグマが結界を壊し、篤を捕らえた。
「これは!?」
「これこそわらわの新の力・・・」
「くっ、こうなれば、殺取・水竜高籠波!!!」
しかしこれでもまだダメージは小さい。
「利かぬ利かぬ、わらわにこの攻撃が通用するとでも思ったか?では止めじゃ」
「!!?」
「式神・津波!!」
「殺取・鎖水母!!!」
「そんな・・・このために全力を尽くしたのに・・・・」
「ほう、そいつは残念だったな・・・」
「何ですって?」
「五条流の決定的な弱点は結界を破られたら丸腰同然・・・」
「くっ、図られた!」
「もう遅い!!殺取・水竜獄蓮花!!!」
「きゃあああああ!!!」
剣のような弦に破られた。
「悪いがこの海王星の証、もらっていくぞ」
こうして敦は慈照寺の陰陽師に勝った。
京都市東山区に別れを告げたとき、新たなる護衛役が虎視眈々と狙っていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(47) ( No.52 )
- 日時: 2014/09/24 23:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都市、彼は鞍馬山から市街地を望んでいた。
「魔界の奴らがうようよといるなぁ」
このいまいち掴みどころのない男が安倍晴明だ。
さてこちら、洛西学園都市。
「お姉ちゃんを返せ・・・・・・・・・」
この少年は怒りと憎しみに燃えていた。
さてこちらは洛西学園。
残るは延暦寺・・・
最後の結界は延暦寺である。
僕はそんなことを考えていた。
その頃生徒会では・・・
「最近、妖怪クラスに悪魔の新入生・・・」
「何がなんだかわたしは分かりません・・・・」
「これは京極女子高校も黙ってはいませんね・・・」
「京極とは昔からの盟友。危険ですわ、絶対に滅すべきです」
「しかし、そう簡単に滅せられるのですか?」
「はい、まず1人ずつ滅すべきなのです」
さて、彼女たちは知るよしもない。
さてこちらは京極女子高校・・・・
京都で有名の女子高である。
「姫様の護衛役は魔界に帰らせられたか?」
「それが・・・・全員失敗です」
「くっ、この役立たず共め・・・生き胆をくらうてやりたくなるわ・・・・」
「まあまあ落ち着いて。しかし油断できませんわよ。あのぬらりひょん23代目は」
「またしても、ぬらりひょん・・・・なぜあやつらの血は、魔界上位の世界、理想を邪魔立てする・・・・・」
怒りに燃える少女。
「しかし今回はそうとは行きませんよ?」
「ん?」
「今回は最強の護衛役がここにいらっしゃるのですから」
「ふっ、健闘を祈ろう・・・」
少女はほくそ笑んだ・・・・・・
追記 ついに魔界の野望が牙をむき始めます。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(48) ( No.53 )
- 日時: 2014/09/25 20:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてこちらは洛西学園3年3組。
京都では最大の学園だ。
3年3組は妖に悪魔、そんなクラスである。
総大将はぬらりひょん23代目、熊本健太郎である。
このクラスはかなり変わったクラスである。
今回の新規加入によって女子が多くなったのだが。
そんな夕方・・・・・・
僕らは僕や篤の家の中にいた。
「まったく今日も平和すぎるぜ・・・」
「全くいつになったら魔界軍は攻めて来るんだよ・・・・」
そんなことを考えていた。
さて、こちらは京都三条大橋。
「ん?人間?」
「ひぃっ!!?」
「あれ、僕のことおびえているのかな?」
(死にたくねぇよぉ!当主になりてぇよぉぉ!!)
{できるできる、自信を持て、蘆屋隆家。お前には研究の成果があるじゃないか}
「ふっふっふ、待っていたぞ、悪魔め」
彼は一錠の薬品を服用した。
「んん、何か飲んだ?」
次の瞬間、彼はマッチョになっていた。
「刮目せよ!わが蘆屋家高辻流陰陽術を!!陽力促進剤の力を!!」
「これは!?」
「なぁっはっはっはっは!陽の力を直に取り込む最強の陰陽術!!こうなったら、もう誰にも止められんぞぉ!!」
隆家はポーズを決めて突進する。
「す、すごいな・・・でも・・・」
あっさり少年はかわす。
隆家はあっさり鴨川の水に落ちてしまった。
「科学的陰陽術はよく分かったから。僕はこのへんでお暇するよ」
彼はすたすたと去っていった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(49) ( No.54 )
- 日時: 2014/09/29 19:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてこちらは洛西学園・・・・
ここは男女共学の伝統ある公立の学園都市だ。
京都では最大級だという。
陰陽師やら半妖やら変態やらとユニークな生徒が多い。
さて5時限目・・・
理科の授業中・・・・・・・
急に雨が降り出した。
そればかりではない。
雹まで降り出した。
雷も落ちる。
「これは・・・?」
雹特別警報、大雨洪水特別警報、暴風特別警報、雷注意報が発令された。
家に帰るにも雹が邪魔をする。
「十中八九護衛役・・・でしょうね・・・・・・・」
「こりゃ相当な能力の持ち主だな・・・」
「けれどもまあ強いに越したことはないと思うんです・・・」
『ニュースが入りました。今日13時ごろ、蘆屋隆家さんが死亡しました』
このニュースに驚いたのは全員。
「おい、蘆屋隆家といえば科学的陰陽術を売りにしていた高辻流陰陽師だったよな」
「そういう陰陽師がいたなんて・・・近代的なやり方です・・」
「しかしそんな陰陽師すら一蹴とは、どんな護衛役だ?」
「ハックしかありえません」
「ハック?」
「ハックは私が使っているニックネームのこと。本名は・・・『青竜院雹。四男で、かなりの実力とスピードを兼ね持つ技のテクニック系の護衛役です」
恐れを抱いている零。
「それだけじゃないよ」
雪がドアを開ける。
「雪?どうしてここに?」
「この天気になったから、皆に伝えておかなきゃと思って・・・」
「伝えること?」
「武器は・・・杖」
「杖・・・その膨大な魔力の制御もうまい。この異常気象も異常な力をもってるからこそできるんだよ」
「確かにそれくらいの実力はありそうだな・・・」
まさに畏れって言うより、戦慄感を抱く皆。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(50) ( No.55 )
- 日時: 2014/09/29 22:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都市下京区・西大路五条・・・・
22人の少年少女は雹と雨の降る中を駆けていた。
河原町五条にたどり着いた時、少年が一人鴨川を見下ろしていた。
「お前だな・・・青竜院雹」
「君はまさしく、ぬらりひょん」
「ああ、いかにも俺が23代目だ」
「けれど、僕の弟のほうがナルシストで怖いよ?」
「弟?」
「うん、そいつが僕らの末っ子で、なおかつ自己陶酔の少年、『青竜院雷さ」
「相当な実力、見せてもらうぞ!」
「ここで君の血筋、終らせる」
終らせる?
つまり根絶やしにすることなのか?
「零が魔王に抗うとは神童であった零もただもバカになっちゃったね。まあ、こういう身の程知らずの男たちが君とともにいるなら致し方ない」
「確かに、健太郎君の行く道は獣の道同然・・・・でも、それだからこそ面白いのよ!!!」
澪と露がビルから飛び降りた。
「澪お姉ちゃんに露お姉ちゃんまで・・・」
「ごめんねぇ。完全にバカが乗り移っちゃったかしら」
「九尾の狐様の邪魔をするつもり?」
「ごめんだけど、そうすることにしちゃって・・・」
露が汗をたらして口を隠す。
「だったら、ぬらりひょんの血筋を根絶やしにするだけ」
「・・・」
睨み合いが始まった。
さてこちらは洛西学園。
「あいつら、悪魔の世話してるのかな・・・」
中等部の生徒会長、『蘆屋遼』がにやりとした顔で見つめていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(51) ( No.56 )
- 日時: 2014/09/30 22:50
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「・・・竜王止水“桜”」
「ふふふっ、僕はこっち」
「!?」
「僕は相当なスピードを持ってるから簡単に捕まらないよーだ」
「くそぅ」
「さっさと行っちゃおっかなあ!」
「まずい!」
「あっちには・・」
「洛西学園!!!」
「洛西学園に言って何をするつもりなんだ」
「分からない。けど・・・何かの目的が・・・あるんじゃ・・・・・・」
「くそっ!!そんなことさせるかよ!!」
「行くぞ!!」
もはや京都五条通を駆けるしかない。
洛西学園都市は京都市西京区沓掛にある。
洛西学園都市にたどり着いた僕ら。
だが・・・・・・
もう、遅かった。
洛西学園都市の警官たちが既に死体の山となっていたのだから。
くそっ、一刻の猶予もない。
とっさに洛西学園に向かった。
もう、遅かった。
とっくに雹によって生徒が監禁されてしまっていた。
「霄?」
「まずい、皆監禁されている。これはたぶんあいつらを人質に私たちを魔界へ帰らせるつもりなんだろう」
「ちっ、あんなところへつれて帰らせやしない!どのみち、大魔王にどんな拷問をされるのか分かったものじゃないからね!!」
まさか、皮膚をはいだり目を抉ったり舌を抜いたりするのだろう。
それをイメージするだけでもぞっとする。
「待ってろよ。青竜院雹。お前に勝って、あいつら全員解放してやるからな」
洛西学園の中へ入った。
追記 ついに来ました15人目の護衛役。
青竜院雹 四男(13歳)<10月16日>
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(52) ( No.57 )
- 日時: 2014/10/01 22:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
洛西学園内に進入。
手分けして探すのが一番手っ取り早い。
僕らは5〜7階、零たち青竜院兄弟14人は1〜4階を中心に捜すことにした。
片っ端から探してみる。
そして14分後・・・
高校2年1組の中に多くの生徒が監禁されているのが発見された。
「あいつら全員無実のはずなのに・・・」
「こいつにとっては関係あるようだな・・・」
「いったい何を企んでいるんだ?」
とりあえず進入することにした。
「おい、青竜院雹!ぬらりひょん23代目の熊本健太郎が来たからには覚悟しろ!お前に逃げ道はもうない!!さっさとこいつらを解放しろ!!!」
「ふん、もしそうさせたいのならお姉ちゃんたちを帰らせてよ」
「はっ!それは悪いができない相談だ」
「殺取・水竜螺旋陣!!」
「うわ!!」
「お前ら気をつけろ!こいつは速さと技術を兼ねそろえた魔界の実力者だぞ!」
雫が怒鳴った。
「それは聞いてるよ」
「まずは・・・皆抹殺することが必・・・」
「竜王止水“柳”」
「うわっ!」
「思った以上に厄介な奴だぜ」
「どうして君たちは魔界上位の世界を作るのを邪魔するの?僕はさっぱりそれが分からないよ」
「だから、お前の主君である大魔王は、九尾の狐を使って山本の師匠を?」
「そんなことは関係ない」
「・・・・・・」
「くそっ・・・こうなったら・・・」
連携技を使うしかない。
そう思った。
「行くぞ!!」
「レイン・カムイ!!」
「殺取・水竜高籠波!!!」
「竜王止水“桜”!!!!」
「風声演舞・立花!!!!!」
「明鏡止水・“花”!!!!!!」
「うああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
「これが俺の、俺たちの剣だ!!!」
青竜院雹は5の技をまともに食らうことになった。
- Re: 魔界の姫と白竜 ( No.58 )
- 日時: 2014/10/01 22:40
- 名前: 五線譜P(紗悠) (ID: lmEZUI7z)
(°□° )ムハーー
やばいこの引き込みがああ!
はい発狂しましたwおなじここで活動している紗悠です〜
ファンタジーは少し苦手ですが最初からの滑り込みがなかなかよかったです!
これからも頑張ってください!
僕の「恋涙燦燦」もよかったら見に来てください!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(52-1) ( No.59 )
- 日時: 2014/10/02 18:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ありがとうございます!!!
ドジ犯して失敗すること多々ありますがぜひ楽しんでください!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(53) ( No.60 )
- 日時: 2014/10/02 18:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
青竜院雹を保健室に澪が運び込む。
雫は山本のことが気になったので零に聞いてみることにした。
「それは3年前の入梅のことでした・・・」
山本が九尾の狐に殺されたこと、僕が山本の弟子だったこともこと細かく伝えた。
「そうか・・こいつの師匠はあいつに・・・・・」
「はい・・・」
「待てよ、わたしは過去に会ったような気が・・・」
霄はこのことをふっと思い出した。
「何かあったのか?」
「あの頃はまだ幼かったから全く覚えてないが・・・」
そんな事件があった翌日。
中学の生徒会では・・・
「彩世!大変だ!!警察官たちが大勢やられた!!!」
本家の『蘆屋隆希』が『臼杵彩世』に報告する。
「そう慌てない慌てない。あんな守りじゃ強い悪魔とかは防ぎきれないし」
「ぐっ・・・」
「全然ダメだったねぇ」
「6年も修行しているのにねぇ」
「こいつらを退けろ、彩世」
「まあまあ、悪魔は960年も生きてる。人間が負けても気にすることないよ。戻り、式神君」
「お前や遼が気にしていた妖は、今15人目の姫の護衛役を破りやがった」
「それにしても、陰陽師の家でご飯食べに来る妖も稀だからね」
「・・・・・・・」
「にしても果たしてどうするつもりなのかな?」
彩世はは窓を開けた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(54) ( No.61 )
- 日時: 2014/10/03 21:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして翌日・・・
生徒会ではこんなやり取りが行われていた。
「九尾の狐は普通の妖怪とは違う。魔界で生まれ、めぼしい幼子について育つ。その人の心の中の虚無が頂点に達した時、分離して成体になるんや。大量の虚無やら怨念やらを吸って、力をつけるんや。でも人の寿命しか生きられへん。宿主の寿命が尽きた時、新しい宿主が来るまで冷帯となるんや」
「転生妖怪・・・つまり本体を封印しない限り、そいつを倒しても時空をこて復活するのだな」
彩世の言葉に隆希は相槌を打つ。
「人という羽衣を羽織っていつの世も世界を乱そうとする・・・気になるんは生き胆を結構集めまくってることだけど、これまでの域を超えた何かを企んでるんやろな」
「お前らが気にしていたぬらりひょんはそんな奴に勝てるのか?」
「勝てる見込みがないも万に一つ」
「それじゃあ」
「でも、あいつは今成長中やからねぇ。なんせ、ついでからたったの2年でこんなに勢力を広げたんだから」
さてこちらは3年3組・・・
「俺は23代目・・・絶対に冥界の大半、いやほとんど支配しているのだろう。だけどここで退いたらこの世界は終わりだ」
僕にはまだ太陽系の証・・・最後の結界の守護者がまだ残っている。
京都最大の学園都市・洛西学園都市も嵐が吹き始めてきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(54-1)・(55) ( No.62 )
- 日時: 2014/10/04 01:50
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正 霊体
洛西学園1年・・・
霖が在籍している1年1組には僕の妹がいる。
その名は、熊本杏香。
彼女は新米陰陽師だ。
兄弟子である隆希や遼に指導を受けてもらっている。
さてそんなある日・・・
僕らは螺旋の封印の最後の結界、延暦寺にいる。
延暦寺だけ滋賀県大津市にあるんだけど。
延暦寺がある比叡山を上ること20分。
延暦寺が見えた。
最後の冥王星の陰陽師はどこかなと探す僕ら。
だが、どこにも見当たらない。
そればかりか、冥王星の証がある。
それに手をかけた瞬間、ブザーが鳴り響いた。
「どうだ?この策略は?」
「お、お前が冥王星の陰陽師か?」
「そのとおり。俺が冥王星の陰陽師、『降戸義家』さ」
「これを手に入れれば全ての太陽系の証が出揃い、天界への扉が開くと思ったのに想定外の自体だぜ・・・」
「ふん!このくらい想定済み・・・」
何者かが襲って彼の首を取ってしまったのだ。
「誰かは知らないが助かった」
胸をなでおろす霙。
「ま、冥王星の証いただいちゃおうか?」
僕はあっさり手をかけた。
これで全部そろったな。
さてその頃洛西学園都市・・・
「杏香、訃報だ。義家と伊周が死んだ」
「よ、義家にいちゃんと伊周にいちゃんが・・・」
義家は延暦寺の戦い、伊周は老いの坂の戦いで戦死してしまっていた。
魔界の闇がだんだん進行していくのを、僕らはまだ知るよしもない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(55-1)・(56) ( No.63 )
- 日時: 2014/10/04 16:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訂正 事態
洛西学園都市・・・
大阪府・京都府・奈良県にまたがる関西文化学術研究都市と並ぶ近畿最大級の学園都市である。
京都市西京区にあり、中心部から山陰道(国道9号)を少し進んだところにある。
友好関係を結んでいるのは由緒ある私立の高校京極女子高校・京極男子高校。
しかし、それらの学校も風が吹き荒れ始めることになる・・・
さてこちらは中等部・・・
「最近の京都物騒になってきたな・・・」
移動教室の霄と出会った。
「うん・・・もしかして、魔界軍は侵攻を始めているのかな・・・」
「いや、むしろ偵察といってもいい」
「偵察・・」
「ここには螺旋の封印が仕込まれているから、あらかじめその封印の守りをとかない限りは封印を外せないし・・・」
「それはいえる」
「どうしたの?二人でごにょごにょ話して」
霊が話しかけてきた。
「いや、ちょっとした話だよ。霄、移動教室でしょ?早く行ったほうがいいよ」
「あ、そうだったな。またあとでな」
急ぎ足で霄は6階の音楽室に向かった。
そうそう、ここの構造の説明がまだだったな。
僕ら生徒はB館の教室に普通はいる。
移動先の教室とか保健室、図書室はA館、初等部はC館。
B館・C館1階はそれぞれの職員室となっているんだ。
A館は多目的室。
行動・閣議室・プールがあるドームがC館の近くにある。
D館は幼稚園という設定だ。
この学園の敷地は東京ドームの半分もあるんだ。
やっぱり広いな・・・。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(57) ( No.64 )
- 日時: 2014/10/06 11:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
まえがき ここからは学園話になります。
6月20日・・・京都で久しぶりに雨が降った。
今年はなんだかんだ言って空梅雨だ。
全く晴れすぎて気が滅入る。
そんな3時限目の休み時間・・・
「いたた・・・」
僕らは見てしまった。
3年5組の『佐倉唯』がお腹を抑えてうずくまっているのを。
彼女は3年きっての天才少女だ。
「ん?」
「どうしました?」
零が隣で話しかける。
「ううん、なんでもない」
「いやいや、きっと何かあるじゃないですか?」
「・・・」
唯は言いよどむ。
「保健室、行きましょうか?」
そう言って零は保健室に連れて行った。
そしてその50分位したあと・・・
「唯が妊娠してんだってよ」
「な、なんだって!?」
僕も動揺を隠せない。
「おい、佐倉って俺らの学年じゃ成績優秀ってことを売りにしてたよな?」
「話は聞いてるよ」
「しかしあいつが妊娠するとはな・・・」
「唯は早退したのかな?」
「早退したよ」
「しかしまずいことになっちまったな」
「彼氏が暴力沙汰起こさなきゃいいが・・・」
「え?」
「あいつには彼氏がいるんだよ」
「誰?」
「『川口俊』だよ」
「待てよ、そいつも成績優秀だったよな・・・」
「ヤバイなこりゃ・・・」
心が落ち着くことがなくなってきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(58) ( No.65 )
- 日時: 2014/10/06 12:01
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都市洛西学園都市には最大級の病院もある。
名前は、西京総合病院。
唯が入院しているのは703号室だ。
そうそう、7階は産婦人科だったっけ。
僕らは検査の結果を聞きにきた。
結果はもう妊娠7ヶ月。
中絶するにはもう遅すぎた。
彼女のことが急に心配になってきた。
妊娠7ヶ月となると駆け込み出産。
まずい状況だ。
本当に恐れていたことが現実になってしまった。
いったいどうすれば・・・
そう思っていた矢先、俊が病院に来たのだ。
「・・・」
顔は曇っていて、幸せそうじゃない。
703号室に入っていった。
なんか2人の虚無が見えてしまったような気がする。
心配になっていけないので僕らはひとまず引き上げることにした。
「・・・・・・・・・・」
「とんだお見舞いになっちゃったね・・・」
「こんなぎすぎすした雰囲気は初めてだ」
空も心もどんよりしている。
皆ため息を吐くだけだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(59) ( No.66 )
- 日時: 2014/10/07 23:01
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
大阪府茨木市・・・
茨木から遠距離通学をしている僕の先輩がいる。
26代目の茨木童子、本名『豊高美友』。
彼女は人間と鬼のハーフなんだ。
高校1年きってのカリスマ美少女で、モデルもこなす。
京都洛西学園の通学生は大阪や兵庫、滋賀や奈良の人もいる。
すごいところじゃ福井県の敦賀市という人もいる。
この学校は自由って言うか、器の大きいって言うか・・・
そんなユニークな学園、それこそ洛西学園なのだ。
さてそんな洛西学園も大変である。
前回、唯の妊娠が発覚したわけだが、これで生徒会はおおもめである。
3年3組・5組も大騒ぎ。
つかみどころのない臼杵彩世は、
「退学にしろって言われても結構無理なんじゃないかな?」
「それは言えるけど、もしもあいつが学校行きたいと言っても半年は休まなきゃいけないんだよ?」
芳大も考え込んだっきりだ。
僕も何も言えない。
「助けてやろうぜ」
明が突然言い出した。
「助けてやると言っても、どう助けてやればいいんだ?」
僕は明の鼻を穴が開くくらい見つめた。
「あるさ。まず、あいつのお見舞いに行く」
皆明の話に耳を傾ける。
「そして、本心を聞き出すんだ」
「そこまでは分かったけどこの後どうするんだ?」
「そりゃ先生たちに話すべきだろ」
「大丈夫なんですか?」
零も心配そうな顔をした。
「大丈夫だって。あいつ本人に聞き出すんだし」
「皆、明の案で行きたいが、どうかな」
皆賛成してくれた。
「よっしゃ、そうと決まれば本人と会って直接話をしようじゃないか」
皆の心のもやが晴れた感じがした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(60) ( No.67 )
- 日時: 2014/10/07 23:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕は茨木童子26代目の豊高先輩の許へ行くことにした。
先輩は普通は忙しいのだが今日は大丈夫な様子だ。
「先輩?」
「あ!熊本君!」
去年中等部の生徒会副会長だった人だ。
「豊高先輩、今日のモデルの仕事は大丈夫なんですか?」
「大丈夫だって。今日はもう済ませてきちゃったんだから」
先輩の事務所は大阪市にあるんだ。
名前は本町にあるDIVAっていうらしい。
先輩は近畿地方じゃ名の知れたモデルなんだとか。
「先輩、話って何ですか?」
「あいつら、動き出してきそうな感じがするんだけど」
「あいつらって・・・」
「ほら、魔界軍団の連中」
「うん、それがどうしたの?」
「最近、京都で警官が130人も戦死したってこと知ってるよね」
「はい」
「どうやら魔界軍団が侵攻し始めてるってこと」
「・・・」
血の気が引き始めた。
何だこの戦慄感は・・・
今までのこんな戦慄感を覚えたのは初めてだ。
「あのね、護衛役って魔界学校卒業生の中から選ばれるんだけどいろいろ伝説があって・・・」
「それで?」
「とんでもない化け物がなったって先代先々代が言ってたわよ」
「化け物・・・?」
「その中の一族なら中等部の3年3組の皆はもう会ってるわよ」
「まさかそれって・・・・」
「そう、青竜院一族の悪魔」
「悪魔にしちゃ人間タイプなんだけど・・・」
「ああ、悪魔だったわね。でも、昔ほど今の悪魔は純血じゃないわよ?先の大戦とか領土争いのせいで随分数も減っちゃってるし。純血の一族も伝説で語られているのも朱雀寺一族だけになっちゃったから・・・」
「後は皆人間とかの混血?」
「そうね」
「護衛役って魔界の王族が変わるたびに新しく選抜されるんだよ」
「瑠璃か麗魅が魔界の女王様になったら改めて護衛役が選ばれるんだ・・・」
やっぱり先輩の心はまさに神秘の宝箱だ。
そう思えてきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(61) ( No.68 )
- 日時: 2014/10/08 22:56
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
洛西学園高等部生徒会では・・・
「全くあの中等部のぬらりひょん23代目である熊本健太郎たちは活動範囲を広げているようですね」
「ええ、この間も茨木童子26代目の豊高さんに接近したとか・・・」
「放っておけば危険すぎます。早く滅すべきです」
「でも、あの子なかなか興味深い男の子よ。しばらく様子を見てから力を見ようじゃないの」
「はい・・・」
さてこちらは3年3組・・・
「マジであの件何とかなるんだよな?」
幌大が疑わしそうに訊いた。
「だから大丈夫だって。きのう、俺は会って話をつけてきたんだ」
「結果は?」
「生みたいって」
「ま、あいつの意思も確かめられたからな。早く行こうぜ」
「・・・」
「あれ、熊本君?もしもし」
紗野が耳元で話しかける。
「あ、ごめんごめん、どうしたの?」
「唯のことだよ。最近大丈夫かなって」
「ああ、あいつ、子供生みたいって」
「そう、ありがとう、優しい熊本君」
そういわれてなんか照れくさくなってきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.69 )
- 日時: 2014/10/08 23:30
- 名前: ・ス・ス・スJ・スj・スb・スJ・ス[ (ID: YvSbEZ.f)
洛西学園・・・
「あの子、面白すぎていじめたくなっちゃう」
「ああ、あいつら面白そうな子だからね・・・」
「どうしたの?さっきから面白そうに」
「あ!『日比原あや』さん!!」
「希乃でいいよ」
「あの、あたしたちはあの男の子とで話してんだ」
「あの男の子?」
「ほら、ぬらりひょん23代目」
「ああ、熊本健太郎君ね」
「それからあの加賀の弦殺師の子孫、阿蘇宮篤君とか、3年3組の特攻隊長の長崎光平君とか人吉幌大君とか」
「あいつらこないだ茨木童子26代目の豊高さんと話してたんだよ」
「美友と?」
「そうよ。あのモデルで有名な美友が男子と一緒だなんて考えられる?」
「確かに考えられないわね」
この2人の取り巻きは『宇井野梢』、『伊暮梓』だ。
彼女たちの愛称はあやは『ギネヴィア』、梢は『ヴィヴィアン』、梓は『イグレイン』だそう。
霰・霊・霙のクラス、高等部1年4組はアーサー王関連の人が多いという。
例えば『アーサー王』の『朝倉篤人』。
『ランスロット』の『蘭曜一朗』。
『モルドレット』の『諸井佑都』などなど。
そんな様子から高等部1年4組はアーサー王の世界と呼ばれている。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(63) ( No.70 )
- 日時: 2014/10/09 22:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして放課後・・・
京都市西京区を流れる桂川に架かる西大橋にて・・・
「あら、熊本君」
「ん?澪?」
「久しぶりね」
「京都大学に通ってるんですよね?」
「うん」
「大学生活はどうですか?」
「そりゃ魔界の時とは大違いよ。だって校風も爽やかだし、いろんな学科もあるし」
「どんな学科に通ってるんですか?」
「理学部よ。だって魔界にいたときからずっと理科が得意だったからね・・・」
「京都の町はどうですか?」
「そりゃ当然良いに決まってるわよ。何せ古都だもん、結構寺院が見えるし、古都らしさがあるし・・・」
「そうですか、やっぱりここでの生活は楽しくやっていますね」
「そうよ」
なんか胸を撫で下ろしたくなるような気がした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(64) ( No.71 )
- 日時: 2014/10/09 23:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
7月・・・
ついに夏休み直前の月・・・
さて、洛西学園も夏休み前というわけで結構浮かれてる生徒も多い。
そんなとき・・・
「大変だ!」
雹が血相を変えて3年3組に駆け込んできた。
「うん?どうしたの?」
「呑気にしてる場合じゃないよ!螺旋の結界の2つの封印、延暦寺と慈照寺の結界が破られた!!!」
「け、結界が!?」
「確かあの結界は400年しか力が持続しないはず。だから脆くなったそのときを狙って・・・」
「それは・・・まさか・・・」
「うん、あの妖、九尾の狐が動き始めたという証拠だよ!!」
「まずい、あの結界が破られたら魔界の都と同然だ・・・何とかせねば」
「うん、そのためにまずは陰陽師クラスの3年2組に伝えに言ってくる!!」
「ああ、頼んだぜ」
雹は3年2組の中へ入っていった。
「大変なことが起きた」
「ええ??」
「延暦寺と慈照寺の封印が破られた」
「おい、九尾の狐の奴、いったい何をたくらんでいるんだ?」
「そうですね・・・生き胆を奪ってるのはたぶん、あの最強の悪魔、メフィストを誕生させるためですよ」
「メフィスト?」
「はい、大魔王の精子と九尾の狐の卵子が組み合わさってできる悪魔です・・・」
「つまり・・・瑠璃と麗魅の異母兄弟!!??」
「う、まあ、そうなるわね・・・」
「こんな時に限って動き出すんだからめんどくさいぜ」
「絶対に野望はもちろん、21代目のけじめつけさせてやるから覚悟しとけよ!!!!」
怒りに燃える3年3組であった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(65) ( No.72 )
- 日時: 2014/10/12 03:24
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、もう既に延暦寺・慈照寺の結界を破った九尾の狐。
今回は、九尾の狐について少し説明しておこう。
彼女は時代の風が吹く頃に現れ、めぼしい幼子に取り付く。
そいつの虚無が頂点になったとき、分離して成体になる。
大量の虚無やら怨念やらを吸って力を得ていく。
でも人間の寿命しか生きられないのだ。
宿主の寿命が尽きれば新しい宿主が現れるまで、ずっと霊体になる。
つまり、転生妖怪なのだ。
本体を封じないことにはいくら斃しても時空を超えて転生し続けることが厄介なところ。
生き胆を集めまくってるようだが、どうやら魔王の息子、メフィストに力をつけさせようとしてるようなのだ。
しかしそのたびに歴史の風が邪魔をし続けたのだ。
妲己のときは殷周革命によって滅され、楊貴妃のときは陳玄礼たちに滅され、マリー・アントワネットのときは怒れる市民によって滅されるという惨憺たるものだった。
さらに決定的なのは400年前、淀殿のときは陽の妖怪たち、要するにぬらりひょんたちに破られた。
しかしそのとき以来、九尾の狐は蘆屋道満の一族、陽の妖怪たちを憎んでいる。
何しろ彼女は陰の妖怪の権現なのだから。
彼女を倒すにはある2つの武器が要る。
それは13代目が使ったという蘆屋家最強の式神・破軍。
そしてどんな妖怪ですから斬り捨てられる聖剣、白竜・黒竜だ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(66) ( No.73 )
- 日時: 2014/10/12 04:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都市下京区京都駅・・・
「ここがぬらりひょんが住む場所か・・・」
憧れを抱く少年が京都に降り立った。
僕らは刀のお手入れをしていた。
何せ刀といえど金でも溶けない金属とは言い切れない。
だからお手入れは欠かさない。
錆止めやら塗って万が一の時に備えているのだ。
ただ、雪はその必要はない。
雪に適した武器がなかったのだから。
だから雪に適した武器を今作っているのだ。
万が一のときって、塩酸とか硫酸、それから硝酸によるダメージの時。
塩酸・硫酸・硝酸は触れた金属を溶かしてしまうことくらいあり得るのだ。
だから、あらゆるイオン化傾向のある水溶液に対して万全でなければいけないのだ。
金・白金に王水などかけられたら目も当てられない。
黒竜には鉄の核に銅・銀・金・マグネシウム・亜鉛・錫・鉛・鉄という8層構造になっている。
白竜は金の核に銀・鉄・亜鉛・鉛・錫・マグネシウム・銅・金とこれも8層構造だ。
しかしどれもいえるのはメッキを使っていることだ。
メッキといえど、ばっちり錆止めは塗ってある。
とまあ僕はそんなお手入れをしていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(67) ( No.74 )
- 日時: 2014/10/14 17:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
翌日・・・
憧れを抱き、少年は洛西学園に入った。
こちらは3年3組・・・
「皆さん、今日は転校生が1人来ています」
「女子ですか?男子ですか?」
「男子です」
男子か・・どんな人なんだろうな・・・
「お、来たようだ」
1人の少年が教室に入ってきた。
黒縁眼鏡でひょろりとした体系。
こりゃハリーポッターに出できそうな人である。
「高山悟です」
「どこ出身?」
「岐阜県の中津川です」
「中津川市・・・長野の近くだな」
とまあ、こうして新たなる仲間も増えた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(68) ( No.75 )
- 日時: 2014/10/16 17:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
まえがき 67話までが1学期編です。
7月18日・・・
洛西学園は夏休みに入る。
ちなみに、洛西学園の始業式は8月27日になる。
そんな今日・・・
九州の妖怪が大魔王によって本州方面へ侵攻してきた。
今にも山口に上陸してきそうな気配がする。
その中枢は大分県の川姫という妖怪だ。
さてこちらは京都・・・
ある少女が僕の前に現れた。
彼女は川姫・・・そう名乗った。
そんな時、僕に対して宣戦布告とも取れる発言をした。
「あたしはこれからあんたの全てを戴く」
僕のシマは京阪神大都市圏内が中心だ。
大阪府・京都府・滋賀県・奈良県全域、兵庫県の姫路市・宍粟市・洲本市以東、和歌山県の御坊市・日高川町以北、福井県の勝山市以西にシマを持っている。
彼女の野望が牙をむき始めるのであった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(69) ( No.76 )
- 日時: 2014/10/16 18:48
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、翌日・・・早速惨憺たる出来事が起きてしまう。
父さんは何かあると思い、京都市山科区祇園に向かった。
しかし祇園にてある妖怪と出会う。
一反木綿だ。
一反木綿とは鹿児島県肝付町の妖で、首に巻きついたり顔を覆ったりして窒息死させる攻撃の仕方をする。
そいつはたちまち父さんの顔を覆い窒息させた。
今もまだ入院中だ。
それだけじゃない。
宮崎県の豆狸によって化かされるという事件が相次いで近畿地方で起きたのだ。
これはただ事じゃないと思った僕らは京都付近の警備を強くするよう京都府警にお願いした。
さすがに彼らも妖の仕業ということには疑問を持ったが変な状況が起きるようならば警備を強化すると約束した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(70) ( No.77 )
- 日時: 2014/10/17 11:40
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都府宇治市平等院鳳凰堂・・・
僕らはこの一連の事件は川姫たちの仕業だと考えていた。
彼女はかなりのカリスマ性のある美少女なのだが、同士を消耗品として捉えていて、負けたものは容赦なく殺すという残虐な性格である。
彼女は大分の大分大学付属高校に通っている。
さて、またも大阪・兵庫で事件が起きる。
熊本県天草市の妖、油すましのいたずら電話が多発するという事件だ。
船幽霊によって神戸港に着くはずの船がなぜか名古屋港に着いたり。
と、近畿・東海で変な状況が発生していることを受けて京都はもとより、近畿地方・東海地方・北陸地方の警備を強化することにした。
僕にとってはこの事件、まだ終らなさそうだという考えがあった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(71) ( No.78 )
- 日時: 2014/10/17 12:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてこちらは愛媛県今治市・・・
『益城駿』はここを訪れていた。
隠神刑部に会うためだ。
彼は四国妖怪の大将で、玉章という息子がいる。
彼に駿は協力を求めるために訪れたのだ。
断られることも承知の上で。
隠神刑部のいる愛媛県松山市にある松山駅に着いた。
早速話をつけることにした。
さてこちらは滋賀県大津市・・・
僕らは杯を交わすために義仲寺へ来たのだ。
そう、五分五分の杯を交わすために。
杯を交わすというやり方は魔界にもあるらしく、主従菅家しか結ばないというのが決定的な違いなのだ。
さて、こちらは川姫。
彼女たちは山口県萩市を制圧した。
今に益田方面に攻めてきそうな気配である。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(72) ( No.79 )
- 日時: 2014/10/17 12:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
隠神刑部との交渉は成立した様子の駿は満面喜色の顔で帰ろうとした。
「待ちな」
隠神刑部が止める。
「何で?」
「まだ彼女についての話をここからしよう」
「話?」
「ああ、川姫についてだ。川姫は野望多き少女だった。何でも、彼女は父親に『己の立場をわきまえて行動してほしい』そういわれて育っていった。しかし、彼女は王への野望が成長するたびに強くなっていき、彼女は急遽、京都へ侵攻しようとたくらんだ。しかし、いきなりやるのはまだ早いと止められて、仕方なく高校に入って京都を震撼させるための時間稼ぎを行った。そして、時は来た」
「ついに、侵攻が始まったのですか?」
「そうじゃ」
「俺の友達に熊本っていう奴がいるんだけど、あいつに勝てるのですか?」
「そう願いたいところじゃ。熊本君にあいつの心を呼び覚ましてほしいのじゃ」
彼は僕のことを信頼したい気持ちでいっぱいだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(73) ( No.80 )
- 日時: 2014/10/19 23:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて僕らはこの戦いに対する勝利を誓って杯を交わすことにした。
そのために僕らは滋賀県彦根市の彦根城の近くにある多賀町・多賀大社に来ているのだ。
魔界でもこういうことは行われているけれども、兄弟の契りはないという。
だから零にとっては新鮮なことなのだ。
兄弟としての杯を酌み交わすことが。
夏の炎天下の中、僕らは誰にも寄せ付けさせずに杯を交わすつもりなのだ。
そう、ひっそりとだ。
まずは僕が杯を交わす。
そして大分紗野、長崎光平、阿蘇宮篤、人吉幌人、国東マルシー、水俣芳大という順で杯を交わす。
最後を締めくくるのは青竜院零。
さあ、ここからは兄弟のように一心同体でがんばろうじゃないか!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(74) ( No.81 )
- 日時: 2014/10/19 23:29
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕らが京都へ帰ってまもなく、事件が起きてしまった。
長壁姫が兵庫県姫路市からはるばる助けを求めてきたのだ。
長壁姫は兵庫県姫路市の霊体。
姫路市は中国地方に近く、最近彼女の足元が脅かされてきたのでわざわざ助けを求めるために京都に赴いてきたのだ。
長壁姫は800体の眷属を率いているのだが、九州妖怪には大苦戦。
そこで助けを求めに来たのが未来が長い少年少女の妖怪たちだ。
とは言っても僕らはまだ修行を積まねばいけない。
けれども人にあだなす妖怪は許せない。
そこで彼女の願いを聞き入れることにした。
さあ、戦いはここからだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(75) ( No.82 )
- 日時: 2014/10/21 16:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてこちらは川姫。
京都を手に入れるべく、山陰の島根県出雲市まで侵攻している。
一方、駿はというと。
四国妖怪たちの協力が得られたようだ。
四国妖怪は岡山経由で姫路へ救援に向かうという。
僕らは、京都の洛西学園で九州妖怪との戦いを計画しいた。
出雲は八百万の神の要所。
ここを落とせば京都への距離はあと半分。
そのころ、彼女は大魔王よりある刀を手に入れていた。
それは魔刀『漆黒』だった。
この刀は全てを支配する力を持つ刀だ。
だが、その刀に捕われれば、その者の真の野望が沸きでてくるという危険な刀なのだ。
その刀はまさに禁断の刀。
大女神様も絶対に手にしてはならないほどの刀なのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(76) ( No.83 )
- 日時: 2014/10/21 16:47
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ここは京都・・・・・・
豊高先輩は修行の場にもってこいの場所があるとある場所へ連れて行った。
そこは、鞍馬山。
ここに住むのが鞍馬山の大天狗。
鞍馬天狗の一族は1000年間も続く由緒ある家で、彼を慕う妖怪も少なくない。
鞍馬天狗は今ので25代目。
3代目は義経に技を教えたともいわれている。
彼のもとで修行を行うことにした。
さて、川姫は既に出雲を突破し、松江城まで来てしまっていたのだ。
別働隊も出発し、広島に近づきそうな予感。
だが、岩国付近で四国妖怪の針女が食い止めている。
まだまだ援軍がほしそうな戦況である。
僕は鞍馬天狗に弟子入りすることになった。
禁断の力を手に入れた川姫、妖怪としての自由を求め続ける僕との戦いが始まる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(77) ( No.84 )
- 日時: 2014/10/24 15:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
鞍馬天狗との修行中・・・
京都で事件が発生した。
京都市西京区・・・・
ある少年が重傷を負って担ぎ込まれてきた。
そいつは祇園の料亭「さくら」の主人、『宮崎良太』という。
どうやら、福岡県飯塚市のおとろしに最近営業妨害をされているらしい。
鞍馬天狗曰く、
「おとろしは正体不明の妖怪だ。こいつとやりあうには分が悪い。奴が正体を現してから戦え」
とまあ、正体不明なので、警備員が6人がかりで昼間に警備することになった。
そして2日後・・・
ついに例のおとろしが現れた。
牛馬をすべてひと呑みに食ってしまうほどの大きな口を持った妖怪だった。
そいつの口をつっかいぼうで自由を奪うと、背中から零が刀で一刺し。
ついにおとろしは死んだ。
こうして、「さくら」にまた平和が訪れた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(78) ( No.85 )
- 日時: 2014/10/24 22:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その翌日の7月29日・・・
西京総合病院の裏山に、小塩山という山がある。
3年1組のある少女が神社に参拝した。
彼女の名は、『松江ひなこ』。
中3とはいえないほどのプロポーションの少女だ。
彼女はとても信仰心が強く、毎週火曜日には小塩山で参拝するのが習慣になっていた。
さて、その日彼女はとんでもないものに出くわすのだった。
羅城門の鬼だ。
羅城門の鬼に誘拐された。
彼女は食い殺されると思って目を瞑った。
そのときだった。
彼女の前に暗器が鬼の胴体にざっくり。
そこに立っていたのは長崎光平だった。
長崎光平が友達から話しを聞いて駆けつけたのである。
それだけじゃない。
千羽鶴の九十九神、千羽様が守ってくれたのだ。
無事彼女は帰ることができたのだが、小塩山の参拝はやめることはなく、千羽様への参拝には折鶴を持っていったという。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(79) ( No.86 )
- 日時: 2014/10/26 05:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
7月30日・・・
僕は修行から洛西学園へ帰った。
さて、京都は早速厳しい状況だ。
川姫がついに鳥取県に入ってしまったのだ。
この鳥取を死守すべく、僕らは鳥取県鳥取市へ入った。
さて、鳥取城はまだ未整備ということも会って、鳥取市中央部に本境地を持つことにした。
さて、こちらは川姫。
彼女の軍勢は米子市付近まで制圧していた。
別働隊は岩国で膠着状態が打破できないので本隊に合流すべく北へ転進した。
針女はひとまずほっとしたが、広島から周防方面へ反撃しようとしたのだが、犬鳳凰にとめられた。
鳥取の戦いが今、始まろうとしている。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(80) ( No.87 )
- 日時: 2014/10/26 05:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
鳥取と米子の中間の辺りの倉吉付近での戦いが激戦地帯となりそうな今回の戦い。
さて僕は琴浦町付近で戦っていた。
相手はひょうすべ。
彼の攻撃にはかなりてこずる。
めんどくさい奴だ。
しまった、目くらまし攻撃だ。
全然前が分からない。
このままでは琴浦の戦いで敗れてしまう。
そんなときだった。
雪女が駆けつけてきてくれたのだ。
氷の薙刀だけではなく、氷の二挺銃も引っさげている。
僕は目潰しを喰らっているので、まともにやりあうには分が悪い。
氷の二挺銃と薙刀でいとも簡単にひょうすべの特殊攻撃をかわしていく。
氷の薙刀で最後は一瞬。
ひょうすべは倒れた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(81) ( No.88 )
- 日時: 2014/10/27 16:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてその頃・・・
岡山県岡山市では、駿が隠神刑部をつれて山陰に向かっていた。
一方、真庭市方面に来た別働隊は蒜山の戦いを繰り広げていた。
蒜山を突破されたら抜け道ができるという事態につながる。
ここを突破されてはいけないと犬神がここを守る。
針女と犬鳳凰率いる広島守備隊は三次・津山を経て、鳥取で合流することになった。
松江から川姫本人も安来攻めに入った。
どんどん戦いは佳境へ向かっていく。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(82) ( No.89 )
- 日時: 2014/10/27 16:29
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、息子の玉章はというと広島県尾道から直接松江に向かっていた。
そう、鳥取方面から来るであろう僕と挟み撃ちにするために。
さて僕は、体勢を立て直し、蒜山の戦いに合流することにした。
セコの集団が犬神をいらいらさせる。
セコの弱点を知っているのは僕以外、玉章しかいない。
セコの弱点は鰯だ。
犬神に鰯を投げつけろと僕は耳打ちした。
何のことかも分からない犬神は適当なところに鰯を15匹ぐらい投げてやった。
するとどうだ。
セコが一目散に退却していった。
あとで犬神にありがとうとお礼を言われた。
ま、今回の活躍は犬神だと思うけどね。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(83) ( No.90 )
- 日時: 2014/10/28 18:30
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして、ついに最終決戦。
ついに米子・境港で川姫に出くわせた。
しかし、川姫の余裕さはまだ消えていなかった。
そして、彼女はとんでもない行動に出た。
そう、自分の同志たちを切り捨て始めたのだ。
魔刀『漆黒』で。
「バカな・・・」
犬神は驚いた。
針女も駆けつけたが、ショックすぎて倒れてしまった。
犬鳳凰も絶句した。
「・・・」
僕は怒りをただ胸に抑えることしかできない。
そして、ついに決定的なことが起きてしまった。
そう、自分の信頼していた正吉河童を殺したのだ。
駆けつけた皆は憤る。
犬鳳凰はつぶやく。
「こんなやり方は百鬼夜行を率いれない。いずれ、皆ついていけなくなって離反することになってしまう」
こんなやり方、百鬼夜行の主がやる術ではない。
そういうことを絶対に思い知らせてやる!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(84) ( No.91 )
- 日時: 2014/10/29 22:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
川姫は魔刀『漆黒』を僕に向けて言い放った。
「妖怪と人間は平行線・・・一切交わることのない2本の線・・・あんたみたいに人間と妖怪の混血はあってはならないものよ!」
彼女の戦慄感は大きく膨らんでいく。
さて、玉章は、
「いよいよだな・・・」
大山の頂上から見下ろす。
「のようですな。玉章様」
手洗い鬼もどうなるかが楽しみな様子だ。
「これを、人は武者震いというものだな・・・」
激しく高ぶる興奮を感じる。
彼らの興奮もマックスになったところで、朝日が昇ってくる。
僕は長ドスを2本抜いた。
針女は目を覚ますと、気高く勇ましい少年の姿がそこにあったのだ。
犬神は耳打ちする。
「真昼でも月が昇るように、俺たちが気づかないだけで月はいつだって空に浮かんでいる。こいつの心にも同じように、月が今昇っているんだ」
犬神はそう耳打ちすると、
そう小さな声で声をかけた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(85) ( No.92 )
- 日時: 2014/10/29 22:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ついに川姫との戦いもクライマックス。
針女も、
「あんたは関西で優秀な剣士でしょ?もうあんたは関西、いや西日本西京の少年よ。昼のあんたも夜のあんたもあんたはあんた。あんたのありのままを全部受け入れて魑魅魍魎の主となりなさい!」
発破をかけた。
(これが・・・僕のあるべき姿なんだな・・・)
後は全部分かるだろ?
僕のありのままを全部、あいつにぶつけるだけなんだ。
「行くぜ・・・これこそ、僕のあるべき姿だ!!」
僕の赤い目は全てを見通す黒い目に変わり、白竜・黒竜は太陽に照って光を放っている。
「何?急にあいつの雰囲気が変わった?」
僕の変貌振りに動揺を隠しきれない川姫。
僕は一瞬で彼女の左腕に刀傷をつけた。
「観念しろ!」
「ふぅ、間に合ったぜ」
「玉章様!?」
皆突然の登場に驚く。
玉章は川姫に一発デコピンをかました。
「お前の心、カリスマ性を信じて突き進む妖怪たちは結構いたはずだ。それなのにお前はその信頼を破った。お前を慕う妖怪を背負って背負って背負ってやりな」
玉章は僕の顔をしげしげと見て、
「おめでとう。君が新たなる魑魅魍魎の主だ。君は、その座になってなしをしたい?」
「消えていくかも知れないこいつらのためにも、僕は主となるべきなんだ」
「なるほど。君は人間のやり方を認めつつ、彼らを守る・・・つまり共生だろ?それは結構時間が要るよ」
「そんなのは簡単さ。僕が無敵になればいいんだから」
「全く君って奴は・・・」
彼はふっと笑った。
それに釣られて皆笑った。
僕は顔を真っ赤にしてうつむいているしかなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(86) ( No.93 )
- 日時: 2014/10/31 15:38
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
第85話までが夏休み前編です。
第86話〜90話は特別編で学校の3年3組の生徒(ネタバレ含む)を紹介します。
3年3組
熊本健太郎 ∼Kumamoto Kentarou∼
この小説の主人公。
誕生日は9月24日のてんびん座。
年齢は15歳(2014年10月31日現在)。
身長169㎝(177㎝)の体重52㎏(59㎏)。
クラスの学級委員長。
洛西学園都市で1人暮らし。
好きなアーティストはHey!Say!Jump!。
名前の由来は熊本県熊本市。
阿蘇宮篤 ∼Asomiya Atsushi∼
誕生日は12月22日のいて座。
年齢は14歳。
身長は163㎝(170㎝)の体重49㎏(54㎏)。
熊本の親友。
洛西学園都市で弟と暮らしている。
名前の由来は熊本県阿蘇市・一の宮町。
水俣芳大 ∼Minamata Yoshihiro∼
誕生日は3月14日のうお座。
年齢は14歳。
身長は184㎝の体重61㎏。
サッカー部のキャプテン。
サッカー部のメンバーでポジションはMF。
背番号は7。
名前の由来は熊本県水俣市。
大分紗野 ∼Oita Saya∼
誕生日は5月17日のおうし座。
年齢は15歳。
身長は160㎝の体重46㎏。
スリーサイズは80(C)・56・79。
学年ではベスト5に入るほど可愛い。
クラス内での成績は高い。
名前の由来は大分県大分市。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.94 )
- 日時: 2014/10/31 15:45
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
八代海斗 ∼Yatsushiro Kaito∼
誕生日は9月24日のてんびん座。
年齢は15歳。
身長は170㎝の体重57㎏。
ケンカがめちゃくちゃ強い。
けれども情に厚い。
名前の由来は熊本県八代市。
天草翔貴 ∼Amakusa Shoki∼
誕生日は8月12日のしし座。
年齢は15歳。
身長は175㎝の体重60㎏。
かなりノリがいい。
かなり器が大きい。
名前の由来は熊本県天草市。
人吉幌大 ∼Hitoyoshi Hiroto∼
誕生日は6月15日のふたご座。
年齢は15歳。
身長は187㎝の体重68㎏。
クラスの男子では一番頭がいい。
野球部のキャプテンでもあり、ピッチャーでもあり、4番でもある。
名前の由来は熊本県人吉市。
長崎光平 ∼Nagasaki Kouhei∼
誕生日は6月11日のふたご座。
年齢は15歳。
身長は180㎝の体重63㎏。
サッカー部の得点王。
ポジションはFW。
名前の由来は長崎県長崎市。
雲仙明 ∼Unzen Akira∼
誕生日は1月18日のやぎ座。
年齢は14歳。
身長は177㎝の体重58㎏。
人吉とバッテリーを組んでいる。
名前の由来は長崎県雲仙市。
島原唯真 ∼Shimabara Yuima∼
誕生日は8月7日のしし座。
年齢は15歳。
身長は171㎝の体重56㎏。
水泳部の部長。
名前の由来は長崎県島原市。
諫早敏輝 ∼Isahaya Toshiki∼
誕生日は11月21日のさそり座。
年齢は14歳。
身長は161㎝の体重48㎏。
卓球部のメンバー。
名前の由来は長崎県諫早市。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(88) ( No.95 )
- 日時: 2014/11/01 07:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
中津桃歌 ∼Nakatsu Momoka∼
誕生日は3月2日のうお座。
年齢は14歳。
身長は166㎝の体重49㎏。
スリーサイズは82・57・79。
おしゃれにかなり詳しい。
名前の由来は大分県中津市。
国東マルシー ∼Kunisaki Marcey∼
誕生日は2月16日のみずがめ座。
年齢は14歳。
身長は157㎝の体重44㎏。
スリーサイズは79(C)・55・78。
イギリス人と日本人のミックス。
好きなアーティストはONE DIRECTION。
名前の由来は大分県国東市。
宇佐美晴海 ∼Usami Harumi∼
誕生日は10月19日のてんびん座。
年齢は15歳。
身長は161㎝の体重47㎏。
スリーサイズは84(D)・57・81。
バレーボール部でのポジションはウィンドスパイカー。
名前の由来は大分県宇佐市。
竹田愛 ∼Taketa Ai∼
誕生日は1月28日のみずがめ座。
年齢は14歳。
身長は154㎝の体重43㎏。
スリーサイズは79(C)・56・78。
メガネをかけている。
苦手な科目は数学。
名前の由来は大分県竹田市。
城下玲菜 ∼Shiroshita Rena∼
誕生日は5月1日のおうし座。
年齢は15歳。
身長は159㎝の体重46㎏。
スリーサイズは81(C)・57・80。
由布院と幼なじみ。
名前の由来は大分県日出町。
由布院真有 ∼Yufuin Mayu∼
誕生日は7月22日のかに座。
年齢は15歳。
身長は158㎝の体重46㎏。
スリーサイズは80(C)・56・79。
城下とは幼なじみ。
名前の由来は大分県由布市・湯布院町。
日田野菜緒 ∼Hitano Nao∼
誕生日は10月5日のてんびん座。
年齢は15歳。
身長は155㎝の体重44㎏。
スリーサイズは79(C)・57・78。
大分の親友。
名前の由来は大分県日田市。
杵築望恵 ∼Kitsuki Moe∼
誕生日は10月27日のさそり座。
年齢は15歳。
身長は161㎝の体重46㎏。
スリーサイズは82(D)・56・79。
熊本や水俣によく絡んでくる。
好きなアーティストはE-girls。
名前の由来は大分県杵築市。
玖珠原瑠璃 ∼Kusuhara Ruri∼
誕生日は9月24日のてんびん座。
年齢は15歳。
身長は160㎝の体重46㎏。
スリーサイズは83(D)・56・79。
麗魅の双子の姉。
半年前、魔界から家出して来た。
名前の由来は大分県玖珠町。
玖珠原麗魅 ∼Kusuhara Remi∼
誕生日は9月24日のてんびん座。
身長は160㎝の体重45㎏。
スリーサイズは79(C)・55・78。
瑠璃の双子の妹。
熊本に対してはツンと澄ましているが、阿蘇宮に対しては・・・
九重桃花 ∼Kokonoe Momoka∼
誕生日は3月16日のうお座。
身長は167㎝の体重48㎏。
スリーサイズは84(D)・57・83。
女子ソフトボール部でのポジションはピッチャー。
名前の由来は大分県九重町。
豊高麻里 ∼Toyotaka Asari∼
誕生日は9月6日のおとめ座。
身長は162㎝の体重47㎏。
スリーサイズは80(C)・56・78。
モデルの豊高美友の妹。
名前の由来は大分県豊後高田市。
大野若葉 ∼Ono Wakaba∼
誕生日は4月14日のおひつじ座。
身長は160㎝の体重47㎏。
スリーサイズは81(C)・56・80。
豊高の親友。
名前の由来は大分県豊後大野市。
青竜院零 ∼Seiryuin Rei∼
誕生日は9月24日のてんびん座。
身長は164㎝の体重48㎏。
スリーサイズは85(E)・56・82。
瑠璃・麗魅の護衛役。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(89) ( No.96 )
- 日時: 2014/11/03 23:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
津久見華凛 ∼Tsukumi Karin∼
誕生日は12月7日のいて座。
身長は163㎝の体重49㎏。
スリーサイズは84(E)・55・84。
クラスきっての美少女。
メガネをかけている。
名前の由来は大分県津久見市。
3年1組
岡山大志 ∼Okayama Daishi∼
誕生日は10月16日のてんびん座。
身長は171㎝の体重60㎏。
サッカー部の天才MF。
長崎の親友でもありライバル。
名前の由来は岡山県岡山市。
広島涼介 ∼Hiroshima Ryousuke∼
誕生日は8月16日のしし座。
身長は168㎝の体重58㎏。
バスケ部のキャプテン。
背番号は5。
名前の由来は広島県広島市。
倉敷亮 ∼Kurashiki Ryo∼
誕生日は11月8日のさそり座。
身長は167㎝の体重57㎏。
3年1組内では天才。
名前の由来は岡山県倉敷市。
津山一希 ∼Tsuyama Kazuki∼
誕生日は7月15日のかに座。
身長は162㎝の体重47㎏。
京都洛西学園で兄と暮らしている。
熊本や阿蘇宮とは対照的。
名前の由来は岡山県津山市。
三次大貴 ∼Miyoshi Daiki∼
誕生日は1月4日のやぎ座。
身長は165㎝の体重49㎏。
広島と同じバスケ部。
姉が1人いる。
名前の由来は広島県三次市。
福山侑李 ∼Fukuyama Yuri∼
誕生日は2月15日のみずがめ座。
身長は167㎝の体重51㎏。
サッカー部だが、広島と仲がいい。
名前の由来は広島県福山市。
笠岡岳 ∼Kasaoka Gaku∼
誕生日は10月7日のてんびん座。
身長は169㎝の体重64㎏。
バスケ部だが、岡山と仲がいい。
名前の由来は岡山県笠岡市。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(90) ( No.97 )
- 日時: 2014/11/04 23:00
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
松江ひなこ ∼Matsue Hinako∼
誕生日は8月26日のおとめ座。
身長は160㎝の体重47㎏。
スリーサイズは87(F)・54・85。
クラス一胸が大きい。
洛西総合病院で入院している祖母のお見舞いに毎週火曜日に来る。
名前の由来は島根県松江市。
鳥取春奈 ∼Tottori Haruna∼
誕生日は2月13日のみずがめ座。
身長は166㎝の体重49㎏。
スリーサイズは80(B)・57・77。
クラス一の姉御肌。
名前の由来は鳥取県鳥取市。
倉吉あずさ ∼Kurayoshi Azusa∼
誕生日は9月16日のおとめ座。
身長は165㎝の体重49㎏。
スリーサイズは84(D)・56・85。
ピアノが得意な吹奏楽部部員。
名前の由来は鳥取県倉吉市。
米子彩乃 ∼Yonago Ayano∼
誕生日は10月9日のてんびん座。
身長は156㎝の体重45㎏。
スリーサイズは81(C)・57・82。
ものまねがかなり得意。
名前の由来は鳥取県米子市。
出雲美和子 ∼Izumo Miwako∼
誕生日は11月7日のさそり座。
身長は164㎝の体重48㎏。
スリーサイズは84(E)・55・83。
成績はトップクラス。
名前の由来は島根県出雲市。
安来彩花 ∼Yasugi Ayaka∼
誕生日は3月6日のうお座。
身長は161㎝の体重47㎏。
スリーサイズは82(D)・56・79。
吹奏楽部で松江・鳥取と仲がいい。
名前の由来は島根県安来市。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(91) ( No.98 )
- 日時: 2014/11/04 23:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
第91話は夏休み後編スタートです。
夏休みも8月1日。
あの戦いが嘘のように京都は平和になった。
さて、そんな昼下がり・・・
「・・・・・・」
「めっちゃ暑いな・・・」
僕らは京都きっての大きな料亭・『やなぎ』にいる。
零は暑すぎて氷を頭に載せている。
まさに熱中症患者みたいだ。
暑すぎる。
暑すぎだ。
「・・・・」
僕はじとーっと割り箸を見つめていた。
「お客様、割り箸でゲームをやったらどうでしょうか」
「ん?」
「何のことです?」
零はだるそうに訊いた。
「王様ゲームですよ」
「けどここいるのってさあ、3年3組のメンバーだけで王様なんていやしないぞ?」
幌大も同調する。
「王様ゲームってのは、この割り箸に番号を書いて、その内の一本に王様の印をつけておくんです。そして、それらを筒の中から一斉に引いて王様の印のついた割り箸を引いた人物が王様になるんです」
「それで、特権はあるんですか?」
零はこの暑さにぜんぜん耐え切れていない。
「王様は数字を持った番号の人呼んで命令できるんです」
「それいいですね・・・」
「ただし、番号はいわないでくださいね?」
「OK」
「人数は・・・25人ですか。では少々お待ちを」
店員さんは1〜24の数字を割り当てていく。
最後の割り箸にKという文字を書いた。
「KはKingの頭文字・・・トランプと何か関係はあ・・」
「それはないよ、零」
顔を赤らめる零だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(92) ( No.99 )
- 日時: 2014/11/04 23:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「よっしゃ・・・みんないっせいに引くんだぞ」
いっせいに引いた。
「じゃあいくよ。王様誰だ?」
「望恵だよ」
「望恵か・・じゃあ命令は?」
「4番と11番はハグ」
「じゃあ4番と11番は誰かな?」
「私だけど?」
瑠璃だ。
「あとは11番だが・・・」
小さく手を上げているのは麗魅だ。
「じゃあハグな」
瑠璃と麗魅はハグした。
でも麗魅はうれしそうじゃないな・・・。
あ・・・ハグということは互いに抱きつく事だっけ。
つまり、否が応でも密着しなければならないんだ。
そして、密着すれば必然的に当たる物があるんだ。
そう、胸なんだ。
麗魅は胸が瑠璃より小さい。
そりゃ麗魅が不機嫌にもなるのも無理ないな。
結局ハグが終って2分経っても麗魅は不機嫌な様子だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(93) ( No.100 )
- 日時: 2014/11/05 22:58
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして2回目・・・
割り箸くじを混ぜて引く。
「さあ、次の王様は誰だ?」
「私よ」
麗魅が悪魔みたいな顔で答える。
何だこの戦慄感は・・・・
「命令は・・・」
「9番は6番をおんぶしたまま王様の肩もみ!」
「9番は・・・篤だ」
「6番華凛・・・」
「よりよってこいつ・・・僕だったら結末はどうなってたのかな・・・・」
ちなみに僕は10番だ。
「・・・・・・」
「?」
「真っ赤になってる?」
「なってないわ!でも・・・」
「でも、なんだ?」
「なんでもないわ・・・」
「これを人間界でいうところの恋愛感情というのだろうか・・・」
「制限時間は・・・5分ね」
「じゃあ、紗野が髪の毛どけるね」
髪の毛を前へどけた。
タイマーを5分に設定してスイッチをONにした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(94) ( No.101 )
- 日時: 2014/11/05 23:10
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「んんっ……はぁ」
なんか気持ちよさそうな声。
でもなんか篤がいけないことをしてるような感じがする。
でも肩揉みストップしたら麗魅になんか言われそうだし。
にしても、やっぱ女の子って華奢な体してるんだな……
僕ら男子とは違って肩幅狭いが、ここに来る前に修行とかしてたらしいけど、思った以上だ。
これが女体の神秘なのかな?
タイマーが鳴った。
「おっ、終ったみたいだな」
3回目だ。
「さあいくよ、王様誰だ?」
皆僕をじとーっと見つめる。
「まさか・・・僕?」
なるほど僕のはしにはKの文字がでっかく書いてある。
「じゃあ失礼して・・・・僕がカメラで写真撮るから7番と3番はメガネを交換な」
「7番は愛で・・・3番は…華凛」
「よっしゃ、僕がカメラで撮るからな・・・」
愛と華凛はメガネを交換した。
僕はメガネをかけ終えた彼女たちをフレームに収めた。
「やっぱかけるメガネが違うと印象も変わるな・・・」
そう思えた。
やっぱ第一印象は感じでよく分かることをよく覚えてしまった僕だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(95) ( No.102 )
- 日時: 2014/11/06 23:06
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
始まって4回目・・・
客が来たようだ。
あ、この青髪の美人姉妹10人はもしや青竜院姉妹?
こうなると割り箸の量は10本増えた35本になってしまう。
そこで、僕が割り箸10本をさらに発注し、25〜34の番号を割り当てた。
「さあ、4回目はじめようか・・・」
みんなでいっせいにくじを引く。
あ、僕は5番だな。
「ふっふっふ・・・」
何だこの陰気がこもった笑い声は・・・
「ついにこの私の時代が来たようね・・・」
「え・・・まさか・・・・・・Kのくじを引いたのは・・・・」
「ご名答・・・次の王様はこの私よ!お〜っほっほっほ!!!」
よ、よりによって王様にならせたくない日とランキング1位の人がなるなんて・・・
「で、ご命令は・・・」
「そうね・・・じゃあ、1〜4・9・11〜19・21〜25・27・29・31〜34番・・・」
「やめろ!」
「ひぇ?」
「いま、1・4・9・11〜19・21〜25・27・29・31〜34と、言いかけなかったか?」
でもこいつ、的確に僕ら男子(2・3・5〜8・10・20・24・26・28・30)を抜かした。
この人……出来るッ!!
でもそんなことどうだっていい!!
「確かに・・・王の命令は絶対だけど・・・1人でも女子を抜かしてたらどうするんだよ?」
「ああ、1人だけ女子を省くのもどうかと・・・」
幌大と光平が指摘する。
「そうねぇ・・・じゃあ2人だけにしてあげる♪で・も、人吉君と長崎君が邪魔したからこの2人には結構ハードな命令しちゃうからね?
うらむんだったらこの2人を恨んでね?」
何でじゃ!
「それで、誰を選ぶつもりなんだ?」
「そうね・・・1番は私の左足に、14番は右足に乗って私のほっぺにチューしなさい」
まずい、ほんとにまずいこの人。
本当にどえらい命令しやがった。
「それで、これを誰に?」
「もっちろん、私の可愛い可愛い妹の雪ちゃんと靉ちゃんに決まってるじゃない♪」
「はうあ?」
うわっ。
こいつほんとに怖い・・・
あとがき すいませんが時間の都合上次から96話に移ります。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(96) ( No.103 )
- 日時: 2014/11/06 23:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
今にも見えそうな架空のハートをバンバン溢れながらいそれをいやんいやんくねらせる度に撒き散らしていく露。
変態姉に指名され、2人涙を浮かべて抱き合っている妹たち。
おお、お気の毒に・・・
でも2人が両方とも1・14番を引いていなければ無視できる。
さあ、結果は?
「雪は何番引いたの?」
若葉の声は母性がある。
「雪は4番。だけど・・・」
声をかけたそうな雪。
じゃあまさか・・・
「そう・・・靉1番を引いちゃったみたい」
「じゃあ誰なんだ?14番を引いたのは?」
「私・・・」
霖が泣きかけの声で答える。
「姉者、いい加減、こんなきつい命令はやめてやれよ」
霄も懇願する。
「や〜よ!!大体、さっき言ったでしょ?恨むんなら人吉君と長崎君恨んでって!」
「はぁ?この2人が何したって言うの?お姉ちゃん」
雪もこの命令にはさすがに憤っている。
彼女はほっぺを膨らませて
「私のハーレム(楽園)の邪魔した」
姉妹でハーレムもちょっとね・・・
でも、こいつは神経がおっさんだからしょうがないと思うんだけど。
「ほらほら、霖ちゃん靉ちゃんこっちへカモ〜ン♪♪」
「い、嫌ああああ!!!!」
両手を広げて抱擁せんとばかりに二人へ暖かい視線を向ける露。
でも、二人にはその視線が獲物を射殺す怪物の視線にしか見えていないらしい。
露を見る目がそれに対する獲物の目だからね。
皆神経がもう凍り付いてしまっている。
零に至ってはのせた氷のせいで寒くなって風邪を引きそうなくらいだ。
「全くどうすれば・・・」
雪もドン引きの命令だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(97) ( No.104 )
- 日時: 2014/11/09 23:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕らが凍りつくような状況の中でも、どうやら霖と靉はなかなか意を決することが出来ずにいたようで、未だに燻っていた。
露もやっぱり2人からのキスを待てずに眉をぴくつかせている。
そして、ついに二人が動いた。
ちゅっ。
重なる二つの音と、重なる頬と二つの唇。
露はその感覚に気づいたのか、ハッとなって両頬に手を添えて二人を一瞥した。
うわぁ、マジやばいこの人。
「やぁん、私……霖ちゃんと靉ちゃんにちゅ〜されちゃった!嬉しい〜!!ただでさえ、太腿を二人の太腿に挟まれて気持ちいいのに!!!」
こいつ終ってる・・・
雪は手を叩いて、
「はい、終り!次いこう!」
そう言うと霖と靉を余韻に浸っている露から離した。
「怖かったよお姉ちゃ〜ん!!」
「ホントに彼氏できないぃ〜!!」
雪にしがみついて大泣きだ。
まさに誘拐犯から解放された子供が親に再会した時のような感じだ。
まあ、露がそんな感じだからしょうがないと思うけど。
「よしよし、霖お姉ちゃん、靉。2人とも十分可愛いから彼氏にしてくれる人山ほどいると思うよ」
ま、なんか胸を撫で下ろしたくなる気持ちになってきた。
さて、5回目。
「王様誰だ?」
次は雪女の紗野だ。
「じゃあ、5番は7番に髪を染めてもらってね」
「5番は・・・私ね」
澪が髪を染めるのだ。
「7番は・・・私か」
霄が7番だ。
「じゃあ、染色剤で・・・」
この染色剤で青髪が紫髪になった。
なんか雰囲気が寒色系で統一された様子だ。
「じゃあ、6回目いこうか?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(98) ( No.105 )
- 日時: 2014/11/10 16:00
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
6回目・・・
「王様誰だ?」
僕の声に手を挙げたのは、霊だった。
嬉しそうにぴょこぴょこ猫耳を動かし、尻尾をフリフリさせている。
しかも、その度に尻尾に取り付けられた金色の鈴が心地よい音色を奏でる。
体も揺らしているせいか、首輪についた鈴と共鳴して癒しの音色が響き渡る。
「王様・・・命令は?」
霊と呼ぶのはなんか気が引けたので、王様と呼ぶことにした。
「う〜ん、そうだなぁ〜」
すると、その姿を見ていたいつぞやの変態と、霊に対してのみ変態化する二人が声をあげた。
「霊ちゃ〜ん、お姉ちゃんにえっちな命令してくれてもいいのよ?いや、むしろしてぇ〜♪あっ、どうせなら私が王様に対してっていうのが望ましいな〜。お姉ちゃんの番号は4番だから♪」
「お姉さま〜♪どうせご命令するならば是非この私にっ!私は8番ですわ!8番ですわよ!!」
こいつら、自分の番号口走りやがって・・・
「全く・・・これルール破りですよ?こうなれば2人とも眠ってもらいましょうか」
「え」
ばっちん!
露・霰共にビンタ1発クリティカル。
「零!?これは・・・」
「ちょっとしたお仕置きです♪いろいろめんどくさいとゲーム楽しめないから・・・」
笑顔で黒いことを言った。
なんかこいつドSの片鱗見せた?
「で、決まった?」
霊のほうを見る。
「うん♪」
「ご命令は?」
もうどうやら決めてしまったらしい。
あの変態がビンタされているうちに。
「じゃ〜、25番の人は私に魚料理を振舞って♪」
「・・・」
「あ・・・あたってる」
雪がつぶやいた。
「どうしよう・・・紗野お姉ちゃん。どうも雪、料理やったことないから・・・いい出来具合になるのか心配・・・」
早速しょげた。
「でも、魚の料理は霊お姉ちゃん、好きだよね?じゃあ、取って置きのもの作ろうかな〜★」
取って置き?
一体全体何なんだ?
なんか期待感が膨れ上がってきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(99) ( No.106 )
- 日時: 2014/11/10 16:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
何を思ったのか雪はスマホを取り出した。
さては行き、僕らが鳥取にいる間に、スマホ新調してきたのか?
そして1時間後・・・・・・
「じゃ〜ん!!」
雪が戻ってきた。
うわっ!!
食べきれないほどの魚料理よく作れたな!
まあ、雪はスイッチが一発入ったら誰にも止められないんだよね。
スイッチはスイッチでもやる気のスイッチだけど。
これは鯛の刺身・・・
鯖の照り焼き・・・
秋刀魚の塩焼き・・・
鮭と卵の炒飯・・・
フィッシュアンドチップス・・・
まさか15品くらい作ったんじゃないのか?
しかしまあこんな料理1時間でできたな・・・
こいつの汗と努力に乾杯したい。
「あーーもう!」
霊・・・怒っちまったのか?
「こんなに作ったんなら全部食べるしかないわね!!!」
怒った声でうれしそうなこと言ってる?
そんなこと言って15品全部30分でぺろりと平らげてしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(100) ( No.107 )
- 日時: 2014/11/10 23:02
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「お、どうやらあいつら反省したようだな。許してやってくれよ」
「今日は特別に許してやりますけどまたやったら思いっきり強いビンタですよ?」
零も仕方なさそうな顔で答えた。
「せーの」
「王様誰だ?」
「私ですわ」
今回は霰・・でもあれで懲りたんだし、霊狙いはまずないだろう。
「・・・9番と31番は23番のパンチをくらいなさい」
「9番は・・・僕だ・・・・・・」
僕が9番だ。
で、31番はというと。
「私?」
澪もやられる。
で・・・肝心の23番だが・・・
「あたしか・・・」
お、おいおいまさか霙?
「あ、あの、ちょっと・・・ぐあっ!」
「げふっ!」
仲良く大きなたんこぶができるくらいの拳骨をくらった。
「いてて・・・」
「あたた・・・」
じんじん頭が痛むのもしょうがない。
霙は相当怪力だったからな・・・
やっぱりいずれにせよ、7回目は終ったのだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(101) ( No.108 )
- 日時: 2014/11/11 22:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ジンジン痛むなか、8回目は始まった。
「王様誰だ?」
「私ね」
あ、これは霖の声だな。
「ほほう、で、命令は?」
「じゃあ、20番の人は、今日の夕食を私と一緒に作ってね」
ほーう、これは霖が一番に思いつきそうな命令だな。
「えと、20番は・・・霄お姉ちゃん?」
「わたしは違うぞ?16番だからな」
なるほど、霖は料理が出来ない霄と一緒に晩御飯を作る事で、料理の腕をあげさせようとしたんだ。霖、あんたはどんだけいい子なんだよ!
「20番は・・・あたし!?」
その声はマルシーだ。
「でも、ゲーム、先に行こう」
「あ、そうか」
しまったと思った霖は慌てて口元を手で押さえる。
しかしこのしぐさ、可愛いな。
だけどこの場で言っておく。
僕らは別にロリコンじゃないからな!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.109 )
- 日時: 2014/11/11 22:58
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9回目は・・・
あ、僕は24番だな。
「ん。私が王様だな」
今回は霄が王様だ。
「ご命令は?」
「では・・・18番・21番・24番・27番!この4人に命令だ」
僕は24番だから入ってる。
「私の前でいちゃついてくれ」
はああ!?
僕らがいちゃいちゃする?
どういうことだ!?
まあしょうがないけど。
「18番は篤だ」
「21番は紗野」
「27番は私ね」
27番は麗魅か。
「ではカップルを2組作ってくれ」
18番の篤は27番の麗魅と、24番の僕は21番の紗野と組むことにした。
篤は麗魅にハグされ、僕は紗野のキスを受けることになった。
皆カップルの誕生に沸く。
皆すごい火のつきようだな。
カップル誕生で熱くなって盛り上がる。
今宵の夜は暑くなりそうだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(103) ( No.110 )
- 日時: 2014/11/12 22:00
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
もう夜の7時・・・
効率で中高一貫の3年生は受験勉強をしている時間帯だが、僕らはあいにく中高一貫でましてや私立なので王様ゲームに沸いていた。
さて、僕ら36人は王様ゲームでスタートからどんどんエスカレートしている命令をしているのだが、これは僕らの責任だろう。
この『さくら』はもう1階は僕らが丸ごと貸しきっているみたいだ。
皆に失礼だけど・・・
さあ10回目。
「王様誰だ?」
「私が王様ね」
これは瑠璃の声だ。
やっと魔界の姫君姉妹が王様になれた。
「で、ご命令は?」
「じゃあ・・・15番と17番と22番と28番!この4人に命令よ!」
僕は・・・あ、16番だ。
15番の霊、17番の霙、22番の麻里、28番の桃花が立つ。
「どんな命令?」
「ふふっ。ドレス姿になりなさい!」
な、何だって!?
ドレス姿!?
むしろこれはお前が似合うものだろ!
そして8分後・・・
皆ドレス姿になって登場してきた。
カップル誕生に熱くなった一同はまたも熱くなった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(104) ( No.111 )
- 日時: 2014/11/13 20:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
このゲームの熱は7時半を回っても収まることはなかった。
雫が来店した。
「お前ら夜の7時になっても帰ってこないと思ったらみんな楽しそうに・・・ところでどんなゲームやってんだ?」
「ああ、王様ゲームのことだよな」
「だったら俺もやるぜ」
よし、この割り箸に35を書いてと。
「王様誰だ?」
「お!俺が王様だな!」
飛び入り参加の上に早速王様!?
こいつ、運が強い!
「命令は・・・なんですか?」
零が訊く。
「そうだな・・・」
「24番は明日、大事なものには一切手を触れるな。これでいいんだろ?」
「そうそう」
「私か・・・」
この声は・・・霄だ。
「くぅっ、私がなぜ刀を!!」
「落ち着け霄ぁぁ!!」
「そうですよ、24番は大事なものには手を触れられないんですから・・・」
「しかしどうすれば・・・一種の禁断症状を起こすかもしれん!!!」
霄がますます暴走してしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(105) ( No.112 )
- 日時: 2014/11/17 15:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
霄がパニックを起こしているうちに20時を迎えたので家に帰ることにした。
さて翌日・・・
今日は土曜日。
京都の夏はよっぽど暑い。
冷たいアイスが食べたい。
さて、唯のことだけど、現在経過は順調で、妊娠8ヶ月半を回ったところだという。
このまま順調だったら出産は9月末〜10月初旬だろう。
それでもって、僕は三重県桑名市へ向かっていた。
目的はもちろんナガシマスパーランドだ。
僕はかねてから計画していた名古屋旅行に行くことにした。
場所はもちろん愛知県名古屋周辺の地域だ。
今日1日目は、ナガシマスパーランドに行くつもりだ。
ナガシマスパーランドで今日1日満喫するつもりなのだ。
言っておくが僕は1人で行くんじゃない。
25人の同級生と行くのだ。
でも25人の中学生が団体旅行なんて普通は考えられっこないじゃないかな?
すごい旅行になりそうだけど。
「着いたぞーー!!」
ついにナガシマスパーランド。
京都から1時間40分。
ナガシマスパーランドに着いた。
ってあれ?
なんか向こうに人が15人くらいいるが・・・
まさか向こうも団体旅行なのかな?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(106) ( No.113 )
- 日時: 2014/11/17 19:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その集団に近づいていくと・・・・
「ああっ!!お前ら!!」
そうだった。
あの集団は3年1組だったのだ。
「お前らも!何でここに?」
「それはこっちの台詞だよ」
「俺たちもちょっと休暇をとりに名古屋にいってたんだよ」
「ああ、そういうことだったのか」
僕ら3年1・3組の旅が始まったのだ。
スチールドラゴン2000・・・・
「うわあああああああああ!!!!!!!!!!」
あまりにも速すぎるスピードに悲鳴を上げるメンバー。
零はメガネが飛んでいかないように下着の中に入れている。
「ああ〜怖かった〜」
皆びびり過ぎだよ。
といえるのも無理はない。
何せ僕はジェットコースターの類がとても大好きだからだ。
「じゃあ、プールに行こう!」
紗野が言い出す。
「俺乗りなおしてくる」
「僕も。いろんなアトラクションエンジョイしたいから・・・」
3年3組男子はパンフレット片手にアトラクション探し。
女子はプールで女子会。
3年1組男子はお化け屋敷で肝試し。
こうしてそれぞれ夜までとことん楽しんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(107) ( No.114 )
- 日時: 2014/11/18 14:56
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
翌日・・・
僕らは名古屋にいた。
名古屋城では皆大はしゃぎ。
何せ皆初の天守閣。
でも僕は過去に彦根城・姫路城を訪れたことがあるわけだけど。
それだけじゃ終らない。
例えば名古屋の栄。
栄でショッピングを楽しんだり名古屋名物に舌鼓を打ったり。
名古屋の町をとことん楽しんだらラグーナ蒲郡へ。
ラグーナ蒲郡は名古屋のテーマパークなのだからこんなに混雑していても文句は言えない。
ラグナシアプールでたくさん泳いだ。
さて、今日の夜は僕らにとって最高に熱くなれそうな花火!
「名古屋料理ってめっちゃおいしかったなぁ」
「ヤバイ、めちゃくちゃ食べた」
でもその前に、夕食もおいしかったわけだし、景色もよかったし、次はお風呂タイムだ。
注意事項 お風呂タイムの話は、主人公たち3年1・3組男子が女子の会話をそばだてるシーンです。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.115 )
- 日時: 2014/11/18 15:16
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕らが男湯に浸かっている間、女湯のトークが聞こえてきたんで僕らはその話に耳を傾けてみた。
「なあ、松江とか津久見とかってさ、なんか胸でかくないか?」
「・・・・・・・」
「何だよそれ!お前ら無視すんな!!」
涼介が声を荒げる。
「仕方ないだろ?お前の言葉がセクハラだからだ」
僕が冷たく言う。
「女子に壁ドンやってるお前が言うな!」
「はぁ?お前が言うなや!」
「2人とも喧嘩はよそうぜ」
翔貴が喧嘩を止める。
「津久見とか松江とか青竜院ってさ、俺らのアイドルだもんな」
「ああ、ナイスバディで可愛いもんな」
女湯から声が聞こえる。
「そうそうEとかFなんでしょ?」
E?
F?
中学生にしては胸がでかい範囲だな。
「マジで可愛い上にナイスバディは反則じゃねぇのか?」
「反則じゃないから」
大志もボーっとしてしまった。
あ、そうそう、ここで1・3組のカップリングを紹介しよう。
まず熊本と大分。
次に阿蘇宮と玖珠原(妹)。
それから天草と九重。
あとは松江と岡山、広島と鳥取とかかな?
この学校も恋愛は盛んなのである。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(109) ( No.116 )
- 日時: 2014/11/28 11:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、夜の19時・・・・・・
ついに花火大会が始まった。
花火が限りなく打ち上げられていく。
僕らは人混みで迷子にならないようにホテルからだけど。
人混みで迷子になったら大変だし。
花火は本当にきれいだ。
赤、青、黄、緑、紫・・・・
昔、隅田川の花火大会で見た色を思い出すなぁ。
「おい、見ろよ」
急に幌大が突然大きな声を出した。
ナイアガラの滝みたいに網仕掛花火が発生した。
僕らは花火大会が終った後でもその興奮は抑えられなかった。
「花火、きれいだったね」
「うん」
「写真とってきたよ」
「カメラ持ってきて正解じゃん」
やっぱり皆輝いていたなあと思うのであった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(110) ( No.117 )
- 日時: 2014/11/28 11:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
このへんで今日までの話を整理しておきます。
目次
11月28日現在
1学期編
1話〜67話
夏休み編-1
68話〜85話
登場人物整理
86話〜90話
夏休み編-2
91話〜
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(111) ( No.118 )
- 日時: 2014/11/28 12:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
111〜112話ではこのお話の世界観を表記しておきます。
洛西学園都市
京都府京都市西京区・向日市・長岡京市にある学園都市。
京都大学や洛西学園がある。
人口はおよそ7万2000人。(八幡市と同じくらい)
京都府では有名な学園都市。
モデルは洛西ニュータウン(京都市西京区)と関西文化学術研究都市(大阪府枚方市・交野市・四条畷市・京都府京田辺市・相楽郡精華町・木津川市・奈良県生駒市・奈良市)。
洛西学園
京都府京都市西京区と向日市に跨る私立の学園。
男女共学の学校。
校則は四條畷高校(四條畷市)や灘高校(兵庫県神戸市東灘区)に似ている。
外観は大阪国際大和田高校(大阪府守口市)とほぼ一緒。
制服は四條畷高校同様標準服制のためなし。
熊本たちが在籍している。
1978年開校と新しい形の学校。
偏差値は63.7と高め。
京極女子高校
京都府京都市下京区にある私立の女子高。
正式名称は京極女子中学校・高等学校。
外観はプール学院(大阪府大阪市生野区)に似ている。
制服は金蘭会高校(大阪市北区)と同じ形のセーラー服。
1922年開校の伝統校。
洛南高校と交流がある。
偏差値は65.2。
洛南高校
京都府京都市伏見区にある私立の男子校。
中高一貫で外部募集もある。
外観は清風高校(大阪市天王寺区)とほぼ一緒。
制服は明星高校(大阪市天王寺区)と同じ学ラン。
校則はかなり厳しく、いじめも許さない。
1925年開校の伝統校。
京極女子高校と交流がある。
偏差値は65.2。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(112) ( No.119 )
- 日時: 2014/11/28 12:24
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
洛西学園のクラス編成。
3年1組 39名
3年2組 38名
3年3組 39名
3年4組 39名
3年5組 38名
3年6組 38名
3年生はのべ231名もいるんです!
放出中学校のクラス編成とぜんぜん変わりません。
高等部は806名、中等部は722名、初等部は1322名、幼稚園では176名の生徒、つまり、3026名の生徒を持つマンモス校なんです!!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(113) ( No.120 )
- 日時: 2014/12/02 17:37
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都市洛西学園・・・
体育祭の準備委員会で・・・
「私たちはあの変態軍団・・・・・・中等部3年4組を骨抜きにすることを誓います!」
「誓います!!!!」
準備委員の黄色い声が合わさった。
高等部の生徒会と中等部の変態軍団・・・つまり3年4組ほど恐ろしいものは洛西学園には存在などしない。
「そのためにはまず情報収集ね」
「変態軍団に入ってなくてなおかつ知っていそうな人いるかしら?」
「最近の男子は信用できないからねぇ」
ギャルっぽい女子がいう。
「いるわよ」
メガネをかけた女子生徒がいう。
「誰そいつ?」
「23代ぬらりひょんを中心とする3年3組や1組よ」
「そいつらも変態軍団の手先じゃないの?」
ギャルっ子が反論する。
「そいつらは3年一の情報通で誰にも屈しないことで有名よ」
「まあ、それなら最強のクラスじゃない」
「とにかく、それが分かり次第あいつらをとっ捕まえていくのが早いわね」
「じゃあ、3年1・3組を捕まえて仲間に誘おう!!」
「オーーー!!!」
黄色い声がまた木霊した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(114) ( No.121 )
- 日時: 2014/12/02 18:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてこっちは何も知らないまま京都へ帰ってきた僕ら。
京都では体育祭実行委員が待ち構えている。
「何か嫌な予感が・・・」
「何?」
「あの体育祭実行委員が・・・」
「こ、こいつらが?」
「くっ・・・」
「逃げましょう!!」
零が叫ぶ。
「え?」
「相手は人間でましてや丸腰。こんな状況では私たちは弱いものいじめをしているようなもの。こんなのはごめんです」
「分かってるけど・・・」
「話はいいんです!!早く!!!!」
「分かったからとにかく逃げるぞ!!!」
改札口から八条通に出て国道1号線目指して逃げることにした。
あの体育祭実行委員は天才美少女が山のようにいる。
あいつらには絶対捕まりたくない。
捕まったら最後何をしでかすのか分かったもんじゃない。
僕らのおっかけっこが始まったのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(115) ( No.122 )
- 日時: 2014/12/03 22:27
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はと言うと・・・
高槻方面に逃げて早1時間。
僕は京都府長岡京市の勝竜寺にいる。
僕は篤と決死行が行っていた。
国道171号線の名神高速のガード下。
あいつらの目的は何かは知らないが、3年1・3組のアイデンティティ、つまり僕らは誰の配下に加わらないことは守りきらなければいけない。
僕は23代ぬらりひょん。
篤は7代目の弦殺師。
僕らの誇りは誰にも屈しない。
おや、誰の気配も感じなくなったようだ。
さて戻るとするか。
だけど・・・・・・・
やっぱり油断はできないんで京都には帰れっこない。
大阪方面に逃げ続けるとしよう。
ところが・・・・
大阪府島本町で出会ってしまった。
ニーソックス?
金髪碧眼?
十字架のピアス?
体育祭実行委員長?
最悪だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
よりによって油断しているところにこいつと出くわすなんてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!
いやいや、僕らは今人間としての姿。
ぬらりひょんの姿じゃなければ100%ばれっこない。
しかし・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.123 )
- 日時: 2014/12/04 22:56
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ふふふ・・・あなたよね?熊本健太郎って?」
や、やばい!
よりによって僕の名前を知っているのかこいつ!?
しかし僕は人間。
僕の人間の姿なんて分かるわけがない。
「熊本じゃないよ、人違いだって!」
「それでこっちがが阿蘇宮篤・・・」
「違う!阿蘇宮じゃないよ!」
しどろもどろに否定する僕ら。
だけど僕らの抵抗もそこまでだった。
「おーい、熊本に阿蘇宮!何でも金髪碧眼のとびきり美少女が訪ねて来たとか〜!!」
川内・・・お前なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
「あ、あなたたちがまさか熊本健太郎に阿蘇宮篤!!?」
川内のバカのせいで僕らは熊本健太郎と阿蘇宮篤の身元がばれてしまった。
「あなたたちのお友達ももう捕まった。さあ、あなたの実力はどれ程かは知らないけど、こちらに協力しなさい」
「ちょぉぉぉぉぉっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!お前、熊本や阿蘇宮はどんな力がひめられているのかを知っているのか!?」
「おい、僕のスキルっていったいなんなんだ?」
「ふっ、お前が知る余地などない。そんなものはわれら変態軍団が知っていればいいだけのことだ」
「そろそろそろそろこちらの話を進めてもいいかしら?熊本君と阿蘇ミヤ君?私たちと一緒に来て!!」
「言っときますけど3年3組のアイデンティティは誰の配下にも加わらないんで。諦めて帰ってください」
あっさり断った。
あとがき 中途半端な終り方ですが時間の都合上、ここで一区切りつけたいと思います。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(117) ( No.124 )
- 日時: 2014/12/09 20:17
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
前回までのあらすじ
川内と体育祭準備委員長に見つかった熊本と阿蘇宮。
2人はそんな人材はないと冷たく断る。
ところが・・・
「おい熊本!親友に向かってその言い方はあまりにも冷たすぎるんじゃないのか?」
「熊本君?確かに私もあなたがどんな力があるのかは分からないけど、それでももう頼れる男子生徒はあなたしか残っていないのよ!」
2人して僕らに詰め寄る。
そんな時、スピーカーから放送が鳴った。
『川内くぅ〜ん?至急洛西学園都市に来なさぁ〜い?さもないと二度と校門を跨げない体にしてあげますよぉ〜?」
台詞に一部陰の気がこもった放送がした。
「ゲゲッ、やっべぇ〜!くそぉ、こんな時に……!おい、星空奈々!熊本は絶対渡さねぇからなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
変態軍団のボスは職員室へと向かうべく、廊下を猛ダッシュで駆けていった。
さて残るは僕ら5人・・・
「さて、邪魔者はいなくなったわね……これで思う存分勧誘することができるわ。さあ、熊本君?私たち体育祭準備委員に参加してくれない?」
「嫌です!!」
「忘れたのならもう一回言ってやりましょうか?3年3組は誰の配下にも加わらないって!!」
即答で僕らは答えた。
また女子3人は勧誘する。
「どうして?体育祭、成功させたいでしょ?」
「う・・・それは・・・・・・」
僕らは言いよどんでしまった。
体育祭楽しみにしているような発言をしている今、僕らはやっぱり嫌ですなんて言えやしない。
でも向こうは何があっても僕らは味方に引き入れたいらしい。
「そう、じゃあごめんなさい・・・」
「え?」
きょとんとすると僕は睡眠薬で寝かされた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(118) ( No.125 )
- 日時: 2014/12/10 22:16
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてその頃僕が眠っている間・・・
「この子が…ぬらりひょん23代目?」
「そうよ」
「しかしこんな優男が23代目じゃこの先思いやられるぜ」
「まあまあ、そんなことは言わないの。とにかく私たちのあの場所へ連れて行きましょ」
このボーイッシュな女子は『北斗原涼子』と、さっきからずーっといたのが、『七星遥』なのだ。
こいつらは星空の腰巾着のような存在ということから北斗七星というあだ名をつけられているらしい。
由来は当然、彼女たちの名字なんだ。
「目撃者がいないうちにこの2人組を連れて行くわよ!」
「はい!」
「は〜い」
北斗は退屈そうに、七星は気合が入った返事だ。
しかしそれにしてもなん何だこの違いは・・・
そして1時間後・・・
僕は京都洛西学園都市にいた。
うわっ、全員捕まってるじゃん!
おっと、『御船逸塵』も捕まってる。
しかし僕らは大阪府の高槻前まで逃げたはず。
今京都にいるってことは・・・
あいつら・・・僕らを睡眠薬を飲ませて連れて来たってわけか。
ん?
篤?
芳大?
紗野?
海斗?
零?
皆ともにロープ?
うわっ!
皆はチェーン!!?
いったいどういうことだ!!??
なんなんだ?
あの女子8人は?
「ふふ、やっとお目覚めね?熊本健太郎君?」
金髪碧眼に、華奢な美女。
こ、こいつが星空奈々。
くぅっ。
嫌そうな目つきで睨んでもムダだった。
やわらかい感触が僕の右腕につけられる感じがした。
篤も目を丸くする。
これは!?
星空先輩の胸だ。
ヤバイ、どうすれば…
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(119) ( No.126 )
- 日時: 2014/12/10 22:58
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「うふふ、熊本健太郎君、阿蘇宮篤君、水俣芳大君、八代海斗君、大分紗野さん?決心はついてるかしら?」
決心?
どういうことなんだそれは?
「やぁんもう、……そんなに顔真っ赤にしちゃって。実はね?私、弟……ほしかったのよね。お姉ちゃんしかいなくて、親戚で年下がいなくて……それで、後輩が出来た時はすんごく嬉しかったのだけれど、やっぱり弟がいいな……って」
おいおい、いったい何の話なんだよ!
僕らに弟妹になれと!?
体育祭の話は!!?
「男性経験は初めてなの。もっとあなたのこと知りたいの」
僕の首元に「の」の字を書いた。
「ダメ・・かな?」
こんなので僕の理性は崩壊しないぞ?
僕は過去にどんな女性経験してきたと思っているのか?
もうとっくに耐性はついているんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.127 )
- 日時: 2014/12/11 23:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ねえ答えてよ熊本君・・・それともまだ刺激が足りない?もっと年上の魅力、知りたい?確かに、教えあうことは必要よね・・・」
うう、こんな時、豊高先輩ならどうするんだろう。
教えて豊高先輩!
「沈黙はOKと取っていいのかしら?そう・・・わたし、もう限界なの・・・」
唇がいつの間にか僕の面前に。
好きじゃない相手とのキスはちょっと苦手だ。
実は僕、恋愛に関しては結構奥手なんだ。
でもそんなこと言ってるうちに、星空先輩の唇が僕の前にいる。
くそっ、これは現実か?
僕の体は彼女に押さえつけられている。
ちっ、ムダだとは思うが僕に残された最後の足掻きはこれしかない。
ごめん先輩!!
僕は思い切りヘッドバットを一発。
「きゃうっ!」
あとがき また中途半端なところですがここで次回に持ち越しにします。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(121) ( No.128 )
- 日時: 2014/12/15 14:06
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
なんともかわいらしい悲鳴を上げた。
おわっと!
僕も自由を幾分取り戻した。
しかしここは!?
ここは京都市山科区にある豪邸の一室だった。
うわっ、この2人が横にたっている。
こっちはボーイッシュなかんじで、こちらは典型的な姿だ。
なんだこれ?
鎖!?
僕は縛り付けられていることがよく分かった。
どういうことだ!?
「熊本君?さっきはよくも不意打ちしてくれたわね?」
「さっきはどういうことなんですか?僕はなぜここに?しかも鎖で縛られてるし。死んでたらどういう責任を取るつもりですか?」
「あーー、うるさいうるさい!いきなり質問攻めで追い詰めようったってそうはいかないわよ!?」
矢継ぎ早に出てくる僕の質問に業を煮やしたのかな、突発的に大声出して僕の鼻先に人差し指を突きつけた。
「星空さん、熊本君の言うことにも一理ありますよ。説明くらいさせてやって・・」
「そうっすよ」
「では自己紹介からいきましょうか」
「わたしは七星遥」
「おれは北斗原涼子」
「口の利き方・・・男じゃねえのか?」
翔貴が地雷を踏んでしまった。
「それいっちゃ・・・」
「天草翔貴・・・今なんつったぁぁぁ!!」
だから言わんこっちゃない。
こんな睨み付けられ方されたら僕みたいな弱虫などいちころだ。
もしかしたら死んでるかもしれない。
「ダメよ北斗原ちゃん!熊本君たちは大切な存在よ!」
「へ?」
「あなたが休み時間の間あちこちに逃げ回るから探すのとっても苦労したんですからね?そのせいで委員長にも怒られちゃったんですから!ぜーーーーーーーーーったいに協力してもらいますよ!!」
またそう来たか。
いくら言ってもムダだなこいつら。
もっかい言ってやろうか。
「何度も言うまでもなく絶対加わることはありません!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(122) ( No.129 )
- 日時: 2014/12/15 19:51
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
絶対加わらないと断った。
ところが・・・
「だったら嫌でも参加させるしかないわね」
なんと箒を出してきた。
「こいつが交渉用の・・・」
「そうよ」
僕はやられると思った。
しかし・・・
やられたのは島原唯真だった。
「う、うあははははは!!」
唯真は笑い出してしまった。
「うわわ・・・」
芳大はこの唯真の惨憺たる姿に言葉を失っていた。
「見たでしょう?んな人間でもくすぐりだけは耐えきることは出来ないはず……。特に感覚神経の鋭い人間なら尚更……ね?さあ観念しなさい熊本君?私たちに協力しなさい!」
「まだ分からないんですか?嫌です!!だいいち、言ったじゃないですか。3年1・3組は誰の配下に加わらないって!」
「これで・・・どう?」
今度は翔貴にまで手を出してきた。
ぬ〜べ〜(鵺野鳴介)だったらどう言ったことか。
『俺の生徒に手を出すな!!』
「ほらほらぁ、もっとよがりなさい島原君?」
あわわ・・・
七星先輩がここまでドSだったなんて・・・
ここは星空先輩が女王様役に相応しいのに・・・
「お前が悪いんだぜ天草翔貴?おれを男だと思ったんだから・・・」
ちっ、こいつらをどう助けてやるべきなのか・・・
このままではドSな先輩にヘンな扉をこじ開けられてしまう。
「いったいどうして僕と言う人脈にたどり着いたんですか?」
「それはね・・・」
どうも体育祭の種目決めの時から始まっていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(122-1・123) ( No.130 )
- 日時: 2014/12/16 13:50
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
まずはじめに
いつの間にか参照が500P超えてました!
ありがとうございます!!
これは去年の話なんだが、委員長は星空奈々の姉、仁美だった。
ちなみに彼女は副委員長で取り仕切っていた。
今年は仁美はもう卒業しているので、彼女が委員長として姉にも負けないほどの頑張りをしようとしていた。
でもそれを邪魔でもするかのように、変態軍団・・・3年4組が勢力をまして来た。
てっきりあの変態軍団のボス、都城久男が卒業して勢力が落ち目になっていたと思い込んでいた。
ところが、2年5組から持ち上がりで3年4組になった川内亮太郎が力をつけてきたのだ。
これは予想外の事態だ。
ましてや、あの『七つの償罪』までもあった。
彼は絶対23代目ぬらりひょんである僕をこちらに引き入れるつもりだった。
いや、もう3年3組も引き入れるつもりでいたのだった。
あいつにとって兄貴的な存在、いや、もはや師匠と言うべきかな、都城久男は変態軍団の14代ボスだ。
彼は亮太郎に15代ボス候補として期待されていた。
そんな彼の宿願は七つの償罪の解放だった。
でも、それを目前に彼の宿願は星空仁美に邪魔されてしまっていた。
そして対立は今にも続いてることなのだ。
もし解放されたら姉の頑張りもムダとなってしまうし、委員会二対しての不満も強まってしまう。
でも、彼の宿願が今果たされようとしているのだ。
でも、やっぱり僕は法を犯してでも配下に加わりたくない。
いや、加わる理屈など成立しないんだ。
書記の土浦仁も加わってしまった。
で、結果今彼は今どうしているかというと、恐ろしい断末魔をあげて裸にされつるされたと言うのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(124) ( No.131 )
- 日時: 2014/12/16 14:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ええええ・・・
これがモノローグなんだ・・・
「今、初期の人どうしていますか?」
「あいつは・・・うふふふ、猿轡でも口にはめて宙吊りにしてるわよ!!」
うぅわ、もう遅すぎた!!
一番この中で怖いのって、七星先輩だったんだぁぁぁ!!!!
僕までどんな運命にされてんだか・・・
「やあん、熊本君に阿蘇宮君・・・そんな目で見つめないでください・・・キャッ、かんじてきちゃいますよ♪」
そんなこと言ってる場合じゃないっすよ!!
「早く土浦っていう奴、助けてやってください!!」
「そんなに協力したくないの?」
だんだん星空先輩が泣きそうになってきた。
「え?」
「北斗原さん・・・熊本君の右手と水俣君の左手、出してくれない?」
「へ?」
まさかの作戦変更!?
だが僕は屈するつもりはないぞ?
僕らは目を瞑った。
何?
僕と芳大の手首を掴むや否や自分の胸に近づけた。
へ!?
僕らにとってはこれは想定外の事態だった。
まさか・・・これって・・・
ふにゅぅん。
この感触・・まさかこれって!!!
「まさかこれって!!!」
「男の人は胸がすきなんでしょ?だから・・」
いつか夢で見たように星空先輩は顔を真っ赤に染めていた。
「そんなことしても僕らは協力するつもりじゃありませんからね!!?」
顔を真っ赤にして耐えて見せる僕。
芳大も自分の感情を押し殺している。
すると・・・僕らも完全に想定外の行動に出た。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(125) ( No.132 )
- 日時: 2014/12/17 23:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
しゅるしゅるとリボンを解き、ロングヘアがはらりと舞う。
さらにはブレザーまで脱ぎ、ソファーの上に置くと、今度はブラウスの第一ボタン(首もとのボタン)にまで手をかけた。
おいおい、白がお似合いの高貴なお嬢様とあろう人が、孤高の23代目達なんぞにストリップショーでもするつもりなのか!?
そんなことでも僕らは屈しないぞ!
僕らは目を瞑ってみせる。
「ね、ねぇ、目・・・開けてくれる?」
涙声に反射的に反応してしまって開けてしまった僕ら。
そこにはスカートに上半身裸の星空先輩が。
「ふえ・・・」
「これでも・・・ダメ??」
くぅっ、この懇願は反則すぎる!
いったい僕らはどうすれば!!
僕は芳大や篤に目を向けた。
2人して目を下に向けたままだった。
動揺している姿で、協力しないっていう様子にとられたのだろう。
「そう、上だけじゃ満足できないっていうのね・・・このっ、変態!!」
おいおい、変態って何なんだよ!!
僕は頼んだつもりはないのに(本当です)自発的にあんたが脱いでるだけでしょうが!!
ドSな女王様に攻められて大ピンチの状況内で何であんたが泣こうとしてるんだ!?
そんなこと言ってもムダだ。
だってスカートにまで手をかけちゃったし、ほとんど裸だ。
「・・・・・・どうしてそこまで」
篤が重い口を開いた。
「もう後には引けないの!私には、私には責任がある!勝負を持ちかけたのは私っ!この子達の貞操は私が守るんだからっ!!絶対に変態軍団なんかの手には汚させないっ!!」
そっか・・・
いまやあいつらは絶体絶命なんだ・・・
しかもプレッシャーが圧し掛かっているんだからな。
明らかな目標、そして守って見せなければならない仲間が、許されない敗北、去年の委員長の実妹だというプレッシャーがのしかかっているのだ。その体に……。
でも15代目変態軍団ボスのカリスマ性によって男子の過半数が裏切り、女子も勢力が弱ってる。
男子を信じれない彼女達。
そんな中知った23代ぬらりひょんの僕と言う存在。
努力が報われない?
まさか。
きっと報われる。
そうだったら嬉しい。
僕は去年は人間としての人格しかなかった。
何もできやしなかった。
でもこんな悔しい思いをしたくない。
じゃあ、どうすべきか。
やるしかないでしょうよ!
だって協力してくれと、高貴でプライドの高いお嬢様が赤の他人である僕らに痴態晒してまでお願いしているんだ。
もし断ったら・・・僕は最悪最低のクソ野郎だ。
もしこれがいやなら・・・やるしかないよな!!
聞くしかないさ!!!
「気・・変わりましたよ」
「え?あなたはさっき・・・協力しないって」
「気が変わったんですよ。そこまでの覚悟見せられたから、断るなんてもうできませんよ。それに女子に恥ずかしい姿晒しときながら断るなんて最悪最低のクソ野郎ですよ。僕もさすがにこれはごめんです。協力してやろうじゃないですか」
「若・・・」
芳大が決心を汲み取った。
「俺も協力しますから」
篤も言う。
「やってやりますよ」
紗野も答える。
「私だって23代目・・・いや、あなたのために頑張ります」
零もうなずく。
「私もさっきの4人に賛成です」
と答えてくれた。
すると皆も
「協力するぜ」
「一人で背負い込もうとするな」
「お前の思い、俺達に預けてくれ」
と言ってくれた。
早くその僕らの言葉を聴きたかったのかな、彼女は嗚咽をあげながらその場に泣き崩れた。
僕は鎖をはずされた。
さて、新キャラが登場したので、プロフィールを載せておきましょう。
御船逸塵 ∼Mifune Itsujin∼
誕生日は7月11日のかに座。
身長は170㎝の体重71㎏。
クラスでは一二を争う大食漢。
名前の由来は熊本県御船町。
益城駿 ∼Mashiki Shun∼
誕生日は9月28日のてんびん座。
身長は167cmの体重57㎏。
クラスでは頭がかなりよい。
皆の頼れる参謀的な存在。
名前の由来は熊本県益城町。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(127) ( No.133 )
- 日時: 2014/12/22 18:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
両手で顔を覆って泣き崩れている星空先輩が急に放っておけなくなって僕は弱めに抱きしめてやった。
僕はまさか殴られたり罵詈雑言を浴びるのかと思いきや、強くしがみついてますます泣き声を強めた。
でも、どうしてなんだ?
普通はここまで嬉し泣きはしないはず。
ここまで泣くのを強いてあげれば、敗北の悔しさからのはず。
なのにどうして?
「委員長、嬉しかったんですよ」
「どういうことだ?」
光平が訊く。
「委員長がお嬢様だってこと、知ってるだろ?」
僕もああと思う。
財閥のお嬢様で両親共働き。
「さぞ、触れられて嬉しかったんじゃないかな」
芳大は思った。
「??」
「母親の愛情は受けてたけど、父親の愛情までは受けてなかったんじゃないかな?」
・・・そうか、星空先輩は父親の愛を知らない。
だから、その温もりも優しさも知らない。
悲しいとき、辛い時、助けて欲しい時に、その大きな力を、信頼できる力を知らなかったんだ。
それでこんなにも俺にしがみついて。
謂わば、今の先輩は子供……初めて父親の愛情を知ったってことかな? でも僕まだ中三なんですけど……。
いや、確かに男だけどさ。
「もうそろそろ・・先輩・・・・」
「ダメ!!もうちょっとこうさせて、妖様!!」
妖・・・様・・・・・??
僕は23代目としての跡取りだが・・・
何で・・・?
まだ魑魅魍魎の主になってないのに。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(128) ( No.134 )
- 日時: 2014/12/24 14:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
7〜8分して先輩が泣き止むと元の高貴なお嬢様がいた。
「あ、あの・・・星空先輩?」
「な、何よ!よ、よくも私の恥ずかしい姿を・・・うう、もう嫁にいけない!!」
「じゃあ熊本君にもらってくれればいいんですよ、うふふ」
七星先輩も悪ふざけで言った。
「い、嫌よ!!そんなの!!熊本君たちにはには下着姿も見られたし、あんな恥ずかしいセリフも聞かれたし」
「まあまあ、いいってことで・・・協力するにはしますが、何か見返りはあるん・・・」
僕は視線をそらして聞いた。
当然、冗談で言ったはず。
だけど・・・星空先輩はムッとした顔で腰に手を添えてこちらに歩み寄ってきたかと思うと、まさかの行動に出た。
ちゅっ。
フードを引っ張られた僕の頬は星空先輩の唇に触れたのだ。
それと同時に響き渡る魅惑の効果音。
僕は契約の証としてキスをされたんだ。
こうして、3年3組は体育祭実行委員につくことになったんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(129) ( No.135 )
- 日時: 2015/01/05 19:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、翌日の深夜1時・・・
雹が部屋を訪れた。
「ん??」
「何か考え事でもあるようだけど、どうしたの?」
「うん、それがね・・」
今日、僕はある金髪碧眼の先輩に出くわしたことや、睡眠薬飲まされて無理やり半分拉致されたこと、変態軍団と体育祭実行委員に協力をせばまれたこととかを一から十、いや、百までしゃべった。
「そうか・・・結局は、あいつら体育祭実行委員の仲間にさせられたというわけだね」
「そうなるな」
「でも、僕としては1つそれ」対して不満があるんだ
「不満??」
「そりゃそうさ、だってそうだろ?あいつら、変態軍団とか何とかとやらの集団とのケンカに第三者の手を貸させて勝利しようという根性だよ。それが不満って言うか、許せないんだ」
「そりゃもっともだよ。だけど、どうやってあいつらのケンカを僕らが手を出さずにけりをつけるんだよ?」
「僕にいい考えがある」
「どうやって?」
「本番のチーム分けさ。体育祭に赤と白の2種類のチームがあるだろう?それを使う考えだよ」
「あのチーム分けを?」
「ああ、変態軍団の勢力が強いクラスが体育祭実行委員のチームなるかもしれないし、逆に、体育祭実行委員のチームが変態軍団のチームになる・・・・チーム分けがどうなるかは運次第。これで、あいつらの手だけで決着が作っていう寸法さ」
「これなら、大丈夫そうだな・・・ただ、どうやってあいつらにYESと言わせるんだ?あいつらはきっとNOと言うかもしれないのに」
「NOと言われたらもう終わりだね」
胸の前で腕をクロスさせる雹。
「雹、お前に、この交渉を任せてくれないか?」
「いうまでもないこと。やってやるさ」
雹の髪がやけに光沢を帯びて見えた。
僕もこれで枕を高くして寝れるぞ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(130) ( No.136 )
- 日時: 2015/01/07 13:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
翌日・・・
8月5日、雹は実行委員の部屋に入り込んだ。
「お邪魔します」
「ん?」
「なんだ、熊本じゃないのか」
雹がむすっとする。
「失礼な(怒)全く、しようのない人ばっかりだな、皆」
「どういうことだそれ!?」
皆どよめく。
「やっぱり僕としても、いや僕ら兄弟としても納得できないところがひとつある。それは両者ともに無関係の人の人を巻き込んでの戦いにしたと言うことだ。そこで提案があるんだが、自分たちの本気同士でぶつけ合ってみないか?」
雹はそう言い切ると目を瞑った。
(よく考えろ、僕はかねがねからあいつの話は聞いている。こんな甘っちょろい挑発の乗るほどバカじゃない。そんなの受け入れてくれなければ僕はバカっていうよりアホってやつだ。さあ、どうする?川内亮太郎)
「いいだろう」
「お??」
雹は目を開けた。
「いま、いいだろうと、答えたな」
「ああ、やっぱり勝負は真剣でないとな」
亮太郎がにっと笑顔を見せる。
「勝負の決め方はいたって簡単なものだ。体育祭実行委員会は全クラスにいる。当然、変態軍団一色の3年4組もね。だからそれじゃあ勝ち負けは決められない。で、そのクラスが所属するチームカラーがあるだろ?中等部3年4組は黒、高等部3年1組は白。だから、その白と黒で勝敗を決めるんだよ。うーむ、白が勝ったら体育祭実行委員会が勝利。黒が勝ったら変態軍団の勝ちでいいんじゃないか?」
雹の説明が長ったらしいので要約しよう。
洛西学園は白黒のチームで戦うことになっている。
それに、そのクラス分けはまだ行われていない。
だから、もしかすると体育祭実行委員会よりも変態軍団が多く所属するクラスが白ブロックかもしれないし、体育祭実行委員会に所属する人数が多い方のクラスが黒ブロックかもしれないのだ。
したがって、変態軍団が頑張って白ブロックを勝たせた場合、体育祭実行委員会が勝ってしまうのだ。
なお、黒ブロックに多く変態軍団の所属するクラスが入団する可能性もある。
そうなれば、圧倒的有利になることもある。
だけど、逆に黒ブロックに変態軍団が物凄く少ないという可能性も無きにしも非ず。
当然、白ブロックに変態軍団が多く入団したとしても、わざと負ければ勝つことも出来るのだ。
要するにあとは運次第ということになる。
どちらが勝つかは後日発表される各々のブロックにどのクラスが入るかだ。
無事受け入れてくれたので雹は嬉しそうな顔で帰れた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(131) ( No.137 )
- 日時: 2015/01/08 22:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その翌日・・・
3年3組はというと・・・
白ブロックだ。
4組は黒。
黒は黒のユニフォーム、白は白のユニフォームで戦うことになっている。
さて、ユニフォームには当然、出席番号がクラスと番号をつけなければいけない。
僕は3組の15番、篤は1番だったっけ。
クラスは41人もいるわけだ。
まあ、3年のなかでは最も多いほうなんだけど。
2年2組の雹も、白ブロックだ。
あとは皆・・・白だ。
しかし奇遇だな。
皆白ブロックだなんて。
まあ、それはそれでアリだけど。
さて、皆体育祭よく分からないようなんで、詳しく説明しておこう。
今回の体育祭は変態軍団(中等部3年4組)VS体育祭実行委員の対決だ。
競技名は・・・『大縄跳び』、『バトンリレー』、『玉入れ』、『ムカデ競争』、『借り物競争』、『お宝探し』、『棒引き』、『大玉転がし』、『三人四脚』というような超ベタなやつから『ジャングルビンゴ』とか『バンクボウリング』、『ポップコーンヒッター』、『キッキングスナイパー』とかVS嵐に出てきそうな種目がある。
全く誰だよこんな種目考えたやつ。
さて、種目選びからいこう。
というわけで僕は下京区七条堀川の体育館に行った。
瑠璃・麗魅の双子姉妹は『ジャングルビンゴ』を選択。
『ポップコーンヒッター』は竹田愛と雲仙明。
彼らなら最適だね。
それから僕と阿蘇宮篤・益城駿と島原唯真は『バンクボウリング』。
実はというと僕、過去に最高記録として287点をたたき出したことがあるんだ。
八代海斗と諫早敏輝は『借り物競争』。
水俣芳大と人吉滉人は『ムカデ競争』か・・・
ってえ?
それに参加するのは姫島仁美と・・・別府優愛?
おいおいおい、2人とも前大丈夫なのか?
大分紗野・中津桃歌は『大玉転がし』か・・・
あいつらのことだし、大丈夫だろう。
御船逸塵と天草翔貴は『パン食い競争』、佐伯侑李と長崎光平と宇佐美晴海は『キッキングスナイパー』、杵築望恵・国東マルシーは『ピンボールランナー』、津久見華凛と城下玲菜・由布院真有は『借り物競争』、『三人四脚』は日田野菜緒と豊高麻里と大野若葉、それと『ピコピコ戦争』にでるのは青竜院零に決まった。
さてと、一通り決めたしな・・・
ん?
なんなんだあいつは・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(132) ( No.138 )
- 日時: 2015/01/13 16:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「あら、大勢で何かのイベント?」
ルナが現れて僕のパンフレットを覗き込んだ。
「うん、まあね」
「体育祭?」
「まあ、ざっとそんなところだ。それで、ルナは出るつもり?」
そう言った途端、見えてしまう。
走っている時、体格には似合わない大きな胸が揺れっぱなしのルナの姿が。
おっと、いけないいけない。
こんな邪な妄想は忘れちまおう。
「今見てたでしょ」
「いや見てないって!!」
全く、着やせで小さくみせてくれって。
その胸。
ん?
また新手か。
「久しぶりだな、熊本健太郎」
はっ!!
その声は、雫?
青竜院雫じゃねえか。
「この種目から自分の好きなやつを選ぶんだが・・何か出たいのはあるのか?」
「そうだな・・・・これにするぞ」
おい、これってまさか、サッカードリブルリレーじゃないか。
で、こいつの知ってんのかなぁ?
「サッカーくらい過去にやったことはあるがな。だが、全く知識がない」
おいおいダメじゃん!!!
「で、なんだこのバカくさい競技は」
雫はなぜか8番から15番の競技に指をつけた。
「ああ、僕も全く誰が考えたか分からないが、どうも元ネタはVS嵐からのやつだ」
「ああ、道理で、聞き覚えのない競技があると思ったんだよな」
「まあそんなところさ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(133) ( No.139 )
- 日時: 2015/01/19 18:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてここでちょっと3年3組の出席番号一覧を載せておきましょう。
五十音順です。
まるで中継局のテロップみたいですが・・・
名前 出席番号
阿蘇宮篤 3301
天草翔貴 3302
諫早敏輝 3303
宇佐美晴海 3304
雲仙明 3306
大分紗野 3307
大野若葉 3308
杵築望恵 3311
玖珠原瑠璃 3312
玖珠原麗魅 3313
国東マルシー 3314
熊本健太郎 3315
九重桃花 3317
佐伯侑李 3318
島原唯真 3320
城下玲菜 3321
青竜院零 3322
竹田愛 3324
津久見華凛 3326
豊高麻里 3327
長崎光平 3328
中津桃歌 3329
日田野菜緒 3330
人吉幌大 3331
姫島仁美 3332
別府優愛 3333
益城駿 3334
水俣芳大 3335
御船逸塵 3336
八代海斗 3339
由布院真有 3340
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(134) ( No.140 )
- 日時: 2015/01/26 18:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、8月11日・・・
ついに来るべき日が来てしまった。
最後の護衛役が来る日が。
最後の護衛役は青竜院雷。
青竜院兄弟の16番目の兄弟で、11歳だ。
今、彼は京都市西京区嵐山にいる。
彼もまた、雹と同様、天気を操ることができる。
また、人を操ることもできるのだ。
こちらは呑気にすごしている僕ら。
また天気が悪くなった。
どうせ、台風だろうと思っていた。
なにしろ、台風11号も来ている分けだし。
って、よく考えろ!
台風11号はもう勢力はなくなってるはずだし、しかも北海道に行ったはず。
どう考えてもおかしいだろ!
一体何があったんだ!?
ハックが電話をかけた。
スマホの番号はもう知れている。
「もしもし、ケン?」
「ああ、熊本健太郎だが・・・」
「どう、こっちでも雨降ってる?」
「当然よ」
「ついに来てしまったか・・・・」
「誰が来てしまったんだ?」
「護衛役だ。こりゃどう考えたってそいつしか考えられっこないからな」
「来てしまったか・・・最後の護衛役が」
「うん、僕らが経験したもものの中で一番すごいやつだから」
「すごいやつ?」
僕は後々知ることになった。
あいつの実力を。
あとがき ついに来るべき日が来てしまった。
果たして熊本健太郎はどう立ち向かう?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(135) ( No.141 )
- 日時: 2015/02/02 14:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ああ、会ったことはないだろうが、相当な実力の持ち主さ」
「なんだって?」
雹が続ける。
「まあ、僕の実力の6倍・・・澪姉ちゃんと雫兄ちゃんの実力の合計を2倍したものだね」
おいおい、お前の実力の6倍!!??
どんな膨大な実力なんだそれは!!
僕らが過去に本気で戦ったことのあるのは霄(熊本健太郎)・零(阿蘇宮篤)・澪(熊本健太郎・水俣芳大)・雪(熊本健太郎・阿蘇宮篤)・雹(熊本健太郎)の5人だけじゃないか!!
ましてや、相手は3人。
こんなことになるとは魔界はどうなっていることやら。
青竜院16兄弟全員こっち(人間界)となると青竜院16兄弟は全滅。
「あいつは・・・最強の護衛役だよ」
「!?」
「絶対に1人で戦うには分が悪すぎる相手だ」
「んなっ・・・・」
「じゃあ、霄・零より強いな」
「ちょっと熊本君!!何で私との戦闘より、零ちゃん・霄ちゃんとの戦闘の方が強さの比較が出来てるのよっ!!ハックもなんか言ってあげて!!!」
「うん?露姉ちゃんか。まあ、露姉ちゃんの変態ぶりには毎日苦労してるんだけど」
こいつ相当な苦労人だなこりゃ。
「やっぱりこいつの素行の悪さが祟ったんだな」
「うえ〜ん、そんな〜」
泣いたって無駄だよ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.142 )
- 日時: 2015/02/09 17:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ところで、雷ってやつの目的はなんだ?」
「決まってるじゃないか。もちろんケンを殺すことじゃないか」
「そんな物騒な!!」
「そう言ってもなぁ、今までそうだったんじゃないのか?霄を皮切りに今日は雷・・・まあ、だいたいの計算はできてるとは思うが」
「ところで、そいつはどんな攻撃のしかたをしてくるんだ?」
「うん、いい質問してきたね。あいつは、僕と同様、相当な魔力をもっている。だけど、武器は持ってるよ」
「その武器はなんだ?」
「確か、槍と杖だったな」
待て待て、2種類もあるのかよ!!
「うん、だから僕らよりも膨大な魔力の制御も簡単にできてしまう。あのバカみたいな雨量もありえてしまうんだよ」
「確かに・・・それは言える」
「まあ雪も、天気を操るくらいならできるがな」
「え?」
「雪を降らす程度だが」
「魔力が高いやつは大体こんなもんよ」
霙もうなずいてみせる。
「え?大阪とか大津ではぜんぜん雨量が確認できてない!?どういうことですか?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(137) ( No.143 )
- 日時: 2015/02/10 19:37
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
はじめに 今回は大阪府私立受験が終ったので今回はそのスペシャルです。
零のトンデモ発言に皆群がった。
雨雲が群がっているのは京都府南部。
なぜか京都市・長岡京市・宇治市の辺りだ。
学校も含まれてるじゃないか。
でも、あいつらに手だけは出さないでくれ!!
僕は靴紐を結んだ。
「ちょっとそいつの所に行ってくる」
「やめとけ。僕はwikiで調べたんだが中ったら最悪、脳震盪をきたしかねないらしい。ましてや、自分の力を混ぜて降らしてるんじゃないかって思うんだ。だったら相当ダメージが来るかもしれない。もしくは、標的にのみ反応して威力上昇……とかな」
雹の的確な言葉に黙っているしかない。
でも・・・
「え?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(138) ( No.144 )
- 日時: 2015/02/12 20:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
はじめに 今日も大阪府私立受験合格スペシャルです。
「ん??どうした!」
「あれが・・・雷?」
「テレビ電話のモードに切り替えてくれ!!」
テレビ電話に切り替えられた。
「ケン、これが雷だ」
京都タワーの中継の様子だ。
「あいつが、雷?」
零や霰が僕の後ろに群がる。
「間違いありません、そいつが雷です」
「確か、あいつは忍者に憧れてマフラー巻いてたよね」
霄がつぶやく。
「なんだ、あの魔力」
雪も同調した。
「雪も経験したことのないような禍々しすぎる力が溢れてる」
「こいつが雷、見た目は幼いけど雹の6倍の実力をもつんだ・・・・」
「うわっ!!」
雹が目を瞑った。
するとテレビ画面にはしばらくお待ちくださいの文字。
おいおい・・・・・・。
「やりやがったか・・・・」
「人間界の人々に手を出してきたのか・・・・」
「うん、それでさっきのは??」
「こいつ、本当に僕らを連れ戻しに来たんじゃないかな」
「あいつ・・・」
絶対連れ戻させやしない。
でも相手は護衛役。
主人を守るためだったら主人のための死させ厭わないのだ。
でも、僕は変だと思う。
仮に僕が死を知らない人だとして、彼ら彼女たちに1回死んでみてと頼まれたとしよう。
そうしたら彼ら彼女たちは本気で腹を斬ろうとするんじゃないか。
僕みたいな10〜20歳の人が主人のために死のうとするなんて、やっぱ」りどう考えても変すぎると思う。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(139) ( No.145 )
- 日時: 2015/02/16 18:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「・・・ならば、僕が皆を心配させないくらい強くなれば、僕はもう迷うことなどしない。こうなったら、生きて帰ってみせる!!!」
「そうか・・・だったら迷わず行こうか」
「そうだな」
僕は靴紐をきついくらい締めた。
「いい友情ですね・・・悪魔と人間の垣根を越えた友情・・・京都の都に友情と言う気高くりりしい花が咲きましたか・・・・だったら私も一緒します!!!」
「そうか、だったら皆僕の背中に並んでついて来てくれ!!!」
零の声にぐんと強くなった気がした。
その強い言葉に雪も応えた。
「OK、任せなさい!!」
僕は京都タワーに向かった。
京都タワーの真上・・・
「ん?あいつが・・・23代ぬらりひょん・・・熊本健太郎か・・・それに雪ちゃん、零ちゃん雹くんも一緒だ。それから、阿蘇宮篤に大分紗野。そして水俣芳大。役者はそろったみたいだね」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(140) ( No.146 )
- 日時: 2015/02/23 17:00
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「こいつが・・・雷?」
改めて確認をする僕。
「ああ、あいつのマフラーは忍者に憧れていると言う決定的な証拠。あいつはまだ11歳なのに100年に一度の実力を持っていると言うらしい」
「消えた!!」
「心配すんなって。どうせ水影になってるだけさ」
「そうか、でも、あいつの真の目的はなんだ?」
「そうだな・・・女体の神秘・・・言うなりゃナイスバディーなお姉さんってかんじかな」
「え?」
「痴漢じゃないのそれ!!」
「まあまあ落ち着けって」
「落ち着ける環境じゃないよ!!」
「あいつはな、零姉ちゃんとか大分ちゃんみたいな女子の・・・ここからは略すけど。京都一ナイスバディーな女子を探してるらしい」
「京都って・・・よく考えてくれ!!この京都市だけでも147万人近くもすんでいるんだぞ!!ましてや京都府中って260万以上も住んでいるんだぞ!!この中で女体の神秘を捜すなんて絶対1日じゃ不可能に近いよ!!」
「まあまあ、僕にも打つ手は結構あるんだが・・・・」
「でもどうやって?」
「まず、女が集っていそうな場所を探せばあとはそこを探すだけ」
「これなら十分場所を絞れるな」
「まず洛西学園からみてみよう!!」
「OK!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(141) ( No.147 )
- 日時: 2015/02/25 21:48
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
まえがき 今回は大阪府公立前期の入試試験終了のスペシャルです。
「ここで、力の合成をしたいところだが・・・今ここでやると体力を消耗してしまう。今は洛西学園にいくのが先決だ」
「力の合成??」
「あれはあとでじっくり見せていくよ」
「分かった」
そして17分後・・・・
「ここが洛西学園・・・京都の大きな総合学園と聞いていたけどここまで大きいとは知らなかったよ」
「あ、ああそうかい」
「さてと、ここから中へ行くとするか」
雹の運動神経はよい。
あんな校門一発で棒高跳びの要領で飛んでしまうんだから。
「きゃああああ!!!」
「あれは!!」
「ハック?」
「ついに来ていたのか」
「もう!??僕が17分かかったルートを通って行っているうちに!?」
「おお、見える見える。あいつが散々めちゃくちゃに揉みまくってる様子が」
凄いなこいつ!
洞察力高すぎだろ!!
「ここの女子を救いに行ってこよう!!」
僕は知らなかった。
3年3組のメンバーがここで戦っていることを。
あとがき このあと、満身創痍になりながらも3年3組の皆と熊本君たちは合流します!!ここからが戦いです!!!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(142) ( No.148 )
- 日時: 2015/03/02 18:59
- 名前: ・ス・ス・スJ・スj・スb・スJ・ス[ (ID: YvSbEZ.f)
まえがき 今回のスペシャルは不合格だったのでお預けです。
「ここの中に皆がいるはず・・・・ってあれ?」
そこにつっ立っている人物がいた。
そいつはなんと、露だった。
「嘘だろ、露さん」
「こんなことするなんて・・・」
「僕も10年以上は変態振りに散々苦労してきたんだけどきっとここまでやる奴だと思ったことはなかった・・・たぶん」
雹は露の襟首を掴んだ。
「露姉ちゃん!あんたって人は超がつくほど美少女好きのシスコン百合女だったんだが、相手のことをまさか傷つけることまでに走るなんて!!」
雹が頭を1発げんこつを施した。
「ん?」
零に手が伸びる。
「許せない・・私より大きいやつは許せないんだからあああ!!!」
「んなっ・・・」
零の平手がパーンと露の頬に直撃。
露さん・・・あんたはどこまで嫌われ者なんだ?
雹が女子の服を正した。
「と、これでよしと」
さっさと行こうとしたその時だった。
「どうしたの??熊本君、阿蘇宮君」
人吉滉人と長崎光平、天草翔貴が合流して来た。
「あ、あいつは・・・」
「え??じゃあもしかして・・・」
「もしかして、あの風紀委員長??」
「こいつらを怒らせたらどうなることか、分かる?」
ここの風紀委員長は違反者に超怖いお仕置きを食らわせるんだ。
例えば締切日までに反省文30枚とかから始まって最終的には風紀委員長から審判が下されると言う。
このことから、横浜・川崎・相模原の苗字を聞けば分かるんだ。
『風鬼の神奈川』と言うあだ名だから。
でも当然、思い通りに行かない人がいる。
そいつは、天草翔貴だ。
何せあいつはどんなお仕置きを施そうとしたところで逃げてしまう。
だから風紀委員はこう呼んでてこずっている。
『天草灘の潮の乱れほどどうにもならないものはない』と言う。
ちなみに・・・天草灘では梅雨から夏にかけて二重潮が来て漁網が浮き上がる・ねじれるなどの現象が起こることがあるんです。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.149 )
- 日時: 2015/03/09 18:51
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「早く行かなくちゃな!」
「うん、だけど、ここで胸とか大きい女子知ってる?」
「う・・・分からん」
がっくりと肩を落とすハック。
「これじゃあ片っ端から探すしかないようだが・・・ってあれ?」
「あのー、横浜先輩、ここで胸大きい女子知ってます?」
「おいおいおい、そいつに聞いてどうすんだー!!」
「何言ってんだお前。こんな辛気臭いこと聞いて」
「まさかお前・・・襲うつもりで・・・」
「いいや、僕はただ単に・・・」
アホくさいこと話しているうちに横浜先輩が目を覚ました。
「何ごちゃごちゃうるさいこと言ってるんですか・・・」
「横浜先輩、よかった。ちょうど気がついたんですね。ところで、小さい男の子に襲われませんでしたか?」
「いや・・・そんなの分かるわけないじゃないですか」
「んん?」
「どうしたの?長崎先輩?」
「なんだこの禍々しい力」
「あれはきっと雷の仕業じゃないかな」
「だとすると・・・」
「この鎖も?」
「ああ」
「こいつなら壊せるかもな」
「阿蘇宮先輩が??」
「そうさ」
「これに、弦ひっかけられるか?」
「もちろんさ」
弦を伸ばしていく。
「殺取・鎖蜘蛛!!」
鎖を破壊した。
さてその頃体育館では。
「はあ、はあ・・・」
杵築望恵と津久見華凛たちが傷だらけの様子で戦っていた。
そう、ここは洛西学園・窮地なのだ。
僕が体育館の扉を開ける。
「熊本君!皆!!!」
ほかにも八代海斗・宇佐美晴海・御船逸塵・諫早敏輝・竹田愛がその場にいた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(144) ( No.150 )
- 日時: 2015/03/16 18:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「お、おいおい・・・」
ここはもはや、氷の世界になっていた。
生きたまま氷付けの生徒たち。
女子生徒は・・・あれ?
男子生徒だけか??
うわっ、女子生徒は鎖で縛り付けられている。
うわわわ、どうも男子生徒は女子生徒を守ろうとしたみたいだけど雷を怒らせちゃったってわけか。
くそっ、あいつまさか僕らの生徒に手を出したってわけか。
『ふふふ、よくここまで来れたね、熊本健太郎・・・しかし君の仲間はぜんぜん調べさせてくれない。どういうこと?』
「僕ら3年3組は誰かの仲間に入ることはあっても配下にはならない。僕らはそういうのだからだ!!」
「しかし、雷はここまで分身を召喚するとは。こんなねちっこいやつに育ててきた覚えないないのに」
「しかし・・・雷はまさかあそこに言ったんじゃ・・・」
「まさか・・・」
青竜院の一族は青竜の守護者。
青竜は河川の守護者。
となると水を自由に操作できる・・・
しまった!!あいつは水の多いプール館に向かっている。
水泳部の皆が危ない!!
「みんな、プール館行ってくるから、ここは任せるよ」
「その必要はない。殺取・蛇刃・・・」
氷が砕けた。
「すげえ・・・これが加賀の弦殺死の子孫の力か・・・」
雹は驚いている。
「みんな、行きますよ」
もう零は抜け駆けしてる。
「そうだったな。こっちのほうは目的だったな」
僕らはプール館に向かうこととなった。
さて、こちらはプール館・・・
島原唯真、諫早敏輝、中津桃歌、国東マルシーが対峙していた。
「ん?妖怪たちか?」
「かく言うお前こそ青竜院雷と見受けるが・・・」
敏輝は睨みつける。
「確かに・・・僕はそうだが、お前たちは邪魔をしに?」
「そんな、モッカ達の手の内を明かすこと言うわけないでしょうよ」
桃歌が笑って見せる。
桃歌はクラスではモッカと呼ばれている。
雹に関してはモッカ先輩と呼ぶのだと言う。
「ふっ、そうだね、それに、ここでのやりあいも理由もないし」
「そうよ。島原君、諫早君、マルシー、青竜院16兄弟の末っ子みたいよ。心しなさい」
「ああ、槍のうではピカイチらしい。皆気をつけろ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(145) ( No.151 )
- 日時: 2015/03/16 22:48
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
こちらはプール館に向かう一行。
プール館は体育館の3階にある。
この上着着ておいて正解だった。
ここも開けたら・・・
「うー、寒っ!!」
なんなんだよこの寒さ。
夏なのになんで!?
あっ、やっぱり雷の仕業か。
皆怪我をしている。
「げげっ・・・まずいことになってるぞこれ」
雹が僕に見せた光景はまさに恐ろしかった。
益城駿は・・・あれ?水泳部なのにいない??
「ああ、あいつは風紀委員やってて不在なんだよな」
え、そう言うことなの??
でもこんな環境で水着姿でましてや氷漬け。
凍傷を起こしているに違いない。
「あ、あいつです!!あいつが私を襲った犯人です!!」
「やっと謎が解けた」
「え??」
「横浜先輩と言い、今回の事件といい、全部が全部かかわってたのか!!これ以上僕らの生徒(同級生達)に手を出すな!!」
「ふん、そんなのできっこない相談だね。動けないようにしておけば検査もやりやすいし」
「でもどうして、どうして女体の神秘を追い求めたりする?」
「そう、全ては愛情の飢えだ。愛情のね・・・」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(146) ( No.152 )
- 日時: 2015/03/18 14:24
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「愛情の飢え?何のことだ??」
「あいつは、五男の末っ子だよ。分かるだろ?このあとは」
「・・・」
雹の視線は斜め下を向いていた。
うつむきかけだ。
「いいかい、あいつは僕らと触れ合えた時間が短いんだよ。家族と全然触れ合えてないんだ。分かるかい?僕は瑠璃さん麗魅さんと結構遊べてるんだけど。だから、大魔王は僕が姫様呼ばわりしなくても怒らないわけ。それに対しあいつは2〜3年かそこらしか僕らと遊んだ覚えがない。だから…あいつはある答えにたどり着いたんだ。女体の神秘にね」
おいおいおい、それがどう作用したらこう言う答えにたどり着くんだよ。
「雷・・・そうだったんですか・・・」
零も言う言葉を失っている。
「分かるだろ?あいつは遊んでもらいたいだけなんだ」
「分かってる・・・分かってるよ。でも、それだからってそのやり方は間違ってるって!!!」
雹が手で肩を止めて首を横に振った。
「ケンでも分かってるだろ?自分が犯した罪。普通は瑠璃さん麗魅さんつれて帰ったらまた遊べるはずなんだ。な野に・・・僕らを引き止めてたのケンだろ。だからこんな風になっててしまったんだ・・・」
「それはそうだけど・・・でもあいつらを大魔王の元へ返したら・・・」
「分かってる。ケンの気持ちは。だけど、あいつはもう決めてしまってる。絶対に、絶対に女体の神秘を見つけて、その子と遊ぶ・・・いっぱい愛してもらう・・・よしよししてもらう・・・もっともっと、褒めてもらうってね」
雹は何か思いつめている様子だ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(147) ( No.153 )
- 日時: 2015/03/18 23:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
雹の思いつめた顔を見て、はじめてよく分かった。
なるほどあいつは11歳・・・まだ親や兄弟に甘えたい年頃だなんだな。
確かに僕がことの発端だ。
僕だって全部が全部、悪くないわけじゃない。
「来い!黒輪槍!!」
雷がついに槍を出してきた。
「・・・いくぞ、海斗」
「ああ」
僕らは目を瞑って力の合成をした。
「皆、気をつけなよ。あれが雷の武器だ」
「あ、うん」
皆が雹の忠告を聞いている最中だった。
「くらえ!!熊本健太郎!!!」
急遽雷が槍を振り下ろしてきたのだ。
僕を捉えたと思いきや。
雹が杖を盾にして守って見せた。
「雹・・・」
「雹兄ちゃん!!どうして??」
「済まない・・・僕は彼を援護しなきゃ行けないんでね」
「ど、どうして!?守らなきゃいけないのはるりりんとれみぽんじゃないの!!??」
血相を変えているままの雷。
「ああ・・確かにそうだったな・・・でもこれは昨日までの話・・・つまり過去までの話なんだ」
「僕らは彼にあってからというもの変わったよ。それは雫や霄だって言えることだ」
「え、そんな!?嘘をつかないでよ!!」
その2人も変わってないと思った雷は動揺している。
ああ、そう言えば雫とは最近頻繁に会ってるし、霄には僕の妹を話してたな。
「そうですよ・・・あんな薄暗い場所はもうごめんです。今からでも遅くないから変わってください」
零がたずねる。
「変わる・・・2人ともなに言ってるのさ、もう遅すぎるんだよ。こうなっちゃったんだし・・・」
僕は高速で移動すると雷を睨みつけた。
「これ以上僕らの生徒(同級生)に手を出し続けてどうすんだ!!お前の目的はこの僕なんだろ!!!」
「・・・そのとおり。君には、思いのほか苦しみと虚無を引きずり出したい。それこそが大魔王の宿願でもあるんだから」
んなっ・・・
大魔王!!!
そうか、あいつは双子姫を連れ戻そうとその邪魔立てをする僕らを抹殺しようとした。
だから、護衛役を派遣させた。
だけど、全部が全部失敗に終っちゃったんだけどさ。
けど今回のやり方は人間界に手を出しすぎなんじゃないかな。
そんなことしたらここをすべてる人がキレてしまうんじゃないかな。
まあ、そいつは誰なのかは全くと言って知らないがな。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(148) ( No.154 )
- 日時: 2015/03/20 14:06
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ま、どのみち、大魔王の宿願ならなおさら負けたらダメだ!!
「あ、あれは!?ケン!これってもしかして!!!」
「ええ!?」
僕は雹に呼ばれ、雷の紋様を見た。
なんだこれは!!??
「これは・・・魔界上位の理想を作るために研究、開発された兵器、ブラック・スペリングだ。こいつに囚われれば埋め込まれた者の潜在能力を無理やり引き出した上で、最後まで戦わせる禁術だ。これを除くのも結構一苦労するんだよな」
「そんな禁術を使うなんて・・・大魔王は何考えてんだか・・・」
零も恐怖心を抱く。
「魔界上位の理想ってなんだ?」
「簡単に言うと魔界上位の世界を作る・・・初代から続いている宿願だ。けれどもこの計画はまだ成功されていないものなんだ。都はおそらく・・・京都から奈良の辺りじゃないかな」
「おいおい、それってここの辺りじゃないか!」
「ま、鹿苑寺の煌びやかさが根拠だろうとは思うけど」
「あ、そう・・・でもよく分かったもんだね」
「いや、そこはどうだっていい話だ。いつ、雷が最悪のケースに陥ってしまうかが心配なんだけどな」
雹が右の人差し指で頭をかく。
すると、雷がまたしても消えた。
「しまった!!迂闊だった。でも、早く水泳部の皆を助けねばな」
「そうしたいんですけど、いったいどうすれば・・・・」
雹がふと思った。
「ケン、冬の部活の時の水泳部の人はどうやってるんだ?」
「ああ、それなら救うにもこっちのほうが早いね!冬の部活動の時は温水プールにするんだけど、そのための暖房器具が設置してあるんだ。今は夏だしOFFになってるんだけど、ONにすれば温水機能が発生するはずだからな!!」
こうして、電源室に向かうことになった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(149) ( No.155 )
- 日時: 2015/03/20 21:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
大阪府後期高校入試終了スペシャルです。
「これさえあげれば・・・・ってあれ??」
まずい、どうも電源装置まで氷漬けになってしまってる。
その時雹はとっさに敏輝に聞いた。
「諫早先輩、湯でできた球、投げつけられます?」
「ああ、でも、6分くらいためが必要になるけど、いい?」
「もちろんさ」
「だけど壊すなよ?」
「大丈夫、弱めのやつを放つだけだから」
でも、やっぱり飛び道具の知識が低い僕はやっぱり心配だった。
でもその不安はまだぬぐえていない中、湯でできた水球はブレーカーに直撃した。
ためしに、ブレーカーを挙げてみる。
電源のランプが赤くなった。
「あとはボイラー内の水が凍り付いてないかだな」
そうそう、ボイラーの水を凍らせるには相当低い温度が必要なんだ。
ま、あいつが自身の魔力を使ってないかどうかだけど。
待つこと27〜28分・・・・
温水プールの出来上がりだ。
「水泳部は気絶してるけど、命に別状はないみたいだ」
「生徒会長達だが・・・あ、そういや7階にいたっけ。向こうは大丈夫かな・・・」
「え?」
「生徒会長姉妹は・・・僕の妹・・・熊本杏香の護衛役だよ」
「護衛?どうして?」
「あいつは・・・破軍の使い手だからさ」
「破軍?あの蘆屋一族の当主としての証?」
「うん。つまり・・・熊本杏香は31代蘆屋一族の当主になる人なんだ」
「え・・・嘘でしょ!?」
「嘘じゃないって」
「まあとりあえず、生徒会長に会いに行こう。話は後にまわそう」
そんな僕は、もう力の合成を終えていた。
あとがき
次回、熊本健太郎の力の合成が新の力を発揮させます!
容姿は青と緑のオッドアイ、(熊本市の水前寺公園・九州山地)、黒髪に青のグラデーション(熊本城と八代海)となってます。
武器は長ドスとブーメラン型のカッターとなってます。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(150) ( No.156 )
- 日時: 2015/03/23 18:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
エレベーターの前・・・
「しかし学校にエレベーターねえ・・・随分しゃれてるもんだよ」
エレベーターの中に入った僕らは8のボタンを押す。
僕は生徒会室に行ったことがないからな・・・
「失礼します」
そこには高松先輩や坂出先輩がいた。
でも、何でか格好が体操服とちょっと変わってて・・・
「先輩・・・どうしたんですか?その体操服」
「いや、気にしないでください」
いやいや、それ気になってしまうんですけど。
あれ、奉仕委員長の宇多津先輩がいない。
「あの、宇多津先輩は?」
「さくらなら今、ゆりかの制服を洗いに行っていますわ。ところで、何の御用ですの、熊本君?その格好、どうしたんですの?」
やべっ、そういえば僕冬服だったな。
「何かあったんですか?」
坂出先輩の質問だ。
僕はこれまでの敬意を全部つぶさに話した。
「なるほど、あなたの知り合いのためにこんなことに。それにしても・・・女体の神秘、ですか」
「そうなんです。心当たりありますか?」
「ないわけではありませんが・・・私としてもやすやすと女子生徒を差し出すまねはしたくありませんわ。ですが、そう入っていられないのも事実。さくらが帰ってこないことには」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(151) ( No.157 )
- 日時: 2015/03/23 19:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
え、おいおいもしかして宇多津先輩が女体の神秘?
実際、6人兄弟の長女出し、相当な包容力もやさしさもあるし、雷も満足してくれそうなんだが・・・どうかなあ。
僕が考え込んでいるうちにコンコンとドアを叩く音がした。
「どうぞ」
僕は緊張感を持ちながらドアを開けると、そこには宇多津先輩がいた。
「ただいま、樹里奈、麗、少し時間がかかって・・・あれ、熊本君に阿蘇宮君?」
宇多津先輩は僕らの存在に気づいたみたいだ。
ちなみに、高松先輩の名前は樹里奈、坂出先輩はゆりか、宇多津先輩はさくらなんだ。
「さくら、帰って来て早々悪いのですけれど、頼みごとよろしいかしら?」
「はい、わたしは奉仕委員長ですから。何でもどうぞ?」
「あなたに、一時的ですがこれを授けます」
そう言って一本の鍵を手渡した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(152) ( No.158 )
- 日時: 2015/03/24 19:37
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「マスターキー?」
「いったい何のために・・・」
「よく考えな。宇多津先輩は高等部の家庭科部の部長だよ」
「じゃあ、もしかして・・・」
「あなたに、お菓子を作ってもらいたいのです。品目は何でもよろしくってよ」
生徒会長の口元は楽しそうだ。
こんな窮地なのにどうして?
「え、いやでも、材料が・・・」
「経費はこちらで持ちます。すぐに作って頂戴?そうね、なるだけ強い匂いを放つのが望ましいですわ」
「わ、分かった」
「僕らが、宇多津先輩の援護に行きましょうか?」
僕はとっさにそんなこと言ってしまった。
「ええ、そうしてください」
「だったら僕が、生徒会長の援護をするよ」
ハックも僕に向かってさらりと言う。
「ありがとうございます」
ハックはこの部屋の壁に寄りかかって、腕を組んで罠にかかりに来ないか見張り、僕は宇多津先輩の護衛に行く。
「さあ、行きましょう。時間はぜんぜんありませんし」
僕は宇多津先輩を急かした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(153) ( No.159 )
- 日時: 2015/03/25 21:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕と篤は2人で宇多津先輩とともに家庭科室に入った。
宇多津先輩はマスターキーで家庭科室の鍵を開けた。
ここにあったのは、ホットケーキミックス・卵・小麦粉。
これってもしかして・・・
「ドーナツの材料だ」
「これで、ドーナツを・・・?」
「お手軽だから、これかなって」
とまあこうしてメイド姿のままドーナツ作りを始めた。
さてこちらは生徒会長室・・・
ハックと光平は壁にもたれかかっていた。
「・・・しかし、1人だけ体操服姿か・・・なんか気まずいな」
「ああ、俺はユニフォーム姿だし、ハックは私服だしな」
「それを言うのなら宇多津先輩だってメイド服だよ」
「しかしお菓子を作ってくれって頼んだの、誰なんだ?」
「それってもしかして、給食委員長のことではありませんか?」
「給食委員長?」
「そう、鼻のよいお方なんですの」
「そうか。ああ、そういやずっと気になってたんだが、破軍の護衛役って何者なんだ?」
「ああ、末の妹ですか?」
「んん?」
「私の妹が、熊本君の妹さんの護衛役を務めてますの」
「なるほどね・・・ってお前は!!」
「どうかしました!?」
ハックの叫び声と同時に高松先輩が振り向く。
ギイとドアが開いた。
「お前は・・・雷!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.160 )
- 日時: 2015/03/26 15:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
雷の小さな体が現れた。
ざっと140㎝だろうか?
「はじめまして、高松樹里奈、坂出ゆりか、僕が青竜院雷だよ、以後よろしく」
「ずいぶん学校を荒らした挙句、生徒に手を出しやがって・・・・」
「ところで女体の神秘、知らない」
「さあ・・・御存じ上げませんね」
「あっそ・・・」
ハックと公平が動きを止める。
「さっきの続き、ここでやろうか?」
「やめてください、そんなこと」
「やめろ長、ここでやりあうな」
長崎光平のニックネームは長である。
「だけど・・・」
「ここはダメだったな」
雷は消えた。
「くそっ、逃げたか!」
さて家庭科室・・・・
「作ったのはいいんですけど・・・生徒会長も、いったいこんな窮地に何考えてんだか・・・」
宇多津先輩も考え込んでいる。
と、そのときだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(155) ( No.161 )
- 日時: 2015/03/27 13:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
最初に 今回は公立不合格だったんでそのスペシャルはカットですが、進路決定スペシャルです。
高校に入ったら週5回の掲載を予定しています。
家庭科室のドアが開いた。
「いやっは〜♪くんくん、何やら美味しい匂いがするじゃん!」
うわわ、なんかテンション高い人が来たんですけど。
「なに作ってるの宇多津っち?」
え、宇多津っち?
容姿はショートカットの銀髪にオレンジの瞳か。
「何言ってるんですか、見ればわかるじゃないですか、ドーナツですよ」
「あれ〜、その声は熊っちに阿蘇っちか」
おいおい、僕は熊本の熊に篤は阿蘇宮の阿蘇かよ!?
でも何で僕の名前を?
しかしいったい何者なんだ?
「私は生徒会長高松樹里奈っちのかわいい可愛い妹で給食委員長の『高松彩音』でぇ〜す♪」
あ、確かに、瞳の色には違いがあるんだけど似てるなあ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(156) ( No.162 )
- 日時: 2015/03/30 14:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「でも・・・どうして高松先輩・・・これじゃ生徒会長とかぶるし、彩音先輩でいいですか?」
「うんいいよ、熊っちに阿蘇っちって呼ぶね?」
やっぱり『〜っち』はつけるんだな。
しかし熊本の熊と阿蘇宮の阿蘇につけるのがどうも納得いかないんだけど。
できれば、熊本っちと阿蘇宮っちのほうがよかった。
「でも、どうして生徒会長は彩音先輩を・・・」
「お〜い!!!雷を見かけなかったか?」
ハックが合流した。
「いや・・・これは!?」
氷の塊を見抜いて横ぎり一発。
「くふふ・・・やっと見つけたよ・・・・高松彩音・・・」
雷がそこに突っ立っていたのだ。
「きやがったか・・・」
「女体の神秘とか何とかを追い求めてるみたいでね・・・」
「女体の神秘?なんかエッチだなぁ」
何彩音先輩体うねらせてるんだか・・・
「先輩!逃げてください!!こいつの目的は先輩なんです!!!」
「あたし?あたしがどうして狙われているかは知らないけど、どうも戦わずに逃げるのはプライド的に無理かなぁ」
楽観的すぎるぞ、これ。
このままじゃ彩音先輩が危ない。
と、そのときだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(157) ( No.163 )
- 日時: 2015/03/31 14:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「教えてもらおうか?高松彩音。女体の神秘はどこだい?」
「え、あたしじゃないの?」
「彼女じゃない?となると、一体誰なんだ?」
ハックは何がどうなっているのかさっぱり分かってない。
「・・・確かに、ちょっと条件満たしてな・・・・・」
「もういいから!言ってることは分かってるよ!けど十分人望くらいありそうだし!!」
ハックが僕を殴りつけた。
たんこぶが1個できた。
ハックの力ってどれくらいなんだ。
「いちち・・・その女体の神秘は誰だって訊かれてるの!!」
「いや・・分からないなぁ」
「しかし、一体誰が持ってるんだろう・・・」
「くふふ・・・そいつは・・・ももりんさ・・・」
「ももりん?」
「ももを!?家に引きこもってるから学校にはここ3〜4ヶ月来てない筈だけど・・・」
また雷は消えた。
「くそ、どうも家のほうに向かってしまったようだな。しかし、ももって女の子はいったい何者なんだ?」
なんなんだこのざわつき・・・
「うっ!!」
僕の記憶が風のように蘇り始める。
これは・・・山本の師匠が殺された時のシーン!?
そういや女の子2人と一緒にいたなぁ。
「まさか・・・ケンは・・PTSDにかかってたの?」
「いや・・・ちょっとした出来事だけどね・・・」
「いいや、僕にとっては身内の問題と同然だよ。一体何があったんだ!?」
「それは・・・」
ハックは僕の話を素直に聴いてくれた。
「そうか・・・山本の師匠が殺された時、あの銀髪の少女とケンがいて・・・その視界には若干年上の少女がいたというわけなんだ」
「うん」
「何かあったの?」
双子姫が来ていた。
「姫さん、お留守番してたはずなのに・・・何か思い当たったんですか?」
「うん、熊本君たちが心配でつい・・・」
「改めて訊きますけどももちゃんって何者なんですか!?」
「ハック君、面白いこと言うわね」
「え?」
ハックはきょとんとしてる。
「まさか・・・身内の人!?」
「そうですよ・・・」
「もしかして・・・ももちゃんは・・・生徒会長と彩音先輩の妹なんですか!?」
「ええ」
「ええええええええ!!!!?????」
みんなの声が木霊す。
僕らは、驚愕のモノローグを聞いてしまったのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(158) ( No.164 )
- 日時: 2015/03/31 16:00
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて・・・
京都府向日市と京都市西京区の境界付近に建っている高松邸・・・・
とても女子の部屋とはいえなさそうな部屋の中では1人の少女がある少年の帰りを待っていた。
「早く・・・ぬらりひょん様に会いたい・・・」
ぬらりひょん・・・・それは8年前のPTSDを持っている少年のことだ。
彼女は彼のすぐそばにいて、山本の師匠が殺されたのを目撃している。
その少女こそ・・・女体の神秘の持ち主であるももちゃん・・・高松桃香なのだ。
熊本健太郎と同じPTSDを持っていた。
雨音を聞くと山本が殺された事件を思い出してしまうという。
彼女は資産家のお嬢様である・・・
高松家17代目の娘でもあり、熊本杏香の護衛役でもあるのだ。
式神を操るのを生業とする四条流の家に弟子入りしたのは7年前。
そして実力をつけていったのだ。
さて、そんな彼女に転機が訪れたのは半年前のこと。
熊本杏香の護衛役に任命されたのだ。
そんな彼女は不登校児で保健室登校が多い。
「ぬらりひょん様・・・」
そうつぶやいた瞬間だった。
チャイムの音がなった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(159) ( No.165 )
- 日時: 2015/04/02 11:30
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そこには11歳の少年の姿があった。
「誰なの・・・桃香には関係ないよね・・・」
すぐにすごい音がなった。
ドアが破壊される音。
「何なのあれ・・・・」
そのときだった。
あの少年の姿があった。
「くふふ・・・やっと見つけたよ・・・ももちゃん・・・」
「あなたは・・・」
「おっと、失敬。僕は青竜院雷・・・女体の神秘の探求者だよ・・・」
「にょ・・・女体の神秘?よく分からないけど・・・ももに何か用?」
「僕の宿願は、ももちゃんの協力によって終るのさ」
「え?協力?」
桃香にはさっぱり何のことだか分からない。
雷が何を言っているのかも。
「そう、誰も愛されることなく・・・愛されても愛情が足りなく・・・ほかの誰よりも・・・・・だから、もっと愛を知りたい・・・・母性や包容力のある女性・・・それこそが君なんだよ」
愛情は全部熊本健太郎(ぬらりひょん様)にしか捧げていない。
もう答えは決まっていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(160) ( No.166 )
- 日時: 2015/04/03 14:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「残念だけど・・・どれは無理よ・・・・桃香には、好きな人がいるの・・・・あなたには協力できない」
「・・・え?」
雷は目を丸くした。
どうも桃香の言ってることが理解できてないようだ。
いやいや、理解したくないのかもしれない。
「ちょっとでもいいから・・・少しの間だけでもいいから抱きしめてよ!!ほめてくれるだけで、嘘でもいい!!!愛してるだけでもいい!!!どうか・・・どうか、このぽっかり開いた穴を埋めてよ!!」
「ごめんなさい、その言葉はあの人にしか言えないの」
あの人・・・それはやはり熊本健太郎のことだ。
そのときだった。
立ちくらみを起こしたかのように顔を片手で抑えてよろめく。
「嫌だ・・・・誰にも愛されない・・・・・そんなの嫌だあああああ!!!!」
目を見開き、天井に向かい叫ぶ雷。
その魔力は波紋のように響きと伴って放射されていく。
「つ、冷たい!」
その魔力は部屋をも氷漬けにし、水溜りもでき始めていった。
「あわわ・・・ももの部屋が・・・・・」
氷漬けになっていく部屋、風が強まり、雷の音も響く。
人形も雨でぐっしょり。
「ぬらりひょん様・・・助けて・・・・・・」
涙が一粒垂れる。
もう雷を鎮めるには愛の告白を無理やりやるしかない。
チャイムの音が鳴り響く。
「桃香さーん!!!そこにいるんでしょ!!!返事してください!!!!!」
ハックが声枯れしそうな大声で呼ぶ。
「あれは・・・ぬらりひょん様?」
「来たか・・・熊本健太郎、阿蘇宮篤。全てを奪い取ってきた張本人だけは許さない」
「どうして・・・ぬらりひょん様や阿蘇宮君を恨むの?」
「・・・それは、僕の兄弟を全員奪ってきた張本人だからさ。あいつらさえいなければ、全ては平和だった・・・・なのに・・・なのに・・・あいつらが全部奪っていったんだ!!!」
桃香はいまいち雷の怨念が理解できなかった。
あの2人はそんな強引な手で奪うような少年じゃない。
むしろ、京都の町が大好きな雅な少年だ。
何か理由があって引き止めてる・・・それだけのことだ。
でも理由が分からない。
最近、考えることをしてなかったから・・・
ぬらりひょん様・・・もしそうなったらあなたはどうなさいますか?
そう僕に問いかけた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(161) ( No.167 )
- 日時: 2015/04/06 10:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてその頃・・・
僕らは、高松邸の前にいた。
「やっぱり・・・チャイム、鳴らすべきかな?」
僕はハックに訊いた。
「うん、たぶんちゃんとした最低限のマナーだろうし・・・急がなきゃな。なん瀬、ケンの知人もこの奥にいるわけだし」
「でもまあ、僕とよく似た境遇のやつだったなんてね。びっくりしたよ」
「え?」
「僕は、熊本家15代目、ぬらりひょん23代目を継ぐことになってるんだが、高松桃香もまた・・・次期当主なんだ」
「次期当主?」
「そう、高松桃香も、高松家11代目の跡取りなんだよ」
「そうか、だとすれば、似た境遇というのもうなずけるな」
「そうだ、早く桃香を助けなきゃいけないな」
「分かったよ」
「篤も行く」
しかし、いざ入ってみると雷の配下らしい鬼が僕を待ち受けていた。
「くそっ、鬼がここにいるとは想定外だった。しかし、よっぽど邪魔されたくないみたいだな」
「ああ、あいつには鬼の側近が結構いるんだよ。でも、そのほとんどが7歳かそこらなんだがな」
「でもどのみち、こうなることは予想できてたんだ。早く鬼をなぎ払わないとな」
「それなら、3人でやったほうが早い」
「おう」
「皆で手分けしてなぎ払うんだ」
「OK、任せな!!」
「ちょっと待ちなさい」
僕らは呼び止められた。
「澪!!??」
そう、そこに立っていたのは紛れもなく澪だった。
「久しぶりね、熊本君、阿蘇宮君、ハック」
「どうして!?学校あるんじゃないのかい!?」
ハックは中2のわりに姉の大学のことを気にしてる。
「そうね、それもそうだけど今は夏休み。ゆっくりしてたら急な豪雨。一体何があったのかと思えばあなた達が皆事件に巻き込まれてるみたいだし。だから、何かあったのかと思ったら案の定ここにはあなた達ってわけよ」
「そうか・・・」
それで僕らはあっさり納得した。
「ここで私に提案があるんだけど、私にここを任せてくれない?あなた達は奥の知り合いの女の子を守り抜きなさいな」
「・・・分かった」
「そう、じゃあ鬼の相手をするのは私でいいよね?」
「もちろんだよ」
「そう、じゃあいってらっしゃい」
「OK、頼んだよ!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(162) ( No.168 )
- 日時: 2015/04/06 17:37
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「雷の本体はどこだろうか・・・」
「おそらくあの魔力の原点は2回・・・この階段の奥だな」
「奥か・・・十分近くなってきてるようだ」
「そうだ・・・」
僕らは階段を3階まで上っていった。
ところが、鬼がうじゃうじゃいた。
「くそっ、まだいやがったか」
「どうもそれくらい邪魔されたくないと考えてるみたいだな」
「これくらいなら・・・ゴッド・オブ・サンダー!!」
僕は鎌鼬となって鬼を切り裂いた。
「ふぅ、これは結構な機動力を誇るんだけど、制御がかなり難しい技なんだよな・・・」
「それはどうも・・・でもどのみち、鬼を葬り去ったんだ。あとはこの奥野桃香先輩を救いに行こう!」
「そうだな」
さてその頃・・・
高松邸・窮地・・・・
あったかいお鍋をおこたつの中で食べたらさぞ温まるんだろうな・・・
でもコタツは30m(実際は30㎝)も向こうだ・・・
あんな遠いところまで行けっこない・・・・
「はあっ!!」
刀が鍵を切り裂く。
あの面影・・・
忘れることはない。
熊本健太郎・・・後の23代ぬらりひょんだ。
「ぬらりひょん様・・・?」
「ああ、助けに来た。それだけだ・・・」
「でも・・・ちょっと面影が変わってるような・・・」
まあ無理もない。
何しろ僕は緑と青のオッドアイじゃない。
八代海斗との合成だ。
桃香のメイドは僕のことをマークしている。
僕の実力、妖怪ぬらりひょんんとしての技、全てを知ってる。
それに、僕はまるでつめたい獄の中にいるような心地だった。
僕が何をしていて、誰とつるんでるのかも報告してる。
僕は・・・その冷たい獄の中から出て来たのだ。
「桃香ーーー!!!」
「桃香先輩!!!」
3人の声が合った。
そう・・・僕はここに助けに来たんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(163) ( No.169 )
- 日時: 2015/04/07 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
一瞬の沈黙をはさみ2人の声が合った。
「やっと・・・会えた」
桃香は銀色の髪は髪留めでまとめてるだけ。
陶磁器のような白く透き通った肌。
僕は吹雪が吹き荒れ始めるかのように桃香との思い出が蘇る。
今にでも駆け寄りそうだったが、それを許さぬかのように足に氷の枷ができていた。
ハックはすべてを察したかのようだ。
まるで金田一はじめのように。
僕はとっさに駆け寄る。
「桃香!!」
「・・・ぬらりひょん様・・・」
そうか、全部思い出した!!
僕を桃香だけこう呼んでたな。
りんごのように頬が赤くなっている。
喩え僕が云十回云百回忘れても思い出させてあげるとでもいうように。
「僕がきたからには、もう安心して!絶対助けてあげるから!!」
「うん!!」
「あ、すまない!!ちょっと強く握りすぎたかな?」
うかつだった。
ちょっと強すぎたか。
「ううん、むしろ、気持ちよかったから」
「そうか?」
「なんでもない。頑張って、ぬらりひょん様♪」
桃色と黄色のオッドアイが見える。
桃香は僕にエールを送る。
僕は雷を睨みつける。
そしてブーメラン型のカッターを突き出す。
「もうそろそろ、追いかけっこは打ち止めにしよう」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(164) ( No.170 )
- 日時: 2015/04/08 15:38
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ちょうどいいよ。僕も今は疲れてきてるんでね。目的の女体の神秘も探り当てた。僕の望みは成就できたはずだった・・・ほめられる・・・それだけで・・・それなのにまたしてもお前だ。熊本健太郎、阿蘇宮篤。どうして僕の望みを邪魔立てし続ける」
「当然だ。散々お前のために京都の町をこれ以上荒らさせることはさせないからな。だって、僕は京都の町が大好きだからだ」
「お前のため・・・?よく言うよ。家族を奪っていった張本人のくせして豪そうに。僕だって・・・京都の町をめちゃくちゃに破壊する。しかしまさか・・・女体の神秘がお前の知人だったとは・・・ちょうどいい。お前を葬った後でゆっくり堪能しよう」
僕はバンダナを巻きつけ、カッターを突きつける。
「お前の実力を見せてみろ。必ずお前を倒す!」
僕のオッドアイが光る。
「・・・陰の悪魔・陰の妖怪と陽の悪魔・陽の妖怪との違いを火に喩えた男がいたな・・・陽の妖怪と悪魔は畏の力を火薬として闇に打ちあがる花火のように人々を魅了させる存在。だが・・・陰の妖怪と悪魔は暗闇に燃え上がる業火・・・すべてを焼き尽くし、人々を恐怖に陥れる存在だとね・・・陽と陰、交じり合うことのない平行線・・・」
「そうだ。僕を見てなんとも思わないか?」
「・・・あの姫の面影が・・・色濃く残ってる!?」
「ああ。あの姫とは・・・16代目の妻だよ。その一族の子孫が・・・・この僕だってことだ」
「・・・ならばちょうどいい。ますますお前の首の価値も上がったわけだ。ならば・・・・・・23代目でぬらりひょんを根絶やしにする!!」
「そう、ならば・・・これをしかと目に焼きつけよ!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(165) ( No.171 )
- 日時: 2015/04/09 18:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は白竜・黒竜を抜き取った。
「ケン!!援護するよ!!」
「いいや、ありがたいけど、僕らでやる」
兄弟喧嘩なんてやらせるわけがないだろうよ!!
「何かあったの!?2人とも、ハック!」
何食わぬ面で瑠璃と麗魅が現れた。
「すまない・・・2人は今・・・雷と戦ってるんだよ」
僕は近距離からの攻撃。
篤は遠距離からの射撃という連携技で打って出る。
でも雷はもはや鬼の顔が顔の右半分を覆っていた。
「ケン・・・すまない・・・・・・僕や雪・・・零たちは人間としての面影が強いほうだったんだ。でも、雷は違う。暴風雨の神の血が強かったんだ。だから、鬼の顔にもなれるんだ」
「そうか・・・」
ハックと僕は雷の力を思い知ることになる。
「好機・・・」
二つの氷のつぶてが形成される。
「来るぞ・・・・」
「え?」
僕らは知らなかった。
砲弾ぐらいの大きな氷のつぶてが来ることを。
「くらえ・・・・氷雹砲」
「・・・この鎌の名は・・・応竜。切れ味抜群のカッターさ。このカッターは全てを切れ味で掻っ切る!!!」
「!!?」
僕は氷のつぶてを掻っ切った。
ちなみに 応竜とは中国神話で四霊の一種です。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(166) ( No.172 )
- 日時: 2015/04/13 19:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「バカな•••自慢の技がこんな型で破られるとは••••人間のクセして‼︎」
「相変わらず僕とはそういう男なんで。簡単には殺せないよ?」
「••••まあいい。そのぶん殺しがいがあるし」
雷は槍で攻撃した。
でもその時僕の力が発揮した。
鏡花水月。
ぬらりひょんとは鏡に映る花。
水に浮かぶ月。
それらの様にぬらりくらりとしている。
そういう妖なのだ。
「ぬらりくらりといつもやり過ごす。必ず首は頂くつもりなのに•••」
「このなりで行かせてもらおうか••••」
僕のさらなる力が発揮した。
「皆も援護してくれよ」
「うん」
「行くぞ!ゴッドオブサンダー!‼︎」
僕は鎌鼬のように疾風となった。
これが僕の超突進。
「ところで、桃香の具合はどうなんだ?」
僕は突進しながら訊いた。
「ああ、治療は必要になるかもしれないけど大丈夫だよ」
「そうか、ならばよかった」
僕は雷に向かって突進した。
しかも篤の弦に囚われた。
もう逃げられないぞ‼︎
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(167) ( No.173 )
- 日時: 2015/04/14 05:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕の突進がみぞおちに入った。
だけど、僕らは6人がかりで倒すのも一苦労している。
「くそっ、僕らが6人でぶつかってもなかなか倒せないな」
「これも危険な呪いのせいだな」
ハックの博識は大したものだ。
でも、今はそう言ってる場合ではないようだ。
ハックも攻略の糸口を見出せてない様子だ。
僕らは一体どうやって倒せばいいのか考えていた。
その時だった。
雫が霊を引き連れて来た。
「2人ともいったいどうしてこっちに来たんだ?」
苦労人ていうか常識人ていうか。
ハックはきっちり理由を訊く。
「まあな、北陸の立山や白山での修行をちょっとばかり終えてきただけだ。それで京都に帰ってきたら、今の様子。何かあるなと思ったらなるほどお前ら雪と阿蘇宮の弟2人で家に残ってたわけだ。それで弟に話を聞いたらここにいたと聞いてここに来たってわけさ」
「すまない」
ハックは謝らざるをえなかった。
「しかしまあこの禁術を大魔王が使うようになるとはいったい魔界はどうなってるんだ?」
「因みに、悪魔も人間みたいに限界もあるんだ。11歳であの魔力は危険なんだ。
武器にも限界もあるからな•••」
「うん•••」
「ましてや、特殊能力者でもないからな」
「使い魔を使えないのか?」
「いや、魔力を制御するのが使い魔の本業。僕らみたいに武器を持っていたら所有はできないみたいだ。その証拠に僕も持ってないからね•••暴走のことをちょっとばかり難しく話そうと思うんだけど、いい?」
「わかった」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(168) ( No.174 )
- 日時: 2015/04/14 22:51
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「暴走を、魔力を空気、母体を風船に見立てて話すよ。母体にはもちろん、魔力を制御する限界がある。それを超えると暴走が起きてしまう。この暴走には2つの意味があるんだ」
「2つの意味?」
「ああ、1つは・・・武器だな。そいつが保有できる力を超えると、暴走が起きてしまうんだ」
「それで、もう1つの意味は?」
「悪魔自身がそうだよ」
「え?」
「破裂がどういうことか、分かるだろ?」
「もしかして、死ぬ?」
「そう。あの小さな体に大きな力を持つのはあまりにも危険だ。だけど、僕は違う」
「どういうこと?」
「僕は14歳。中学2年だよ。14歳で魔力を自由に制御することぐらい、簡単にできるんだ」
「そうか・・・」
「だけどね、雷がたとえ2つ武器を持ってても、武器の制御量はその合計だ。だからといって雪みたいに、空中に魔力を放つこともできない」
「だから、どうするの?」
「この異常気象を起こすことさ。これ僕とか雪、雷にしかできない業なんだよ」
「まさか、この異常気象起こしてる最中にも・・・」
「そうだな、いったい魔界にも人間界同様の禁術があったなんて知らなかったよ・・・」
ハックも天井の隅に目をやった。
「雷・・・ちょっと手荒だが、悪く思うな?」
雫が構える。
「『真・・・円浄水』!!!」
彼再水のような水の波紋が浮かび上がると、拳で吹っ飛ばした。
「やったか・・・?」
雫は体勢を立て直す。
ブラック・スペリングが破壊された。
「よっしゃあ!!」
「やったかな・・・・」
「いや・・・・」
ハックは、唾をごくりと飲む。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(169) ( No.175 )
- 日時: 2015/04/14 23:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ふふふふふ・・・」
「お前はいったい誰なんだ!!!」
僕は声を張り上げて怒鳴った。
後ろに何かしらの気配。
「あれは・・・」
「いやはや、お前たちには感謝せねばなあ。よくこの体を救ってくれた。さすがはわが血を受け継いだな」
「そうか!!」
なぞの男の姿が見えた。
澪もあの声に駆けつける。
「ま、まさか・・・」
ハックもそうかと思う。
「あ、あんたは・・・」
「青竜だな」
あの青の鱗、あの髭。
間違いなかった。
いつかみたあの青い竜と似ていた。
「僕の先祖は・・・青竜だよ」
「ああ、京都では四神相応の流水、鴨川に見立てられた神のことだよね?」
「そうそう。僕らは、青竜と陰陽師の混血なんだよね」
「陰陽師?」
「安倍晴明一族だよ」
「晴明?」
「ほら、日本の陰陽師だよ」
「ああ、思い出した」
「京都に都が選ばれたときから始まるんだよね。それから100年200年続く鴨川の洪水。これに参った貴族たちは陰陽師に頼みを呼ぶ。そこで、安倍の一族は青竜にこれ以上人々を苦しめるのはやめるように言った。そこで言われた条件は・・・自分の娘を跡継ぎに嫁がせることだよ」
「そうか・・・だから人間みたいな容姿をしてるんだよな」
「そういうことだ」
「陰陽師みたいに、霊媒師は人間界と魔界をつなぐパイプ役でね。人間界で面倒後と起こす妖怪もいるんだ。だから、そいつを捕まえてくるのが霊媒師の仕事なわけさ」
「そうか・・・でもどうして雷の体に?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(170) ( No.176 )
- 日時: 2015/04/17 21:56
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「どうやらこやつはわしの血を最も色濃く継いだらしい。なかなかの実力じゃ。しかし、こやつには足りないものがある・・・・」
僕は一瞬はっとなった。
「それってまさか・・・」
「そのとおりだ、ぬらりひょん23代目・熊本健太郎。それこそが愛なのだ」
ハックも気づく。
「そうか・・・雷は数年間も愛情を追い求めてたのか・・・」
僕らの胸に何かが引っかかる。
「そのとおり、だからわしが力を貸してやったのだ」
「何のために回りくどいまねを・・・」
「許せ、熊本健太郎・・・いや、23代目ぬらりひょん。わしも21世紀の京都は初めてだったのでな。ついうかつにもはしゃいでしまった。わしにとっては遠い孫なのでな」
そうか・・・いったいそれにしてもハックたちは何代目なんだ?
「どうして、何の為にあのブラック・スペリングを?」
僕はやれやれと思う気持ちで聞いた。
「こやつは、天才の虚無が見えておったからだ」
「え?そんなこと、してる場合じゃないと・・・」
「無駄だ、23代目。今のおぬしの実力では大魔王と戦うには早すぎる。それに、そこにはわしの子孫がいっぱいいるだろう」
「そう言えばそうだったな・・・・」
「立ったら心配はいらん。さて、久しぶりに体も動かしたし、子孫たちとも戯れた。さて、わしはここで帰るとしよう」
「おいおい、現れたと思ったら消えちゃうのかよ?」
ハックはやれやれという様子だ。
「しかし、こやつの望みをかなえてないからな・・・すぐには帰れん」
「あっ、それってもしかして・・・」
「そのとおりだ、23代目。愛情を求めているからなのだ。こやつの望みは女体の神秘よ・・・」
青竜が指差したのは桃香。
「おぬしに協力してほしい」
「え?」
ハックは何のことだと反応した。
すると・・・・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(171) ( No.177 )
- 日時: 2015/04/19 23:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「こほん、それはその・・・おぬしの胸にうずまり、よしよしとなでてもらいたいのだ」
「ええっ!?」
ハックも僕らも驚きの声を出した。
半分引き気味の桃香。
顔面蒼白だ。
まあ無理もない。
あの容姿で渋い声で、あんなこと言われたらああなるわな。
「そこを何とか!どうか協力してやってください!!」
ハックは合掌して頼み込んだ。
「でもみんな・・・ここの修理してくれるよね?」
僕は周りを見渡す。
それくらいのことはやらなきゃな・・・・
「本当に申し訳ない・・・わしも抗いはした。しかしあのブラック・スペリングの力は敵わんかった。あれは最大の禁術だ」
「僕からもだよ。ちょっと嫌だろうとは思うけど、このままじゃ何も進展しないのと同じだよ。それに雷を取り戻さないと京都の町もこのままだし・・・」
さすがこれは難しいかなとは思うんだけど。
「ぬ、ぬらりひょん様がそうおっしゃるならやってもいいよ?」
あっさり桃香は承諾してくれた。
「ありがとう・・・・桃香さん」
「でもどうすればいいの?ただ単に抱きしめるだけ?」
「いいや、よしよしと撫でてやってくれ。そうすれば、ゆっくり安心して眠れると思うよ。そうそう、それから子守唄も聞かせてやるのも効果が強いらしい」
ハックたらどれだけの教養・知識があるんだ?
「な、なんか・・恥ずかしいよぅ・・・・」
「大丈夫だ、心配することはないよ。がんばれ」
僕はやさしくエールを送る。
「ぬらりひょん様、私がんばります♪」
しかしまあ現金だなあ。
まあやる気があるのならまあよしとしよう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(171-1)・(172) ( No.178 )
- 日時: 2015/04/20 22:00
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
はじめに 参照1000を超えました!受験で忙しかったですけど、読んでくれてありがたいです。
僕らは見守ることにした。
「よ、よしよし・・・」
雷の身長は140㎝だ。
そんな雷の頭はちょうど桃香の胸元に来る。
雷はすやすやと眠ってる。
よかった。
おっと、青竜の姿も消えた。
「もうOKだよ」
ハックが合図を送る。
「そう、ありがとうハック君」
「それはどうも」
とぼくらの元に駆け寄ろうとした。
「う〜ん、いかないで・・・」
「あ〜あ、ぐずりそうだな」
「どうやら当分離れそうにもないかもな」
僕らは顔を見合わせる。
篤はつぶやく。
「こりゃ悪いけど当面我慢させなきゃな」
「後は洛西学園と人々の記憶からの消去ね」
澪も同調する。
「洛西学園のことは心配ないよ」
「え?」
「僕の仲間がちょうどそこにいるから」
「氷漬けになってた生徒は大丈夫だった?」
「いや、命のほうは大丈夫なのは大丈夫なんだけど・・・凍傷が結構重症で・・・」
「あ、そうそう霊を連れてったらどうかしら?」
「そうか!霊の力なら確実に治るからな!!」
「そういうこと」
「僕らは洛西学園に行ってくる」
僕らは洛西学園に向かった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(173) ( No.179 )
- 日時: 2015/04/20 23:37
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
洛西学園・・・・
そこは京都きっての私立の総合学園である。
小学校は4クラス、中学校は6クラス、高校は9クラスだから驚きだ。
しかも、内部進学が基本となってるため、幼小中高一貫教育が受けられるシステムとなってる。
しかも京都初めての今日学校の私立一貫総合学園だからこれもすごい。
さて、前回まで、洛西学園は窮地に陥った(!)わけだが、無事、窮地から救うことに成功した。
僕らは高等部の生徒会長に会いに行くことにした。
「熊本君?」
「・・・はい」
「桃香のことは?」
「ああ、家がちょっと面倒なことになったけど、大丈夫ですよ」
「家が面倒なこと!?それどういうことですか!?」
あ、これはちょっとまずかった。
まあ、どのみちばれることだから。
「いや、ちょっと・・・・修理してるんで・・・まあ大丈夫かと・・・」
ハックもたじろぎ気味だ。
「そう、それならいいんですけど・・・」
僕らはいぶかしげな生徒会長と目をまともにあわせられなかった。
霊には洛西学園にとどまるよう頼んだ。
まあ、あいつには凍傷の生徒を回復させねばいけないからね。
僕らは洛西学園を後にした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(174) ( No.180 )
- 日時: 2015/04/21 21:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕らは高松邸に戻った。
もう修理が進んでいた。
「うわぁ・・・すごいや・・・」
やっぱりあの姿はルナだ。
白衣が床板すれすれだから分かる。
「ルナ・・・」
「まったく2人ともよく面倒ごとを起こすんだから」
「すまない・・・だけど、今回は僕の弟のわがままが原因で・・・」
「確かにそうなったのは禁術を使った大魔王だけど、あんたも関わってるでしょ?」
確かに関わってるっちゃ関わってるんだけど・・・
「で、この部屋は・・・ルナが直したの?」
「まあ、そう考えたほうがいいんじゃない?しかしまあ、ルナの実力は侮れないな」
でもやっぱり大きな胸が目立たないわけではないがな。
「ハック、熊本」
「え?」
そういや僕らはルナと話をしていてさっぱり片付けに関してはまったく見向きもしてなかったな。
「2人とも片付け手伝え」
「ああ、すまんすまん。でも命じたわけでもないのにどうして?」
「いろいろ迷惑かけちまったからな。散らかってる部屋くらいは片付けないと」
「で、雷はまだしがみついたまま?」
「そうだ。もうそろそろ起きてもいいんだが、まったく起きて粉言ったらありゃしない」
「だったらさ、熊本君たちの家に来てもらえれば?」
澪が突拍子もないことを言い出した。
「ん??」
「霖は今どこにいるかは分からないけど。とりあえず、みんなの会話聞いてたら目も覚めるんじゃないかなって・・・」
「でも17時だし・・・あと1時間半くらいで日も沈んでるし、まあよしとしようぜ」
「分かった」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(175) ( No.181 )
- 日時: 2015/04/21 22:02
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「あっ。それから、ルナがやってくれてる、あのみんなへの記憶消去のことは?」
「そうだったな、ハック。ちなみにさ、人間界の支配者にやらせるんだったよね」
「あっ、その人なら、僕は会ったことがあるよ」
「え?」
「3年前たまたま僕からぶつかってきて・・・そいつが人間界の支配者だよ。もちろん一般的な日本人だった。でも容姿はちょっとチャラいからそう感じさせないけどさ。でも境遇はケンと似てるし・・・まあ、いずれ会うんじゃないかな?」
「そうか、その証拠に僕はすでに五つの世界の支配者の1人に出会ってるからね」
しかし、お互い密接した世界だし、いつか会えるんじゃないのかな。
そう思って僕らは家路に着いた。
「ただいま!!!」
「ハック!熊本君!!」
「すまない・・・ちょっとばかり帰りが遅くなった」
ハックは頬をかいて心配させたことをわびてる。
「霄、僕はある人物とであったんだ」
「誰なんだそれは?」
「ケンの友人の桃香って女の子だよ」
「近頃風は吹き荒れっぱなしだし、いろんなことが起きててもう散々。僕らだって本当はぐっすり寝たいよ」
「おっと、夕飯の準備ができたようだ。さ、みんなで食べようぜ」
「OK!!」
19時、僕らはついに夕食にありつけた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(176) ( No.182 )
- 日時: 2015/04/25 23:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
20時・・・
僕らはゆっくりしていた。
「ゆっくり煎茶でも飲んで落ち着こうぜ」
僕とハックはお茶を点てるための湯を沸かしていた。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
あ、これはもしかして桃香なのかな?
「お久しぶりです。ぬらりひょん様」
「おいおい、桃香さん。ついさっき一緒にいたじゃないですか」
「そうだよ」
「あ、そうですね」
やっぱり美少女やなぁ。
「この子、ずーっと寝言で兄弟のことはなしてましたよ?」
「そうか。もうそろそろ起きろ、雷」
ハックが起こしてやる。
中2の兄としてだな。
「う、う〜ん」
雷が目を覚ました。
僕のほうを目をやる。
「熊本・・・健太郎に・・・阿蘇宮・・・篤・・・・」
「ああそうだよ、もうそろそろいいだろ?桃香を開放してやれ」
「桃香?」
「ああ、お前を抱っこしてるお姉さんのことだよ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(177) ( No.183 )
- 日時: 2015/04/26 22:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「君が・・・?」
「そうだよ、姉妹たちみんな心配してるんだ」
「え?」
桃香を解放すると、言われるがままに周りに見渡す。
「ほんとだ・・・みんなのにおいがする」
「おやおやぁ、雷ちゃんじゃない?」
露が声をかける。
雷は堪えきれずに涙を流し、靴のまま露に抱きついた。
ハックはとっさに靴を脱がせる。
やっぱりハックは苦労人なんだなぁ。
「すみませんね。こいつのためにいろいろ苦労させちゃって」
ハックが雷に変わって謝る。
「いいえ、皆さんのお役立ててありがたいです♪」
「あれ、敬語になってない?僕は後輩なんでため口でもいいのに」
「いえ、ぬらりひょん様は私のヒーローで、その関係者もなんかちょっと・・恐れ多くて・・・」
「そうか。あ、もうそろそろ時間だな。もう変える時間だし、送っていこうか?」
「い、いえ私、ここの地域は詳しいんで1人でも大丈夫です」
「そうか。それじゃあ」
「さようなら」
「うん、じゃあな」
そして23時・・・
僕は空を見上げていた。
澪が何かあったのかなと思って僕に駆け寄る。
「どうしたの?」
「澪、大魔王はもう護衛役全員投下しちゃったんでしょ?」
「そうよ。それがどうしたっていうの?」
「次の刺客は誰になるんだろうなって・・・」
「私もそれは分からないわね」
「そうだよな」
僕はまだ知らなかった・・・
僕の新章が始まろうとしていることを。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(178) ( No.184 )
- 日時: 2015/04/27 22:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
体育祭1ヶ月前・・・
僕らはとりあえず体力やら技術をつけるために午前中はジョギングとかに専念していた。
体育祭に勝ちたいからね。
「熊本君。変態軍団とか何とかって言う人たちって何者なの?」
霊が僕に訊いてきた。
「そうだな。僕らと同様小等部からずっと同学年・同クラスであり続けたしょうもない連中のことさ」
「ふうん。どうして、そんなに勝ちたいの?」
「そうだな。あいつらを勝たせちゃったらあいつらつけ上がるだろ?それで、暴走起こして犯罪に手を染めかねないからね。友達としてそれは止めなきゃいけないからね」
「へぇ。やっぱり熊本君は友達思いなんだね」
僕はちょっと恥ずかしかった。
「そ、そうかな。僕はここらでちょっとジョギングしてくるから」
「いってらっしゃい!皆」
そんな僕を霊は見送った。
(ようし、あたしもがんばらなきゃ!)
霊は僕の後を駆けていった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(179) ( No.185 )
- 日時: 2015/04/27 22:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都府の夏は暑い。
最高気温が30℃越えというときもある。
でも今年は違った。
なぜなら台風がいっぱい来たから、8月16日の最高気温は30℃ぐらいですんだ。
雪もこの雨に参ってるようだ。
「雪、どうかした?」
「どうしたもこうしたも、最近雨ばっかりで元気が出ないんだよねぇ」
え?
どうして悪魔が雨となるといやなんだ?
「それはさ、雨が降るとちょっとばかり外に出られないんだよね」
そういうこと!?
「まあ分かったよ。今日は確かに雨だけど、いつかは晴れるから」
「晴れるって・・・いつ?」
ぬけぬけとそんなこと訊く雪。
テレビをつけてデータ放送をチェックする。
「ううんと・・・19日は晴れるって」
「そうなの?京都の街並み見てみたいな」
「そうか。じゃあ、19日は京都一周に充てようか」
19日は皆練習もあるし、この日は位は京都一周に充てよう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(180) ( No.186 )
- 日時: 2015/04/28 21:50
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
8月18日・・・
僕らは京都市西院に来ていた。
それはある人物に呼ばれたのだから。
「何だこの手紙?」
「やっと出会ったね・・・」
「え?」
「びっくりさせてごめん。俺は菊池英治って言うんだ。東京のとある中学校3年だ」
「お、お前・・・」
あの顔、間違いない!
2年前の夏休み、東京都葛飾区の扇大橋付近の廃工場に立てこもった少年たちだ。
あいつらは、テレビを使っていろいろやりたい放題し放題してたんだよな。
「でも、どうして京都に!?」
「それは、夏休みってわけで観光に来てただけさ」
「それはいいけど・・・」
「ところでお前は誰なんだ?」
「ぼ、僕は・・・熊本健太郎だけど」
「熊本?九州のか?」
「九州にそういう地名はあるけどそことは無関係。僕は京都府民だよ」
「そうか、誤解しちゃってごめん」
「そう誤解されやすいんだよな僕の名前」
「そうでもないんじゃないのか?」
またしても現れたのはその仲間たちだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(181) ( No.187 )
- 日時: 2015/05/06 23:06
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
はじめに 皆さん、遅くなってすいません。GW、楽しかったでしょうか?GWスペシャルが待っていますよ。みなさん、引き続きお願いします。
あらすじ 前回、菊池英治という少年に会った熊本健太郎。そこに仲間たちが現れて・・・・
僕は菊池英治の仲間たちと出会うのだ。
そのメンバーはというとつらつら紹介しよう。
まず、「ぼくら」がリーダーの相原徹。
喧嘩が(東日本?)最強で正義感も強いのが安永宏。
医者の息子できざでちょっと嫌味(?)な柿沼直樹。
将来の花火師で文字花火を成功させた立石剛。
2年前の一人プロレスの実況中継者の天野司。
デブでどじだがイタリア料理を作るのがうまい日比野朗。
過保護なお母さんに振り回されてる(苦労してる)宇野秀明。
週一で秋葉原通いをしていて部屋は電気機械だらけの谷本聡。
秀才を超えて天才でおそらく京都大学はクリアできそうな中尾和人。
母子家庭出身で東京大学志望の小黒健二。
兄弟の俊郎とペットのタローとの連携技がとりえの佐竹哲郎。
ほかの科目はからきしだが美術は誰にも負けない秋元尚也。
「ミスぼくら(?)」に選ばれそうな美人の中山ひとみ(なかやまひとみ)。
ひとみに負けず劣らずのおてんば娘の堀場久美子。
「ぼくら」一の兄弟もちで(7人)面倒見のいい橋口純子。
そして、「ぼくら」の女子のなかでは割とおしとやかな朝倉佐織(あさくらさおり)。
という17人の在籍してるクラスは東中学校(東京都足立区)3年1組なのだ。
彼らの手でさばかれたあくは数知れずとのこと。
彼らと僕らが関わる事件が起きる日もそう遠くなさそうだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(182) ( No.188 )
- 日時: 2015/05/07 22:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
8月20日・・・・
僕はKTV関西テレビにいる。
それはなぜかって?
そう、それはこの世を風靡するあのアイドル、『静岡環奈』という16歳のアイドルの恋人ということで出演してるんだ。
大人気コーナーの初恋大作戦で僕は彼氏っていうことでゲストとなったんだ。
ああ、緊張する。
そのときはハックたちの顔を見る。
(がんばれよ)
そんな顔だから、僕はほぐれてしまった。
そして、コーナーの時間がやってきた。
12時25分。
「この方でございます。どうぞ!!!」
幕が上がった。
「キャー!熊本君だー!!」
「うまいなぁ」
ハックも篤もいいぞという顔をしてる。
さてこちらは僕の家・・・・
「アイドルと知り合いだなんて、熊本君も顔広いんだね」
「そうですね」
澪と零が食事をしながらしゃべってる。
「熊本君てあのぬらりひょん23代目なんですよ」
「え?あの16代目ぬらりひょんの?」
「うん。ね?」
「うん」
僕も照れて応じた。
「へえ、すごいねこれ皆ねえ」
僕も調子乗ってしまってソファーを後ろに倒してしまった。
僕の家では、
「あちゃー」
「やると思いました」
「恥ずかしい・・・・」
まったく僕は直しながら思った。
やっぱり僕ってバカだなぁ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(183) ( No.189 )
- 日時: 2015/05/07 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、なんだかんだいろいろ恥ずかしいこともあったOAも終了したあとのこと・・・・
「急いで環奈さん!Aスタジオ待ちです」
アイドルの皆も合流した。
「環奈、早くライブに行こうよ!」
「皆、がんばってきなさい」
「あ、熊本君紹介するね。私のアイドル仲間のレボリューションズと事務所の社長の笛吹さん」
「熊本です」
「熊本君?あなたの話は環奈から結構聞かされてるよ。ものすごくおバカだけど頭いいんだって?」
「恥ずかしいってその話・・・」
「そうそう、磐田優菜って子、社長の養女になるらしいって」
「え?それどういうこと?」
「それはね・・・」
環奈が説明してくれた。
13年前、6歳のときに両親が離婚してしまい、しかも6年前、中1のときにお父さんを失ってしまってからというもの、一人でがんばってきたんだ。
「へえ・・・」
「これで優菜にも、13年ぶりにお母さんといえる人物ができたんだって」
「そうか・・・そりゃよかったな。おめでとう。いってらっしゃい」
僕はそのとき知る由もなかった・・・
これが僕にとっての初に事件になることを。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(184) ( No.190 )
- 日時: 2015/05/07 23:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして22時・・・
僕は京都へ帰ったそのときだった。
霖は望恵の家からしょっちゅう連絡してくれてる。
僕・篤の家にはそれぞれ4人ずつ、そのほか8人は一人暮らしかぼくらの同級生の家に同居してる。
さて、大阪市では、とんでもない事件が起きていた。
なんと、優菜がマネージャーともども誘拐されてしまったのだ。
経緯はこうだ。
まず、21時35分。
MBS毎日放送のロケとかで移動することになった。
しかし、そのときだった。
1人準備が遅れた優菜がなんと、何者かに誘拐されてしまったのだ。
僕の知らないどこかへと・・・・
さて、何も知らない僕は朝7時15分、LINEで環奈の連絡を見た。
「え!?優菜が何者かに誘拐された!?」
僕はとっさに身支度朝食を済ますと、僕は外出しようとした。
それは篤も一緒だ。
「何かあったの?」
雪が尋ねた。
「ああ、人気アイドルユニットのレボリューションズを知ってる?」
「うん、ここ最近テレビに出ること多いから・・・」
「そのメンバーの1人、磐田優菜が誘拐されたんだよ!」
「え!?」
「それだから一大事なんだ」
「そう・・・じゃあいってらっしゃい」
「うん、絶対に優菜は僕らが助ける!」
そう誓いを立てて大阪へ向かうのであった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(185) ( No.191 )
- 日時: 2015/05/08 22:48
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
大阪市北区・・・
17時22分・・・
僕らは約束の時間の16時に合流してここに来た。
今僕らは事務所の一室の中にいる。
僕は身代金の要求に目を通していた。
「優菜とそのマネージャーは預かった。返してほしくば身代金として1億5000万円用意しろ。警察にチクったら2人の命はないと思え」
篤も続けた。
「なお、身代金取引は熊本健太郎を指名する」
「いつ、届いたんですか?」
「8時30分、私がここに来たらこれがポストの中に・・・・」
「そうですか」
ハックは写真を穴が開くほど見る。
「熊本君、早く優菜を助けてよ」
「・・・」
「私もです。早く主人を助けてください」
「あ、言いそびれてたけど、私たちのマネージャーの山梨和久さんは結婚してて、その奥さんが優美さん。社長の1人の肉親なの」
「あ、熊本さん。ちょっと待って」
社長はアタッシュケースを開けた。
「ん?」
「これが、身代金?」
「宅配便です」
「はい」
「お願いします」
「え?」
「警察です」
大阪府警のメンバー15人がやってきた。
「いったいどうして警察が!?」
「私が呼んだの」
「そんなことしたら優菜たちが危ないって時に何やってるんですか!!?」
「どうして・・君はこんなところに?」
「それは僕が犯人の身代金取引相手に選ばれたんですよ」
「君が?」
「はい。だけどこれっぽっちじゃどうにもならないよ」
「何言ってるの?社長はちゃんと1億5000万円用意したわよ」
「いや、たった500万円程度で何とかなるって思ってんの?」
「どういうことだよそれ」
「よく見てよ裏側を」
ハックは大阪府警の刑事たちとお金の裏側を見た。
僕も社長の小汚い指先を見る。
「そのインクの汚れは新聞紙を切り揃える際にできた汚れだろ?そんなの渡したら優菜たちが殺され・・・」
「やめて!」
「そんな話もう止して!!」
環奈と『浜松帆南』が制止する。
「もしもし、御坂ですけど、支店長います?」
「あれは?」
「今電話してるのが女優の『御坂典子』さん。私たちの大先輩なんだ」
「今日中に現金1億5000万用意してくれます?はい。ありがとうございます」
「すごいなあ」
「大女優の力ってすごいもんだよ」
「早く解決しなきゃね。こんなことでドラマのロケ中止になるのたまんないわよ。社長。このかりはきっちり働いて返してもらいますよ」
「ありがとうございます、御坂さん」
でも、僕には1つの疑問ができてしまっていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(186) ( No.192 )
- 日時: 2015/05/08 23:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
今回はGWスペシャルです!!
取引の日・8月22日・・・・・
僕は新大阪駅前にいる。
6時59分・・・
7時。
電話が鳴った。
「もしもし」
「熊本君だね」
「ああ」
「よく聞きたまえ。早速なぞなぞだ。その場所に5分以内にたどり着け。『親』の隣は『人』、では『中』と『小』の間は何?」
「はあ?何のことだかって・・・おい!」
きられてしまった。
「ちっ、何なんだよもう」
僕は周りを見渡す。
「近くにあるはずだ・・・5分以内の場所といえば・・・中と小?・・・・・・・・・・・まさか・・・」
さてこちらは事務所。
「あっ、動き出した」
華凛が飛び込んできた。
「これって・・・熊本君?」
「どうしたんですか?」
華凛はとっさに出て行く。
「ちょっと!華凛さん!」
7時3分。
僕はあるドラッグストアの前に来た。
だけどシャッターが開かない。
すると、電話が鳴った。
「答えが分かったようだな」
「ああ、親指の隣は人差し指、中指と小指の間には薬指がある。つまり薬局だろ?」
「では、大阪駅のバス停に行き、そこで7時20分発の北陸道昼特急大阪1号に乗れ。乗ったら、進行方向の左を見てろ」
「え?ちょっと!もしもし!!」
また切られてしまった。
そして7時18分。
大阪駅・・・
僕はお目当てのバスに乗ることに成功した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(187) ( No.193 )
- 日時: 2015/05/10 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、前回話してなかったどうやって、僕が北陸道昼特急に乗ったのかを説明しよう。
僕は、東海道線普通の新大阪7時10分発神戸方面西明石行きに乗って7時14分、大阪駅で降り、バスストップ前に来たというわけだ。
さてその頃、大阪駅・・・
「熊本君が、7時20分発のバスに乗り込みました!」
「分かった。すぐにそのあとを追う」
「刑事さん!待って!!」
「華凛さん・・・」
「華凛ちゃん!!」
澪が華凛を追いかける。
「あたしも乗せて!」
「だめ!あたしと一緒に追いかけるならまだしも・・・」
「華凛さんを頼んだ」
「あ、はい」
「2人とも電車で追ってくれ」
「私たちは大阪駅で7時45分発の新快速京都方面米原行きに乗りましょう」
「うん」
さて僕はというと・・・
10時32分、滋賀県長浜市付近・・・
「ん?」
ガードレールにはガムテープで今すぐバスから降りろと書いてある。
「くそ、こんな中途半端なところで降りるのかよ」
湖北バスストップは休止中で使えないし、次は福井北ICまで止まらない。
そういえば非常口があった。
僕はそこを開けてアタッシュケースを投げてバスから飛び降りた。
スマホにGPS機能をつけておいてよかった。
僕は近くに駆け寄ると、張り紙があった。
「何々?JR北陸本線のある辺りで北陸自動車道から出て国道365号線で南にいったら小谷城を過ぎたところで右に曲がり、須賀谷温泉のほうへ行け。その奥のつり橋で12時に取引を行う」
満身創痍だから向かうスピードも遅くなる。
「優菜は絶対僕が助ける。23代目の名にかけて
さてこちらは華凛と澪・・・
10時40分、北陸本線敦賀・福井方面の新快速長浜行きから降りた。
長浜駅からタクシーで小谷城付近まで送っていってもらい、小谷城付近に来たのは11時10分だった。
11時45分・・・
「あれだ」
つり橋が見える。
「ここが取引場所だ。絶対気づかれるな」
「熊本君・・・」
「でも一本道なのに、私たちが早く来ちゃうんだろう?」
「はっ、熊本君!!」
僕は水路を駆けて行った。
びしょ濡れになりながら。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(188) ( No.194 )
- 日時: 2015/05/10 22:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はつり橋につくや否や怒鳴り始める。
「誘拐犯!早く優菜たちを返せ!出で来い!!」
つり橋の周りを見渡しまた叫ぶ。
「出て来い!!!」
そのときだった。
僕は足を踏み外してつり橋から転落してしまった。
ロープにつかまった。
「熊本君!」
「華凛ちゃんだめ!!」
「やめろ!」
「健ちゃん!」
「華凛?」
「健太郎君、今行くから!」
「来るな!」
「健ちゃん!!」
「来るなよ!!」
「今助けるから!!」
「離せ、戻れ!!」
「熊本君を早く助けましょう!刑事さん!!」
「待避解除!!少年を助けろ!!!」
僕は放せ放せと喚くばかり。
僕は助けられた。
こうして、取引は失敗したのだった。
そして米原市内の病院内・・・
僕は手当てを受けた後、澪に訊いた。
「誘拐犯からの連絡は?」
「それが・・・まだ来てないみたい」
僕は華凛をにらみつけた。
「来るなっていったよな?」
「・・・」
「優菜たちが、優菜たちが殺されちゃったのかもしれないんだよ」
「ちょっと熊本君!ネガティブな事いわないで!!」
僕はすたすたと去っていった。
さて、こちらはある監禁部屋・・・
「お昼か・・・取引、どうなったんだろう・・・」
「うわっ!!」
「山梨さん!!」
誘拐犯は銃を向けていた。
「取引は失敗した。警察が現れた。お前たちの社長はお前たちの命より金が欲しいらしいな」
「そんなのうそよ!」
「優菜、社長はあんな人じゃないんだよ。俺は、昔からあの人を見てるから分かるんだよ。すべて、金なんだよ」
「うそ!!!」
山梨さんに銃を向けた。
バン!!
バン!!
6発打ち込むと彼は死んでしまった。
18時・・・
「女の子が、飛び出して助けてくれたんだって?」
環奈が僕に話しかけてくれた。
「ごめん、僕があんなところで取引を失敗させちゃって・・・」
「熊本君って、幸運な人ねぇ」
「うん?」
「命をかけて、守ってくれる人がいるんだから。優菜にもそんな人がいてくれたら・・・あの子、一人ぼっちだからね・・・」
僕は少し下を向いた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(189) ( No.195 )
- 日時: 2015/05/10 22:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「あっ、メールが来た!!」
澪が叫んだ。
「残念ながら・・・だって」
「うそ・・・」
環奈はショックを受けた。
「2人は今日殺した。遺体は1人は森の奥深く、もう1人は橋の上から捨てた。今頃は森の中で野犬のえさに、暗くよどんだ水の中で魚のえさとなってるだろう」
「そんなあ!!」
環奈は泣き出してしまった。
僕は疲れてしまったのか、ショックが強かったのか気絶してしまった。
澪は僕は支えるが、行き場のない悔しさがこみ上げてきた。
澪の目には涙が浮かんでる。
華凛も絶望の淵に落とされたような感じになった。
「くそおお!!!」
小城田警部も悔しさのあまり叫んだ。
僕らはショックで絶望のそこに貶められてしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(190) ( No.196 )
- 日時: 2015/05/10 23:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして、23日の11時・・・
「すいませんでした」
僕らは謝りに来た。
「うそ、主人が死んだなんて!!」
山梨マネージャーの妻、夏美さんは泣き出してしまった。
「ママ・・・」
「すべて、あのお金を渡せたのなら2人とも、死なせずにすんだのに・・・」
社長も涙声になる。
優美さんは僕に食って掛かる。
「そうよ。あんたが殺したのよ。あんたが主人を!!」
「落ち着いてください!あれはただの事故だったんです」
澪が止める。
「事故なんかじゃない!橋の踏み板が割れたなんて、言い訳にもならないわ!!」
僕を揺さぶる。
「やめなさい優美。みっともないわよ」
そういわれた優美さんは手を放す。
「まだ、2人とも死んだって決まったわけじゃないよ」
「え?」
澪はきょとんとする。
「ここから3時間で行けて、橋のかかった湖ってどこ?」
「湖?」
そして、多賀SAにて・・・
「ねえ、どうして琵琶湖なの?」
「誘拐犯は暗くよどんだ水っていたよね」
「それで湖ね。じゃあ大阪から3時間って言うのは?」
「それは写真の様子だよ。あの写真は日が昇ってた。あれは5時30分から6字の辺りに取られた写真。脅迫状が来たのは8時30分。」
「5時30分から8時30分。だから3時間。大阪市から3時間で行けてなおかつ橋のかかった湖。だから琵琶湖ってことね」
「澪。僕は必ず優菜を助けなきゃならない。絶対生きてるって信じなきゃならないんだ」
「ええ?」
「優菜には、僕みたいにおせっかいをかけてくれる人とか、命がけで助けてくれる人がいないんだ。だから、僕が攻めて生きてるって信じなきゃいけないんだ」
そして長浜IC付近・・・
「ちょっとここで降りて!!」
「え!?」
澪はとっさにハンドルを切って長浜ICを降りた。
そこには優菜が横たわっていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(191) ( No.197 )
- 日時: 2015/05/11 22:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして、数時間後・・・
「優菜・・・」
「私・・・助かったの?」
「うん。もう心配しなくてもいいよ」
「優菜ぁ、無事でほんとにほんとによかった」
社長がやってきた。
「社長が、警察を呼んだんですか」
「ええ、私たちだけじゃどうにもならないからって・・・」
「じゃあ、どうして身代金を用意したのが、社長じゃなくて御坂さんなんですか」
「それは・・・1億5000万円いきなり用意しろっていわれたから・・・」
でも、優菜にはあの言葉がよぎった。
(金だよ金。金が、すべてなんだ)
「・・・・・・出てってよ」
「え?」
「社長の養女の話ももうおしまい。社長は私のお母さんじゃなかった」
「優菜!」
「放してよ!!社長のせいだよ!!社長のせいで山梨さんは私の目の前で撃たれたのよ!!」
そういって優菜は拗ねてしまった。
僕は何も言うこともできなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(192) ( No.198 )
- 日時: 2015/05/11 22:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その翌日の24日、彼女への事情聴取が始まった。
「では、覚えている限りで順を追って話してください。君が誘拐されたのは、20日の夜(21時35分ごろ)ですね?」
「はい。気を失ってる間に、山荘に運び込まれて、気がつくと、すぐに写真を撮られました。21日の朝早く(5時30分から6時)だと思います」
澪も考え込む。
「そのとき、犯人が山梨さんに電気かみそりを渡したんです。毎日、髭をそれって言って」
僕は妙に思った。
「その夜、またスタンガンで気絶させられて、気がつくと、昼になってました」
「それは、22日の昼、身代金の取引があった昼ですね?」
「昼ごろ、犯人が取引失敗で山梨さんを連れてきて・・・」
「それで?」
「もうやめてくださいって!」
「そして、山梨さんは・・・」
優菜は泣きかけだった。
「その後、熊本君が助けてくれるまで後は何も覚えてませんでした・・・」
「おそらく、犯人は死んだと思って森に捨てた」
「で、僕らに保護されたってわけだな」
「警部!滋賀県守山市付近で山梨の遺体が発見されました!」
「守山市?まさか、琵琶湖の近く!?」
- Re: 魔界の姫と白竜・(193) ( No.199 )
- 日時: 2015/05/11 23:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして、滋賀県守山市の琵琶湖のほとり・・・
「至近距離から6発。証言どおり髭も剃ってある」
僕と澪は考えていた。
「ちょっと妙じゃない?」
「うん」
「山梨さんには6発の銃弾を打ち込んでおいて、遺体もわざわざ琵琶湖に捨ててあったのにね・・・・」
「確かに、優菜には生死の確認もしないで田畑の中に捨ててあった。ちょっとおかしいね」
「でしょ?」
「それから、僕がもしもあの時、なぞなぞの制限時間の5分以内に薬局に到達できなかったり、7時20分発の北陸道昼特急大阪1号に乗り損ねたら、犯人はいったいどうするつもりだったんだろう?」
「取引が失敗したら犯人にはびた一文もお金が回ってこない。じゃあ、まさか犯人はお金が目的じゃなかったってことでしょ?」
「そうさ」
電話が鳴った。
「もしもし?」
「ケン。大丈夫か?」
「うん。どうかしたの?」
「ああ、山梨って人の話なんだけど、とんだ食わせ者らしいよ」
「食わせ者?何のことだよ」
「まず、去年笛吹プロを乗っ取ろうとしたけど失敗。それからというものおばの笛吹さんとは仲がよくなかったみたいだ。それに、女癖もひどかったらしいよ」
「女癖?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(194) ( No.200 )
- 日時: 2015/05/11 23:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「そうだよ。優美さんは6年前、暴漢に襲われて山梨に何かと力になったことがきっかけで結婚したらしいって。今じゃ、結構手を焼いてたんだよな。しかも、この前の週刊誌に御坂さんとホテルから出るところを目撃されてる」
「御坂さんと!?」
「ああ、あれは山梨の罠でね。御坂さんは結構お金をむしられちゃったって」
これで、皆には山梨さんを殺す動機があったってわけか。
でも、問題はあのアリバイだ。
山梨さんが殺されたあの22日の昼には皆、大阪にいた。
しかも、大阪から長浜は高速を使っても2時間もかかってしまう。
絶対にこの環境で山梨さんを殺すなんてまず無理だ。
長浜市の山荘・・・
時間を細工するには無理だな。
近所の人にも聞こえてるだろうし。
「熊本君、今日はここで切り上げたらどう?そういえば昨日寝てないでしょ?」
「うん。警部も、結構無精ひげが伸びてたね」
「あ、そうだったわね・・・」
「ん?そういえば犯人は毎日ひげを剃るようにいってたな。だとしたら・・・」
僕は駆けていった。
「あの、電気かみそり、ありますか?」
「あああるぞ」
小城田警部は気前よく電気かみそりを渡してくれた。
僕はひげを検出してルーペで観察する。
するとひげの長さのあそびが違うことが分かった。
そして・・・
つり橋を調べた。
「やっぱりそうか。見えた。この事件の真相が!」
澪はなるほどねと思った。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(195) ( No.201 )
- 日時: 2015/05/22 21:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
8月25日・・・・
「皆さんにここに来てもらったのはほかでもなく、今回の事件の真相を知ってもらうためです」
「真犯人の正体も分かったの?」
御坂さんが詰め寄る。
「はい。それともうひとつ、真犯人には共犯が1人いた。そいつは・・・殺された山梨和久だ」
「ええ!?」
「山梨さんが!?」
「そんな・・・」
「じゃあ、今回の誘拐はただの狂言だったの?」
「はい。笛吹社長たちの養子縁組を破綻させるためにね。彼は、社長の唯一の肉親だ。いずれ社長の座も財産も全部、自分の手に移るって思っていた。だけど、優菜が養女の話がもちきりになると、彼はテンパった」
「いったいどういうことなの?」
「笛吹さん、だから山梨は、あなたの会社を乗っ取ろうとしたんですよ」
澪が一括して説明する。
「だったらまず、今回の計画を振り返ってみよう。まず、自分も誘拐犯に連れ去られたように見せかけて社長に身代金1億5000万円を要求する。だが、社長の冷酷さとお金への執着心を知ってる彼は身代金を出し渋ると思っていた。彼は、贋金を見せ付けて養女の話を破棄するよう仕組んだんだ。だけど、ここで計算外のことが起きてしまった。御坂さんが本物を用意してしまったんだ。これじゃ取引が成功してしまう。だから計画を変更した。僕に無茶な指示を強制させたのも全部取引を失敗させるためのわなだったんだよ。そして、取引失敗。それに、社長が警察にチクったことを伝えて信頼を失わせられた。でも、山梨さんには思いもよらない結末が待っていた」
僕は回想する。
彼が共犯に撃たれてしまった姿を。
「彼は突然の共犯者の裏切りに遭い、理由も分からぬまま、殺されてしまった。では犯人は・・・誰なのか。それは・・・・・この中にいる!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(196) ( No.202 )
- 日時: 2015/05/22 21:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
一瞬の間が空く。
「2人を殺したっていうことがわかったときのことを思い出して」
『全て・・・あのお金を犯人に渡せたのなら・・・2人とも、死なせずに済んだのに・・・・』
『橋の踏み板が割れたなんて、言い訳にもならないわ!!』
『やめなさい優美。みっともないわよ』
「この会話の中で犯人しか分からない事実が1つある」
澪がうなずく。
「真犯人は・・・・・・山梨優美!あんただよ!!」
優美は驚く。
「皆僕は、橋から転落したとしか言ってない。それなのにあんた、踏み板が壊れたっていったよな。どうしてそんなこと知ってるんだよ?」
「そ、それは・・・警察が言ったのを聞いたのよ」
「ぼろを出したな。警察がそんなこと言うわけがないね。何しろ僕は踏み板が割れたんじゃない。怪我した足の痛みでたまたまバランスを崩して滑り落ちただけなんだよ!」
澪が僕に橋の踏み板を手渡す。
「この踏み板こそ、取引失敗への最後のわなだったんだよ」
僕は足を軸として、踏み板を割る。
「こんなのを知ってるのはわなを仕掛けた、真犯人だけなんだ」
華凛も踏み板を見る。
なるほど踏み板の中は空洞だ。
「ちょっと待って熊本君。彼女には、山梨さんが死んだときのアリバイがあったそうじゃないの」
「そうよ。私は22日、皆と一緒にいた。大阪からここまでどんなに急いでも2時間はかかる。私が主人を殺せるなんて無理よ」
「そう。あんたの22日のアリバイは成立する・・・だけど、本当に22日に殺されていたのならね!」
次回予告 次回、ついにトリックが明かされます!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(197) ( No.203 )
- 日時: 2015/05/22 21:45
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「どういうこと?」
華凛は僕にそのことを尋ねる。
「つまり・・・優菜が2回目気絶されてから次に目を覚ますまでに、ホントは2日経っていたとしたらどうだ?」
僕は『優菜、サイレンで目が覚める 山梨和久、真犯人に銃殺される』と書かれた項目を、22日の項から23日の項へと貼り替えた。
「つまり、実際に殺されたのは22日じゃなく、23日だったんだよ!たぶん睡眠薬でも嗅がせたんだろう。22日、あんたは皆とここいることで完璧なアリバイを作った。そして23日、ここに来たあんたは優菜の目の前で山梨を殺した」
澪がまとめる。
「つまりあなたは優菜の記憶をずらすことによって完璧なアリバイを手に入れた・・・違いますか?」
「そんなのただの推測じゃない。・・・・そうだわ、証拠はあるの?そんな突拍子もないトリックが使われた証拠なんて・・・」
「あるんですよ。証拠は」
いつの間にか小城田警部がやってきた。
すると電気シェーバーを手渡す。
「このかみそりの中のひげだよ。真犯人はこれを手渡して毎朝ひげを剃るよう言った。だったよね?」
優菜に確認を求める。
「うん」
「彼はひげが濃そうなタイプだ。眠ってる間に、2日もひげを剃らなきゃどうなってたか・・・・」
「あ!その無精ひげを見て2日眠ってたことに気づいちゃうかも!」
環奈が答えてしまった。
「そうだ。だけど誰も来てなかったし、そのうえ優菜も眠ってた22日、彼はひげ剃りをサボってしまったんだ。だから、21日のひげと23日のひげのあそびがこんなに広くなってしまったんだよ」
「ご覧になられますか」
「本当に22日に殺されてたなのなら、こんなにひげのあそびが広くなるわけがない。彼のひげこそが、時間差トリックが使われたのを示す、明確な証拠なんだよ!!」
ふっと認める優美。
環奈は、
「優美さん、いくら女癖が悪いからって、いくらなんでも殺すことはないのに・・・」
「環奈ちゃん、私はこの半年間、あいつを地獄に叩き込む今年かな頭になかったわよ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(197) ( No.204 )
- 日時: 2015/05/22 21:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
優美さんは、動機を語りだした。
「6年前、私は売り出し中の歌手として希望に燃えていた。ところが自宅に男たちが押し入り、マスコミに書かれた。絶望してたあの時、現れたのはあの男だった。社長の甥だといって、いろいろ慰められてもらった。私はその優しさが嬉しかった。だから、その後結婚して子供ももうけた。ところが半年前・・・」
彼らの取引を知ることになった。
「あの手で私の未来をぼろぼろにしておきながら、ずうずうしく結婚してやったってことを知って、許せなかった」
そう言い出すと優美さんは逃げ出した。
「あっ!」
僕は追いかける。
澪までも、
「待ちなさい!」
あとをつける。
そしてつり橋の上・・・・
たたずみ優美さんがいた。
「まずい、自殺しちゃう!」
澪は駆け寄る。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(198) ( No.205 )
- 日時: 2015/05/22 22:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「来ないで!」
「やめてください!」
「もうやめてよ!優美さんが死んだら、理紗ちゃんが独りぼっちになっちゃうよ!」
「私みたいな母親はいないほうがましよ!理紗のためにも!」
「そんなの違うよ!」
環奈はもはや泣きかけだ。
「どんなお母さんなんて関係ない!理紗ちゃんのお母さんは1人しかいないのよ!?」
「環奈・・・」
「優美さん・・・あなたはお母さんでしょ?お母さんなら、何があっても理紗のために生きて!お願い・・・もう誰も一人ぼっちにさせないで・・・・・泣」
優実さんは思いとどまったのかどうか・・・その場で泣き崩れた。
そして滋賀県警に連行された。
その1時間後・・・・
「御坂さん、どうして1億5000万円を出す気になったんです?」
「そりゃドラマを封印させたくなかったからよ。今回の役柄気に入ってるし」
「1億5000万を出してもいいくらい?」
「熊本君、あなたは何を言いたいの?」
「優菜のお母さんって、あなたなのかなって・・・・」
御坂さんは笑い出した。
「面白いこと言い出すわね。ご想像にお任せするわ」
やっぱり優菜のルーツは分からなかった。
「優菜、きっといい女優になるわよ〜」
「御坂さんに負けないくらい?(笑)」
その夜、自宅にて・・・
「ごめん、心配なんかかけさせたりして」
「いいってことよ」
「いや、反省してる」
「何を?」
「そりゃあさあ、やっぱり僕って幸せ者だな。こんなにいい仲間とめぐり会えるなんて」
「そうね・・・」
こうして、僕の最初の事件は解決したのだった・・・・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(200) ( No.206 )
- 日時: 2015/05/24 22:50
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9月1日・・・・
洛西学園の始業式はこの日だ。
僕の誕生月に差し掛かった。
9月24日が誕生日の人は僕だけじゃない。
瑠璃や麗魅、零や海斗がそうだ。
つまり、僕ら5人の誕生日が一緒なのだ。
僕は誕生日のことより体育祭のことで頭がいっぱいだった。
体育祭は9月12日にある。
体育祭でいったいどうなる結果になるんだろうか・・・・
女子は目も当てられない姿になるのだろうか・・・
そんな心配があった。
「どうしたんだよ、健太郎」
「ハッ!」
「お前らしくないぞ」
「そうかな・・・」
「何考えてたんだ?」
「ちょっと、体育祭のことをね」
「そうか、それはよかった」
僕は皆に心配かけたかなと思う。
だが、体育祭が近いのは分かってるけど、僕の誕生日がある。
いや、今は僕らの誕生日というべきか。
9月になるとカレンダーに×印をつけてカウントダウンをしてたんだよな・・・
ぼくらの誕生日は、もう近い。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(201)西京総合病院 ( No.207 )
- 日時: 2015/05/25 22:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9月3日・・・
僕は相変わらず体育祭と誕生日のことで頭がいっぱいだった。
だが、そうでもない事態が起きてしまった。
それは19時25分ごろ・・・
LINEで唯が産気づいたという知らせが来たのだ。
出産予定日は22日だから、予定より19日早いことになる。
唯とはここ最近顔を見せてなかったな。
僕らは西京総合病院に駆けつけることになった。
19時40分ごろ・・・・
「しかしあいつ大丈夫かな・・・」
「10代の出産の場合、最悪の場合死産ということもありうるからね・・・」
「確かにそれも否定できないが・・・あいつのことだし、大丈夫だろう。今は無事であることを祈る。それしかできないな」
「そうかな・・・」
僕らは洛西学園都市を駆け抜けるのだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(202) ( No.208 )
- 日時: 2015/05/25 23:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
西京総合病院・・・・
19時37分についたころにはもう皆集まっていた。
その頃には唯の陣痛も強まってきた。
時間が経つにつれて強くなっていく陣痛。
そして待つこと36分後の20時13分・・・・・・
赤ちゃんが産声を上げた・・・・
これは命の誕生をも意味していた。
「おめでとうございます!かわいらしい女の子の双子です!」
「マジか・・・」
「すげえ・・・」
「信じられない・・・」
皆の言葉が安堵と喜びの色に染まる。
「よっしゃあ!」
「これで俺もお父さんになるのかな・・・・」
俊はもう夢見心地だ。
「よかったな。あっそうだ。名前。名前は何か考えているのかい?」
ハックは名前のことを出す。
「そうだな・・・凛と玲奈でどうかな?」
「どういうところからなってるんだ?」
「凛はいつまでも凛とした心を持って欲しいという願いと、玲奈は・・・」
「いったい何が由来なの!?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(203) ( No.209 )
- 日時: 2015/05/26 23:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は理由を訊いた。
「ああ、それはな・・・」
あれは9年前にさかのぼる。
彼らには普通に家族がいた。
僕ら同様・・・
だが、彼らの両親とはもう永遠に日常が続くことはもうかなわなくなってしまった事件が起きてしまった。
それは2005年の12月のクリスマス・・・
2人の両親が交通事故に巻き込まれてしまったのだ。
どうも向こうの運転手が飲酒運転をしていた事実があり、バカみたいに蛇行していて、それがたまたまあの車に衝突していたのだ。両親は子供たちに早く逃げるよう促し、自分たちはあの燃え盛る炎の中に消えて言ったのだ。
もうあんなことが起きて欲しくない。
この子達は絶対に守りぬく。
そんな中ですばらしい少女に育って欲しい。
だから玲奈と名づけたのだ。
「そうだったんだ・・・」
「家族と一生会えないなんてちょっとこれはきついな・・・」
「確かに・・・」
ハックと僕は目を合わせる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(204) ( No.210 )
- 日時: 2015/05/26 23:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
親たちがいない環境の中、あいつらはよくがんばってきたと思う。
つらい事でも歯を食いしばって、崖っぷちでも踏ん張って、あんな2人を僕は尊敬している。
なぜなら僕はときどき戦いに迷い、悩み苦しむ、そんな弱い少年だからだ。
それだから決してひるまず、何があっても前へと進む、そんな2人のことを僕は9年間も尊敬し続けていた。
だから、僕はずっと彼らの未来に幸せが続くこと、笑顔が耐えないこと、輝ける未来に栄光の光が待ってること祈ってる。
その夜の23時ごろ・・・・
「そう、それはよかったね」
僕は今日あったことを澪に伝えた。
「確かに、10代の妊娠はリスクも結構あるし、平坦な道のりじゃないと思う。でも、それだから掴み取った幸せって意味がちゃんとしてるんじゃないかなって思うの」
「え?」
「だってそうじゃない?苦労しないでつかんだ幸せよりもいろいろあってつかんだ幸せのほうが価値があるじゃない」
「そうだな」
「でしょ?」
澪が笑顔を見せた。
澪の笑顔は、かわいらしいものだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(205) ( No.211 )
- 日時: 2015/05/27 21:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9月6日・・・
僕は体育祭のチーム編成を確認した。
零はチーム編成のプリントを覗き込む。
洛西学園のチーム編成は6の聖獣のチームの色になっていてそのイメージカラーがそのチームのゼッケンの色になってるのだ。
中等部の3年のチーム編成はこんな感じだ。
3年1組は朱雀の赤。
3年2組は麒麟の黄色。
3年3組は白虎の白。
3年4組は玄武の黒。
3年5組は青竜の青。
3年6組は鳳凰の緑。
もっとも、鳳凰の緑はどこから来てるのかは知らないが。
ハックのクラス(中等部2年2組)も白虎の白と決定された。
ちなみに、ここでは縦割り式にチーム編成を行ってるわけだが、チーム決定は担任の先生がくじ引きをしてあたった色のチームになるというのが通例だ。
ちなみに方法はあみだくじ。
なぜか走らないがこれが洛西学園の伝統なのだという。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(206) ( No.212 )
- 日時: 2015/05/27 21:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
高等部3年生にとってはこれが最後の体育祭。
しかも、洛西学園には目玉競技がある。
それは、洛西マッチョマンという高等部の男子限定の競技だ。
ルールはただの障害物競走と同じだが侮るなかれ。
跳び箱は10段編成になってるわ、廊下はこの日のためにめちゃくちゃ狭くしてるわ、しかも全長6㎞という長さだからめちゃくちゃめんどくさい。
しかもほかの競技と並行してやるからいつ終わるのかも予想できないのだ。
だけどこれが醍醐味なのだ。
2000人が盛り上がることで洛西学園都市内では知らない人はいないほど有名なのだ。
だから9月の第2金曜日には大盛況するのだ。
これこそ洛西学園の体育祭なのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(207) ( No.213 )
- 日時: 2015/06/01 22:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はというと、あの体育祭実行委員の星空先輩と同じ白虎組になれたか気がかりだった。
すると・・・・・・
「ケン!星空先輩と同じ白虎組だってよ!」
「そう。なんだったらよかった。ところで、例の変態軍団はどのチームに入った?」
「全クラス玄武組だよ」
「そうか・・・今回はすごい戦いになりそうだな」
「そうだね」
「どうかしたの?」
「うん?誰かと思えば澪姉ちゃん」
「私もああいうの興味あったんだよね・・・」
「え?魔界にも体育祭あったのか?」
「そりゃそうよ。でも、人間界と違うのはかなりきつい内容だったかな」
「え・・・例えば?」
「そうね・・・灼熱の銅の棒引きとか?」
「絶対人間だったらやけどじゃすまないレベルだな」
「ほかにも火あぶりレースとか地獄のレースが多いけど・・・」
「うひゃあ。こんなレースが本当にあったらたまったもんじゃないな」
「そうでしょう。だけど、心なしか気合はいるのよ・・・・」
「何でなんだよ?」
「それはね・・・・」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(208) ( No.214 )
- 日時: 2015/06/01 22:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
翌日・・・
僕は9月の青空をかざしていた。
澪はというとウェディングドレスの雑誌をパラパラめくっていた。
「ああ、私もこんなの着るのかな・・・」
澪は自分のウェディングドレス姿を想像していた。
まあ胸元はきつそうだが。
「どうかしたの?」
「え?ちょっと、かわいいウェディングドレス特集があったから・・・」
「そうか、ホントかわいいな・・・あれ?」
「どうしたの?」
「あっ、ちょっとこのページの右側見てよ」
「え?」
「あいつ、僕の知人だよ」
「ああ、豊橋夏樹ちゃん?」
「そうそう・・・」
「どうしたの?」
「華凛、あいつだよ。昔の友達が雑誌に出てるんだよ」
「え?」
「やっぱり!夏樹だ!」
「あの泣き虫娘が・・・」
「こんなにきれいになっちゃって・・・・」
僕はまたしても知る由もない。
彼女が犯人に仕立て上げられる事件が起きるなんて。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(209) ( No.215 )
- 日時: 2015/06/02 21:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてそのころ、魔界では、ある計画が執行されていた。
それは、人の心の闇につけこみ、おぞましい殺人計画を行わせるということだ。
そのためにはまず、何かしら動機を持っている人でなければならない。
それを先天的な勘で見つけ出す25歳の長女。
刑事が10人束になってもかかってきてもびくともしない計画を立てる24歳の長男。
彼らを操ってるのはもちろん言うまでもない。
そう、大魔王なのだ。
大魔王はもちろん人間界侵略のためには何だってする男なのだ。
だが、ぬらりひょん一族に阻まれることが多い。
そのため、ぬらりひょんの一族(もちろん23代目である熊本健太郎も)を激しく憎んでいるのだ。
憎悪の念を向けているのは僕だけではない。
蘆屋道満の一族にもだ。
彼らは400年前、大魔王の計画をくじいたことで知られている。
その中心人物は16代目ぬらりひょんと17代目蘆屋家当主忠経である。
彼らとは深い因縁を持って対立してる。
その戦いの日は未だ遠いものの、いつかやってくるだろう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(210) ( No.216 )
- 日時: 2015/06/02 22:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9月11日・・・
僕は朝は落ち着いていたものの、夜になると落ち着かなくなった。
「どうした?体育祭のことで落ちかなくなったのか?」
「う、そう見えるか?」
「ああ」
「実はというと、そうなんだ」
「そうか。あの変態軍団のルーツ、分かったみたいだって」
「え?」
「ケンのお父さんが、変態軍団の初代ボスだったんだよ」
しょ、初代ボス=僕の父さん?
「3代目生徒会会長・・・22代目ぬらりひょん・・・初代変態軍団のボス・・・・その3面性があったんだ」
おいおい、僕の父さん、3足のわらじを履いてたのかよ!?
「いや、それだけじゃなくテニス部の部長も兼任してたよ」
うそだろ、僕の父さんは4足のわらじもはいてたなんて・・・
「それだけじゃない・・・名前は『熊本貴久』」
間違いない!
あれは僕の父さんだ。
「しかも家族構成は・・・妹3人と姉3人の7人兄弟」
この家族関係間違いない!
僕の父さん、熊本貴久に違いない!
まあ事実、6人のいとこがいるからな・・・
「まあ、元は変態・・・いや、れっきとした紳士を育てるための組織だったんだがな・・・」
「いったい何があったんだよ?」
「4代目からその心意気が失われてしまって・・・」
「それで?」
「14代目の都城が中興の祖と呼ばれたんだけど・・・・」
「そうだったんだ・・・」
やっと、僕は変態軍団の素性を明かすことができた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(211) ( No.217 )
- 日時: 2015/06/03 23:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして迎えた9月12日・・・
「あなたは・・・熊本健太郎君?」
「あ、いかにも、そうだけど・・・」
「ちょっと敬語使ってくれない?」
「え?」
「どういうことですか?」
ハックが訊く。
「私はね、れっきとした高校3年生なのよ!」
「え?マジかよ・・・」
僕は凝視する。
「人は見かけによらないって言うが、本当にそうなったな」
「熊本君!話聞いてるの?」
「いや、ぜんぜん聞いていませんでした」
「まったくこれだから洛西学園中等部の36期生は・・・わたしは『羽鷺佳奈』、生徒会役員の1人よ!」
な、何ですとぉぉぉぉ!!
「すいません、ケンはもとが鈍感なものなんで・・・・」
「あ、あなたは何年生なの?」
「あ、すいません。僕は青竜院雹。中等部の2年生です」
「熊本君って、中等部の3年生でしょ?何で先輩にため口なんか・・・」
「いいんです。あいつは特別付き合いありますんで」
「そう、それならいいけど」
そういって小さな少女、羽鷺先輩は去っていった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(212) ( No.218 )
- 日時: 2015/06/03 23:32
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「23代目・・・・僕は絶対継ぐ!」
「え?何かあった?」
「いや、なんでもない」
僕は、ぬらりひょん23代目を継ぐのだ。
誕生日である、9月24日に。
瑠璃も麗魅も零も例外じゃない。
何せ彼女たちも9月24日生まれなのだから。
「がんばりましょう、熊本さん?」
僕の事をそう呼ぶのは零しかいない。
「う、うん」
僕はちょっと顔を赤らめて答えた。
ついに所狭しと生徒たちが暴れまくる体育祭の開戦のゴングが鳴り響く。
3年3組のプレイヤーはざっとこんな感じだろう。
熊本健太郎 HP2100
阿蘇宮篤 HP2100
八代海斗 HP2100
青竜院零 HP1900
大分紗野 HP1800
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(212-1)(213) ( No.219 )
- 日時: 2015/06/07 23:39
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
注意事項 水俣君のやつ忘れてました!
水俣芳大 HP2100
体育祭の第一種目は・・・『100m走』。
霖が出場するんだよな。
ついに第2レース。
霖は料理好きなのは分かるのだが、果たして体育の実力は・・・・?
「よーい、ドン!!!」
空砲が鳴り響くとダッシュするメンバーたち。
霖は2位か・・・
でも1位との差は大きい。
第4、6、と2いう結果が続き、結果はというと・・・
なんと、1位は青竜だったのだ。
くそっ、幸先悪いスタートになっちまったな・・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(214) ( No.220 )
- 日時: 2015/06/08 22:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
前書き 今週は体育祭があったというわけで、11話編成でどうぞ。
第2種目は中学女子『デカパンリレー』から6種目目小学生・高校生『大玉ころがし』が終わって、白虎は青竜に負けている。(青竜251-白虎223)
さて第7種目、『ムカデ競争』が始まった。
この4人は身長差が25cm以上あるわけだけど、前はぜんぜん平気だと言うんで任せておこう。
さてこちらは朱雀。
「心のそこからムカデになりきるぞー!!」
「いいから早く足結ぶぞ!!」
まったく何やってんだか。
さて空砲が鳴り響く。
皆走りぬく。
玄武倒れた!
鳳凰までも、麒麟までもが!
今度は青竜!
後は朱雀と白虎の一騎打ち。
結果はというと・・・
ほぼ同時到着!
結果は・・・・・・
0.06秒差で白虎の勝利!!!
まったく、ひやひやさせる戦いやってくれるぜ。
白虎の皆湧き上がる。
朱雀はしょげる。
ハックが、
「いったい何なんだろうね・・・このギャップの違い」
僕もこのギャップの違いが分からなくなった。
残り9話
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(215) ( No.221 )
- 日時: 2015/06/08 22:39
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、第8種目中3『バンクボウリング』。
ちなみに、この体育祭は種目が多すぎるので、同時並行でやることが多い。
僕は体育館。
「まったく、何でここは同時並行で行わなきゃいけないのかな」
「仕方ないよ。ここは種目が多すぎるんだから」
駿と唯真がなだめる。
「そうなのか・・・」
さて、バンクボウリングが始まった。
1投目・・・
ボールが接触することなくピンへ・・・
ピンは黄色、赤色、青色、黒色と分けられてあって、それぞれ得点は50点、10点、5点、1点と分けられてある。
結果は・・・・黄1本赤6本青18本黒55本で255点だ!!
さて続く2投目もスペア狙いでいったんだけど・・・・
そう簡単にスペアは取れず、青11本黒39本で94点。
青竜はガーターが相次ぎ0点。
玄武は277点。
朱雀は300点。
鳳凰は112点。
麒麟は227点。
ってことは白虎が勝利・・・(351点)
やったーーーー!!!
僕らは玄武に大差で勝ったのだ。
ところで点はどうなったかな?
おっ、玄武578点に白虎716点!!!
こりゃいい調子だ。
残り8話
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(216) ( No.222 )
- 日時: 2015/06/08 23:02
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、『ジャングルビンゴ』・・・
出口が24あるのだがそのうちどれにつながるかは5階に着くまで分からない。
さて1箇所目は、11!
2箇所目は7,3箇所目は15,4箇所目は23と続く。
そして5箇所目。
ついに12が開いた。
つまり14が開けばビンゴ成功という意味になる。
でも6箇所目は9,7箇所目は21,8箇所目は5と開く。
でもやってくれたのは瑠璃と麗魅の双子姫だ。
9箇所目と10箇所目は同時開きで14・17が開いた。
つまりWビンゴ成功ということになる。
11箇所目は8,12箇所目は6,13箇所目は22と開いた。
残り時間は30秒しかない。
14番目には彩世の双子の姉『臼杵怜子』が10を開けた。
連続で3ビンゴだ!
3・・・2・・・1・・・0!!
結果は1位だ!!
玄武が続く。
何せこちらも3つ決めたんだから。
朱雀は1つのみという結果に。
どんどんペースが上がってるぞ。
残り7話
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(217) ( No.223 )
- 日時: 2015/06/09 22:17
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、プログラム11の『ポップコーンヒッター』。
ルールはフライパンステージ上に立ち、リズムに合わせて跳ねるボールをゴールゾーンに入れなきゃならない。
2人がかりだから、相当チームプレーが必要なんだ。
校長曰くここで点を取れないと負けてしまうかもしれないほどこの競技は重要な競技なんだとか言うほどすごい目玉なんだ。
さてさて、白虎の挑戦はといいますと。
2人ともリズムにはカラオケで大慣れしてるのかは想像に任せるけれど、リズムよくボールをゴールに運んでいってなんと225点!
玄武は最多の355点。
最小は鳳凰で110点という結果になった。
まったく何なんだこの戦い。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(218) ( No.224 )
- 日時: 2015/06/09 22:51
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、こちらはプログラム12『洛西マッチョマン』。
洛西マッチョマンは京都洛西学園都市1周の超厳しいアスレチックだ。
さてぼくらの代表は、高等部3年生は5組の『射手川潤』。
彼は身長215cm、体重122kg、しかも握力は脅威の77kgだから最強だ。
この最強の怪力でゴールを取って来い!
さて、13『ピンボールランナー』はというと・・・
望恵の的確な支持をマルシーが答えるという連携技で、なんと170点をマーク。
一方、朱雀はなかなか連携をとることができずに1個もかごに収めることなく勝負がついてしまった。
青竜はというと過去最多の210点をもぎ取り、優勝へ布石を進めたのだった。
残り5話
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(219) ( No.225 )
- 日時: 2015/06/11 22:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、プログラム14『パン食い競争』では。
逸塵と翔貴が決めてくれる。
身長的に考えれば翔貴があのメンバーの中でもっとも有利だ。
さてと、逸塵は逸塵で食欲的にも有利そうなんだがな・・・
洛西マッチョマンはといいますと・・・
11㎞もあるコースのうち4㎞完走している。
でも、きついのはいろいろある。
僕が通学中経験するあの心臓破りの坂。
しかもそれだけじゃない。
たとえば砂袋3kgを担いで500mは走ったり、バスケットボールを塀の向こうに投げ入れたり、いろいろな障害物のある障害物競走だ。
あっ、身長的に翔貴が有利だからって・・・あれ?
逸塵は大食い競争のように3個もパンを食べてるし!
しかも仁美は仁美でアフタヌーンティーを勧めてるし!
2人とも早くゴールしてー!!
というようなことはあったけど無事にゴールできた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(220) ( No.226 )
- 日時: 2015/06/11 22:37
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、プログラム15『デュアルカーリング』。
星空先輩がじきじきに出場する競技だ。
ルールはいたって簡単で、VS嵐のとまったく変わらない。
でも、違うところは、×2のストーンが2個あること。
これは大得点のチャンス!
とはいったものの、腰巾着の2人はストーンをはじき出しまくって道を開けていったものの、本人がなかなか入れられない。
というわけで結果は20pゾーンに×2のストーンを置けただけで210点。
玄武は川内の活躍で400点をもぎ取ってしまった。
なんかいやな空気がしてきた。
ここから玄武が逆転するかもしれないのに・・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(221) ( No.227 )
- 日時: 2015/06/11 22:57
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて洛西マッチョマンはというと・・・・
もう射手川先輩はもう8㎞地点で最強のスピードを保ったままダントツの1位をキープしている。
時計の時刻は12時25分。
白虎の玄武に対する連勝神話は17年間続いてるわけだけど、18年連続勝利となるだろうか?
そうそう、僕らは前半の15が終わったというわけで休憩に入ってる。
さてさて、どのチームが先に到着するのかな?
おっと、先に見えたのは白虎だ。
次は玄武。
いったいどっちが勝利するのかな?
玄武?白虎?玄武?白虎?
そんなことをしてるうちにゴール!
ほぼ同時着。
さて、審判の判定は・・・・
「ごめん、犬の世話しててみてなかった」
おい!!
まったくマイペースな審判だこと。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(222) ( No.228 )
- 日時: 2015/06/12 22:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
というわけで、映像判定に。
その結果は・・・
0.05秒の差で玄武の勝利。
この競技は後々の競技にいろいろ影響をもたらすんだ。
やる気が1位と最下位ではまったくと言ってもおかしくないほど違いができてしまうんだ。
玄武はこの後やる気が上がるだろうし、最下位だった朱雀はやる気が0になっちゃうんじゃないかな・・・
このプログラムが全終了したわけだし、今から食事タイムだ!
今日の僕の弁当はいなりずしがメインディッシュなんだ。
何せ今日は体育祭。
体育祭くらいはちょっとぐらいはご飯の種類変えたっていいよね?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(223) ( No.229 )
- 日時: 2015/06/12 23:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて午後の競技が始まった。
最初はプログラム16『タイムトライアル綱引き』。
そのルールは京阪の第1戦目KIRAMEKIと第2戦目AKOGAREの発車BGMにあわせて2人ずつ増やし、綱引きを行うのだ。
ここは阪急沿線なのに京阪のBGMが使われているのは、発車BGMをつなげると1曲のつながりになってるからだ。
僕は第1戦目の守口市のBGMで、第2戦目のBGMは中書島となってる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(224) ( No.230 )
- 日時: 2015/06/16 22:16
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、綱引きが始まった。
淀屋橋駅でのBGMが流れると始まるのだ。
何しろ、始発駅だからな。
淀屋橋駅でのBGMが流れた。
このときの中学生3年はたったの4人だ。
滉人、唯真、怜子、侑李だ。
つぎのBGM、天満橋のBGMだ。
ここで入るのはマルシー。
この綱引きは1度BGMがなると1人ずつ増えていく仕組みになっていく。
さて、京橋のBGMがなった。
ここでは翔貴が入る。
次はいよいよ僕の番だ。
あとがき 時間短縮の都合上、最近文章が短くなっています。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(225) ( No.231 )
- 日時: 2015/06/16 22:30
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、京橋のBGMがなってから15秒後・・・
守口市のBGMがなった。
僕も綱に駆け寄る。
その15秒後・・・
篤の番だ。
篤は、萱島のBGMで綱引きに参加するのだ。
後は香里園で仁美。
枚方市で零。
樟葉で瑠璃。
八幡市で敏輝。
淀では芳大。
中書島で愛。
丹波橋で麗魅。
深草で紗野。
三条で明。
この順番で増えていくのだ。
これがなかなかすごくて応援も過熱するのだ。
香里園、枚方市、樟葉、八幡市、淀、中小島、丹波橋、深草、三条とBGMが鳴り終わり、メンバーが全員でそろった。
ここからが戦いになるのだ。
お詫び 223-L3 2人→1人
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(226) ( No.232 )
- 日時: 2015/06/16 22:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
お知らせ 更新が3週間分できたので、当面更新をお休みさせていただきます。次の更新は7月13日予定です。
さてさて、ついに戦いが始まった。
対戦相手は鳳凰。
向こうにはなんと・・・
高校3年生にして身長250cm、体重185kgと学園一最強の巨漢である、『坂崎直樹』がいる。
こりゃ軽く引っ張っただけでもこっちは引きずられてしまうね。
だけど、ここで負けるわけには行かないんだ。
何せ変態軍団のいる玄武に勝たなきゃいけないのだから。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(227) ( No.233 )
- 日時: 2015/07/14 15:52
- 名前: メカニッカー (ID: Oiud.vUl)
試合スタート!
うわわ、早速引きずられている僕ら。
まあ、相手がそうなんだから仕方ないけどここで負けるわけにはいかないんだ。
そうなんだけど、なぜかこっちが引きずっている?
どう言うことだ?
ってあっ!!!
あいつ食欲に負けて買い食いしてる。
これじゃ勝負にならないよね。
なんかスッキリしない後味の悪い勝ち方になってしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(228) ( No.234 )
- 日時: 2015/07/14 22:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、こちらは玄武。
玄武は青竜に勝利。
第2戦は・・・
青竜が玄武に勝ったけれど、時間差・・・つまり勝利までの時間で玄武の勝利。
麒麟VS朱雀は朱雀の圧勝。
白虎VS鳳凰も白虎の圧勝に終わった。
続く2回戦は・・・
玄武VS鳳凰。
玄武はこれまた麒麟に勝利。
麒麟は図体がでかく、腕力も相当ありそうなのに、なぜか敗北。
それも麒麟団長は変態軍団の前幹部であったのだ。
おいおい、なぜにこいつが麒麟団長やってるんだ?
ついに決勝戦が始まった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(229) ( No.235 )
- 日時: 2015/07/15 22:47
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
玄武と白虎の対戦が始まった。
「おい、熊本。友達だからって手加減しないぜ?」
「分かってるさ。だけどこっちだって負けないぞ」
「ふん!俺らの団結力は最強中の最強だ」
「そりゃ僕らだって負けやしないよ」
「ふふん。面白くなったな。さあ、勝負だ!」
「僕らだって手加減なしで行くぞ!!」
僕らは戦いの炎を撒き散らせていた。
「Ready・・・・・・・・・・Go!!!!」
タイムトライアル綱引き決勝戦が始まった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(230) ( No.236 )
- 日時: 2015/07/15 22:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
綱引きで全てのBGMがなり終わった。
玄武と白虎の綱引きはデッドヒートを超えていた。
一進一退のつばぜり合いを繰り返してるうちに22分の長い時間が経っていた。
開始から25分・・・
綱引きは始めて動いた。
それぞれ1人ずつ脱落していったのだ。
また1人、また1人と脱落していき、ついに残ったのは川内と熊本になってしまった。
本気の1対1のマジの戦い。
もう誰も予想のできない結末。
いったい勝利するのはどっちなんだ!?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(231) ( No.237 )
- 日時: 2015/07/16 22:40
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
開始37分後・・・・
「いつの間にか俺とお前になったな・・・」
川内が言い出した。
「・・・ああ」
「だが、俺はここで負けるわけには行かないんだよ・・・」
「これは僕だってそうだ」
「ここで全部けりをつけよう」
「そうだな・・・」
皆は固唾を呑んでこの戦いを見守るしかない。
開始から40分・・・
勝負はついた。
次回予告 ついに勝負がついたタイムトライアル綱引き。
勝者はどっち!?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(232) ( No.238 )
- 日時: 2015/07/22 22:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
40分間の激闘を制したのは・・・
白虎だった!!
「おいおい・・・僕・・・本気で勝ったのかよ・・・」
「ああ・・・悔しいが俺の負けだ・・・・」
珍しい。
あんな負けず嫌いの川内が潔く負けを認めるなんて・・・
「成長したな」
どうも大学生らしい男性が川内に声をかけた。
「え?」
「あなたは・・・」
ハックと僕はまさかと思って名前を尋ねた。
「俺は都城久熊。よろしく。君が熊本健太郎君だね」
「はい・・・いかにもそうですけど・・・」
「ボス・・・なんでここに」
川内は訊く。
「お前もたくましい紳士になったな」
「え?」
「君はこのタイムトライアル綱引きで負けず嫌いな気持ちを捨てて謙虚に負けを認めた・・・そう、お前は謙虚でたくましい気持ちを持ったんだ」
「うう・・・」
川内の目には涙がたまっていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(233) ( No.239 )
- 日時: 2015/07/22 22:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「あら、ひーくん。奈々」
「お姉ちゃん」
「え?もしかして・・・あなたは・・・」
ハックが訊くと、
「私が星空仁美よ。そういうあなたは?」
「僕?僕は青竜院雹だけど・・・」
「雹?聞いたことのない名前だなぁ」
「まあ僕は遠いところから来たんだけど・・・いろいろなわけあってここに住んでるんだ。よろしく」
ハックは握手をした。
「それから・・・あなたが熊本健太郎君?」
「はい。僕は熊本健太郎ですが・・・・」
「やはりうわさどおりの少年ね」
「へ?」
「うわさどおりの正直で正義感の強い少年だって聞いたけど・・・本当のようね」
「・・・・」
僕は何もいえない。
その言葉よりも、川内の涙が僕の心に響いたんだから。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(234) ( No.240 )
- 日時: 2015/07/23 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は結果発表を待たずしてないはずの展開の渦中にいた。
「熊本君」
「はい」
「川内を・・・これからもよろしく頼む」
「・・・・・・はい」
「都城先輩・・・」
気づけば奈々も僕も何も言葉を発せなくなっていた。
白虎団のもとへ帰ると・・・
「熊本君マジすごいよ!」
「ぎりぎりの戦いしてくれるぜ」
「おめでとう!!」
どうもこの1対1の本気の戦いは僕の勝ちに終わったようだ。
奈々も疲れ果てた様子だった。
「やりましたね、委員長!」
「これであいつらの鼻を明かせたな!」
「いいや・・・私は本気の闘いをさせてくれた川内君に感謝したい」
「え??」
「だっていろいろな戦いを見てきたけどここまで興奮させてくれてしかも本気でぶつかった戦いはもう経験できなさそうだもの」
「・・・・そうかな・・・・」
「そうよ!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(235) ( No.241 )
- 日時: 2015/07/23 22:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は戦いの後・・・・
京都市宇治川のほとり、伏見区淀の河川敷に佇んでいた。
「熊本」
「ん?」
「すまなかった」
「どうして」
「俺たち変態すぎて女子に痴漢だなって思われることやってばかりだったよな」
「そうか。それでどうした」
「でも、ボスに再会してよく分かったよ」
「何を?」
「俺たちは紳士であれる事さ」
「・・・」
「だから、俺のこと、悪友じゃなくて親友だって認めてくれないか?」
「当然よ!」
僕はいつの間にかこぶしを交わしていた。
その僕らと宇治川の水を夕日が照らしていた。
この煌きは美しいものだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(236) ( No.242 )
- 日時: 2015/07/27 22:16
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9月になっても京都の蒸し暑さは続く。
そんな後半に僕の誕生日がある。
体育祭では3位に入賞できて、まあよしとしたのだけれど、9月24日は僕の誕生日なのだ。
普通は家族が祝ってくれるんだけど、僕は違う。
僕は2年前から1人暮らしを始めてるので誕生日を祝ってくれるのは同級生かそこらだ。
だけど今年はこの2年間とはどうやら違う誕生日を迎えそうだ。
なんか今年はとことんにぎやかな誕生日になりそうだな。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(237) ( No.243 )
- 日時: 2015/07/27 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「この9月24日は僕だけじゃない・・・麗魅・瑠璃たちにとっての15歳の誕生日か・・・しかも人間界で迎える初めての誕生日・・・・なんだよな」
「おい、カレンダーを見てどうした?」
しずくが後ろに突っ立っていた。
「え!?雫!!何でここに!?」
「9月24日は零の誕生日だからな・・・・」
「そうか・・・・」
「だろう?お前らは祝われるのか・・・年に1度の誕生日だし、本気だそうか」
「・・・・・・・そりゃそうだな」
もうこいつの本気は誰にも止められそうにもない。
「どうかした?」
霙がこの部屋を訪れた。
「ん?それは・・・ぼくらの誕生日が近づいてきてるから・・・」
「零の誕生日なのか?」
「ん?まあそうだけど・・・」
「そうか熊本、あんたも9月24日誕生日のようだな?」
え?
何で知ってるの?
「そりゃいやでも、分かるさ。雫兄貴が本気出すのは誕生日以外考えられっこないから・・・」
「・・・・」
そういうことなんだ・・・
「というわけであたしも手伝おうか?ああなったら誰も雫兄貴を止められやできないからな・・・当然ハックにもな」
あの常識人であるハックでも止められない!?
相当本気出すと僕だろうが絶対無理だな。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(238) ( No.244 )
- 日時: 2015/07/29 22:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9月の16日・・・
僕らの誕生日の準備が始まった。
僕らには15歳の誕生日だ。
ハックも僕の目をまじまじと見る。
もうこれはどうすると問いかけてるようだ。
どうも処置なしと対応したいけれど、それが表現できないのが残念なんだよな。
あと残り8日。
僕の誕生日は近い。
皆にLINEで報告しようかな・・・・
ってあ、もう皆知ってるはずだよな。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(239) ( No.245 )
- 日時: 2015/07/29 22:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕の誕生日は前々から話したように9月24日だってことは話したよね。
でもその日は双子姫、瑠璃・麗魅の誕生日であるのだ。
9月16日の19時・・・
まあ皆知ってるはずなんだから僕らは僕の家で待機することにした。
せっかくのサプライズを邪魔したらしゃれにならないでしょ?
だから僕らは9月24日まで待機するんだ。
後の皆飾りつくりやプレゼント購入をするんだ。
料理は9月24日を待たなきゃいけないんだけどな。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(240) ( No.246 )
- 日時: 2015/07/30 22:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9月18日・・・
僕は相変わらず京都市の洛西学園都市で生活してる。
さて、洛西学園都市について皆に説明しよう。
京都市西京区・長岡京市・向日市という3つの町にまたがってある学園都市だ。
その中心となってる学校は洛西学園という総合学園だ。
この学校は阪急京都線洛西口駅から徒歩25分くらいのあたりにある。
ここから阪急を使おうがJRを使おうが京都市街にすぐ出られる。
この町は阪急沿線で最大規模の学園都市なんだ。
しかもここからだとJRを使えば大阪市や神戸市・滋賀県に出られる交通の便がよいところなんだ。
だからここ15年人口が多くなってるんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(241) ( No.247 )
- 日時: 2015/08/03 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
前書き 今回はフランスの歴史の人物が登場します!!
さて、1431年5月23日・・・
「わたしは・・このまま火あぶりにされる運命なのでしょうか・・・?」
ある19歳の少女が死への恐怖の中に打ちひしがれていた。
この少女はジャンヌ・ダルク。
オルレアン解放に一役買った少女なのだ。
けれども異端者とされて今は冷たい牢獄の中にいる。
「そんなことはない」
「マリア様?」
「あなたは21世紀の日本という場所に行きなさい」
「え?私が・・・どうして日本へ・・・?」
「その国の京都の町にいる熊本健太郎君と一緒に過ごしなさい」
「熊本健太郎?その人って誰なんですか!?」
「さあ、会ってみれば分かりますよ」
「ちょっと・・・きゃああああ!!!」
少女はブラックホールの中へと消えた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(242) ( No.248 )
- 日時: 2015/08/03 22:16
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてこちらは2014年9月22日・・・
熊本健太郎は夕涼みに鴨川のほとりをぶらぶら歩いていた。
すると・・・・
「きゃああああああ!!!!」
バッシャアアアアン!!!
1人の少女が鴨川に突っ込んだ。
「おいおい、大丈夫かよ!?」
その1人の少女を鴨川から引き上げた。
容姿はちょうど佐野ひなこ金髪にした感じの女の子だった。
「あ・・・あなたは・・・?」
「僕?僕は熊本健太郎だけど・・・」
「やっぱり!!あなたが熊本健太郎君ね!?」
「はい?」
僕は急に見知らぬ少女に手をつかまれてびっくりした。
「わたしはジャンヌ・ダルク。皆からはジャンヌって呼ばれてるの。よろしく」
「・・・ジャンヌ・・・ダルク・・・・ってえええええええ!!!????」
僕は15世紀の人間であるジャンヌ・ダルクがなぜこの21世紀の京都にいるのかがさっぱり分からなくなってしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(243) ( No.249 )
- 日時: 2015/08/04 22:29
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「どうして!?どうして君はこの21世紀に!?」
「わたしは・・・えっと・・・神のお告げなんですよ」
「はい・・・?」
「わたしは・・・火あぶりの刑を受けることになって生きる希望を失ってました。しかし神のお告げ・・・いや、マリア様のお告げによってわたしは21世紀の日本に行ってあなたとともに・・・」
「そうか・・・・君は聖母マリアのお告げによってこの21世紀に行ってほしいっていったんだな。でも、何で21世紀の日本に行くよう命じたんだろう?」
「さあね・・・でも、これだけはいえると思います」
彼女には笑顔で生きていて欲しい。
聖母マリアの思いを感じ取った。
彼女への純粋な愛がよく分かるような気がしてきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(244) ( No.250 )
- 日時: 2015/08/04 22:38
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その晩・・・
僕はジャンヌを連れて帰宅した。
かわいらしい女の子を目の当たりにした篤。
「いったい何があったんだよ!?」
「それが・・・鴨川のほとりをぶらぶら歩いてたら・・・この女の子が鴨川に・・・」
「それ本当!?」
篤は半信半疑でジャンヌの頬をつねる。
「痛っ!」
ジャンヌがかわいらしい悲鳴を上げた。
「やっぱり・・・本当だったんだ・・・・・・」
「うん」
「でも親が心配してるんじゃないの?」
「もう遠くにいて会えなくなってる」
「会えなくなった?」
「そういうことなの・・・・」
「まあ仕方ない。ちょうどここから2部屋離れた801号室が空いてるよ。ここに住んでったらどうだ?」
「はい・・・ありがとうございます」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(245) ( No.251 )
- 日時: 2015/08/05 22:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして迎えし9月24日・・・
16時30分、僕は机の上の置手紙を見つけた。
その置手紙を読むと、こう書いてあった。
『18時30分、804号室に来て』
それだけだった。
あと、2時間もある。
その間ゆっくり遠回りして帰るとしよう。
さて、皆は準備の最終段階に向かっていた。
瑠璃はもう先に帰っているけれど805号室で待機してる。
当然、麗魅もだ。
18時30分から誕生日パーティーがある。
サプライズのある18時30分まで後1時間44分。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(246) ( No.252 )
- 日時: 2015/08/17 22:10
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕らの誕生日・・・9月24日17時45分・・・・
サプライズまで1時間をきった。
僕も帰宅ではなく待機することにした。
「遅いよ、今までどこほっつき歩いてたの?」
「ごめんごめん50分以上このあたりを回ってきただけだよ」
「そう、じゃあ許す」
麗魅も半分呆れ顔で許してくれた。
僕はやっぱり不器用だな・・・・
「サプライズか・・・どんなことになるんだろう・・・・」
「分からないわよ・・・」
「まあ楽しみよね」
「そうですよね」
「サプライズを待とうか・・・」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(247) ( No.253 )
- 日時: 2015/08/17 22:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてついにやってきた18時29分・・・・
804号室のドアの前・・・・
「いよいよだな・・・」
「なんか楽しみ」
「早く開けたいですけど・・・まだ我慢します」
「そうしておこう」
18時30分。
瑠璃がドアを開けた。
中は真っ暗だ。
仕方ないので照明をつける。
パン!パン!!
クラッカーが鳴り響く。
「お誕生日おめでとう!!!」
皆のお祝いの言葉が充満した。
そうか・・・
この置手紙はこういうことだったんだ・・・
麗魅はもう嬉しさのあまり泣き出してしまってる。
料理はローストチキンやらハンバーグやらステーキやらいろいろずらりと並んでいる。
まさに豪邸の食事かなんかだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(248) ( No.254 )
- 日時: 2015/08/17 22:29
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ちなみにこの料理は霖と澪の2人がかりで作ったものだ。
それに2人でこんな料理を作り上げるなんてすごいな。
何せ、大勢で祝う誕生日なんだから。
18時38分・・・
やばい!
僕の誕生日も5時間半もない。
「さ、そろそろ食べようか」
「そ、そうだね」
雪もいわれるがままの返事をした。
中央のケーキは直径70cmくらいはありそうだ。
こんなにでかいケーキは過去に見たこともない。
「ケーキのろうそくをさすよ」
霊が15を模ったろうそくをさした。
霄も9/24を模ったろうそくをさす。
「すごいすごい!誕生日らしくなった感じがする!!!」
「そうだな」
「それじゃあ・・・いっただきまーす!!」
「いっただきまーす!!!!!!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(249) ( No.255 )
- 日時: 2015/08/18 22:41
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
19時、残り時間5時間。
皆あれほどあった筈の大量の食事が8割ほどなくなった。
「ここまで減ったんだし、ケーキのろうそくに火でもつけない?」
霊が突然言い出す。
「え?まだ食事が残ってるよ?」
霖が驚く。
「そうだよ、ケーキは最後でいいのに・・・」
「でもろうそくの火だけならいいじゃない」
「そこまで言うのなら、仕方ないな」
ろうそくの火がともった瞬間、消灯した。
霙がどこかで買ってきたマイクロフォンを手にする。
「はい、ついにやってきてまいりました熊本・姫さん・零の誕生日です!さあ、ろうそくの火を消してください!!」
ふーっ。
ろうそくの火が消えたのを確認すると電気がついた。
するとなんと霙は蝶ネクタイ姿になってる!?
いったいどういうことなんだ?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(250) ( No.256 )
- 日時: 2015/08/18 22:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「あの・・・」
「霙姉上・・・それは・・・?」
「これ?これからスーパーメドレーをしようと思ってね・・・だから用意したんだよ」
霙はぬけぬけとした口調で答える。
「そうだったんだ」
ハックがノートパソコンを立ち上げる。
ノートパソコンの動画の項・・・スーパーメドレーの項をクリックする。
するとシアターモードでテレビがついた。
これからテレビでスーパーメドレーが放送されるんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(251) ( No.257 )
- 日時: 2015/08/19 22:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
19時10分。
ハックが編集したMV動画が再生し始めた。
プログラム編成はHey!Say!Jump!から始まって嵐、AKB48、Flumpool、西野カナ、E-girls、EXILE、3代目J-soul brothers、関ジャニ∞、Kis-my-Ft2などのようなアーティストのMVのメドレーとなっている。
その間に15分おきに誕生日プレゼントが渡される予定なんだ。
19時15分、まずは澪だ。
「熊本君、いい誕生日迎えられておめでとう。これ、私からのプレゼント」
中に入っていたのはHey!Say!Jump!のシングルCDだ。
瑠璃のは桜の髪留め。
季節はずれのような感じがあるけど気にしないほうがいい。
麗魅のはブレスレッド。
しかも宝石つきだ。
結構お金使ったんだな。
零のは香水。
しかも瓶のデザインがかわいい!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(252) ( No.258 )
- 日時: 2015/08/19 22:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
19時30分。
2番目は篤・翔貴・芳大だ。
「誕生日おめでとうな」
そういわれて受け取ったのは全員同じ緑のCDラジオだ。
緑とはいっても緑青色なのが特徴なんだ。
19時45分。
滉人・光平からのプレゼントはスマホケース。
僕のは青。
瑠璃と麗魅はどちらも橙色。
零のは緑。
早速すごいプレゼントをもらった僕らであった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(253) ( No.259 )
- 日時: 2015/08/26 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
19時51分・・・・
僕らは誕生日を楽しんでいる。
そう、9月24日という日を。
僕は過去にこんなに多くのプレゼントをもらったことがあるだろうか?
いや、ないだろう。
「熊本、お前って本当に羨ましい男だな」
「何がさ?」
「そりゃこんなに多くの女の子に祝ってもらえるんだからな」
「え?その中には悪魔もいるんだよ?」
「いいや、悪魔だろうが人間だろうが、女は女なんだよ」
「・・・」
「そうじゃないのか?」
「そうじゃないと言ったら嘘になるだろう」
「当たり前じゃないか」
「そうだな・・・・・・」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(254) ( No.260 )
- 日時: 2015/08/26 22:16
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
20時・・・・
ハックと霞と霄のプレゼント。
「これが僕たちからのプレゼントだよ」
すごいラッピングだ。
中も豪勢だと思ったんだが、案の定3DSのカセットが10枚分も入っていた。
6万近くもするようなやつを買ってくれたんだなと思うと嬉しくなってきた。
20時4分。
誕生日ケーキが雪にきれいに切り分けられた。
24等分ってことになるからすごい。
20時8分、ケーキが皆の皿に乗せられた。
でも、21時30分に食べる予定なのにいいのかな?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(255) ( No.261 )
- 日時: 2015/08/27 22:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
20時10分。
僕は誕生日パーティーを楽しんでいる。
霙は僕を急に呼び出して1階のエントランスに連れ出した。
「こんなところへ連れ出してどうすんだよ?」
「空を見上げれば分かるって」
「上?」
そこには、9月の星空が浮かんでいた。
少し季節はずれだとは思うが夏の大三角。
西の空にはさそり座。
秋の大四辺形。
南のうお座のフォーマルハウトが光る。
星空だったんだ。
「お前に見せてやれるのはこれしかないかなと思ったんだよ」
「これしかない?どういうことなんだよ?」
「こういうの気に入ってくれるかなって思ったんだよ」
「気に入ったよ」
「・・・・・・よかった」
霙はふっとつぶやいた。
「え?」
「なんでもない」
そういうと霙はマンションの中に駆け込んだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(256) ( No.262 )
- 日時: 2015/08/27 22:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
20時16分。
僕は霙の言われるがまま星空を眺めていた。
確かにきれいだ。
この満天の星空を僕は見たことがあるだろうか。
いや恐らくないだろう。
秋はこれといって明るい星空がないから寂しいかもしれないけれど、僕はこの星空が大好きなんだ。
ああ、もう7分くらい眺めている。
もっと眺めていたいけれど、9月とはいえ夜は寒いかもしれないし、皆心配してるだろうから家へ戻ろう。
僕はこんな幸せで嬉しい気分になったことは初めてだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(257) ( No.263 )
- 日時: 2015/08/27 22:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
20時24分。
皆がいる家へ戻った。
「何やってたんだ?こんな遅くに」
霄がにらみつける。
「夜の星空を見上げていたんだよ」
「ふうん、人間界の星空とはそんなに美しいのか?」
「ま、まあな」
そうか、彼ら彼女たちは魔界生まれ魔界育ちだから人間界の星空なんて見たことないんだったな。
霙は別として。
え?
空はベランダへ向かっていく姿が見えた。
まさか、夜の星空を眺めに?
しかもうちわを持って?
あいつもなかなか風流なことをするな。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(258) ( No.264 )
- 日時: 2015/08/28 22:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
21時30分・・・
楽しい誕生日も終わりを迎える。
ケーキが残っている。
霖がケーキを切り分け皆の目の前に切り分けたケーキを置く。
皆は膨れたお腹をさすりながらゆっくりそのケーキを口に運んだ。
おいしい!
でも、何なんだ?
このつらいと思う感情は?
おいしいのに苦しいという感情は何なんだ?
僕は楽しい9月24日を過ごした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(259) ( No.265 )
- 日時: 2015/08/28 22:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
9月27日・・・
修学旅行の3週間前。
今回の修学旅行はなんと福島。
会津若松・いわきといった地域をめぐることになっている。
会津若松で福島の歴史に触れ、桧枝岐でのファームステイ、いわきでのフラガール。
といったすばらしいプログラムとなっている。
でも、僕は知らなかった。
まさか、この楽しい修学旅行が大魔王によって捻じ曲げられることを。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(260) ( No.266 )
- 日時: 2015/09/01 22:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
洛西学園都市・・・・
京都では最大級の衛星都市だ。
この町には昔、都が存在していた。
長岡京だ。
784年、桓武天皇は僧侶たちの勢力の強い平城京(奈良市)から遷都をしようと思った。
この都市は甲子の年に当たり、遷都にはちょうどいい年だった。
しかし、工事責任者だった藤原種継が暗殺された。
しかもこの事件に弟の早良親王も関わっていたといううわさも広まり、彼は流罪になった。
早良親王は最期の時まで無実を訴え続け、死んでいった。
それからというもの長岡京の工事は遅々として進まず、しかも飢饉やら伝染病やらで天変地異が発生していた。
その結果、794年に平安京(京都市街)に改めて遷都した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(261) ( No.267 )
- 日時: 2015/09/01 22:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それから1868年までの1000年以上の長きにわたり、平安京は日本の中心としての役割を果たすようになる。
北には玄武(船岡山・鞍馬山)、東には青竜(鴨川)、南には朱雀(小椋池)、西には白虎(山陰道)が鎮座している四神相応の地である。
しかし、面積があまりにも広すぎて右京はそれほど宅地化は進行しなかった。
鎌倉幕府や江戸幕府の設立によって行政府としての機能は神奈川県鎌倉市、東京23区といった地域に移るようになったが、それでも今日とは日本の首都であり続けた。
そして、1868年に東京(江戸)に首都機能も移ることになった。
現在の京都市は山科や淀、嵯峨、京北といった地域にも広がっている。
現在の人口は146万9千人と政令指定都市として定められていて、11区でできている。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(262) ( No.268 )
- 日時: 2015/09/01 22:47
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
京都市には、螺旋の結界というものが存在している。
これは、淀殿の没した1615年(元和元年)に蘆屋一族によってできた結界である。
滋賀県大津市にある比叡山延暦寺から始まり、左京区の慈照寺、伏見区の伏見稲荷大社、西京区にある桂離宮、右京区の竜安寺、東山区の清水寺、下京区の西本願寺、北区の鹿苑寺、上京区の相国寺、中京区の二条城で終わる結界である。
この結界は400年は持つといわれ、強いものだ。
けれども、普通の妖怪はこの結界の栓に触れられないので、唯一人間としての体を持つ九尾の狐しか破れない。
その結界の寿命ももうすぐここまで来ている。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(263) ( No.269 )
- 日時: 2015/09/03 22:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ぬらりひょんの一族はもともと、岡山県沿岸部を中心に暗躍していた妖怪だ。
その隆盛の基礎を齎したのは15代目で、日本各地を旅する過程で仲間と出会い、百鬼夜行の地盤を固めた。
16代目のときに有名な事件が起きる。
大阪夏の陣の3ヶ月前のことだ。
大阪・京都を中心に暗躍していた京都妖怪があった。
その中枢が九尾の狐だった。
安倍晴明も封印にてこずったといわれるほどの強い妖気を持っていた妖怪だ。
そんな彼女を、16代目は倒した。
あの剣を以って。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(264) ( No.270 )
- 日時: 2015/09/03 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、それからはというと岡山市を中心に人間と妖怪の共生の道を歩むことになった。
それから7世代経って大きな悲劇があったが天才も生まれた。
20代目の暗殺。
22代目貴久は名将で、武術の達人だった。
そんな中でも一番大きな出来事といえることは18代目のときだ。
その代に当たる1688年、京都に入ったのだ。
京都に入るというのはこの時代、とても光栄なことで皆喜んだが、岡山との別れも惜しんだというほどだった。
こうして今、23代目健太郎の時代が始まるのである。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(265) ( No.271 )
- 日時: 2015/09/09 22:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
あの剣は、16世紀に安倍晴明の一族が作ったとされる由緒ある剣だ。
安倍一族はこの時代、蘆屋一族と合同するようになり、現在の蘆屋一族の血には、安倍一族の血も流れている。
これは安倍一族の女子が、蘆屋一族の男子に嫁いだから起きたことなんだ。
けれども狐の呪いは強く、この一族は嫡男、つまり長男が早世してしまうという呪いが会った。
だから傍流から実力あるものを当主に据えて現在まで至っている。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(266) ( No.272 )
- 日時: 2015/09/09 22:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、そんな渦中に星空奈々は1996年10月13日、星空家の次女として生を受けた。
妖刀作成のエキスパートは陰陽師が1000人いても1人いるかいないかだったが、彼女はいたって優秀で、齢3歳で最初の妖刀を作成した。
また、彼女は信心深く心優しい性格で、人格者とし謳われていた。
そんな中、13にして二条城を任され、次期当主としての期待を一身に集めることとなる。
しかし・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(267) ( No.273 )
- 日時: 2015/09/09 22:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
去年、驚くべきうわさが出てきた。
「本家の熊本杏香が破軍を召喚したぞ!!」
「・・・・!!」
「そ、それじゃあ、熊本杏香が次期当主と言うことなのか!?」
「うそだろ?」
「しかし、17代目が示した才ある者とは、破軍が使えるものということではないか。何しろ破軍なしでは九尾の狐は倒せないのだから・・・」
それ以降、彼女の虚無は増大していく。
「あれから1年、杏香はまだ子供、私には最強の槍がある。最強の術もある。私が九尾の狐を封じればいいのよ、破軍が使えなくてもね・・・」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(268) ( No.274 )
- 日時: 2015/09/11 22:17
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、誕生日も終わった9月29日。
学校もいつものように始まり、中間テストの日も迫っている。
今回はあの天才組、3年6組との勝負が控えている。
3年6組には学校内で有名な5人の天才がいる。
国語最強で生徒会の書記、天才詩人の『佐賀敦也』。
理科最強で中学の科学部部長の『唐津翔』。
数学最強の天才科学少女『佐世保亜里沙』。
英語最強で帰国子女の『松浦直美』。
社会最強で弁護士の息子『鹿島俊太郎』。
彼らは天才とされ、『五英傑』と呼ばれて恐れられている。
僕らは彼らに果たして勝てるのだろうか。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(269) ( No.275 )
- 日時: 2015/09/11 22:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
彼ら五英傑もまた、杏香を快く思っていないメンバーである。
もともと、彼らの推薦があって、星空奈々は二条城の守護者となれたのだ。
彼らはいわば彼女の側近みたいな存在だ。
しかし、熊本杏香が破軍を召喚したとなると、次期当主は当然杏香になる。
そうなると彼らにとっては厳しい。
中学1年の子供に先を越されたと焦るばかり。
けれども、彼女には最強の妖刀、最強の術を備えている以上、破軍は必要ないとした。
そう、自分たちが仕留める。
そういう覚悟を持って。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(270) ( No.276 )
- 日時: 2015/09/11 22:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて3年3組も最強はいないわけではない。
国語最強で僕の幼馴染の『松橋宏和』。
数学最強でサッカー部の長崎光平。
理科最強で吹奏楽部部長で雪女のDNAを受け継ぐ『千歳菜々子』。
英語最強で最大の戦力、宇佐美晴海。
そして地歴最強、23代目ぬらりひょんを襲名する予定の僕、熊本健太郎。
だけれど心配なのは加賀の弦殺師、阿蘇宮篤だ。
あいつは授業もあまり出席してないし、保健室登校が多いから、気がかりなのだ。
だから、僕らが先生の代わりに教えてやっているわけなんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(271) ( No.277 )
- 日時: 2015/09/14 22:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて僕はというと、京都府京都市伏見区中書島・・・
ここには宇治川が流れている。
僕はそのほとりで少し考え事をしていた。
僕に果たして23代目は務まるのだろうか?
果たして九尾の狐とはいったい何者なんだ?
あいつの宿願とはいったい何なんだ?
果たして僕はそいつに勝つことができるのか?
そんなことばかり考えていた。
でも、ここで考えたって始まらない。
全部やってみなくちゃわからないんだから。
全て行動しないと分からないんだから。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(272) ( No.278 )
- 日時: 2015/09/14 22:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、雪にもうれしい知らせができた。
それは、彼女の新たなる武器ができたことだ。
これはあまり魔力を必要としない代わりに、1つの重要なことを学ばなければいけないものだ。
それは、医学や医術。
この新たなる武器は『手術刀』と呼ばれるもので、医療の知識が必要とされる業物だ。
でも、雪はまだ12歳。
医療や医術、医学に関してはまったくの無知だ。
だから、彼女はその武器が届くなり医療や医術の参考書を片っ端から読み漁る気でいるのだ。
手術等にはホルモンを自由に操作できる力も備わっている。
ゆえに、雪が使いこなせれば、雪はもはや人体改造のエンジニアと同等の実力を持つようになれるのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(273) ( No.279 )
- 日時: 2015/09/15 22:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてさて、雪の手術刀と同様、医療の知識が必要なものがある。
それが、手術の力だ。
まあ、これはワンピースの悪魔の果実はこの世にはないから、DNAが覚醒したものしか使えないのだけれど。
でも、これには世界を揺るがす最強の力を宿しているんだ。
そう、普通の手術然り、人格移植手術然り。
この最大の手術は・・・
なんと、人を不老不死にさせるという最強で禁忌の不老手術というものだ。
けれど、これを終えた瞬間その能力者は命を落とすというハイリスク・ハイリターンの手術なんだ。
まあ、僕らはそういうものは持っていないんだけれど。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(274) ( No.280 )
- 日時: 2015/09/15 22:24
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
最初に 最近物語から逸脱して説明文となっていますが、こちらもよろしくお願いします。
手術刀には、もう1つの力が眠っている。
それは、ホルモン操作の力だ。
性別からテンション・成長までいろいろなホルモンを操作できるのだ。
まあ、男を女にできるし、その逆もできるというものだ。
雪が使いこなすということは、まさに人体改造のスキルを身につけるということと同じようなものなんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(275) ( No.281 )
- 日時: 2015/09/16 22:24
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
はじめに 本編へ戻ります!
さてさて、9月29日・・・
大阪府高槻市・・・
高槻駅前にある小さな喫茶店で僕は勉強をしていた。
この喫茶店は7年前から何か考え事をしたり勉強をしようと思ったときに行く所だ。
たとえ五英傑でも僕の居場所と癖を知らない限り、ここまでは追いかけて来れまい。
けれど、僕はあいつらの行動パターンなんかお見通しなんだよね。
だってあいつらは僕が見つからないとき、いつもと言ってもおかしくないほど長岡天神駅に集合するんだよね。
さてと、今日の勉強は終えたわけだし、そろそろ帰ろう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(276) ( No.282 )
- 日時: 2015/09/24 22:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はいつもそういう遠出は時々するようなやつなんだ。
中2の夏休みのときは神戸三宮。
冬休みは奈良。
これまで使ったのはJRや私鉄くらい。
けれど、今年はどうやらそう簡単に遠出ができないようなんだ。
大魔王の脅威が今年に入ってからというもの蠢きはじめているのだから。
けれど僕はあのことを聞き出しに行かねばならない。
いったいあの時、何があったのか。
さっぱり僕はあの時は分からない。
けど、あの花が散る時期に・・・
あの黄色い花が散るときに確かに殺されていたのだ。
それはいったい誰だったんだろう・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(277) ( No.283 )
- 日時: 2015/09/24 22:38
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕の学校生活が始まった。
けれども、僕には授業のことなんか耳に入ってこなくなりそうな気さえしてしまいそうだった。
大魔王が人間界へいつ侵攻するのか分からない。
もしかしたら明日かもしれないし、はたまた10年先のことになるかもしれないし・・・
けれど、大魔王の宿願は人間界をも支配すること。
そんなこと知ったら、大女神がどんなに怒るんだろうか・・・・
僕はそんなことばかりで頭がいっぱいだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(278) ( No.284 )
- 日時: 2015/09/25 22:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、スーパーアイドル・静岡環奈は橋本環奈と改名して、改めてアイドルとしての成長を始めた。
けれど、マネージャーになぜか遺産相続の話が持ち上がった。
僕も呼んだことのある人気作品、ロシア人形殺人事件の作者のミステリー作家・山岡和夫の別荘を舞台に書いた本の中にはこんな句がある。
「人間には誰にも悟られたくない心の闇があり、その闇を偽善という仮面で隠している」
彼は10日前に病死し、数十億円という遺産を残した。
その素顔を知るものは、誰もいやしない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(279) ( No.285 )
- 日時: 2015/09/25 22:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
大阪市梅田のある喫茶店・・・
環奈の曽祖父はかのスーパー名探偵だとか。
「じゃあ読むよ」
「分かった」
「どんな内容なんだ?」
「遺産相続・・・」
「この山岡和夫さんって言う人がこの間亡くなってね・・・マネージャーが相続人として選ばれたのよ」
「マジか!!」
篤が驚く。
「しかも・・それが何十億もあって・・・(笑)」
「ええ!!??10桁も!??」
僕も驚いた。
まさか何十億の遺産があるなんて。
「彼は隣人として家族同然の付き合いで、あの人、身よりもいなかったから、遺産をってもわるくないんだよ」
「相続人が、5人もいるんだろ?」
「そう。それにゲームがあって、制限時間内に長野県の軽井沢の別荘で暗号を解きなさいってやつ」
「どんな暗号?」
「どうかしたんですか?」
零と怜子、華凛が急に声をかけた。
「それがね・・・」
これまでの経緯を説明した。
「面白そうだな。やってみようか」
「そう、それはよかった」
僕も行くことになった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(280) ( No.286 )
- 日時: 2015/09/25 22:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、長野県軽井沢町・・・
「ようこそ静岡様」
「どうも熊本です」
「橋本です」
「阿蘇宮です」
ここは携帯の電源を入れての持込は禁止だから、シャットダウンしていくことになってる。
「よう、静岡」
「もしかして、ミステリー評論家の名古屋先生じゃないですか」
「君がまさか助っ人?」
「いや、環奈が助っ人さんで、僕らは単に付き合ってきただけで・・・」
「環奈?こんなクールでかわいい天使が?」
「そうですけど、あの探偵のそう孫でIQが175もある天才アイドルなんすよ」
「へえ、そいつは驚いた」
「ほへ?」
「そんな人と謎解き合戦できて光栄だよ」
「あなたは・・・?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(281) ( No.287 )
- 日時: 2015/09/27 22:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「僕は『犬養裕也』。僕も山之内先生の隣人で皆さん同様家族ぐるみの付き合いでね・・・どういうわけか遺産相続候補者となったのでよろしく」
「犬養・・・ああ、この間の窃盗事件の犯人を暴いたお手柄大学生か!」
「でもこの状況・・・あの山岡先生が書かれたミステリー小説と同様の状況だなんて興奮します!」
「ふん!高々近所窃盗事件を解決した程度でいい気になるな!」
「何よあいつ・・・いやな人」
「しかも酔いすぎているのなぁ」
「それも最近あの人の原稿が20年前よりきれなくなってるって話も聞きましたけど・・・」
「確かにね。最近彼らしくないって言うか・・・・」
「離婚が応えたんじゃない?それも身から出たさびだけど」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(282) ( No.288 )
- 日時: 2015/09/27 22:43
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「あー!誰かと思えばあの死者の砂時計で有名の・・・」
「まさか、倉沢先生?」
「え?ここに来たのはあなたも、遺産相続候補?」
「その辺かしらね。山岡先生は私の師匠みたいなものだから・・・遺産なんかいらなくたって稼ぎだけで食べていけるっつーの」
「彼女一発屋で・・・」
「一発屋?どういうことです?」
「あの作品が大ヒットした後、後が続かなくなって・・・あれ最近盗作じゃないかってうわさもあって・・・」
「あ。そういうのネットで見たことがある」
「しかも最近交通事故やらかして。賠償金とかなんかで・・・」
「橋本さん?ひそひそ話はやめてくれる?事務所の社長に言いつけるわよ?」
「何でもありません・・・」
「あんたのマネージャーの『宇都井和哉』だって、株で大借金背負っちゃたしねぇ」
「うっ・・・・」
言うんじゃなかったと後悔する環奈。
すると・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(283) ( No.289 )
- 日時: 2015/09/28 22:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「いや!放してください名古屋先生!」
「どうしたんだね及川くん、君の背じゃ届かんだろう」
「だ、大丈夫です!私1人でも取れますって!」
及川美緒というメイドさんが相当嫌そうに抵抗している。
「あらら・・・ずいぶん酔っ払ってますね・・・」
「あれ、環奈は?」
「そういえば、見かけないな」
「いいじゃないか及川くん・・・さあ・・・」
「あっ」
僕は声を迂闊にも声を出してしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(294) ( No.290 )
- 日時: 2015/09/30 22:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
けたたましい音ともにボトルが割れてしまった。
環奈が身を乗り出して
「すいません・・・名古屋先生にボトルを取って差し上げましょうと思ったんですけど・・・つい手が・・・」
丁寧そうに謝ればいいってもんじゃないよ。
あのバカ。
そう思ってたんだけれど、新手がやってきた。
どうも彼女は『天野瑞樹』といって絵本の挿絵を描いているんだとか。
え?
誰なんだ?
あの仮面をかぶった男は。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(295) ( No.291 )
- 日時: 2015/10/01 22:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「あの・・なんで・・・仮面を・・・」
零が腫れ物にでも触るような雰囲気で尋ねた。
「これは手品のときに傷ができて・・・・」
仮面の人物が答えた。
「そうですか・・・」
零は納得したのか、それ以上は訊かなかった。
けれど、いったい何者なんだ?
僕には後々それが疑問として残ることになった。
けれど、これで役者はそろった。
いったい誰が遺産を相続できるのかを僕らは見守ることになる。
暗号の内容はこうだ。
5体の人形は朝礼の順に首を刈られた。
これは頭文字を取れということだが、いったいどう並び替えるんだ?
数合わせは2番目の頭を5番目の頭の横に並べてごらん。
2番目と5番目は誰なんだ?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(296) ( No.292 )
- 日時: 2015/10/17 05:41
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、彼ら5人はそれぞれ指定された楽器を持って相続ゲームをすることになる。
名古屋はイワン(Ivan)のコントラバスか。
犬養はコンスタンチン(Constanuine)の第一バイオリン。
倉沢はターニャ(Tanya)の第二バイオリンだな。
それから、宇都井はエミール(Emil)のチェロだ。
天野はオリガ(Oliga)のビオラ。
暗号からすると、まさか今回の事件のターゲット?
そう考えるのもバカバカしい。
そんなわけで遺産相続ゲームが始まった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(297) ( No.293 )
- 日時: 2015/10/17 05:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、夜の22時35分・・・
名古屋が人形のある部屋に忍び込んだ。
「山岡先生、あんたの遺産は俺がいただくぜ」
あの暗号からすると、ヒントは人形の身長にあるに違いない。
彼はメジャーを手にした。
まずIvanは20cm、Emilは30cm、TanyaとOligaは40cm、Konstanuineは50cm。
あれ?
人形がちょっと湿っぽい。
これはどういうことだろう?
彼は考え込んでいるうちに何者かが鈍器らしいもので頭を殴られた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(298) ( No.294 )
- 日時: 2015/10/17 05:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて45分前、僕は部屋に寝転がっていた。
なぜ山岡先生はこんな遺産相続ゲームをけしかけたんだ?
どうしてなんだ?
21時55分・・・
鐘の音が聞こえてきた。
嘘だろう?
もう22時になったのかよ。
でも腕時計にな21:55と表示されている。
これはいったい何があったんだ?
そんな僕はこの40分後に惨劇が起きたことを知る由もない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(299) ( No.295 )
- 日時: 2015/10/17 06:08
- 名前: メカニッカーv2 (ID: YvSbEZ.f)
翌朝、僕らは朝食に集合した。
あれ?
名古屋がいない。
彼は集合時間になっても来なかった。
いったい何があったんだ?
それを突き止めるべく僕は部屋の前に立った。
「名古屋先生、起きて下さいよ。いつまで寝ているんですか?」
ドアは鍵がかかってない。
・・・!
これは!
名古屋先生の首なしの遺体が風呂場に浮かんでいた。
同じく浮かんでいるのはIvanの人形だ。
なんでIvanの人形を浮かべたんだ?これが事件のヒントとなるんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(290) ( No.296 )
- 日時: 2015/10/18 22:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
注意 294〜299話は284〜289話として読んでください。
Ivanの人形を拾い上げた僕は、疑問に感じた。
何でこんなのが風呂場にあったんだ?
「まさかこれって・・・見立て殺人?」
環奈が急につぶやいた。
「見立て?」
「ある現象とかになぞらえて殺人をするあれですか」
「これは、あの暗号か」
暗号といえば確か、285話で書かれてあった暗号が思い浮かんだ。
「まさかそんな。ミステリー小説じゃあるまいし、見立て殺人なんて・・・」
「いや、ありえなくはないよ」
僕が遮った。
「彼の言うとおりですよ。あの山岡先生の書記の小説『ロシア人形殺人事件』の内容・・・」
「確か、あの小説じゃ5人がロシア人形に見立てられた遺体となって発見され、最後は真犯人である『Conductor』しかいなくなる・・・っていうものだったな」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(291) ( No.297 )
- 日時: 2015/10/18 22:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「Conductor?何それ?」
「殺人という名の協奏曲を奏でる指揮者らしき人間かな」
「おい待てよ・・・」
宇都井が動揺する。
「宇都井さん?」
「次に殺されるのって・・・Emil・・・俺じゃないか!」
「ちょっと僕、ほかの人形がどこ行ったか確かめてくる」
零と僕はあの人形があった場所へ引き返すと・・・
「あれ?」
「人形が・・・全部持ってかれてます」
「そんな・・・」
環奈はこの事件の闇を感じているようだった。
弁護士らしき人がIvanの人形を持ってきた。
「一体何考えてるんですか!」
「人1人殺されたって時にまだ遺産ゲームを続けるつもりかよ」
零が怒鳴った。
篤もこれには憤りを隠せない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(292) ( No.298 )
- 日時: 2015/10/19 22:16
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「でもこれは山岡先生の暗号の1つですし・・・なるべく元通りにしておくべきかと。それに、迎えが来る5日後の朝まで続行するよう支持されてますのでいずれにせよ迎えが来るまでここにとどまるべきかと」
「そうよね。ここまで来てあきらめるわけにはいくもんですか」
部屋の中・・・
「何だよあいつら・・・」
「人1人殺されてもゲームは続けるんだ・・・」
「最悪です」
「確かに・・・誰も死んで欲しくはないものだよね」
「もちろんです」
「でもあいつら・・・生活かかってるからな・・・」
僕は憤りを隠せないが押し殺すことしかできない。
「みんな、今日は鍵をかけて誰が来ても迂闊に開けないでね」
「分かったよ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(293) ( No.299 )
- 日時: 2015/10/20 22:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ちょっと、それどういうこと!?」
倉沢が動揺する。
「分かってるとは思いましょうが、ここは下界からは凍った湖で切り離されて、大規模な密室になりました。外から犯人が来たとは考えられないんです」
「つまり、犯人Conductorはこの中にいるってわけだよな」
「そう」
さて宇都井は自分の部屋の鍵を閉めた。
「さて、これでよしと」
彼だって遺産は欲しい。
でも命を取られたりしたら何の意味もない。
それにあの見立てが本当だったら次は自分の番。
なぜかは知らないけど急に睡魔が襲ってきた。
彼はこの後、殺されてしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(294) ( No.300 )
- 日時: 2015/10/20 22:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
翌朝・・・・
「うわ〜、朝だっていうのになんかだるい」
「篤もだよ」
「私たちもどうしてか体が重たい・・・」
「おかしいですよね・・・みんな体がだるいなんて」
さて、僕らがロビーに赴くと・・・
環奈が体をこわばらせていた。
「に、人形が、増えてる・・・?」
あれは・・・
チェロのEmilだ!
宇都井さん?
「あの、宇都井さん、これっていっ・・・」
宇都井は倒れた。
そう、もう死んでしまってるんだ。
いや、殺されてしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(295) ( No.301 )
- 日時: 2015/10/26 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、ついに起きてしまった2件目。
もう、トリオとなってしまった。
やっぱり、あれは見立て殺人だったみたいだ!
「でもいったい鍵をかけた筈なのにどうしてマネージャーは・・・」
でも、部屋を調べると、下部分に隠し扉があった。
人間1人くらいが入れそうな大きさだ。
「じゃあ、鍵をかけたとしても、犯人に入られてしまうじゃないですか!」
零は信じられない様子で叫ぶ。
「それで、長年出入りしていた執事さんは、こんなものがあったなんて知ってたんですか?」
「いいえ」
「ここってもしかしたら・・・」
「そうですね。もともとホテルだったらしいですが、オーナーが有名なマジシャンだった。そうですよね?平井さん」
「はい。そうだったと山岡先生から聞いております」
平井執事が答える。
「じゃあ、ほかの部屋にもあるって事じゃ・・・」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(296) ( No.302 )
- 日時: 2015/10/26 22:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「おいおい、だとしたら皆の部屋にも・・・」
「ジョーゼフさん、私の部屋も見てくださらない?」
「分かりました。皆さんの部屋も念のため、調べておきましょう」
まずは天野さんの部屋。
クローゼットの中には隠し階段があった。
それはワイン蔵へ続いてあった。
あれ、ワインだ。
しかも1955年物とか1975年物。
結構古いんだな。
「ちょっと、飲まないでくださいよ」
「分かってるって。ちょっと見てただけだよ」
それにしてもすごい財産だな。
倉沢さんのところには隠し金庫。
犬養さんのところにはアンティークのドレス。
零の部屋には何もなさそうだけど・・・鏡にしては妙だ。
マジックミラー?
後の皆の部屋はどうなってるんだろう。
環奈と僕のはとりあえず自分で調べておく。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(297) ( No.303 )
- 日時: 2015/10/26 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
及川さんのところにはのぞき穴がある。
向こうには山岡先生の部屋があったという。
後の執事・平井と弁護士・高尾は何もない。
皆鍵を閉めれば大丈夫みたいだ。
キーストッカーは警備が厳重な様子。
しかも、あの紐は強い繊維で簡単には切れない。
でも、弁護士には大きな利益が転がり込むけど、皆怪しそう。
当然、僕もだ。
そんなわけで、ジョーゼフが預けることにした。
何か嫌な予感がする。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(298) ( No.304 )
- 日時: 2015/10/27 22:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
環奈と僕は考えていた。
どうして犯人は暗号の筋書きに見立てて2人を殺害したのか。
そして5体の人形のうち3体はどこいったのか。
「あのスマホの写真見せて」
でも、ヴィオラとヴァイオリンって確か似た大きさだけど・・・
いったいどうして同じなんだろう。
けどどっちが大きいのかな・・・
「ヴィオラのほうよ」
「え?」
天野さんが立っていた。
ヴィオラは65〜66cmで、ヴァイオリンは60cm、チェロは120cm、コントラバスは200cmとのこと。
ヴィオラはヴァイオリンよりは低いけど安定していて、ドラマの助演のような役割ということだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(299) ( No.305 )
- 日時: 2015/10/28 18:39
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、天野さんは昔山岡先生から挿絵の依頼を受けたのだけど、たまに自己主張したいのかわからないけど、トリックの答えに気づいてしまい、それを挿絵に表現してしまった。
もちろん、読者からはブーイングを受けてしまった。
でも当の本人は笑って許してくれた。
けど、それはどうだろうか。
殺したいほど憎んでいたのかもしれない。
あの覗き穴は、人格者としての仮面だったのかもしれない。
本当は執念深く陰湿、そして好色な男だったのかもしれないな。
まあ、当の本人は死んでいて、わからないけど。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(300) ( No.306 )
- 日時: 2015/10/28 18:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
人間という生物は心の中には闇が存在していて、いつ、何かしでかすかなんてわからないものなんだ。
そう、彼女も・・・・
天野さんは髪の裏の顔を見せた。
うわっ、すごい火傷じゃないか。
これは3ヶ月ほど前、ホテルの火災の時負ってしまった。
弟は一酸化炭素中毒で意識不明の重体で今も入院している。
だから彼女は遺産が欲しいのだ。
どんな手段を使ってでも・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(301) ( No.307 )
- 日時: 2015/10/28 19:02
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その晩、僕は環奈と部屋の中で考え込んでいた。
やっぱり、背の低い順かな?
でも同じ高さの人形が2体もあったらどうしようもなさそうだ。
でも、僕は殺人鬼より怖いものがある。
山岡先生は遺産相続ゲームにかこつけて殺人を起こさせているとしたら。
そんなこと、考えただけでもぞっとする。
人間には心の闇が存在していて、それを仮面で隠している。
でも、僕はそれは仕方ないと思う。
だって僕も仮面をかぶっているさ。
本当の自分晒してばかりじゃ恥ずかしくってやってられないじゃないか。
それに、いい仮面をかぶっていたらそれは悪いことじゃない。
僕はそう思う。
考え事してたらいつの間に夜が更けていった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(302) ( No.308 )
- 日時: 2015/10/29 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、夜もふけた2時・・・
急に眠気がしてきた。
いったいどうして・・・
なぜなんだ・・・?
そう考えているうちに僕と環奈は寝込んでしまった。
さて、そのころ、犯人らしき人物がOligaの人形を置いた。
ヴィオラの音も消えた。
天野さんも寝入ってしまった。
そして・・・
紐で犯人は彼女を絞殺した。
「なぜ・・・あなたが・・・・・」
なぜあいつに殺されるかの理由も分からないまま死んでいった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(303) ( No.309 )
- 日時: 2015/10/29 22:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
前書き 気づけばもう1年以上。参照も2200近くまで行きました。本当にありがとうございます!
翌朝・・・
「熊本さん!もういい加減起きてくださいよ!」
零が揺さぶって僕らを起こした。
「どうしたの?零?」
「それが・・・天野さんが・・・・」
部屋の前に立つと天野さんが応じていないようだ。
鍵はジョーゼフが持ってるはず。
鍵を開けるとそこには・・・
天野さんの死体が転がっていた。
ここは3階。
窓から出入りできない。
まさか今のは密室殺人!?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(304) ( No.310 )
- 日時: 2015/10/29 22:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ロビーにて・・・
「完全な密室ね・・・でもどうかしら。たとえば針金で窓の隙間から・・・」
「私も窓周りは調べたんだけど、それらしいものはまったくなかったよ」
「やっぱり密室だったのかよ」
「いいえ。1人いるじゃないですか。針金なんてちゃちなトリックも使いもしないでやれる人物が。キーストッカーを管理していた人物・・・」
ジョーゼフ?
おいおい、あいつの部屋も封鎖されて・・・
でも、抜け道はないっていうのは証言が根拠だったよな・・・
「そう、この中で抜け道がないっていったのは彼自身で誰も確認してはいません。それに、ほかにも証拠はあります。2日目に宇都井さん殺害時、皆だるさを感じたでしょ?それが彼が仕込んだ睡眠薬だとしたら?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(305) ( No.311 )
- 日時: 2015/11/02 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「え?まさか・・・」
「そのとき、皆眠たくなったでしょ?」
「まあ、そうっちゃそうだけど」
「でも、篤は飲まなかったよ。っていうかココア飲み忘れちゃった」
おいおい。
「その後、眠くなりませんでしたか?」
「いや、深夜の1時ごろ、レンジで暖めて飲んで部屋へ戻ったら・・・」
「でしょう?それは偶然じゃなかったんです。しかも、阿蘇宮君同様ココアに砂糖を入れなかったのがただ1人・・・」
やっぱり、ジョーゼフさん!?
「ちょっと、どうなんですか?」
僕は尋ねざるを得ない。
「それはどうかな?」
?
環奈が急に言葉を返した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(306) ( No.312 )
- 日時: 2015/11/02 22:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「確かに、ココアの砂糖に、睡眠薬が入ってたのも無理ないとは思うんだけど。皆あのときの食事を飲食もしてた。でもさ、それを口に含まないようにできる手もあるんじゃない?」
え?
そんなことできるのかよ。
「ハハハ、何いってるんだ。そんなこと、できるわけ・・・」
「簡単よ」
篤はココアを入れた。
「でも入れるのって・・・なんだ?」
「唐辛子よ」
おいおいおい、そいつまさか、本当入れて飲むのかよ!?
って、篤がちで飲んでるし。
そいつはちとやばいんじゃ・・・
え・・・
「え?辛くない!魔法みたいだ!」
「僕にも飲ませて。本当だ。辛味なんか感じない」
どうして唐辛子入れても辛くもなんともないんだ?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(307) ( No.313 )
- 日時: 2015/11/02 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「簡単なことよ。ほら、ココアって牛乳から作るでしょ。だから時間が経つと表面に膜ができちゃうんだよね。これ、案外丈夫なものでね。ほら、さじ1杯くらいなら包み込んじゃうってわけ」
そうか・・・
だからあの時辛くもなかったわけか。
「しかし、君が言ったトリックを使ったという証拠はないじゃないか!」
「そうね。でもさ、密室まで作った狡猾な犯人が篤君が見てる中で堂々と砂糖を入れると思う?」
確かに、これじゃ犯人だって告白するようなものだ。
けど、何でジョーゼフさんはあの時うそついたのかな?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.314 )
- 日時: 2015/11/03 00:39
- 名前: せあら (ID: UgGJOVu5)
えーっと、見にくいです。
記事が多いので、遡って見るのが大変です。
目次を作ってはいかがでしょうか。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(308) ( No.315 )
- 日時: 2015/11/04 22:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
>>314
せあらさんご指摘ありがとうございます!この件についてはおいおい改善したいと思いますので待っててください。
「あのー・・・なんであの時、うそをついたんですか?」
僕と篤はわけが聞きたくてたずねた。
「うそ?」
「ほら、あの時あなた言ったでしょ?外から進入できないって」
まさかあのうそが密室トリックにつながることも考えられてしまうからね。
「わたしはうそなんかついてませんよ」
「え?どういうことなんだよそれ?」
僕にはわけが分からなくなってしまった。
「私の部屋には確かに抜け道はありました。しかしそれは外へのためであって外からは不可能ということです」
ますますわけが分からなくなっちゃった。
「そんなの、ただの屁理屈じゃないか!」
犬養さんも食って掛かる。
でも、ここはあきらめるべきだろう。
「あきらめましょう。こんなことで議論したって始まりません」
「・・・っ」
犬養さんは悔しそうに部屋を出て行った。
もうデュオ。
次が殺されればもうおしまいだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(309) ( No.316 )
- 日時: 2015/11/04 22:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
でも、何で1度人形を持ち去って、1人被害者が死んでいくごとに戻していったんだ?
単なる見立て殺人じゃ説明できないし・・・
ゴーン・・・
ゴーン・・・
鐘の音が聞こえた。
もう11時か。
あれ、待って。
あの時確か、21時55分に鐘がなっていた。
あの大時計が21時55分の時には22時になっていた?
最上階へ行ってみた。
お!
ここにははしごがあって、ここを伝って行けば時計にたどり着くぞ!
もしかしたらあそこにあるはずだ。
調節用の歯車が!
そんなわけで歯車の元へ行ってみることにした。
風は弱いけど、慎重にいかねばならない。
下にたどり着いたら扉がある。
そこだ!
でも、何のために5分ずらして元に戻したんだろう?
目次1 せあらさんのご指摘を受け、1学期がどこからどこまでを示しておきます。
>>1->>75
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(310) ( No.317 )
- 日時: 2015/11/04 22:58
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
やっぱり、アリバイのため?
でも、第1の事件のときの皆のアリバイはあやふやだ。
何せ死亡推定時刻も分からないから。
第2の事件のときはどうだろう。
あの時は深夜24時。
皆寝てしまっているころだろう。
絶対アリバイなんて作れるわけない。
すると・・・
ぽつぽつ・・・
雫?
もしかして・・・雨?
悠長に考えてたら風邪を引いてしまう。
いったん撤収しよう。
そんなわけで戻った。
「熊本さん、お風呂にでも入って、着替えましょうよ。ほんとに風引いちゃいますよ」
「分かったから・・・え?」
あの時も・・・確か、雨降っていたよな。
じゃあ・・・
目次2 夏休みはどこからどこかも示しておきます。
>>75->>205
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(311) ( No.318 )
- 日時: 2015/11/05 22:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は環奈に耳打ちした。
「ああそうか、だから犯人はあの暗号文に沿って人形を現場に置いたんだ!」
スマホの写真を見るとやはりTanyaとOligaの人形は服装は違うけど同じ大きさだ。
あっ、確かヴィオラって、バイオリンよりは一回り大きかったっけ。
確か、人形の楽器は全て20cm。
バイオリンは60cm、KonstantinとTanyaはそれぞれ50㎝と40㎝。
ヴィオラは65㎝、Oligaは40㎝。
チェロは120㎝、Emilは180㎝。
コントラバスは200㎝、Ivanは20㎝。
そういう感じだったな。
じゃあまさか・・・
ノートにまとめると・・・
そういうことだったんだ!
暗号の解が分かった!
遺書のありかが分かった!
後は殺人のパートだが・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(312) ( No.319 )
- 日時: 2015/11/09 22:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
密室に関してはまだ謎が残っているんだけど、犯人は予想がついた。
スマホの画像で確かめておこう。
全員の部屋の画像を一通り見てみたが、これで十分分かった。
犯人は、あいつだな。
でも、やっぱり密室がまだ分からないこともある。
マスターキーは外すには結構難しい。
堅固そうなマスターキーだった。
でも・・・いったいどうやって取り外せたんだ?
僕が分からないうちにまた次の被害者が出てしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(313) ( No.320 )
- 日時: 2015/11/11 22:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
あーあ。
紐がゴムみたいに伸びたらいいのに・・・
切ったら後はどうつなげりゃいいんだ?
もしかして・・・
そうだったんだ。
だからあいつがすぐ看破できるわけだ。
ここはパズルの館。
もう、間違いない!
そうだ、やっておくべきことがあるな。
え?
ジョーゼフ?
もう、謎を解いてしまったのか?
その夜・・・
キャーッ!!
1人の悲鳴が聞こえた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(314) ( No.321 )
- 日時: 2015/11/12 22:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
現場に着てみれば、なんと倉沢先生の生首があった。
零もさすがに見てられないような顔をした。
「うぅ・・・」
これは・・・
もう彼にとっては犯人が分かったようなものだ。
「今度は何事ですか!」
「く、倉沢先生・・・」
「ついにソロとなったか・・・」
「そうでしょう?犬養さん?」
「!?」
え?
「やっと分かりましたよ。犯人『Conductor』の正体が」
「何ですって!?」
彼女の服についているのは・・・まさか!
「犬の毛ですよ」
しかも、彼の家の犬だとしたら納得行く。
けど・・・
あの推理はなんだったんだ?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(315) ( No.322 )
- 日時: 2015/11/12 22:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「そうですよね、犬養君?」
まあ、彼の家のことだ。
数匹か犬は飼っていたはずだ。
「飼い犬の毛は、飼い主が気づかないうちにこびりつくものですしね」
確かにそうだけど・・・
僕は犬に触ったことがないから分からない。
もしかしたらもみ合ってるうちにいつの間にか犬の毛が付着したんだろうな。
「ち、違う!犬の毛なんかで犯人だなんて決め付けないでくれ!!」
「そうだよ。それくらいの証拠で犯人扱いだなんてそんなこと・・・分からないのに・・・」
「何よりの証拠は君が生きていることです」
「じゃあ、倉沢先生が死んじゃった今、遺産相続候補は・・・彼1人・・・」
「そういうことです」
後は暗号を解き、遺書を読めば、彼に遺産が転がり込むってわけか。
もっともらしいね。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.323 )
- 日時: 2015/11/13 09:05
- 名前: どあら (ID: /dOKRqFx)
Kさんノ太陽ノ奇跡夜ノ無かった土曜日13年8月と11年5月7月8pm月ノ超ミカ月
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(316) ( No.324 )
- 日時: 2015/11/15 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
くっ、この賭けは環奈の負けか・・・
でも、賭けといえば・・・
そういやジョーゼフに勝てばConductorは法の審判を受けることになり、負ければ・・・
ジョーゼフの裁きをくらう事になるだろうな・・・
はっ!
そんなこと考えてる暇はなかった!
彼はマジで殺されるという運命。
いったいどうすれば助けてやれるんだろうか・・・
いや、無理に違いない。
まあ、奇術まがいのトリックができそうな人は彼しかいないだろう。
そうやって罪を着せようとしたって考えられるからな。
あっ・・・
逃げる犬養さんをジョーゼフはナイフで一突き。
「・・・」
「そんな・・・」
「Conductorは死んでしまったのか・・・」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(317) ( No.325 )
- 日時: 2015/11/16 22:06
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
犬養さんに駆け寄ろうとした。
けど、ジョーゼフ・・・いや、殺人経験の持ち主、ジェームズ・スミスは僕にナイフを向けた。
くそっ、これ以上近づけば僕もこのナイフで命を奪われる。
「今は止しましょう」
零が僕を制止する。
気持ちは分かるけど・・・
怜子が叫ぶ。
「早く、皆逃げよう!」
僕も仕方なく引き下がることになった。
これで遺産相続者はいなくなってしまった。
ロビーにバリケードを作って封鎖した。
けど、まさかこんな結末になってしまうなんてね・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(318) ( No.326 )
- 日時: 2015/11/16 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
遺産相続候補者は全員死んでしまった。
いったい誰の仕業なんだ?
やっぱり、ジェームズ・スミスの仕業か?
これまでの人殺しは何件にも及んでいる。
やっぱり、寄付という形で終わるのか?
でも、あとゲームセットまで49時間。
僕はとりあえず犬養さんの部屋の中を調べた。
すると、残りのTanyaとKonstantinが見つかった。
やっぱり、犬養さんが犯人なのかよ。
その翌日、22時15分・・・
及川さんはこのパズルの謎を解き、遺書を探し当てた。
しかし、この遺書は予想もできない内容だったことを知らずに・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(320) ( No.327 )
- 日時: 2015/11/17 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「読み上げます。第2の遺書のありかを・・・」
「・・・」
僕らは固唾を呑んで見守っていた。
「突き止めた人間こそが・・・わが遺産をめぐる連続殺人事件の真犯人、Conductorである・・・山岡・・・なんだって?」
「うそでしょ!?それは偽者です!きっと誰かが摩り替えたに決まってます!」
及川さんは狼狽した。
「そうだよ」
僕は答えた。
「僕が持ってたのが本物だ。先に暗号の謎といて摩り替えちゃった」
「先に・・・暗号を?」
「うん。ご覧ください。この5体のロシア人形は楽器はばらばらなのになぜか一緒の大きさなの」
「そういや、20㎝だったな」
「これは人形がもってる楽器とあわせたとき、ちゃんとした答えが出てくるんだよね」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(320) ( No.328 )
- 日時: 2015/11/24 22:10
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
怜子が答える。
「この暗号・・・朝礼の順に首を刈られたっていう仕組みにね」
「首は人形の頭文字だけど・・・小さい順に並べておく必要があるんだ」
零が反論する。
「待ってくださいよ。私だってそれは考えたんですけどそれじゃ、I,E,O,T,Kってなって、何がなんだか分からなくなっちゃいますよ」
「いいや、そうやって単に並べるんじゃなしに、その前に元の人間の大きさに直す必要があるんだよ」
「元の・・・大きさ?」
「うん。持ってる楽器の比率だよ」
「私やってみる」
怜子が黒ペンでホワイトボードに書き込む。
「まず、Tanyaだけど、持ってるバイオリンは20㎝に対し、本物は60㎝。だから比率は1:3。Tanyaの人形は40㎝だから本当は120㎝になるわけね」
「そういうことだ」
これなら数学の得意な怜子には楽勝な暗号問題だ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(321) ( No.329 )
- 日時: 2015/11/24 22:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「同様にKonstantinも50cmだから実際は150㎝。そしてOligaは40㎝に対してヴィオラが65cmだから実際は130㎝(4:13)。Emilは30cmに対してチェロが20㎝出実物120㎝だから実際は180㎝(1:6)。Ivanは20㎝のコントラバスと人形20cmで実物200cmだから実際は200㎝(1:10)」
怜子大活躍だな。
「それで、これを並べ替えると・・・T,O,K,E,I。時計!!」
「時計といえば、あの大時計しかないよね」
「次は2番目を5番目の右に並べてごらんだけど、2番目はO、5番目はI。これを暗号どおりに並べると・・・10!」
「楽しいリズムは時計の鐘の音だね!」
「つまり10時、鐘の音がなるってわけか」
「というわけで、この遺書を読み上げようか。この暗号を解いて第2の遺書を探し当てたものが遺産を相続できる。ただし、5人の相続候補者が1人もいなくなれば、暗号解読者に相続させる。・・・つまり、遺産は環奈のものだね」
「ちょっと待ってよ。私、死んでないわよ」
「僕もだよ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(322) ( No.330 )
- 日時: 2015/11/24 22:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「・・・!どういうこと?」
「見てのとおり、犯人をおびき寄せるための手品だよ。2人と、まだぴんぴんしてるぜ」
「ふふっ。そう、マジックショーです」
「だって、あの時、ほんとに倉沢さんの生首が・・・」
零はびっくりしている。
「あれは、テーブルの下に仕込んで合った鏡の陰に隠れてて、首だけ出してたんだよ」
「でも、どうしてそんな回りくどいまねをしたんです?」
「それは2つ理由があるんだ」
「それはね・・・」
あとがき ついに事件もクライマックス。時間も来たので、今日はここまでにします。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(323) ( No.331 )
- 日時: 2015/11/25 22:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
環奈は答えた。
「まず1つは、残るターゲットの2人を死んじゃったと思わせることでこれ以上の犠牲者を出さないようにするため」
僕も応ずる。
「そして2つ目は・・・残る2体の人形を回収することによって犯人に偶然解けたといわせることで、今回の動機が財産だって確認を得るためさ。そうじゃないですか?真犯人『Conductor』の及川さん?」
「ちょっと待ってください!彼女が犯人だなんて!」
「そうですよ!わたしは本当にたまたま解けただけで・・・」
「じゃあさ、何であの遺産が偽物だって気づいたのかな?」
「・・・直感よ。なんとなくそう思っただけよ」
「違う。実際は本物見てたんじゃないか?」
「違うわ。たまたまよ。本当にあの暗号の解き方がたまたま気づいただけで・・・」
「いや、それはないよ。だって、このIvanは違う人形だよ。こいつは3㎝小さいんだ。もしあの比率を使って計算すると170㎝でIvanより小さくなってしまう。この並びだとT,O,K,I,Eとなって時計にはたどり着けない。よって、たまたま解けたってのはありえないんだよな」
「じゃあ、いつ、どうやって及川さんはこの暗号の解に気づいたの?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(324) ( No.332 )
- 日時: 2015/11/25 22:24
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「それはね、私たちがここへ来た最初の夜に解いたんだよ。まず、彼女は21時50分ごろ、あの大時計の近くに来た。でも、雨が降り始めてしまったんだよね。その雨はやむどころか風も強くなって土砂降りに。だから5分進めておいたんだ」
「まあ、どうやらあなたは元に戻しておけば問題ないだろうなって思ってただろうだけど、あいにくにも僕は偶然腕時計を見ていたんだ。5分早い鐘の音をね」
「それで遺書を読んだあなたは5人の遺産相続候補者がいなくなればあの財産を手に入れられることを知ったあなたは今回の殺人を計画したってわけ」
「でも、あなたはそのためにミスをやらかしてしまったんだ」
「え?」
怜子が首をかしげる。
「まさか、窓を閉め忘れたことですか?」
零が答える。
「うん。このままだったらヒントを与えてしまうかもしれないし、かといって人形を全部処分したら今の演技が失敗するだろうからね。だから、今回の殺人を暗号になぞらえたんだ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(325) ( No.333 )
- 日時: 2015/11/26 22:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「つまり、人形を隠したのは人形が雨でぬれたからか!」
犬養さんが気づいた。
「まあね」
「あの時、Ivanの人形が浴槽に浮かべてあったのは濡れたことをごまかすためだったんだ」
怜子がIvanが浴槽に浮かべてあった思い出した。
「じゃあ、Emilのときはどうしてだったんですか?」
「それはただ人形が小さいとその分、服が乾きやすかったからなんだ」
「じゃあ、大きさが同じの、TanyaとOliga、どっちが先に乾いたんです?」
「服だよ。あれは、冬服のTanyaより、夏服のOligaのほうが乾きやすい。だから先に彼女が殺されたんだよ」
「な、何それ?万が一、Tanyaが乾いてたりでもしたら、私が殺されていたってこと?」
倉沢さんが驚いて尋ねた。
「そうかもしれませんね」
零も目を下に向けて答えた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(326) ( No.334 )
- 日時: 2015/12/10 01:50
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
及川さんは手を叩いた。
「素晴らしい想像力ね。もしかしたら、倉沢さんよりもすごい小説がかけるかも」
彼女は淡々と僕らの推理を褒めた。
「え?それ、どういうことですか?」
零が尋ねる。
「これまでの推理はあくまで空想のもの。だって私は遺書を盗み読んでもいないし、ましてや殺しだなんて…でも、これは認めるわ。私はあの時人形を見た時点でもう答えが分かっていたもの。なぜならトリックノートらしいものを見たことがあるんです。倉沢さんの部屋の金庫の中にあったものです」
僕はそのトリックノートに目を通した。
すごい。
あの暗号のからくりとかがびっしり書いてある。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(327) ( No.335 )
- 日時: 2015/12/10 02:01
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
もしかして、山岡先生本人のもの?
僕は知りたくなった。
だから尋ねた。
でも、これは彼の筆跡じゃないみたいだ。
「私は、このトリックノートを見て遺書の隠し場所が分かっていたけど、ずっと黙っていたのが気まずくて、解けたフリをしていただけです。でも、それで犯人だなんて…第一、天野さんのときは密室だったし、鍵もジェームズさんが持っていました。私が彼女を殺せるなんて出来るわけないじゃないですか」
「それはどうかな?」
「え?」
「あの時は本当は密室じゃなかったんだ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(328) ( No.336 )
- 日時: 2015/12/10 12:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はキーストッカーをみんなに見せた。
「なぜ、このキーストッカーがこんな形状になっているを説明するよ」
僕は1つ鍵を残して全部上にやった。
環奈が残した鍵を知恵の輪の理屈で取り出した。
「このキーストッカーは、警護が厳重だという見せかけに過ぎなかったんだよ。要するにこの知恵の輪が解ければ取り出し可能だってこと」
「それに、まだ証拠が残ってある」
篤はスマホの写真を見せた。
「この中に変わったものがあるんだけどこれが決め手なんだ」
「変わったもの?」
「スタンドの…傘の柄?」
怜子がスタンドの傘の柄の違いを見つけた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(329) ( No.337 )
- 日時: 2015/12/10 22:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「その通りさ。あの時窓を閉め忘れていたからスタンドも濡れてしまったんだ。だからどこかのスタンドと取り替える必要性があったんだ」
「このことをどう説明するの?あなたの部屋のスタンドがあの時のスタンドがあったこと。それでもまだ、自分は違うって断言できるの!?」
「…わかったわよ。そうよ、あたしがやったことよ」
「及川さん…なんで…どうして殺したんですか!」
零が問い詰める。
「お金よ。遺産が欲しかったのよ」
「遺産?」
「お金のためなんかで人殺しだなんて…」
「そんなこと言えるのは…あんたが苦労知らずのすねかじりだからよ!悴む手で体がボロボロになるまで苦労して働いたことある?嫌な男に媚びなきゃいけない屈辱を知ってるの?」
僕は今までそんな経験をした覚えがない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(330) ( No.338 )
- 日時: 2015/12/11 14:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
身よりも誰もいない彼女が信じられるのは多分お金しかないのか…
どれだけ彼女の心が荒廃していたのかなんてわからない。
でもあのお金を、なぜそこまでして欲しかったのか?
「あのお金は、もともとあたしが受け継ぐものだった…」
「じゃあこのノートは山岡先生のじゃなくて…」
「そうよ…私のお父さんが書いたものよ!」
その話はこういうものだった。
彼女のお父さん、及川光一郎は対ロシアの貿易商で、仕事の暇を潰すためにこのノートを書いていた。
彼女はこのノートを読むうちに小説にしたいと考えていたようだ。
でも、ある時くらいから山岡先生が来るようになった。
彼はその当時は無職で、彼女のお父さんにお金を借りていた。
その時、彼はノートを手にした。
彼はノートの内容をかたっぱしから食いつぶした。
それであれ程の遺産を手に入れたのだ。
そのことを知った彼女は遺産を手に入れようと彼に近づいた。
以上が彼女の動機だ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(331) ( No.339 )
- 日時: 2015/12/13 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
あの館も、数十億ともいえるような財産も、もともと受け継ぐべきだった。
でも、彼があんなの小説にならないなんて言い出さなけりゃ彼女の父がかかれるはずだったんだ。
彼女は何を思ったか、最後の最後、ナイフを手にした。
「ちょっと・・・もしかして・・・」
怜子はぎょっとした。
まさか・・・彼女は自殺するつもりで、ナイフを取ったのかよ!
「もう終わりよ・・・遺産も手に入らなかったし、もうこんな最悪な人生なんか・・・」
「もうやめて!」
「バイバイ、名探偵君と、名探偵ちゃん」
そういってナイフを首に突き立てた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(332) ( No.340 )
- 日時: 2015/12/13 22:41
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
バラの花びらが散った。
「これで約束は守りましたよ」
え?
この声って、ジェームズ!?
「君がこの謎を解いた時点で、君の勝利は決まりました。確か、君が勝てば犯人の命は助けるって約束でしたよね」
「これって、あんたが仕込んだマジックだったのか?」
「及川さん、探偵に追い詰められたぐらいで自殺を選ぼうとするなんて冷血な犯罪者とは程遠い。あなたはたった今一度死んだ。あなたの内面をしっかり見つめなおすことですね。おや、霧も晴れたし、わたしはこれにて」
かーっ、とことんきざな野郎だな。
僕が思ったその瞬間、彼女は泣き出した。
確か警察の話によると、4年前の殺人は母親の復讐だった。
昔の自分の姿を見たんじゃないかな・・・
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(333) ( No.341 )
- 日時: 2015/12/14 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は事件の後、京都へ帰った。
澪が僕にある原稿用紙を手渡した。
どうもこれは山岡先生の遺稿らしい。
「今回の事件を聞いて、東京でコピーしたのを受け取ったんだけど、私気づいちゃったの」
「何を?」
「たぶんこれを読み終わる頃にはもう分かってるとは思うんだけどさ、今回の事件の真犯人『Conductor』を操っていたのは山岡先生なんじゃないかなって・・・」
「殺人を企てたのは及川さん本人でしょ?でも、それを山岡先生はこれを計算に入れて・・・」
「そうかもね。彼は彼女の正体を見抜いてるかもしれないんだよね」
「まさか・・・あの暗号も、彼女が殺しをするよう仕向けたってわけ?」
「うん・・・まず天野さんの挿絵事件だけど、本人は笑って許してやったって言うけど、本当は激しい憎悪と怒りの感情があふれてたんだろうね。担当の編集者は現行の取立てがしつこく、評論家の名古屋さんへは自分の作品への批判。それて倉沢さんは彼の愛人で、自分の計画を盗んで自分が取れなかった賞を取得したことかな?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(334) ( No.342 )
- 日時: 2015/12/15 05:45
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「じゃあ、犬養さんにも殺す動機があったんだろうけど、それって何?」
「近所トラブルだそうよ」
「どんな?」
「彼は5匹の犬を飼っていたそうだけど、あの犬の吠えるのがうるさいって言われていたの。あの人にとっては最も殺してほしい人だったんじゃないかって…」
「そんな…近所トラブルが殺人の動機になったというケースはあるかもしれないけど…」
「とまぁ、人間は心に闇を抱えた生物だろうなって言うけど、その闇に打ち克つ力を持っているのは、おそらくその人間じゃないかなって思うんだ」
「そうかな…」
「うん…」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(335) ( No.343 )
- 日時: 2015/12/15 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
こうして、遺産相続をめぐる殺人は終わり、修学旅行が始まった。
行き先の福島県・会津若松市・・・
夜の24時だった。
全ての始まりが来たのは。
僕らは異世界に投げ飛ばされた。
その世界は全然見覚えもない世界で何がなんだか全然分からなかった。
でも、これだけは言える。
皆この場にいるっていうこと。
そして、向こうの世界の時間は止まったということだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(336) ( No.344 )
- 日時: 2015/12/15 22:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
この世界は一種のファンタジー世界。
どうやら人間だけじゃなく妖精や魔物も住んでいる世界なのだ。
それだけじゃない。
犬、猫といった動物もしゃべる世界だという。
とまあ、この世界じゃありえないことが起きる世界なのだ。
これから、僕の、いや僕らの大冒険が始まるのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(337) ( No.345 )
- 日時: 2015/12/16 22:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、この世界は前にも言ったように科学じゃ説明のつかない現象が結構あるのだ。
でも、どうして僕らはこんな世界に飛ばされてしまったんだろう?
僕はある1人の妖精にたずねた。
すると、僕は衝撃的な答えを聞いてしまった。
どうやらこの世界も大魔王の手が伸びているということらしいのだ。
つまり、大魔王は全世界を支配しようとしているのだ。
だから大魔王の野望をくじく必要があるということだ。
でも、ほかの皆は大丈夫かな?
無事に合流できるのかな?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(338) ( No.346 )
- 日時: 2015/12/16 22:47
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はある大きな町へとたどり着いた。
この大きな町は王家が住むといわれる城下町で、この国の都だというのだ。
それにしてもいつか写真とかテレビで見たフランス・パリに街の雰囲気が似てるなぁ。
僕はさ迷い歩いていると翔貴に出会った。
どうも翔貴も同じ経緯でこの世界に吹っ飛ばされたのだ。
この町で皆と合流できたのはいいんだけど、どうやら皆同じ経緯でここへ来たみたいなのだ。
しかし、どうして僕らはこの世界に飛ばされることになってしまったんだろう?
それを知るべく僕らは王の住む城を訪れることにした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(339) ( No.347 )
- 日時: 2015/12/17 22:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は王のいる城へ向かった。
「おう、よく来てくれたな。矢野健太郎君」
へ?
僕の名前を知ってるの?
「あの・・・なぜ僕の名前をご存知なんですか・・・?」
「当然さ。この世界は本を通じて皆の世界とつながっているのじゃよ」
そっか。
だから僕は知らなくても向こうは知ってるんだ。
「おっと、自己紹介がまだだったな。わたしはこの国の王、ジョン5世フレデリックじゃ。よろしく」
ジョン5世フレデリックという王様は45歳前後の気前のいい国王は、家族の皆も呼び寄せた。
王妃の名前はエリザベス・メアリー。
王子と姫はそれぞれ1人ずついて名前はそれぞれチャールズ・ルイス、メアリー・ジェーンという。
彼らはどうして僕を呼び寄せたんだろう?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(340) ( No.348 )
- 日時: 2015/12/21 22:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「でも、何で僕らをこの世界に召喚したんですか?」
「それは、大魔王がこっちの世界にも手が伸びているからだ」
ジョン5世の説明はこうだった。
どうやらこの世界も去年の今日あたりまで平和だったという。
でも、大魔王の前に敗北したり降伏する王様が出てきたという。
でも、大魔王はそれを許さず、ひどいことにその王様自身を刺客によって殺したという。
しかも自分は傀儡の王様をすえてしまった。
なんか聞いてるだけでも胸が詰まりそう。
でも、とにかくのこの世界を守れるのは僕らだけってことはよく分かった。
「分かりました。どっちみち大魔王とは直接戦う運命だったんだし、この世界、守って見せますよ!」
「おお、それはありがたい。では、こいつらを連れて行ったほうがいい」
彼は、15人ほどの戦士たちを呼び出した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(341) ( No.349 )
- 日時: 2015/12/21 22:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
この16人の戦士たちは、僕らと同年代でこの3ヶ月間に新たに入隊した新進気鋭のメンバーだ。
まず、兄貴分のヘンリー・マイケル。
大食いだが力持ちのジェームズ・ジャック。
16人の軍師役のルイス・アレグザンダー。
喧嘩っ早いが勇敢なポール・ヘンリー。
美少女の剣士、クリスティーナ・メイ。
彼ら5人を中心に選ばれた16人がこの戦争に借り出されることになったのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(342) ( No.350 )
- 日時: 2015/12/22 22:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
王が考えるには、年上より同年代のほうがむしろコミュニケーションがとりやすいという考えだろう。
まあ、そうかもしれないけど、年上の人にため口で話しそうな気がする。
まあ何がともあれ、僕はこの戦いに出発することにしよう。
「ちょっと待ってくれ」
え?まだ何かあるのかよ。
「君たちは武器も持たないで出発するのか?」
そうだった。
武器は向こうの世界に置いていってしまってる。
どうやって取りにいくべきなんだろう・・・・
「大丈夫だ。このポケットに手を突っ込みなさい」
僕は言われるがままポケットに手を突っ込んだ。
「そうすれば君たちの武器が取りに行かずとも回収できるからな」
本当だ!
僕の武器の白竜黒竜が取れた!
これで回収できたし、出陣と行こう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(343) ( No.351 )
- 日時: 2015/12/23 22:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はいつから、大魔王が全世界を侵略しようとしたのかが分からなかった。
だから、魔界のことには一番よく知ってる零に聞いてみた。
「あのさ、零」
「何です?」
「いつから、大魔王は全世界への野心を抱いてたんだ?」
「分からないですけど、10代前には持っていたんでしょう」
「10代も前から?」
「はい。でもそのたび失敗していたんですよね・・・」
紀元前、8世紀、17世紀、18世紀と失敗してきた大魔王一族。
今度失敗したら後がなくなる。
だからそうなる前に大魔王はこの世界を支配したいってわけか。
でも、僕がそうはさせない。
3年前の事件の真相を僕は知りたい。
あのときのけじめをつけさせねばならない。
だから僕は戦うんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(344) ( No.352 )
- 日時: 2015/12/23 22:57
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
この世界は大魔王の侵略からというもの国同士での戦いが頻発しているというのだ。
これによってある中小の国は滅び、相当な大国ができているという。
でも特にある国の王様は野心家で、大魔王に魂を売ってしまったという。
まあ、魂を売ってしまったら、買えばいいはずなのだが、そんなのできるわけがない。
これから分かることは、魂を買えないなら売ることもできないってことだ。
あいつは単に人を手玉にとっての運命を狂わせてるだけだ。
まあ、運命が分かるというなら苦戦くらい承知のはずだからね。
負けるのは、立ち向かう勇者の心が弱いからなんだと思う。
だから、ぼくはせめて強くありたい。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(345) ( No.353 )
- 日時: 2015/12/24 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は出発前、ジョン5世にこういわれた。
「実は、危険な国が1つある。その国の王様はカルロス3世。彼は相当邪悪で、腹が黒いから何を考えているのか分からん。そいつが持っているのがあの魔の剣、漆黒なのじゃ。この剣は破壊されることのない究極の悪をまとっているのじゃ。だからその剣には気をつけたまえ」
それは承知だ。
あの危険な剣は一国でも早く封印せねばならないんだろう。
それくらい大女神も承知なんだろう。
だから、僕はここへ来たのかもしれない。
だったらなおさらここで立ち尽くす余裕なんてないじゃないか。
さあ、戦おう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.354 )
- 日時: 2016/01/05 22:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それにしても、ここにはいろいろ現実世界にはいない生物が存在しているんだなぁ。
とか言ってる僕の武器の名前も中国神話上の生物の名前なんだけど。
普段は白竜・黒竜だけど、四霊の応竜、麒麟、鳳凰、霊亀とか四神の玄武、青竜、朱雀、白虎という8種類の武器も加わるんだ。
要するに僕は10種類の武器を持っているんだよね。
けど本当に10種類の武器を持って戦うことはないんだけど。
普段は2本の剣で戦うんだけどね。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(347) ( No.355 )
- 日時: 2016/01/05 22:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
あの野心家の王、カルロス3世はいったい何を考えているんだろうか?
世界の均衡がどんどん壊れて平和が乱世へと変わっている。
僕の住む人間界でも、乱世に巻き込まれようとしているわけだ。
まさか大魔王はこの世界をすべて支配したうえでの全世界を支配することが目的?
こうでも考えなければ乱世になっている理由が納得できる。
だが、僕は知らなかった。
いや、知るよしもなかった。
人間界では、何百年にわたって実験され、それくらい失敗してる実験が行われていようとしていたことを。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(348) ( No.356 )
- 日時: 2016/01/07 09:58
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
確かあれは人体の巨大化と言う現代科学じゃ説明できないものだ。
あの研究は中世ヨーロッパではもう始まっていた実験と聞いているよ。
これは何百年も実験され続けていて、失敗してきている実験でもあるのだという。
今回もおそらく失敗するに違いない。
でも成功する見通しなんてまだない。
たぶん今回の失敗をデータ化したうえで成功へ導くことを考えているだろうな。
これまでの死者は推定2万3000人だと言われている。
でもこんな実験して何か得でもあるのかな?
この実験には何か裏がありそうだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(349) ( No.357 )
- 日時: 2016/01/07 10:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そのことはさておき、僕は今目の前にある問題を解決しないといけない。
確か野心的な国王が領土拡大を狙ってあちこちで戦いを仕掛けている。
あいつの野望はなんだ?
どうして漆黒という剣があの手の中にあるんだ?
あの裏には大魔王が関わっているんだろうな。
しかしまああの野心を大魔王はよく利用したものだよ。
おそらく怒れる大魔王と一戦交えることになるんだろう。
しかも僕が連日ニュースで聞いている闇取引のことだってだんだん拡大してきている。
だから最近暴力団がのさばっているんだろう。
また横道にそれた。
今は野心的な国王との戦いが始まるから、そっちに集中しよう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(350) ( No.358 )
- 日時: 2016/01/11 12:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はあの大魔王、そいつの手先と戦っている。
しかしあいつが直々に戦う様子はない。
多分、あいつの考えは手先を作ることによって向こうの味方を増やすつもりなんだろう。
まあ、味方を増やしているのは僕の方だって同じだ。
これまで大魔王は自分の娘を連れ戻そうとして邪魔だてする僕の暗殺をも企てた。
まあそれは全部失敗して味方を増やしてしまう結果になったけど。
この戦いも大魔王が後ろで操っているんだろう。
そうだったらなおさら戦わねばならない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(351) ( No.359 )
- 日時: 2016/01/11 12:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そのままいろいろ考えているうちにその王国に入った。
でも僕が想像していたものとは全く違った。
みんな賑やかだし、平和そうな人たちがたくさんいた。
僕は逆にびっくりしてしまった。
ん?
あれは…
ハックたちだ!
僕はとりあえず話しかけることにした。
「あれ?熊本君じゃない!なんでこんなところにきたの?」
「僕は訳ありで…でも澪さんたちはなんで…」
「それが図書館の本をたまたま拾ったら…」
やっぱり訳ありなんだ。
でもここは想像とはまるっきり違うなぁ。
全然闇取引とは関係なさそうだ。
ここは一体どうなってるんだ?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(352) ( No.360 )
- 日時: 2016/01/12 18:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
この国ではみんなが賑やかそうだし、何もなさそうだ。
でも僕はあの時知らなかった。
まさかこんな国にでかい闇のマーケットが存在していたことを。
そんなことはさておき、澪と合流できたことはよしとしよう。
この国には大きな剣闘試合が行われいる。
なんだろうな。
この石は?
雫が過剰反応した。
「おいおい、これってホワイトストーンじゃないか?」
ホワイトストーン?
なんだそれ?
「あの石は天界を守る重要な要石だ。この要石が壊れれば世界が荒れてしまう世界を守る要石なんだよ」
へえ、そんなに大切な要石なんだ。
でも、誰が取りに行くんだ?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(353) ( No.361 )
- 日時: 2016/01/12 18:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「とりあえず、じゃんけんで決めよう」
話し合いだと時間を無駄にしてしまう。
そんな時間があるならこっちの方が早いからね。
「よーし…じゃんけんポン!!」
霙の負け。
「うう〜」
霙は嫌そうな顔だ。
「こいつじゃんけんでワンパターンの出し方しないんだよ。だから俺たちの中じゃ一番弱いんだよ」
あんなに腕力あるのに運はないんですかそうですか。
じゃ、がんばってきなよ。
「はーい」
霙は仕方なさそうにコロシアムに向かった。
次回予告 霙のブロックが決定します。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(354) ( No.362 )
- 日時: 2016/01/13 17:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
霙は最初のうちは嫌そうだったけど、自分の腕力を久しぶりに振るえることにやる気を出してエントリーを済ませた。
番号は3218番。
ブロックは3番ブロックだ。
さて、1番ブロック。
優勝者が決まった。
そいつはニコライ・イヴァンだ。
僕は知っている。
去年のチャンピオンだったあの人だ。
霙は選手控え室に入った。
なんか屈強な戦士たちがごまんといる。
まあ、自分の実力を試す機会だ。
いつもどおりにやればいい。
霙はそう思うのだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.363 )
- 日時: 2016/01/13 17:47
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
注意事項 1000番台が1番ブロックとなっていますので、3218番の霙は3番ブロックです。
この試合に出場するのは中国(帝国時代)の陸軍大将の李狼白。
ドイツの傭兵隊長のヨハン・ヴィルヘルム。
フランスの戦う王のルイ21世フィリップ。
ここからは見えないけどイギリスのイケメン海賊やポルトガルのいかれた貴族とかが出場している。
まぁ主な出場者はこの通りだ。
あとあと出てくるからみんな紹介したら時間の無駄になるしやめておこう。
それにしてもまぁ曲者達が集う試合だな。
さて、2番ブロックのゴングが鳴り響く前。
2番ブロック250人の戦いが始まる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(356) ( No.364 )
- 日時: 2016/01/17 23:27
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はというとあの闇取引の行われているとある工場の前にいた。
この工場では何かが製造されているのは事実だ。
きっとやましいものに違いない。
例えば麻薬とか武器とか。
ああいうものが蔓延してるからこの世界では戦争が頻発しているのか。
しかもたちの悪いことに闇のブローカーが相当なお金を儲けているように見える。
多分、あの工場は闇取引の重要な拠点に違いない。
まあともかく、僕の推量はこんなものだ。
にしても、なんだったんだろうな?
あの小人たちは。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(357) ( No.365 )
- 日時: 2016/01/18 17:03
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、第2ブロック…
第2ブロックの出場者は棄権が1人出たので249人となった状態でスタートするという。
出場者のなかにはいかれた貴族、エンリケ・カルロスが出場する。
エンリケが入場するなりブーイングが飛ぶ。
まああいつは最も消えて欲しい貴族ランキング1位だもんな。
それはさておき第2ブロックは上記以外にアラビアの盗賊とかカルロス3世の部下とかロシアの剣闘士とか韓国の格闘家とかがいる。
ルイ21世にはお付きの軍師がいる。
相当曲者ぞろいだなこれ。
第2ブロック開戦のゴングが響く。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(358) ( No.366 )
- 日時: 2016/01/18 17:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
あれ、チームを作っている?
作ったのはルイ21世の軍師のジャン・シャルルだ。
彼はあの石をルイ21世に手に入れさせるため、戦っているのだ。
ルイ21世は過去にある城を拳ひとつで破壊、落城させたことで名を轟かせた。
しかしなんて凄いパンチなんだ。
名前も知らない戦士たちをチームに引き入れている。
彼は相当な策士で策に溺れたことのない屈強な男だ。
残虐なアラビアの盗賊はカルロス3世の部下を破った。
あれはひどい負けっぷりだった。
どんどん敵を残虐に攻撃していく。
でもその時だった。
彼らが敗北したのは。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(359) ( No.367 )
- 日時: 2016/01/19 23:40
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
幹部のフアン・アレッサンドロがその仇をとった。
残虐とか冷酷非情のような語句は彼のためにある言葉。
まさにハイエナそのものだった。
まだ活躍しているものはいる。
魚人空手家でこっちの世界でも活躍しているラインだ。
さらには中国帝国の格闘家が猛威を振るう。
彼は長い足を武器に名も無い戦士を次々と撃破していく。
あの長足は予測不能の移動をした後、敵に蹴りを入れる。
あの蹴りはハンパな戦士がよけられるものじゃない。
どれだけすごい戦士がいるんだここは。
でも、真面目に戦っていない戦士が1人いた。
そいつは、エンリケだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(360) ( No.368 )
- 日時: 2016/01/19 23:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それも公衆の面前である部分をあらわにし、何と用を足していた。
一体何をやっているんだ。
真面目に戦っているラインが後ろをあの拳で貫こうとしたその時だった。
まさかの展開が待っていたのは。
そう、ラインが倒れた。
エンリケは何もしていない。
一体なぜ?
コロシアムに激震が走る。
この時、僕は知る良しもなかった。
あのエンリケが屈強の戦士を倒すなんて。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(361) ( No.369 )
- 日時: 2016/01/26 21:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はというとあの工場の秘密を探していた。
あの工場には何かあるに違いない。
そう僕は睨んでいた。
でも証拠がわからない。
どうすれば証拠が得られるんだろう。
僕はとりあえず図書館に行って調べて見ることにした。
本とかインターネットにあるはずだから、見つかるのは時間の問題だ。
そう思った。
でも簡単には見つかるはずもない。
当たり前だ。
相手は狡猾な王様だ。
尻尾を出すような真似はしないに決まっている。
澪があるジャーナルを手にした。
どんなジャーナルかというと闇の事が色々書いてあるようなすごいジャーナルだった。
このジャーナルの中にとんでもないものが書いてあった。
その説に僕らは驚くことになる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(362) ( No.370 )
- 日時: 2016/01/26 21:45
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
このジャーナルの書き込みはこんなものだった。
カルロス3世はとある離れ小島でEXEというわけのわからないものを製造していて、あの工場でSAFARIという人間に動物の力を与える果実へと変えていた。
あの工場の近くには港があるに違いない。
その港で武器やSAFARIの闇取引が行われているとすると、領土の飽くなき野心があるのもうなづける。
でも、誰をどうやって働かせているのだろう。
僕はその方にも興味ができてしまった。
でも流石に堂々と矢面に出る訳にはいかない。
だから隙をついてあの島に行く必要がある。
あの闇の市場を白日の下に晒すために。
でもあの離れ小島の名前はは地図には載っていない。
でもそばにあることはわかった。
だから僕はその離れ小島に行こうと思った。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(363) ( No.371 )
- 日時: 2016/01/28 05:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕らがその離れ小島に向かっている頃…
工場内では小人たちが働かされていた。
理由は至って簡単なものだ。
小人たちはあらゆる植物を育てられるからだ。
でもSAFARIは不自然な植物。
流石の小人たちもどう育てていいかわからない。
けれども、囚われの身である双子姫を救うためだ。
仕方のないことだ。
彼らはそう言い聞かせて働いた。
でも、彼らは知らなかった。
まさか、自分たちが騙されていたなんて。
それだけじゃない。
ある少女によって催眠をかけられた人々も港で働かされていた。
ある少女はまだ10歳ながら催眠術の研鑽を積んでいた。
だから僕の知らない催眠術をかけられる。
でも、それだけじゃなかった。
他にも、屈強の幹部がいた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(364) ( No.372 )
- 日時: 2016/01/28 06:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
この王国の幹部は3のブロックから成り立つ。
まず、特殊能力チームは49歳のリーダーを中心に、アートやホビーの力、催眠術の天才といった特殊能力の持ち主がここに所属している。
格闘集団は45歳の団長を中心に武闘派が所属している。
齢は86だが、車1台を吹き飛ばすものもいるし、半魚人とか体重の重さを利用しての攻撃をする男もいる。
最後に特攻部隊。
40歳の隊長を中心に爆弾のエキスパート、僕よりも多い武器を引っさげた人の好いメイドや回転の力を持った兵士がいる。
この部隊に所属しているからには、絶対にしてはいけないことがあるという。
だから兵士は緊張感を持った状態でいつも構えている。
けど、何をしてはいけないかは僕はその身をもって知ることになってしまうなんて僕は知らなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(365) ( No.373 )
- 日時: 2016/01/29 21:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
あの離れ小島の名前はタンク島と呼ばれていて、あの島は地図には載っていない不思議な島だという。
何でも、この島にはドラゴンという地球上には存在しないがここには存在する生物が住んでいるという。
それだけじゃない。
この島にはEXEの製造機がある。
しかもあの島には何も知らずに子供達が住んでいるという。
なぜ、子供達が住んでいるかはわからない。
けれど、相当な事が起きているのは事実だ。
一体、何の為に誰がそうしているんだろう?
不穏な空気が流れ始めた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(366) ( No.374 )
- 日時: 2016/02/02 05:00
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
どうやら何かの教育が施されているらしいけれど、その教育が何かはわからない。
あそこの研究家は一体何のために子供達にどんな教育を施しているんだろう?
まだ、確信は持てないがこう考えたら辻褄が合うんだよね。
子供達を兵士として育てるため。
陸海空の軍の兵士がここ最近減っているからな。
多分何かの方法で逃げられなくしているんだろう。
恐ろしい人間だ。
あのカルロス3世と繋がっているんだろう。
カルロス3世はなぜ、あの研究家と関わったんだ?
カルロス3世の幹部とは同格なのか?
僕はまだここもはっきりとわからなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.375 )
- 日時: 2016/02/02 05:17
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
いろいろ考えているうちにタンク島に着いた。
この島は何か気味悪そうな感じがするな。
「何だあの生物は!?」
「確か本で見たことがあるよ。名前は"スライム"。その生態は女性好きで女性を襲って服だけを溶かすハレンチな生物だって」
もうだめだ。
露の答えにみんな呆れた。
こいつ終わっている。
「バカ。よく見てよ。服が溶けるかは知らないけど、触れたらOUTだろうな。その証拠にスライムの毒で魚が死んでいる…」
こりゃここの魚は全滅だろうな…
そうするとハックの言うことも頷ける。
「なんか怖い毒素は持っていそうね」
澪はこんな状況でもやけに冷静だ。
澪はリケジョだから平静にものを考えられるのかな?
何かヤバそうなところへ来てしまったな。
でも、こういう時こそ冷静にもの考えないといけないんだよな。
落ち着くために深呼吸だ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(368) ( No.376 )
- 日時: 2016/02/02 21:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて僕らはこのタンク島の研究施設を探さなきゃいけない。
「あのさ、何の為に子供達をこの島に住まわせているんだろうな?」
「多分強い軍隊を作る為とかじゃない?」
僕の問いに澪が応える。
強い軍隊?
何のこっちゃ?
「例えば…動物の力を持った軍隊とか?」
伶子の考えはあり得そうだ。
「こうも考えられませんか?巨人兵とか」
零も思考を巡らす。
「自然の力を持った軍隊はどうだ?こっちも強そうだと思わないか?」
雫も答えを考えた。
まあ何れにせよどれも強そうな軍隊だ。
でも何故強そうな軍隊を作るのに子供達が必要とされているんだろう?
まさか、子供達は影響を受けやすいからか?
それとも…
なんかの病気だと偽られたからか?
僕は連れて行かれた理由を自分なりに考えた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(369) ( No.377 )
- 日時: 2016/03/14 18:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
だけど、こういう類のものは大概悪いことに使われているんだろう。
例えば…
何だろう?
あの人は誰なんだ?
この島を彷徨っている侍らしい男性がいた。
なんか探しているようだ。
「そこの少年。虎若丸はどこだ?男子なのだが」
あれ?
侍にしては現代語だな。
虎若丸のことは知らない。
「知りません」
「お前達は何をしにここへ来た?」
「この島の秘密を探る為ですけど」
「なるほど」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(370) ( No.378 )
- 日時: 2016/03/14 18:30
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「お前も訳ありか…承知した」
へ?
「ならば共に行こう」
「 は、はぁ…」
よかった。
僕てっきり殺されるのかと思った。
「ケン、一緒に行こう…ってあれ?」
「何か侍みたいだね」
霜が駆け寄ると背比べした。
「へえー、お侍さんデカイんだな。俺とほぼ同じくらいの大きさだ」
「おっと、申し遅れたな。拙者は東方の日本の侍、『吉田信之』だ。生まれは信濃の国の上田だ。よろしく頼む」
吉田信之という侍は虎若丸という少年を探しているらしい。
一体なんでここに来たと分かったんだろう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(371) ( No.379 )
- 日時: 2016/03/14 18:41
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
しかしあの島にはあのドラゴンが住んでいるから、いつ何時僕らが襲われたっておかしくない。
この島がよく分かったのはどうして…
「何故追われているのかは今は言えない。だがな、拙者たちはハノイというところへ向かっていたのだ」
ハノイってベトナムの首都だ。
一体何の為に…
「しかし、嵐に巻き込まれてフィリピン北方の港に着いたのは拙者含め35人程…後は訳の分からないところへ行ったり、暗礁してしまったのだよ」
嵐ではぐれた仲間や海の藻屑となった人もいたんだ。
災難だっただろうな。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(372) ( No.380 )
- 日時: 2016/03/15 14:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それだけではなかった。
あの国にたどり着けたのは弟の幸村も一緒だったのだという。
でもその本人は人質として信之を行かせたのだというもの。
その幸村の兄弟愛に泣かずにいられない瑠璃。
そりゃそうか。
妹とはもう十数年も一緒だもんな。
雫は感慨に耽っていた。
ハックは気を取り直そうとした。
本当こういう人たちに囲まれててんてこ舞いだな。
麗魅は何か物を考えていた。
「そうだ。子供達の中に虎若丸が紛れ込んでいるとしたら…」
「そうか」
ハックはポンと手を拳で叩いた。
「あの研究所にいることは少なからず考えられるね」
「でしょ?」
「あのさ、一体どうやって助けるべきなんだ?」
「…」
麗魅は黙ってしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(373) ( No.381 )
- 日時: 2016/03/15 14:45
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
辺りを見回すと雪がもう先に行っている。
「みんな…スライムの様子がおかしいみたいだけど…」
まずい。
これじゃいつ毒ガス化しても不自然じゃなさそうだ。
「い、急がなきゃな」
霜も少し焦り気味だ。
「こりゃ話をしている場合じゃないな。とにかく早く逃げよう!」
もう何がどうなったっていいや。
とにかく逃げよう。
風よりも何よりも速く走って逃げよう。
そのスライムをかなり突き放したその時だった。
危惧していたことが起きたのは。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(374) ( No.382 )
- 日時: 2016/03/15 14:56
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
まさかのまさかでスライムが本当に毒ガス化してしまったのだ。
何か様子がおかしいと思ったはガス化の前兆だったんだ。
もう走って逃げるしかないね。
あれ?
あれは…
海軍?
どうしてここにいるんだろう?
研究所のロビーの2階の窓から先に着いた雪が見た光景は恐ろしいものだった。
1人の海兵が逃げ遅れてガスの中に入ってしまった。
「あぁ…た…す…」
彼は固まって口を聞かなくなってしまった。
これはもしかして…
化学兵器!?
化学兵器は現実世界では1997年に禁止されているものだ。
でもここはファンタジーな世界。
使われていてもおかしくない。
けれども海軍は逃げ切れるのだろうか?
僕はロビーで息を殺しながら隠れていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(375) ( No.383 )
- 日時: 2016/03/17 09:32
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、こちらは青龍院兄弟…
「何この毒ガス!」
「こんな不思議な走り方でも追いつかれそうだ!」
「恐ろしいほど侵食のしようが速いって!」
「海軍も恐ろしいようにやられていくよな」
「飛んだところねここは!」
走っている6人は毒ガスの恐怖と戦っていた。
海軍の先陣と6人は無事ガスから逃げられた。
けれど、僕はここからが戦いだということを知らなかった。
その毒ガスとの戦いがまた始まることも、背後の人間との戦いも。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(376) ( No.384 )
- 日時: 2016/03/17 09:43
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、こちらは子供達。
彼らの中の1人が脱走してロビーの方へ逃げて行った。
その少女はヨハンナ。
みんなの姿を見ていられなかったかは知らないけれど、もういたたまれなくなった彼女は逃げることにした。
5歳にしては145センチはある大きな体でとある1室の中で隠れていた。
この毒ガスの正体は吸い込むと肺胞の機能を麻痺させることで敵兵を殺して行く化学兵器なのだ。
他にも、あの研究者が作った兵器を挙げると天然痘ウイルスやペストウイルスといった生物兵器がその代表だ。
けれども機械系の兵器を作ったことはない。
というのも彼がそれに興味がないからだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(377) ( No.385 )
- 日時: 2016/03/17 10:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて僕らは走っていると、門番の『鬼門番フェリペ』が待ち構えていた。
足が正味おかしい。
「足がおかしい…僕は認めないぞ!一体…お前は何タウロスなんだよ!」
鬼門番に一発蹴りを入れるとブサーの鳴る門を潜り抜けた。
一方、後方40mにいる雷と雫は、
「何だ!?このブザーは!!?」
「多分、この門が閉ざされようとしているんだろう」
さて、さらに後方70mにいる篤たちはと言うと…
「走ってばかりだよもう」
「なんですかもう弱音ですか?」
「ただの愚痴だよ!」
「もうこんなの嫌だー!」
もう露は弱音を吐いている。
海軍もやっと状況を理解したのか扉へまっしぐら。
でも予想だにしなかったことが起きた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(378) ( No.386 )
- 日時: 2016/03/17 18:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて時間を遡って、ここの研究所の所長はというと…
「あいつらの目的地はQ-53だ。行かせるものか。A棟とB棟の扉を封鎖し、ガスを流し込め」
「え?そんなことしたら、うちの味方も…」
「いいからやれ!!」
「は、はぁ…」
雪はと言うと…
(鎮静剤も手に入れたし、薬の仕組みもわかった…でもどうやってあの子たちをおびき寄せ…)
するとヨハンナが現れた。
「あ、あのー…」
「わっ!どうかしたの?」
「お姉ちゃんは何してるの?」
「うーん、悪いやつを倒しに来たんだよ」
やばい。
こうでも言わなきゃ疑われる。
「悪いやつって誰?」
「ここの所長だよ」
こう答えなきゃますます疑われる。
冷や汗をかきそうになる雪。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(379) ( No.387 )
- 日時: 2016/03/17 18:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「何言ってるの?あのおじちゃん優しいし、キャンディもくれるんだよ」
「確かにそうだろうけど実はあれこそ罠なんだ」
「え?」
「あのね。その大きな体が何よりの証拠なの。人体の巨大化は中世からずっと行われてきた実験…言い換えればずっとその時から失敗している実験ってこと。あいつは、きっとそのデータのためにみんなを送り込んだんだと思う」
「じゃあ、私たちどうなるの?」
「…簡単に言うと死ぬってことよ。みんな大人になるまでにね。美味しいそのキャンディは麻薬かなんかと同じなんだよ!それでもあれを1度でも食べるとまた欲しくなっちゃうんだって」
「…私たち、何も悪くない!キャンディもくれたから食べた!でも!死ぬなんて考えたことなかったよ!大人になれるって思っていたよ!」
ヨハンナの目には涙が浮かんでいた。
「…うん。だからあいつが許せないんだよ!ごめん…雪たちがもう少し…もう少し早く気づいてやれたらこんな自体にはならなかったのに…」
雪は悔しさを顔ににじませて謝った。
「あいつは確かに最低でひどくてかなり強いけど…あのお兄さんならやってくれる!そのお兄さんを信じよう!」
「…うん!」
涙を拭ったヨハンナは腕を出した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(380) ( No.388 )
- 日時: 2016/03/18 10:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてこちらは、篤たち…
「あとどれくらい走ればいいのだ?」
信之もイライラが少しずつ溜まっている。
さて、外側では…
『目標、第1研究所A棟外壁、発射!』
「え!?外壁が爆発した!?」
「おいおい、まさか…」
「ガスが流れ込んできたー!!!」
「みんな、死にたくなかったら走れー!!」
また犠牲者が増え始める。
「あ、あぁ…」
「お、おい!」
固まるのを見るなり悲鳴が上がる。
「ギャァーー!!」
「うわあーー!!」
固まった死体を見て見んな速度を上げる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(380) ( No.389 )
- 日時: 2016/03/18 11:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「よし、抜けたー!!」
「きゃー!!」
みんな、閉まりゆくドアのを通り抜けることに成功した。
女大佐は態勢を立て直すと向こうに残った海兵たちを救いに戻ろうとした。
けれども、もう無理になってしまったものはもう無理だ。
みんな、毒ガスの餌食になってしまった。
彼らは全員、女大佐を守るために自ら犠牲となったのだ。
「よくやったお前ら!俺たちが大佐ちゃんはしっかりと受け取ったからな!」
みんな、あとはお前たちに託したというポーズで固まっていた。
あるものは親指を立てていたり、またあるものはピースマークを両手で作ったり。
ズゥン…
こうして扉は閉まった。
今の生き残りは、2614人。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(382) ( No.390 )
- 日時: 2016/03/18 11:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
前書き ここまで来るとかなりの長文乱文となり、1000話までは持ちそうな、超長い話となってしまいそうです。それでも最後まで読み続けてくだされば幸いです。
さて、僕とハックは海軍中将と最短ルートでB棟を突破してC棟へ向かった。
「中将さん、あなたの目的は誰ですか?」
「俺のそれはあのコードネーム『K』だ。そいつは、あれたち海軍の中にいる」
「まさか。味方の中に敵がいるなんてそんなこと…」
「あり得るんだよ。それが。例えば、敵がこっちの内部調査に来ているとか」
ハックは至って真面目なことを言った。
「最も…裏切りという最悪の形で本性を晒すことも考えられないわけじゃないんだ。そうと考えるとあの海兵たちも…まずい状況に置かれるかもしれないね」
ハックの言葉は運悪く的中してしまった…
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(383) ( No.391 )
- 日時: 2016/04/06 22:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、こちらは海軍・・・
彼らはドラゴンという生物と相対していた。
そのドラゴンは、かなり強いほうの生物だった。
鉄を噛み砕くほどのあごの力はあるし、火は吹くし。
これだけ強けりゃ並大抵の海兵もかなうはずがなかった。
それでも彼らはかけていた。
最後の希望、海軍中将・カール・ウルリヒに。
その彼は海軍中将でもあり、基地長だからだ。
しかし、海兵たちは思っても見なかったに違いない。
まさか彼が裏切るという行動に出るなんて。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(384) ( No.392 )
- 日時: 2016/04/06 22:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
カール・ウルリヒは何を思ったのか必殺技を味方であるはずの海兵たちに仕掛けた。
体罰にしろ、彼の必殺技を食らえば命がいくつあっても足りないはず。
まさかの裏切りだった。
裏切りによって多くの海兵が必殺技の前に倒れていった。
その裏切りで海兵は次々と死んでいく。
最悪の事態が現実と化してしまったのだ。
皆予想だにしなかったに違いない。
まさか味方だと信じていた上司に裏切られるなんて。
この結果、67名の死者を出してしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(385) ( No.393 )
- 日時: 2016/04/06 23:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて澪たちは・・・
B棟の1階にいた。
「私たちは手分けして子供たちを1箇所に集中させよう」
「そうすればあいつが子供たちを捜す手間が省けるな」
「でもあいつらは普通じゃないと思うぞ」
「どうして?」
「あいつら、正気を失って暴走しているはずだ」
「確かに」
翔貴もうなずく。
「どうすればあいつらを集中させられるんだろう?」
「いい手があるよ」
雪が現れた。
「私に任せて」
ヨハンナが自分の胸に手を当てた。
「どうもこの子がその子供たちをおとりとしてひきつけて集中させるって」
「え?そんなことしたら身の危険が降りかかるんじゃ・・・」
「安心して。雪も一緒に行くから」
「そうか」
こうしてみんな納得した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(386) ( No.394 )
- 日時: 2016/04/11 22:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その話が続く中…
零と霞はD棟へ向かった。
D棟にすべての謎が眠っている。
そう確信した2人は秘密のあるD棟に向かっていった。
僕とハックはC棟の方向だ。
ここの所長を拘束し、カードを得るのが僕らにとってやるべきことなんだ。
尤も、ここの所長の目的が何かはまだ知らないが。
B棟では多くの子供たちがキャンディを求めている。
禁断症状か何かの反応が出てしまったのだろう。
逃げる海兵。
追う裏切り者。
ガス充満まで刻一刻と近づいていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(387) ( No.395 )
- 日時: 2016/04/11 22:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、Q-53への道は1本。
A棟はもうガスが充満している。
B棟では多くの人たちが逃走している。
子供たちもキャンディを求めて3階の一室に向かっている。
C棟へはも僕とハックが所長探しに向かっていた。
カードを得られれば、後戻りできない道を進むことになるだろう。
後戻りできない道は、いつしか乱世へと向かうことになるだろう。
D棟へも零と霞が個々の秘密情報を得ようとしていた。
これらのことは、すべて大事件への序章でもあったのだ。
僕らは、今その分岐点に立っていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(388) ( No.396 )
- 日時: 2016/04/11 22:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、B棟2階…
滉人と怜子は特殊能力を封じるための錠を探しに行っていた。
特殊能力を封じる素材の名前は普通の金属ではなく、鉛とクロムの合金だ。
通称『クロミード』と言われる特殊な合金だ。
特殊能力者は相当な力を得る代わりに、体力をその分消費しやすくなってしまう。
つまり、疲れやすくなるのが特殊能力者の弱点だ。
ストレスをため込めばかなりの痛手になる。
『クロミード』には疲れを増進させる物質をメッキにしていることが多いから、能力者には有効なのだ。
さて、光平と翔貴はというと…
警備兵を蹴散らして道を進んでいった。
1階から直通での道を探すためだ。
「あいつら…みんな大丈夫かな…」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(389) ( No.397 )
- 日時: 2016/04/12 22:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕らはというと…
当の本人である、チェザーレ・アレッサンドロ所長と対面ができた。
海軍中将はカール・ウルリヒだから全く違う他人だ。
でも裏切ったとするならば、こいつもグルかな?
「は?」
「もう逃がすもんか!」
「俺を捕まえて何の得になる!?」
「詳しいことは僕らは何も知らん。けど捕まえたら何か面白いことが起きるらしいからね」
「まさか…青竜院はぬらりひょんの一族の側についたのか!?あいつは当てにならねぇ!止めとけ!」
「そんなの僕らが決めることだ!命令するのやめたらどうなんだよ!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(390) ( No.398 )
- 日時: 2016/04/12 22:48
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ハックがムキになって捕まえようとするもなかなか捕まらない。
「この力…もしかして気体関係!?」
「ああそうだ…俺はガスの力を持っている…俺を捕まえることなんざできやしねえ・・」
「ならば、その気体を固体化せるまでだ!」
ばか!
ムキになるのはやめろよ!
あいつは狙ってるはずだ。
さて澪はというと…
「カール・ウルリヒ…か…あの人物はどうして裏切りなんかしたんだろう…」
「女の子に手を出したかったんじゃない!?」
露が答える。
「そんなふざけたことじゃない!もっと何かあるんだよね…ちゃんとした…確かな理由が…」
それが分かれば苦労はしないのだが。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(391) ( No.399 )
- 日時: 2016/04/13 22:10
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そうそう、言い忘れていたけど、雪はというと3階のプレイルームに来ていた。
だけど…
「そんな…嘘でしょ!?」
もうすでに遅かった。
子供たちはキャンディを探し求めていた。
みんな目もいかれて死に物狂いになって探している。
これはもしかして…禁断症状!?
ヨハンナももしかしたらキャンディを奪われているに違いない。
恐ろしい想像をしてしまっていた。
けど、あいつは大丈夫だって言ってくれた。
だから、信じなくちゃいけない。
信じる価値があるから信じるんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(392) ( No.400 )
- 日時: 2016/04/13 22:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
一方滉人たちはというと…
確か研究員に問い詰めたところ、B棟の2階一番奥の部屋にあるということが分かった。
この部屋の中をしらみつぶしに探した。
この部屋にはクロミードでできた錠がある。
それを見つけなくちゃならない。
滉人たちが探していた時…
雫は毒ガスとの大きな鬼ごっこをしていた。
「死にたくなきゃとにかく走れ!」
女大佐も、
「危険ですから早く走りなさい!」
恐怖の毒ガスがB棟に到達するまで残り14分。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(393) ( No.401 )
- 日時: 2016/04/14 22:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕はというと…
ハックとともにマスターと対峙していた。
「くらえ…無空間『エンプティーワールド』!!」
「うぅっ!息…が…まともに…」
「どうだ!これが俺のガスの力!」
とりあえず僕は深呼吸をしたうえで無空間の中に突っ込んだ。
これなら息を当分しなくても、助け出せる。
案の定は少しは苦しくなったとはいえ、救い出せた。
「全然息苦しくなくなった…もしかして…」
「気づいたようだな。一定の距離内でしかこの力は維持できないんだ」
「その通り。だがその距離、いつまでもつかな?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(394) ( No.402 )
- 日時: 2016/04/14 22:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「物理攻撃が無理なら…射撃攻撃のほうが早いな!」
ハックはポケットの中の二挺拳銃を組み立てて長い機関銃を完成させた。
「いくぞ!」
ハックは何十発もの銃弾をマスターに浴びせた。
幾分かは当たったはずだ。
ところがだった。
「あ〜、いてぇ!やりやがったな!」
ガス状態で襲ってきたのだ。
「くそ、目眩までも…」
「今度はこっちからだ!ガス・ブレード!!息ができないお前たちにも攻撃手段くらいあるさ!」
やべっ!
「鏡花…水月!!」
燃え切られる寸前で鏡花水月を発動させた。
長い距離を移動して一定の距離外に出られた。
「僕だってやってやる!『明鏡止水・柳』!」
雷をまとわせた刀で切り破る必殺技だ。
ところが、まさかの防壁ができるなんて僕は想像していなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(395) ( No.403 )
- 日時: 2016/04/18 22:17
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「もらったぁぁ!!」
「カマクラ」
「え?」
目の前にできた大きな雪の壁。
僕も正味びっくりした。
大きな雪の壁を真っ二つできたとはいえ、まさかの形で時間稼ぎをされるなんて思いもしなかったからだ。
「マスター、ここは私に」
「いったい何のつもりなんだよ?」
「そこをどけ!」
「だぁめ。そんなことしたら、あの方に消されちゃう」
「え?あの方??」
「いったいどこの誰なんだよ!?」
「それとあんたはいったい何者なんだ!??」
「…ファナ・マリア」
「…?もしかして、あいつの仲間なのか!?」
「そうね」
何重にも雪の壁を作り上げた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(396) ( No.404 )
- 日時: 2016/04/18 22:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「どう、さっきは切られはしたけどこうなればさすがに切られないでしょ?」
「何だよこれ、時間稼ぎかなんか!?無駄なことするなって!」
「そうだよ!僕らは全然お前なんかに負ける気はないよ!」
「そう…でも勝敗と戦闘力のどうこうは別物でしょ?」
彼女は僕とハックを包み込むように抱きしめた。
「!なんだこれ、離せ!」
「くそ…だめだ…・抵抗すればするほど体が冷えてく・・…」
「どうかしら…私はもともと離す気もないわよ?」
やべぇ…
体が冷えてく…
寒すぎる…
「さぁ…静かに眠っちゃいなさい…」
だめだ!
寝たら死んだと同じじゃないか!
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(397) ( No.405 )
- 日時: 2016/04/18 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ハックが根性で目を覚まし、何とか下に穴をこじ開けた。
それも自分の杖を足でつかんで。
「まさか…」
「フフフっ…って…」
「ちょっともしかしてそれって…」
「ごめんやらかしたぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「ちょっと何してるんだよぉぉぉぉぉ!!!」
「すごい馬鹿力…けどダクトを通っていけばスクラップ場に真っ逆さま…空でも飛べない限りここに這い上がれはしないわ…さよなら」
そう言ってファナは立ち去って行った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ダクトを通ってスクラップ場の中に落っこちた。
なんだここは…
そう思っていたその時だ。
何かいた。
それは竜だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(398) ( No.406 )
- 日時: 2016/04/19 22:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕らが出会ったのは小さな竜だった。
「な、何なんだ?」
「竜…か?」
「な、何者じゃ御主たちは!」
「へ?ぼ、僕は…熊本健太郎だけど…」
「…それと、青竜院雹」
「せ、青竜院!?」
「え?青竜院を知ってるんだ」
「青竜院といえば…あいつの敵だったはず…」
「あいつって?」
「それはまだ言えん!」
「…そうか。変な質問とかしてごめんな…」
「拙者は…ここに来たのはたまたま船があったからだ。そこで見た子供たちはみんな親切にしてくれた…しかし拙者は気が立っていたため…」
彼は悔やんでいたかもしれない。
気が立っていたのかみんなの親切を拒否してしまったことを。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(399) ( No.407 )
- 日時: 2016/04/19 22:30
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そんなある日だった。
彼はある一室にてある果物を見つけ、それを食べた。
それはすこぶるまずかったというが、誰かに気づかれぬよう、こっそり食べ、どこかへ逃げ去った。
その5〜6分後だった。
彼に変化が訪れたのは。
体が人間から竜になってしまったのだ。
鏡を見て自分の姿を見たときには本当にびっくりしたという。
「というわけなのだ…」
「そうか…竜人なんだ…」
「これ、どうやって元に戻せるのだ?」
「さあ、僕らは動物人間じゃないからねぇ…」
「拙者は子供たちにこのことを伝えたい!あいつは医者かと思うていたが…」
ある日、話を立ち聞きしてしまったのだ。
彼が5年後にはみんな死んでるっていう話を。
「平気で子供たちを死なせる悪い奴だと…」
やっぱり。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(400) ( No.408 )
- 日時: 2016/04/19 22:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
もし彼の言っていることが本当だとすれば、いろいろな事件が一本につながる。
まさかの形だ。
これでマスターを捕まえれば僕はもう二度と戻れない道を進むということになる。
マスターを捕まえれば当然誰かが怒る。
怒るのはバックについている人間だ。
だんだんバックの人間を怒らせればもしかすれば大魔王のもとにたどり着くかもしれない。
今はまさかだとは思われるが、これはあり得る話だ。
いつか、大魔王との全面対決という衝撃が待っている。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(401) ( No.409 )
- 日時: 2016/04/20 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「…けどさぁ、ここからどうやって脱出しようか?」
「そういえばそうだったな」
伝えるも何も、まずここから脱出しないと始まらないわけだ。
「しっかりしろ…」
「!」
「どうしたんだ?」
「しっかりしろ……!」
「う…わぁぁぁぁ!!!」
彼が突然雲を発生させて空を飛び始めた。
「うわわっ!」
「空を飛んでる!?」
僕らが驚いている時…
澪たちはというと…
「あなたは…」
「青竜院澪ね」
「確かに私は青竜院澪だけど?」
「あなたたちごときにこの計画を邪魔させやしないわ。まったく、何一つ不自由ない生活をさせてるのにそれを奪おうだなんて愚かね」
「何言ってるの?」
「ヨハンナに反抗の意思を植え付けたのは誰?」
「なんですって!?ヨハンナは皆がこうなってるのを見てられなくて…」
澪が反論する。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(402) ( No.410 )
- 日時: 2016/04/20 22:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
彼女は何も言わず雪を降らせた。
「何!?これは…」
「そう…私は雪の力の持ち主…ただ先天的な雪女とは違うけどね」
「あたしがやる!」
「紗野ちゃん?」
「あたしが良くても雪女としての矜持が許さない!」
「いいわ、負けたら承知しないわよ!」
「はい!」
紗野は1人ファナに立ち向かうことになった。
さて、海軍中将『フレドリク・エリク』はというと…
基地長カールを見つけ出した。
「基地長…いや、海賊・カール!あいつらお前のことを親のように慕ってるはずだろう。こんな裏切りはないな…・」
「もう手遅れだ。あいつらにはもうすでに逢ってきた」
「!!何をした!」
「さあな」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(403) ( No.411 )
- 日時: 2016/04/20 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「おい!答えろカール!!」
「…基地長の俺が何をしようと勝手だろう。俺の正体を知ったお前たちは結局消えるんだからな」
カールとフレドリクの打ち合いが始まった。
「どれだけ俺より地位が上でも、長く付き合っていても!基地長が基地から離れりゃ部隊の命は隊長が背負ってんだよ」
「…」
彼は何も言わない。
「俺の部下に!手ぇ出してんじゃねぇよ!!!」
さてその頃…
「お姉ちゃん!私、どうやって逃げたらいいのかわかんないよ」
ヨハンナが後ろのみんなが暴走するのを見ていた。
まさかここまで麻薬のような症状が出るなんて思いもしなかったからだ。
「…!」
ことの重要さを知った紗野は逃げるのを援護しようと吹雪で氷塊を当てた。
「生粋の雪女…ね…そんな力を持っても私を倒せるなんてありえないわよ?」
「そりゃあかわしてくれるじゃない」
雪女との戦いは熱を帯びていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(404) ( No.412 )
- 日時: 2016/04/21 22:17
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「くっくっくっ…こんなところで死んでもらっちゃあ、俺の実験ショーは完成しねぇ…おい!C棟とD棟の扉を閉めろ!!」
「はい…Q棟は?」
「そこだけ開けておけ。おびき寄せろ。Q棟1階に!」
「いったいなぜそういうことを…」
「お前たちは最高戦力だ。無駄に犠牲者を増やしたくない」
「ま、マスター…」
「作戦はこうだ…今言ったC棟とD棟の扉をふさげばQ棟1階への扉1本しかなくなる。そうすれば生存者全員がそこにしか行きつけなくなるうえに毒ガスが入り込む通風孔もある。そうすりゃ誰も生き延びられやしねぇ」
彼は高笑いをした後、涙を流した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(405) ( No.413 )
- 日時: 2016/04/21 22:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「…これは科学の弔い戦だ!」
「え!?」
「部下たちよ!」
部下たちは沈黙した。
「俺はこれまで多くの実験をしてきた。しかし!あいつは俺のことを認めなかった…未来の最強科学者だと期待された俺を認めなかったあの女が今科学者の頂点にいる!失敗ばかりしてきたあの女が世界の頂点にいてもいいのか!?そうだ…俺が作りたくもなかったであろう殺戮兵器を作って最強の科学者は俺だということを奴に証明してやらねばならん!」
「うおおおおおおお!!マスター!!!」
「すまねぇ!あんたの力疑ってしまって!!」
部下たちから歓声が上がった。
だが、それとは逆に彼の眼付きはにやついていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(406) ( No.414 )
- 日時: 2016/04/25 21:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
すべての始まりは3年前…
彼は大量の敵を殺せる兵器を作っていた。
「おい!そんな殺戮兵器を作るのはやめろ!そんな兵器を作って何の得になる!」
「そうだ!こんな兵器、誰だって望んじゃいない!」
「くっくっくっ…戦争にはいくらか必要な犠牲が必要なんだよ!巻き込まれるほうが馬鹿なのさ!今のところ世界政府は甘いが…新たな世代の奴は欲しがるかもしれねぇ…」
彼は自分の兵器が利用されるのを楽しみにしていた。
しかし…
彼を研究班から取り除くということが了解された。
どうも彼の奇行にはかばいきれぬところがあったからだ。
その結果、彼はカルロス3世に頼り、闇で研究を行うようになった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(407) ( No.415 )
- 日時: 2016/04/25 22:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、雪女VS雪女の戦いは激しくなっていった。
吹雪が部屋の中を舞い、気温も低くなってきた。
澪がファナの隙をついて駆け出すと、
「ハンナ、早く逃げて!あんな毒食べさせちゃだめよ!!」
叫び続ける。
けれどもそれに気づかれた。
「子供たちは追わせない!」
アイスピックを彼女に向けった。
鞭を取り出しても間に合わない。
万事休すかと思われた。
その時だった。
バシッ!
紐が鞭のようにファナの足をはたいた。
それは、篤だった。
「阿蘇宮君!?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(408) ( No.416 )
- 日時: 2016/04/25 23:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「阿蘇宮…篤…加賀の弦殺師の子孫ね…」
「相手は自然の力だな」
「相当の力の持ち主ね。私がもてなしてあげるわ」
「ありがとうよ。篤だって手を引くに引けない理由があるんだからな」
篤は弦を構えて対峙した。
それを見たファナもアイスピックを持ち直す。
一方雪はというと…
「し、しまった!先回りしてたなんて考えていなかった!!」
ヨハンナを子供たちが取り囲んでしまっていた。
もはや毒入りキャンディ奪われてみんなまた余命が縮まるのも時間の問題。
けど怖くて何もできない。
もう駄目だと思ってあきらめかけた瞬間だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(409) ( No.417 )
- 日時: 2016/04/26 22:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ヨハンナはその毒キャンディを全て食べてしまった。
そのキャンディはどんなものかは知っていた。
あのキャンディを食べればどうなるかも知っていた。
けれど、こうすればみんな助かるのだ。
そう思って食べた。
「おい!ハンナの奴、全部食べちゃったぞ!」
「独り占めしやがって!!」
子供たちの怒りが暴走する。
ところが、ヨハンナは吐血して倒れてしまった。
「ハンナ…」
「欲張って全部食べようとするから…」
「違う!」
しびれを切らした雪が遮った。
「これがキャンディの正体だからだよ!ハンナは皆のことを思って自分はどうなるかも承知の上で…」
雪の言葉に嘘偽りはない。
雫が合流してきた。
「雫お兄ちゃん!」
「待たせたな。こいつも応援に使えるぞ」
多くの医療班が整列した。
これは頼もしい。
雪も希望があふれた。
自信がついた雪は皆の治療を始めた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(410) ( No.418 )
- 日時: 2016/04/26 23:22
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、B棟のプレイルームでは…
篤とファナが対峙していた。
弦を自由自在に操作することで不規則な攻撃を仕掛ける篤。
彼女は自然の力をもって動きを鈍くする。
どちらも一歩も引かない展開だ。
篤は足払いを仕掛けても相手は鳥人間。
飛んで凌がれるようなものだ。
かといって自分は空を飛ぶなんてできないことだ。
篤は攻略の糸口をつかめないでいた。
さてその頃…
滉人は例の手錠を見つけた。
これでマスターを捕まえることが可能になった。
子供たちも雪たちに任せてあるから大丈夫だ。
けれど、彼らは知らなかった。
あのカルロス3世が動こうだなんて…
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(411) ( No.419 )
- 日時: 2016/04/27 21:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、こちらは霙たち…
第3ブロックのスタートだ。
実はというとここには青竜院一族と深い因縁を持つ者たちが出場するブロックでもあるのだ。
例えば、40年以上前に力を奪われた海賊王。
澪によって敗北した格闘家。
他にもいろいろ因縁はあるとはいえ、数え切れないほどの借りがあるのだ。
その借りを返すために来ている。
けれど、出場するのは雫ではない。
霙1人だ。
それでも彼女1人に立ち向かうのだ。
僕だっていろいろ大魔王に借りはある。
でも、それだけではなかった。
もう1人、大魔王に借りがある人物がいる。
それは、ハックだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(412) ( No.420 )
- 日時: 2016/04/27 22:00
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ハックは9年前、大好きだった人を大魔王に殺された。
彼の名前はファルク。
大魔王の重臣筆頭格だった。
それだけじゃない。
ハックが慕っていた人物でもある。
しかも、大魔王の実の弟でもあるのだ。
大魔王は兄に閻魔大王がいたが、兄弟は大魔王含め3人いる。
上2人を支えていたのがファルクなのだ。
ファルクが死んで乱世が始まってしまったといえるのだ。
まあ、その前から戦争は始まっていたのだけれど。
その戦争が本格化したのが9年前。
それから6年…
ハックはその事件のことをあの事件の夜から忘れたことはない。
だから、ハックにも仮が大魔王にあるのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(413) ( No.421 )
- 日時: 2016/04/28 21:58
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、場所を戻してコロシアム…
並みの剣闘士を次々と薙ぎ払う死神・闘牛。
だが、その背中に乗っているのはというと霙なんだ。
霙は動物の声が分かるのかは知らないけれど、たぶん気があったんだろうな。
「いくぞ!牛さん!!このままみんなぶっ飛ばせー!」
観客のみんなは大爆笑。
さてこちらは巨人戦士。
「知っているか?最強の巨人の力を…」
大きなこん棒でありとあらゆる剣闘士を蹴散らしていく。
他にも、中国の拳法で攻撃する戦士とたくさんの猛者がいる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(414) ( No.422 )
- 日時: 2016/04/29 00:43
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
霙はこのまま牛にまたがって突進していった。
「あれ?」
何かにぶつかった。
それは巨人戦士だった。
「あ」
どうも怒らせてしまったようだ。
「俺に挑むつもりか!」
その巨人戦士は腕につけた武具で殴りつぶした。
さすがに霙は生きていられないほどの重さだった。
彼は高らかに雄たけびを上げた。
だけれど、まさかの事件が起きた。
霙は無事だった。
霙は渾身の蹴りを一発ぶちかますなり、巨人戦士は場外へと吹き飛ばされてしまった。
まさかの鮮やかな勝利だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(415) ( No.423 )
- 日時: 2016/05/06 21:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、タンク島に戻って雫たち…
雫は子供たちを取り押さえる。
「雫さん!金目的での暴力は範疇に入りますか!?」
「うーん…ぎりぎり無しだな。医療班!早くしてくれ!」
「了解!」
「イエッサー!」
「さすが雫お兄ちゃん!仕事が早い!」
「なあに、俺だってやるときゃやるんだよ」
さてこちらは澪…
「あれ?」
彼女が来たのはQ棟の2階…
「どういうことだ!?みんな1階に合流するはず…」
まさかの展開で驚きを隠せない研究員。
この後一体どうなることか。
みんなは知らないはずだ。
まさか自分たちが実験用のネズミとかのように扱われているとは。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(416) ( No.424 )
- 日時: 2016/05/23 22:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
この島は実はというと存在するようで無い、無いようで存在する。
実態がかなり空っぽな島だ。
もちろん実験体もどこからでも調達し放題で実験の内容も知らされることはない。
しかも、たとえ不祥事があったとしても上がもみ消してくるというおまけもついてくるのだ。
あれはカールの仕込んだことだろう。
僕はその身をもって知ることになるだろう。
もし僕がこの事件にちょっかいを出すことで、どれだけの上層部を怒らせることになるのか。
けれど、僕は喧嘩を売るなんて1人ではできない。
けれども仲間がいてくれる。
僕にとっては心強い味方なんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(417) ( No.425 )
- 日時: 2016/05/23 23:03
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はついに到達できた。
あのマスター・チェーザレがいるQ棟に。
けれど、何をここで作っているかはわからない。
「…熊本健太郎か…・ここに来た以上、相当なおもてなしをしないとなぁ」
「この研究所はいったい何のための研究所だ?」
「そりゃあ簡単さ。ここではEXEという薬品が作られてるんだよ。その薬品を使ってSAFARIという人造の実を作る…大魔王様はそれを使って動物軍団を作ろうとしているのさ…背筋が凍るよ…話の壮大さが分かったか!?お前がビジネスを邪魔することで大魔王様を怒らせるってことが」
「それはもう想定済みなんだよ。けど、どうしてもやらなきゃいけないんだよな僕らには」
「バカ野郎、お前らなんかすぐ潰されるさ!カルロス3世に大魔王様!!お前、こいつらに喧嘩売るつもりかよ!?」
僕は刀を振りって衝撃波を放った。
「最初からそのつもりでいてきたさ!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(418) ( No.426 )
- 日時: 2016/05/24 21:03
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
衝撃波を風に受けても、チェーザレは続ける。
「この期に及んでまだ逆らうか小僧!あいつはな、この世界の闇にいろいろ介入してるんだよ!ドラッグとか犯罪…いろいろ恐ろしいものに…今お前がこのビジネスを邪魔することでどれだけの大物をブチ切れさせる考えろ!!」
「…」
「くらえ!ブラックサイドクラッシュ!」
「おぉ!大きな黒の弾!さすがにこれは…」
「消しとん・・うわっ!未だ生きてやがる!?」
「わるいな。僕は往生際が悪い奴なんでね」
「…っ、まあいい。怪物がここにはまだいる。カールだ!あいつによってお前の仲間も、海軍の連中もみんな死ぬんだよ!」
「誰も死なせるわけにはいかないんだっつーの!」
「!?」
僕だって、あいつらが死に物狂いで脱出するのを努力したことを知っている。
それを無駄にはさせない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(419) ( No.427 )
- 日時: 2016/05/24 21:43
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ハックはというと…
Q棟2階をだれとも遭遇することはなく、D棟にたどり着いた。
そこには、カールとフレドリクがいた。
状況はカールが上手。
「…青竜院雹…か…」
「…いかにもそうだよ。そういうあんたは誰なんだ?」
「名乗る必要はない」
「…残念だなぁ。僕はもう知ってるんだよ」
カールが睨み付ける。
「……長々とこの椅子に座っていられると思ったら大間違いをしているね。だって熊本健太郎はいろいろなことをしでかしている。そうすりゃあんたらのその地位だって揺るがすかもしれない。あんたらは、彼の実力を完全に見くびっていた。けどそれが間違いだって今に気づくはずさ。どうせ、のうのうと笑って次の手立てでも考えるつもりかもね。けど、僕たちはその手は食わない。聞こえてるんだろ?大魔王よ!」
「フフフフフ!粋がってくれるじゃないか、小僧よ…大丈夫か?目の前の人間を怒らせちゃいないか?」
カールを、完全に怒らせてしまったようだ。
「お前は9年前、あいつを怒らせてどうなった?トラウマだろう。お前は立場実力ともにかなうことはないぞ!」
ハックは杖デカールを吹き飛ばし、EXEの工場を破壊した。
「あんたは何をした?あんたは多分この戦争を青竜院が脱落するまで優位に推し進めただけ。もうすぐ始まるのさ、真の人間界の覇権争いがね」
もう歯車が壊れた。
引き返すことのできない、道へと僕らは進むのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(420) ( No.428 )
- 日時: 2016/05/25 22:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
篤はというと、ファナとの戦いにけりをつけようと思考を巡らしていた。
その時、1つの考えを思い至った。
彼はふと話をした。
「篤だってそりゃ縛りたくないものああるけどさ…」
「…フフフ、そうでしょうねぇ」
「1つ聞くが、お前は過去に絶対人をかむことをしないと保証ができる猛獣にあったことはあるかな?」
「え…」
彼女ふと恐怖を覚えた。
その恐怖は、ただの恐怖とは違っていた。
彼女の細胞自体が、恐怖していたのだ。
「篤はないね…」
体が畏縮して全然動けない。
絞められるかもしれない時なのに。
案の定、弦が後ろから首を絞めた。
「殺取・蛸鎖」
蛸の足のように弦が枝分かれして敵の首に絡みついた。
その弦が首を容赦なく締め付ける。
ファナはこの瞬間敗北した。
気絶した状態で倒れた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(421) ( No.429 )
- 日時: 2016/05/25 23:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて僕はというと、彼の策を読み取ることに集中していた。
あいつのことだから、何をしでかしてもおかしくない。
チェーザレはついに恐るべき命令を下した。
それは通風孔のコックを開けることだ。
そんなことをしたら、僕らという敵は当然ながら、味方だって被害は出ないわけがない。
けどそんなこと、ごみくずが10人死のうがチェーザレにはどうでもよかった。
この科学はあまりにも歪んでいる。
しかし、彼らは知るわけがない。
むしろ僕を欺く演技だと思い込んでいる。
そんなこと、あり得はしないのに、全く気付いてない。
僕は彼らがすっかり騙されているということを知ったのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(422) ( No.430 )
- 日時: 2016/05/26 22:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして、彼は毒ガスを己の身にまとった。
その彼は毒ガスの化身となったのだから、僕は震撼した。
「くくく…最初からごみはものを考えるな……最初からこうするべきなんだよ。俺はこの世界や人間界も武器まみれにして大魔王様に認めてもらうんだ!」
そういうとチェーザレは何を思ったのか、同胞に手を伸ばした。
「え!??」
「そんな!止めて…くださ…い…」
同胞は涙を流しながら死んでいった。
僕の心にざわつきが出た。
「フフフフフ…我ながら最上の出来具合だ!さあ、このままいくぞ!おい!熊本健太郎!!逃げるつもりか!?どうせ、お前らには逃げ道なんざないんだよ!!」
さて、Q棟2階…
「うわあ!マスターが仲間たちを殺しやがった!!」
「どうしよう…皆死ぬんだ……」
その時だった。
後ろから声がしたのは。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(422) ( No.431 )
- 日時: 2016/05/26 23:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ご傷心のと超え終わるけど、そこをどいて!ガスから仲間を救いたいの!!」
澪だった。
「ハハハ、俺たちはたったいま大きな裏切りにあったんだ。俺たちは死ぬ。だがお前たちだって同じじゃないか!?こいつも尻尾を巻いて逃げたしている。俺たちは助かりっこないんだよ!」
自嘲的に警備兵たちはあきらめ顔でいう。
「ちょっと、あの熊本健太郎を侮辱するつもり?あの子がそういうような子供だったら私だっていくらか楽になれてたわよ…こっちは逃げちゃっていたはずなのに…でも最後の最後まで私たちを信じているから、こっちのほうが屈しちゃったわよ。だから最後の最後まで応えてあげるってのが仲間ってものでしょ!」
僕は踵を返してチェーザレに立ち向かう。
あの男は気に食わない。
「見てて、チェーザレは熊本君が一番嫌いな法の人間よ…彼は、絶対に金輪際許すつもりはないの!」
僕は刀を抜いて大きく振り上げる。
絶対に、この男は成敗してやる。
チェーザレは叫ぶ。
「そうだ…俺の部下にしてやっても…」
そんなこと、僕にとってはくそくらえだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(423) ( No.432 )
- 日時: 2016/05/27 22:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は拒絶の意思の必殺の斬撃を一発与えてやった。
相手はガスとはいえ、かなり吹き飛んだ。
「ぐおあっ!!!」
重い一撃だったから、チェーザレは倒れた。
さてその頃、篤は雪と合流してファナに麻酔薬を注射した。
これならまた目覚めて暴れることはない。
彼女がカルロス3世のために死ぬこともできない。
これでファナに対する対策も万全だ。
一方カールはというと、体を切り刻まれてしまった。
「お前たちはカルロスの真の強さ、素性を知らない…それがお前たちにとって命取りになるだろう…教えてやれよ、フレドリク…この世界の真の恐怖を………」
ハックは口を開いた。
「僕の心配はどうでもいいよ。今は自分の身を案じてろ…じゃあな、大魔王の腹心、カール・ウルリヒ・ア・バイエルン…」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(425) ( No.433 )
- 日時: 2016/05/27 22:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
今回のタンク島の事件によってカルロス3世はEXEを失った。
EXEがない状況になることはSafariも生産できなくなる。
つまり、原料を失った。
これによる怒りは計り知れない。
でも、僕にとってはまだ作戦の一環だ。
これでカルロス3世の鼻を明かして見せられる。
それによって今回の事件が大魔王への道が開かれる。
大魔王はSafariを得ることによって能力者を大量生産している。
これによって、大魔王は屈強なる軍を編成しているってわけだ。
ちなみに、魔界の徴兵制は人間界では考えられないもので、3歳から武術や砲術、剣術などを学び、軍に入ることが身に余る光栄なのだという。
そして、10歳から本格的な軍事訓練が行われる。
11歳から軍に入り、護衛などの役目を負うのだ。
けれどその護衛役は僕の手中に来てしまった。
しかも最強の青竜院なのだから、東の猛者を失ったという異なるのだ。
ちなみに魔界の名門は、白虎寺・朱雀門・玄武塔・青竜院という4つの家がある。
そのうち朱雀を除いて人間との混血化が進み、人間の容貌の悪魔が増えているのだそう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(426) ( No.434 )
- 日時: 2016/05/31 00:03
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
朱雀・玄武・白虎・青竜の家は名門で、4つの軍閥が作られている。
以前にも、人間界を攻撃しようとした大魔王だけれど、大女神にそれを止められ、特殊な腕輪を魔界の連中ははめられた。
その腕輪は、人間界などのほかの世界に行ったとき、魔力を制限する力があるという。
要するに、人間界にいるときは悪魔は自由に魔力を発揮できないのだ。
当然、そのあとで生まれた悪魔もだ。
瑠璃が人間界に逃げているのは、大魔王の野心をくじくためだ。
その時、僕と出会った。
奇遇にも、僕と利害が一致した。
この戦いは、僕や瑠璃だけではなく、ほかのみんなまでもがっつり巻き込む可能性は少なからずある。
けれど、僕らがやらなけりゃ誰が大魔王の野心を止められるのか?
いや、やすやすと完遂されてしまうだろう。
それを阻止するために今戦っているんだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(427) ( No.435 )
- 日時: 2016/05/31 00:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、こちらはジョン5世国王…
「そうか、熊本君がやってくれたのか……」
彼は今、この世界の夢を成就するための計画を立てていた。
平和のために、世界会議を開くことだ。
世界会議は3年前からずっと行われていなかった。
3年前、当時のある国の王、フェリペ7世が急遽失脚したことが原因で中止になった。
ジョン5世は当時、世界会議の議長を詰めていたので、彼は困惑した。
ルイ21世も驚いたことだろう。
この事件以降、世界会議は行われてこなかった。
それかというもの世界は混沌とするようになり、戦争や武器、闇商売が横行するようになった。
この事件には大魔王がかかわっているかもしれないだろう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(428) ( No.436 )
- 日時: 2016/05/31 21:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、Q-53…
「さあてと。目標のチェーザレもこっちの人質にしておけば、簡単にカルロス3世も手は出せないだろうな…」
「ま、それもそうだね」
僕とハックはチェーザレを人質にすることにした。
さてこちらは澪…
「貴様…よくもやってくれたな…」
「あんたらがばかばかしい邪魔をするからよ、この馬鹿男!もう1回この鞭を食らいたくなかったらおとなしく黙ってて!」
幹部を全滅させていた。
雪もファナを捕虜にして僕のもとへ合流した。
でも霊と霞はというと…
「どうしよう!信之さんが毒ガスを食らって死んじゃったよー!!」
「ええ!?なんでそんなことになったんや!?」
「それが…」
どうもドラゴンを斬ってしまったらしくって…
息子だと思った彼は毒ガスの中に入り込んでしまった。
それで霊が助けたときには、毒ガスで固まったのだという。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(429) ( No.437 )
- 日時: 2016/05/31 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
まあ、それは後で考えるとして今はここからの脱出だ。
さて、露は…
「はぁ、みんな遅いなぁ」
彼女はあくびをしてみんなを待っていた。
さて、こちらは沖合上空…
「早く!何をしているの!?ダビド!」
メイドらしき格好のクリスティーネがダビドをひっぱたく。
「分かってるって!だが、あいつが無事なのかどうかが分からねぇ…熊本ってやつにやられているかもしれないからな……」
「熊本?」
「熊本健太郎だよ」
「ああ、あの!」
「あいつが現れて以降俺たちの快進撃が止まってる。あいつの息の根を止めて大魔王様のために勝利をおさめなきゃいけねぇんだ」
「了解」
「見えた!タンク島!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.438 )
- 日時: 2016/05/31 22:35
- 名前: ぱる+りんご (ID: Q.pGZPl6)
こんにちはー。初めまして、ぱる+りんごと申します。
絶っっっ対ワンピース好きですよね!?笑
登場人物たちが豊かで読みごたえがあります!
よろしければお友達になりませんかー!?
突然失礼しましたっ((
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(430) ( No.439 )
- 日時: 2016/06/01 21:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
>>438 いきなりびっくりしました…
ぱる+りんごさん、まさかのまさかでその通りなんです。
最後までお読みできれば光栄です。
まあ、強引っちゃ強引だけど爆風を起こしてガスを晴らすことはできるんだが、ダビドが必殺技を見せる。
先にプロペラがついた杖を振り回し、風を起こした。
『突風・又三郎』だ。
これは、台風のような力の風を起こす必殺技だ。
だけど、ガスが晴れると彼らはきょとんとした。
ガスの中から、人間らしい生物が1人いたからだ。
露は空の中から鳥のような生物を見て、こう言った。
「あれ、何だろうこの鳥さん」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(431) ( No.440 )
- 日時: 2016/06/01 23:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
彼女はいつか京都のホームセンターで購入した双眼鏡を覗く。
2人がこちらへ向かってくる。
その2人がこちらに降り立ってきた。
「何?あの子?」
「あっ!お前はもしや、青竜院露!!お前、まさか大魔王を裏切ったのか?なぜだ、理由を言え!!」
その問いに露は答えた。
「裏切った?まあね。あの熊本健太郎とその仲間たちと付き合ってから1つの考えに落ち着いたのよ?大魔王のやり方が間違ってるってね」
「何だと?」
「大魔王様は裏切り者を許さない男よ!あなた、どうなるかわかってるの!?」
「分かってるよ。けれど、熊本君が止めないでだれが止めなきゃいけないの?」
「無駄な話をしやがって…今お前をここで倒す!」
「バカなこと言って…はぁ、返り討ち、決定」
露はため息一つつくと槍を構えた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(431) ( No.441 )
- 日時: 2016/06/02 23:16
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
露がやりを構えるなりクリスティーネが発砲してきた。
露もどれだけやりを上手に操れてもさすがに飛び道具の攻撃までは持っていないので軽いステップでバックする。
「ふぅ、この力はただものじゃなさそうね」
悠長そうな眼付きで露は槍を軸にすると、がれきを天高く投げ上げてシュートを仕掛けた。
反動はかなりのものだけれど、悪魔はそれで足を折るほどやわな体じゃない。
この様子でクリスティーネは本気で武器を展開。
まずは彼女にはお似合いの鉄扇をもって飛んできたがれきを破壊。
この防御に露は仰天した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(433) ( No.442 )
- 日時: 2016/06/03 21:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「やっぱりうわさに聞く武器持ちの殺し屋でもあり幹部。こいつ、なかなか強い!」
露は口をつぐむ。
さて、カルロス3世はチェーザレだけでも回収するよう命令した。
たとえファナがつかまり、カールが戦死していようとも、チェーザレさえこちらの手中にあれば、まだSAFAIRIは生産できる。
そう見込んだのだ。
「若の命令は大至急だ。さあ、行くぞ青竜院露!」
彼は自慢の大砲を展開。
クリスティーネもそれに合わせてミサイルを押し込んだ。
「くらえ、青竜院露!!」
さて一方、僕はというと。
「目的のファナは捕縛してるし、カールも死んだ今、あとはチェーザレをとらえるだけだな」
「チェーザレを捕えることで、何か益があるのか?」
「ああ、相手がSAFARIを生産できなくするためさ」
「なるほど」
「そうと決まれば、決定だな」
震もロープと手錠を構えている。
これはやる気がありそうで頼もしい。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(434) ( No.443 )
- 日時: 2016/06/06 10:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
露は、クリスティーネとチェーザレをめぐる争奪戦を繰り広げていた。
「何なんだこいつ…」
ダビドの顔つきが怪訝になる。
あの時は青竜院のものとして大魔王に使えていたものが今や人間の見方をしている。
ジョン5世の配下の騎士たちは各国で戦いをやめるように遊説している。
これでは大魔王の宿願の雲行きが怪しくなってる。
だからこそ、ここで熊本の足をくじいて宿願を成就させる必要があるのだ。
だけれど、これまで青竜院の護衛役は瑠璃・麗魅の双子姫を奪還しようとして、それを邪魔立てする僕を暗殺しようとしたが、全部失敗に終わった。
逆に僕が持ち駒を増やしてしまうという結果に。
残るは玄武塔、白虎寺、朱雀門の3つの軍閥をもって僕を打ちに行くしかないだろう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(435) ( No.444 )
- 日時: 2016/06/06 11:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕はそんなこととは露知らず、僕はチェーザレ捕縛のための準備を固めていた。
子供たちや海軍と合流し、Q-53から脱出して、このガスのような島から脱出するつもりなのだけど…
今、露はクリスティーネと戦っている。
「しぶとい!」
クリスティーネは二挺拳銃を取り出して間断なく露に向けて打ち込む。
露も負けずと軽い身のこなしでかわしていく。
露もやりをバレリーナのように回転して柄で攻撃した。
切っ先を使わずに持ち手の部分で攻撃するのは初めてだ。
クリスティーネは肩に食らった。
チェーザレを奪還せねばまずい。
彼女はいい手を思いついたのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(436) ( No.445 )
- 日時: 2016/06/06 18:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
クリスティーネはチェーンで括りつけられた鎌をダビドに託すと、ダビドの扇風機付きの杖に括り付けさせた。
これで露の体を抉り裂くつもりだ。
露は恐怖の鎌を前にして慄いた。
戦慄の鎌が出来上がり、今に露の体が切り裂かれる瞬間だった。
露はひらっと身をかわすことで、鎌を壁に突き刺させた。
これによって露は身動きの取れなくなったダビドめがけて槍を展開する。
「勝負あったわね…孔雀槍!!!」
孔雀のように展開された槍がロケットミサイルのようにクリスティーネとダビドの足元に突き刺さった。
そして露はくるりと一回転。
槍は大爆発を起こした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(437) ( No.446 )
- 日時: 2016/06/13 22:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
結局、チェーザレ奪還を阻止した露。
さて、僕も脱出しにトロッコで急行していた。
それによって、大魔王との戦いも本格的になる道を僕は歩んでいた。
この戦いでカルロス3世は怒るだろう。
何しろEXEが失われることで、SAFARIが生産できなくなるからだ。
僕や青竜院兄弟が集結し、海軍までもいる。
クリスティーネやダビドにとっては分が悪い。
僕の存在を知っているものは、魔界でも少なからずいるだろうからだ。
けど、実力は少しずつ大魔王のもとに飛ぶ。
結果、大魔王が人間界に攻撃してくるだろう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(438) ( No.447 )
- 日時: 2016/06/14 21:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ダビドたちは僕らの姿を見てはっとした。
僕に加えて、青竜院兄弟や海軍の第15番隊が勢ぞろいしたからだ。
こんな大軍とまともに戦っても、命が足りないと判断したのだろうかな。
ここはまず引き上げて、また作戦を練り直そうと思った。
僕はというと…
「なんだ?あいつら」
「敵ですか?味方ですか?」
零も澪に尋ねた。
「…敵ね」
澪ははっきりそう断言した。
ファナは奪還できたとはいえ、チェーザレまでは奪還できなかったダビドは、いったん国に戻って、体勢を立て直す旨をカルロス3世に申し上げた。
カルロス3世の了解を受けると、高速で逃げていった。
「何だったんだろうな…あれ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(439) ( No.448 )
- 日時: 2016/06/14 21:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、タンク島の戦いが終わったところで、今の状況を振り返ってみよう。
僕は、今大魔王の手先と戦っている。
大魔王の護衛役をこちらに入れ込んだ今、大魔王は青竜の派閥がいない。
青竜がいない今、白虎寺・朱雀門・玄武塔の3つの家が大魔王側の一族だ。
大魔王は、冥界だけじゃなく人間界にも攻撃を仕掛けている。
だが、人間界に自ら攻め込むことで自分の魔力が制限されるのはきつい。
だから、魔界の手先のものを派遣することで少しずつ侵略していくのだ。
けれど、僕という障壁が立ち上がった。
今や快進撃を遂げていた魔界軍が足踏みを始めている。
そこで、大魔王は新たなる手を考えた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(440) ( No.449 )
- 日時: 2016/06/14 23:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕を何かと事件に巻き込ませることで僕を疲れ果てさせ、体力もなくして骨抜きにするという考えだ。
けれど、当然この手にも弱点はある。
いつ、僕が骨抜きになるかが分からないということだ。
しかも魔界軍はなかなか他国を攻めれば勝利できるものをなぜか日本から攻撃する。
ゆくゆくは、京都に魔界の都を作る計画もあるらしい。
計画の内容は人間を滅ぼし、魔界の冷厳な軍事国家を作るつもりなんだろう。
でも、どうせならアメリカもしくは中国を攻めればいいはず。
何しろ、アメリカ・中国には多くの金がある。
その金を奪っちゃえばあっちのものなのに。
いったいなんでだろう?
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(441) ( No.450 )
- 日時: 2016/06/15 22:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
でも、人間界でも激震が走るような事態が始まろうとしていた。
変態クラスの3年4組が魔界と手を結べと言われた。
でも、彼らは僕の友人だ。
やすやすと僕らのことを見捨てるわけがない。
その結果いろいろ考えた末に、僕にもつかず大魔王にもつかない中立の姿勢を構えた。
とはいっても好意的な中立だ。
万が一の時は僕と手を組んで戦うとも言っていた。
それはそれでいいのだけれど、問題は星空先輩の取り巻きだ。
星空先輩ではなく、僕の妹・杏香が31代目を継ぐことが面白くなくて、大魔王につこうとしているのだ。
それによって星空先輩をつかせて自分たちが実権を握るつもりなのだろう。
要するに、星空先輩はただのお飾りという状況になってしまうだろう。
星空先輩は先輩でその心の闇に打ち勝つべく僕の誕生日前後に恐山へ修行に出て妖刀作りに励んでいるという。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(442) ( No.451 )
- 日時: 2016/06/15 22:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それだけじゃない。
魔刀の漆黒の力によって、九尾の狐の暗躍が始まっているのだ。
現在、落ちているのは延暦寺と銀閣寺の結界。
そしてこの間、伏見稲荷大社の結界が落ちた。
この伏見稲荷大社の戦いによって、結界の守護者をはじめとする多くの陰陽師が戦死した。
桂離宮にも宣戦布告の予告状が出されている。
日は11月7日。
ここを落とせば急激に九尾の狐による進撃が始まるのだ。
九尾の狐は淀殿の側近として人間に化け、淀殿は狐の野心を一つも知らずに彼女を取り立てた。
淀殿はおろかにも、陰の妖怪たちを豊臣家の家臣に入れてしまった。
だが、急に起きてしまった16代目の襲撃事件。
これによって、淀殿は目を覚まして妖怪たちを罷免した。
だけれど、この2か月後に豊臣家は完全に滅んでしまった。
どっちみち豊臣家は大坂の陣で滅ぶ運命だったんだろう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(443) ( No.452 )
- 日時: 2016/06/16 22:26
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、話を戻して僕は海軍と別れた後、霙のもとに戻ることにした。
霙も奮闘する中、巨人戦士は何者かに吹き飛ばされた。
それは、世界ボクシングのチャンピオン『フランツ・アルブレヒト・ヴォン・ザクセン』だ。
優勝賞品を手に入れて、彼は強くなるつもりだという。
さて、こちらは中国のギャング、『王一家』。
現行18代目の『王隆基』。
そして側近で隆基の弟の『王元吉』。
17代目で隠居人となっているが、隆基と元吉の祖父、『王炎』。
以前、日本円にして12億円の懸賞金をかけられたその力はあらゆる猛者をも希薄だけで蹴散らしていく。
霙も彼らにも負けじと次々と闘志たちを蹴散らしていく。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(444) ( No.453 )
- 日時: 2016/06/16 22:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
早くも第3ブロックは35人となってしまった。
そんな中敗者たちが残した武器を回収しているものがいた。
そいつは追剥で懸賞金稼ぎの『ジャック・アルベール・シャルル・アレグレ』だ。
彼は日本でも名の知れた賞金稼ぎで、以前に仕留めたものの最大の懸賞金は日本円にして8億だという。
最初はたまたま出会った海賊の親分を暗殺し、懸賞金5000万円をいただいたことだった。
彼は青竜院・ぼくら3年3組連中の首も欲しているという。
だけれど、そいつは霙を見つけてしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(445) ( No.454 )
- 日時: 2016/06/17 22:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
アレグレは霙を見つけるなり武器を次々と投げつけていく。
「ちょっ、お前何がしたいんだよ!」
「ふん、俺はお前たち青竜院のコンプリートを目指しているのさ!貴様はもちろん、青竜院零、青竜院澪…16人兄弟の首さ!」
「うわわっ、危なっかしい奴だな」
「俺は懸賞金稼ぎだからな、たとえ女だとしても手加減はないぞ?」
一方…
凶暴な兄弟がいた。
アレクサンドル・ドミトリエヴィチ・チェーホフとニコライ・チェーホフだ。
アレクサンドルは剣闘士にちび呼ばわりされたことに怒ってめちゃくちゃに殴り据えていた。
ニコライは兄のアレクサンドルをなだめている。
めちゃくちゃに殴り据えても、怒りは収まってはいなかった。
そんな時、元吉の奇襲が襲い掛かった。
アレクサンドルは、思いがけない手を打つことにした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(447) ( No.455 )
- 日時: 2016/06/20 23:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
彼はジャケットの力を発揮した。
その巨体には似つかわしくない軟弱な性格のニコライ。
だがその人格を奪うことによってアレクサンドルの凶暴な力をいかんなく発揮することができる。
この力をもってチェーホフ兄弟は元吉をボコボコに打ち破った。
さて、霙はアレグレの攻撃をひらりひらりとかわす。
王炎にその攻撃が当たっていた。
「さっきからあたっているではないか!!」
王炎はアレグレを殴り飛ばした。
さて、チェーホフ兄弟は元吉の兄隆基と対峙した。
弟を打ち破った勢いに乗って兄も撃破しようという構えだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(448) ( No.456 )
- 日時: 2016/06/21 23:02
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
しかし、兄弟の情など、祖父のもとで修業を始めたときには捨ててしまっている。
その力をもって、チェーホフ兄弟を海水に落とした。
「部下の敵は取らせてもらう!!!」
さすがは18代当主の王隆基。
ロシアのギャング兄弟、アレクサンドル・チェーホフとニコライ・チェーホフを打ち破った。
だけど、王炎と霙は死闘を繰り広げていた。
そして、王隆基とフランツ・アルブレヒトとの激戦が始まった。
だけど、そんなの霙たちにとっては邪魔で無駄な戦いに過ぎないもの。
「邪魔!!」
「どけい!!」
霙は隆基を、王炎はフランツ・アルブレヒトを殴り飛ばした。
第3ブロックの生き残りはもはや、あと2人。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(449) ( No.457 )
- 日時: 2016/07/14 21:25
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
霙と王炎が対峙する。
青竜院と王炎には18年前からの因縁がある。
19年前、王炎は中国では名の知れた大海賊だった。
それが打ち破られたのは、青竜院によってだった。
青竜院は21年前に敗れてしまって、あれ以来復讐するためにサンドバック代わりに山を3つや4つ破壊してきた。
そして、18年前にげんこつ一発で王炎はかなりの大けがを負ってしまった。
そのけがは今でこそ回復しているが、顔には古傷が残るくらいのものだった。
それが因縁の始まりだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(450) ( No.458 )
- 日時: 2016/07/14 21:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて僕はというと、雪とこれまでの事件のすべてを整理していた。
今回の事件は、おとぎの国のナバラ国王、カルロス3世(フランス名シャルル3世)が闇取引の中心となっていたことで、世界が混沌の中に陥ろうとしていた。
しかも、彼は王位簒奪者であり、フェリペ7世(フィリップ7世)が正当な王だとされているが、カルロス3世が世界的に認められていること。
それだけじゃない。
かれはわずか数か月でカスティリヤの北部、アラゴンまで攻めてきたのだ。
しかも、運の悪いことに子供も生まれている。
ルイス王子だ。
彼もまた、父親をしのぐほどの悪童だという。
彼が西ヨーロッパを支配すれば世界は恐怖に飲まれてしまうだろう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(450) ( No.459 )
- 日時: 2016/07/15 01:23
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ルイス王子の悪童ぶりは折り紙付きだ。
彼は気に入らない男がいるとすぐ紐で殺しては妻を過信にやるという極悪ぶりをわずか12歳でやっていた。
そればかりか、まだ12歳にもかかわらず、闇取引の市場に顔を出すこともあるという。
彼は最強の悪のカリスマに育て上げられていたのは、周囲の教育だったのかもしれない。
教育係には狡猾な家庭教師がいるし、周囲にはカルロス3世が王位を簒奪する前からの功臣がいる。
かなりの悪事をしてもとがめられることはなく、それが彼の凶暴さを増幅させているのだという。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(451) ( No.460 )
- 日時: 2016/07/15 09:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
カルロス3世の闇取引の中心は、Safari工場の地下にある港だ。
工場は鉄壁堅固な城で、攻めるに難く守るに易い立地にある。
だから工場を作るのに警備が少なくても十分なところにしたんだろう。
けれどもこの工場が落ちるという事態になれば、世界の闇取引が破壊される。
大魔王が血眼になって僕を探そうと思うのも時間の問題だ。
そればかりじゃない。
世界の闇取引のブローカーが僕を恨むだろう。
たぶん、大魔王は僕のことをさらに恨む。
400年も前からすごい因縁ができてしまっているから。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(452) ( No.461 )
- 日時: 2016/07/15 11:57
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
霙は王炎と対峙していた。
あのゲンコツさえなければこうして対峙することはなかったはず。
だが、現実はあった。
しかも青竜院の子供だ。
あの一族の子の首を一つを上げたぐらいでは満足できない。
どうせなら16人すべての首を上げたい。
けれども、あのゲンコツは霙だって受けていた。
それも1つや2つじゃない。
もう数え切れないほど多くだ。
時は19年前…
王炎は中国の南部で大勢力を誇っていたギャングだった。
しかも彼の覇気はとてつもなく半端なかった。
中国の覇者と呼ばれて久しかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(453) ( No.462 )
- 日時: 2016/07/15 14:13
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
だが、18年前のことだった。
「おい、王炎。今日という今日はお前を倒しにサンドバック代わりに山を壊して回ったぞ」
「ふん、何度やったって同じこと。我が剣に勝てるものなどおらぬわ」
「覚悟しろ、王炎!!」
「そのげんこつ、真っ二つにしてくれようぞ、青竜院雨水!!!」
そして火花がほとばしるような戦いが始まった。
そしてその結果は青竜院雨水の勝利に終わった。
その刃は折れ、鍔にも傷が残った。
そればかりか、顔にも大きな傷が残った。
それでやむなく17代目棟梁を退き、18代目の隆基に譲った。
それ以来だった。
復讐の鬼に化したのは。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(454) ( No.463 )
- 日時: 2016/07/19 22:14
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
あのゲンコツさえなければ。
中国南部に覇を唱えられていた。
「己の父親のそのげんこつが!我がすべてを打ち砕いたのだ!!祖奴には市という生ぬるき罰では物足りん!!生きて、失うことの恐ろしさ、悲しさ、絶望感を思い知らせてくれる!!!」
「いったい何なんだよたかだかげんこつ1回ぐらいで!!あたしなんか何百回も何千回も食らってるよ!」
霙は強い脚力で天高く飛び上がり、ハンマーを自分の身長ぐらいの大きさにして狙いを定めた。
「小娘がこざかしい真似を!最強の必殺技でその手を動けなくさせてくれる!!」
「ったく、失ったもんくらい返してやるっつーの!」
「やれるものならやってみろ、小娘ぇ!!龍牙重破斬!!!」
「うおりゃぁぁぁぁぁ!!」
霙はハンマーを上に向けたまま杖で急降下してきた。
「ぬおおおおおお!!!」
「やああああああ!!!」
すると、彼の刃が新しく生えてきたではないか。
これは、せめてもの、霙の温情なのかもしれない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(455) ( No.464 )
- 日時: 2016/07/19 23:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
王炎はステージに落下した。
第3ブロックを制したのは霙だった。
あの乱暴な闘牛を手なずけ、伝説の巨人を打ち破り、生ける伝説にも勝利した女が、ついにブロック制覇に成功したのだ。
「いよっしゃぁぁぁああああ!!」
喜びの雄たけびが思わずして口から溢れ出る。
けれども、僕は僕で事件に巻き込まれようとしていた。
僕と澪は上陸後、小人族の住む村に紛れ込んでしまっていたのだ。
「何だろう?この島は?」
「お前たちは侵入者だな!?」
「えっと…何がしたいの?」
「それはこちらのセリフです!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(456) ( No.465 )
- 日時: 2016/07/19 23:17
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「べ、別に怪しい奴なんかじゃないよ」
「怪しい奴じゃない?」
「僕はあのEXEを破壊した男だよ」
「…つまり熊本健太郎ですね?」
「いかにもそうだよ」
「なるほど、この国のヒーローみたいな存在になるであろう人ですね」
「?」
「何で、熊本君がヒーローなの?」
「今にわかることです」
そういわれて、僕は小人族の後をついていくことにした。
「あっ、そうだ。自己紹介がまだでしたね。僕はフェルナンド・レオンです。以後、お見知りおきを」
レオンはそう言って僕をある駐屯所に案内した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(457) ( No.466 )
- 日時: 2016/07/20 22:01
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、雫とハックは、霙と合流しにコロシアムに向かっていた。
その中で、ある1人の女性と出会った。
踊り子のイサベル・サルディアスと出会った。
あの魅力的な踊りは、通りすがるものの眼をそらす。
彼らはその素晴らしい踊りに目を奪われていた。
踊り終わるなり彼女は雫とハックに近寄った。
「あなたが…青竜院雫と青竜院雹ね?」
「え…いかにもそうですけど…」
何か不安な感じがしてきた。
「ちょっといらっしゃい」
そういわれるなり2人とも連れていかれた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(458) ( No.467 )
- 日時: 2016/07/20 22:06
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
2人が連れていかれたのは、とある港から数キロ離れた倉庫だった。
「素晴らしい男たちと出会えて光栄よ」
「素晴らしい?」
「どうして?」
ハックと雫は疑問に思った。
「あなたたちがこの国を解放してくれるヒーローだから」
「ええ?」
「ん?今、なんて…」
「ヒーロー」
「おいおい、冗談じゃないぜ。俺たちは悪魔だ。それなのにヒーロー呼ばわりだなんて」
「熊本健太郎という少年とともに行動してるんでしょ?」
「そうだけど…」
「その人が、この国を解放する奇跡を起こしてくれるから」
「……つまり、あいつがこの国の解放者?」
余計わけのわからなくなってきそうな2人だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(459) ( No.468 )
- 日時: 2016/07/21 21:42
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
訳が分からなくなってしまった2人はついに核心に迫った。
「あのー、あなたは一体…誰なんですか?」
「私?私は旧王家の王女、イサベル・デ・クルキッチよ」
「つまり、元王女!?」
「そうね。もともと私は王家出身だからね」
「そうなんですか…」
「でも、復讐したいとは思いませんでした?」
「あったわよ。でも、私1人じゃ何もできないから…」
「…」
「そうだ。マリアにも会ってみたら?」
「マリア?」
「私の妹よ」
「今、どこにいるんです?」
「ころっしあむで、戦っているときじゃないかしら」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(460) ( No.469 )
- 日時: 2016/07/21 21:49
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕はというと…
フェルナンドという小人の青年に連れられてある駐屯所に向かった。
「長老。連れてきました。彼こそが僕らの希望です」
「希望…?この大人間がか?」
「はい。彼が熊本健太郎。彼女が青竜院澪です」
「初めまして。お会いできてうれしいです」
「熊本君と青竜院さんか。うわさはかねがねから聞いておったぞ。確か、タンク島を荒らしたんだっけな」
「はい」
「それなら心強い。君たちみたいな勇敢なるヒーローをわしは求めておったのだ」
僕らはヒーローと呼ばれることに何かこそばゆい感じが走った。
「そうだ。自己紹介がまだだったな。わしはパトリシオ・ソリアーノじゃ。よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(461) ( No.470 )
- 日時: 2016/07/22 21:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、篤と霞は、工場の前にいた。
「すごく大きくそびえてるな…」
「…ここに結構多くの人々が働かされてるんだろうな…」
その工場の重々しい雰囲気にただ聳え立っていることしかできない。
あの工場にはSafariという人造の果実が栽培されている。
そこの地下にある港から出火して、海外の闇商人たちにいきわたっている。
当然、現実世界にも。
「何かうちらがしてやれることはないんかね…」
「あればいいんだけど」
ぽつりと篤がつぶやいた。
今から、探すつもりなのかもしれない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(462) ( No.471 )
- 日時: 2016/07/22 21:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
霙は、コロシアムで選手控室に戻ってきた。
「あー、よく闘った。いつ以来だろうなぁ、こうしてこんなに全力ふるって戦うなんて」
自分の実力を思う存分震えたことに満足していた。
「青竜院さん…ですね?」
「ん?ああ、いかにもあたしが青竜院の六女、霙だけど?何かあった?」
「あの…あたしはマリアっていうんですけど…」
「マリアか…いい名前だなそれ」
「来てほしいところがあるんです」
「いいよ。どこにでも付き合ってやろうか」
しばらくちょっと歩くと、ロビーについた。
そこには、大きな銅像があった。
「すごいなぁ。このおっさん、誰だ?」
「今は捕虜となってるんですけど…私のお父様の銅像です」
「お、お父様って…こいつがあんたの父ちゃんなの!?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(463) ( No.472 )
- 日時: 2016/07/23 22:05
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「私のお父様の名前は…フェリペ7世…あの男のクーデターによって地位を引きずり降ろされた王よ」
「あの男って、誰なんだよ?」
「カルロス3世…闇社会のブローカーよ」
「ああ、あいつ!!」
霙も話は聞いていた。
例の王が闇取引に介入していることを。
彼の本業は地上げとかいかにも彼がやりそうなことだ。
彼が狙っているのは大魔王の側近となり、右腕になること。
「あの男を知ってるの!?」
「うん。なんでもあいつはいろいろな悪事をやらかしてるからな…人間の割には」
「そうなの…」
「いいよ。協力してやろうか?」
「ありがとう…」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(464) ( No.473 )
- 日時: 2016/07/24 13:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はというと、護衛役で今はここに滞在する身の男と出会った。
彼の名はベンハミン・トリスタン。
剣闘士時代、剣の実力を前国王に買われて護衛役となった。
彼は今でもなおフェリペ7世を慕っている。
「私は…彼女たちの護衛役を務めること11年、前野国王のことを見ていたが、とても優しくてお人好しだった」
「そうですか…彼は相当国民から慕われていたんですね」
「だが、その人の好さからすっかり騙されて王宮から逃亡した。あのカルロス3世に」
「やっぱり…あの人は立身出世しか頭にないらしいから…」
「しかも、私の同僚の中には、悩み苦しみ、結果あいつのもとへ着くしかないものもいた」
「うえぇ…」
「だが、正当な国王はフェリペ7世のみ。だから奪還計画を立てているのだ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(465) ( No.474 )
- 日時: 2016/07/25 20:30
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「どうやって、王位を奪還するんですか?」
「それが難しいのだよ」
「それはなぜ?」
「実は、あの魔界軍団の官僚には知力、体力、戦力がかなりあるんだよ。軍勢は私が見る限りでは1万3000ってところかな」
「そんなに多くの大軍がいるだけじゃないって聞いたよね?」
「ああ、高位についているものの中には特殊な能力を持つ戦士がいるしね…」
「そうだ」
なるほど攻めるに難く守るに易い状況だな。
それだけじゃなく、大魔王もこの事件に介入してるかもしれない。
何か恐ろしいことになりそうだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.475 )
- 日時: 2016/07/25 22:03
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、霰と瑠璃、麗魅は、雫とハックとは別ルートで霙に会いにコロシアムに向かっていた。
「お、ひめさーん!霰ー!」
中から霙が手を振っていた。
「どうしたのよ霙?」
「ついにやったぜ!あの時以来だぜ!思う存分に力をふるえたのは」
「そうですか・・よかったですの」
「で、コロシアムの様子ってどんなのだった?」
「それがさ、剣闘士はもちろんいるんだけど巨人とかすごいのがいて」
「相当曲者ぞろいですわね」
「だろ?けどいざ闘ってみると結構強くて」
「でも、優勝できたんでしょ?」
「いや、まだ予選突破ってところだけど」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(467) ( No.476 )
- 日時: 2016/07/26 21:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「それでもすごいじゃん!」
「まあ、それほどでも」
「それはよかったんですのよ。でも、こっちはこっちで何か退路がなくなってきそうですけど」
「え?何があったんだ?」
「それが…」
3人はチェーザレが子供たちを巨大化させる実験を行っていたこと。
それから世界を兵器まみれにさせようとしていたこと。
けどそれを健太郎が阻止したこと。
現在チェーザレは身柄を確保していること。
このことをつぶさに話した。
「そんなことがあったのか…あいつって、なんかきな臭いなと思ってたんだけど」
「そうなの?私たちもそう思ってたんだけど…」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(468) ( No.477 )
- 日時: 2016/07/26 21:57
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、雫はハックはイサベルと話をしていた。
「俺たち、ちょうどいいところだったんだよな」
「ああ、コロシアムに行こうかと思っていたんだよ」
「ありがとう。私もついて行っていいかしら?」
「もちろん」
3人はコロシアムに行くことになった。
一方、怜子は僕のことが心配になって、僕がいるという小人たちの情報を得て小人たちの住む村の前にいた。
「みんなは、まだ前国王を慕っているの?」
「前とは失礼な!現国王はフェリペ様1人ですよ!!」
「ごめんごめん、それでも、あの王位簒奪者は、何で国民人気があるの?」
「これですよ」
小人のマルガリータ・ロブレスは手を開け閉めした。
「何?その手の動き?」
「あいつは、それをやるだけでお金を呼び寄せているのよ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(469) ( No.478 )
- 日時: 2016/07/27 21:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「どうやってお金を稼いでいるの?」
ついに怜子は核心を問う。
「それは、私たち小人を働かせてSafariを栽培し、世界中の闇商人たちに売りさばいてそれで金を設けているんですよ!けど、フェリペ様の時はあんなことしなかったのに…」
マルガリータはあの時のことを振り返る。
700年間支配していた先の王家がしたことは、この国の農業開発。
この開発の時に手を貸したのは小人たち。
つまりこの国の農業発展は小人たちのおかげとされ、国民たちから尊敬されていた。
だが、あのクーデター以降700年以上前の悲劇と同じになっている。
彼らはなんとかして前の王家を復活させたいのだ。
その時に渡りに船なことがあった。
それは僕が来たことだった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(470) ( No.479 )
- 日時: 2016/07/28 22:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それを何とかして利用しようかと思ったときに、僕が小人たちの村に迷い込んだ。
まさに僕という応援がいる。
これならフェリペ7世に王位を奪還できるかもしれない。
そう思っていた。
しかし、カルロス3世も相応なりに氾濫対策はしていた。
まず、難攻不落の立地条件にふさわしい場所に工場を建てた。
家臣には以前からの譜代を登用して自分の権力を盤石なものにした。
それだけじゃない。
直属の常備軍や特別部隊を計13000もかき集めた。
これなら彼は王位を守れると思っていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(471) ( No.480 )
- 日時: 2016/07/29 22:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
でも、僕がタンク島で見せた奇跡が、彼らの希望を呼び覚ました。
と、言うのも小人たちはこの10か月間掘り続けてきたトンネルを通り抜けて今人質にとらわれている小人の姫を連れ戻し、工場を破壊する計画がある。
けれど、壁の素材は頑丈で外からでは破壊できない。
だから彼らはトンネルを掘った。
内側から攻撃ができるように。
さて、雫たちはコロシアムに入り、マリアを探していた。
「ところで、マリアの特徴ってどんな感じなんだ?」
「うーん…髪を私より明るい茶色で白い鎧をまとってたわね…」
「…!?あれはもしかして…」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(472) ( No.481 )
- 日時: 2016/07/29 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ハックが見つけたのは白い鎧を身にまとった明るい茶髪の女性だった。
その人もハックの存在に気が付いた。
「マリア…マリアなの…?」
「お姉さま…いつ以来でしょうか…こうして会えるなんて…!」
マリアとイサベルは久闊を叙した。
お互い声を聴くのは去年以来初めてだった。
懐かしい会話。
あの日以来どこで何をしていたのか。
嬉しさが2人の心の中から溢れ出た。
2人もその状況をほのぼのと眺めていた。
間もなく、第4ブロックの試合が始まる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(473) ( No.482 )
- 日時: 2016/08/01 22:06
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
第4ブロックの選手たちが集結しようとしている。
マリアに対してはそのスタイルからのファンが少なからずいる。
でも、一番孤高の剣闘士でもある。
というのも彼女と刃を交えようとする者は覇気で倒れてしまう。
それゆえにあえて敵する者がいない。
「マリア…」
イサベルは彼女が無事で帰ってくるのを祈っていた。
姉妹愛を感じるハックと雫。
さて、地下にある病理棟ではとんでもないことが起きていた。
これまでの敗者たちが次々と行方が分からなくなっていた。
それには、この国の闇が深くかかわっていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(474) ( No.483 )
- 日時: 2016/08/01 23:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕は小人たちと討論をしていた。
どうすれば幾多の関門を突破できるかだ。
まず、催眠術の少女とおもちゃの力を持つ少女。
とくに後者はその力を得たことで子供の時からずっと力を使うことができるのだ。
洗脳しておもちゃ化する。
そうすることで労働者は忠実なる下僕となるのだ。
問題はどうすれば、あの2人を倒して工場を落とすのかということ。
2人とも年齢の割には強い。
この2人がいれば工場は初めて成り立っているようなもの。
フェルナンドたちはそこで頭を悩ませていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(475) ( No.484 )
- 日時: 2016/08/02 22:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
澪はふと、ある実を見つけた。
「何この植物?」
「ああ、それは世界一辛いといわれるトウガラシ、キャロライナ・リーパーです」
「どれくらい辛いの?」
「実は私たち小人が食べると100人中全員が気絶し、そのうちの23人が死にかけるくらいなんです」
「そんなに辛いなら、あの2人に食べさせたらどう?」
「なるほど、それなら2人とも気絶してもおかしくないですね」
「うん、それはいいけど、問題はどうやって食べさせるかってことね…」
「それですけどね…」
フェルナンドはあの2人の好きな食べ物がイチゴだということを教えた。
この中に紛れ込ませれば確実だと伝えた。
「そうね。それなら口に含ませれば気絶してしまうかも」
「これで私たちのものですね」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(476) ( No.485 )
- 日時: 2016/08/03 23:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
マリアはあえて峰打ちで敵を海に落としている。
なぜなら彼女はもともと人殺しをすることが嫌な性分だった。
だからあえて剣をふるってもなお気絶させて幾多もの人々を蹴散らす。
けれども美しい優雅な振るいように人々は惹かれる。
けれども盾を使わずして剣1本でこんなに応戦できるのは彼女しかいない。
さて、ある剣闘士はまたある剣闘士に襲って剣を敵の血で染めていく。
また名もなき多くの剣闘士が海に落ち、闘魚の餌食になる。
または戦死するだけ。
それで凛と咲き誇るのマリアだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(477) ( No.486 )
- 日時: 2016/08/04 23:07
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
しかし、ある時を境に状況が一変する。
イギリスの海軍提督、セバスティアン・オリヴィエが夢遊病にかかったのだ。
その時、彼の眠っていたもう1つの性格が目覚めた。
それは、ライオネル・オーウェルという人格だ。
彼は好戦的かつ冷酷で、一度的とみなしたものは全滅させねば気が済まない性分の男だ。
そして、彼は恐ろしい形相とともにありとあらゆる剣闘士をなで斬りにしていく。
この状況はさすがに誰も生きてはいまい。
そう思ったとき、マリアがこの刃を逃れたのだ。
残るは一気に11人。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(478) ( No.487 )
- 日時: 2016/08/05 22:47
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、それでもなお11人の大きな合戦は続く。
マリアはライオネルの恐怖の刃の前に怖気づきそうになったが、ここ母の食いしばりどころと見て、必死に耐えている。
一方9人の合戦は相変わらず続いている。
剣闘士、処刑人、格闘家といった多くの猛者たちが立ちまわっている。
さて、霙はというと救護室に動けなくなった戦士たちを連れて行った。
これは敵に情けをかけるような行動かもしれない。
でも霙は僕らと過ごすことで分かったものがある。
友達の存在だ。
僕の行動を見ていて分かったこと。
それは、仲間の思いを背負ったり、仲間のために戦うことで、幾多の困難に克つ力を目覚めさせること。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(479) ( No.488 )
- 日時: 2016/08/07 22:34
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
因みに澪は、あのことは1人暮らしをしているときに僕から聞かされていた。
その時、澪はこう思った。
青竜院の敗因は僕が悪魔よりも強かったというわけではない。
それよりもむしろ、お互い兄弟の思いやる心が足りなかったのではないか。
もちろん、兄弟の団結は少なからず解ってはいた。
それでも、僕のように仲間意識をすることがどこか欠けていたのかもしれない。
そう思うと、自分がまだまだちっぽけな存在に思えてまだこの大きな世界を見ていきたい気持ちがなぜか膨らんでくるのだ。
一歩前に進んだ自分のために。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(480) ( No.489 )
- 日時: 2016/08/08 22:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ここは救護室。
ここには幾多の多くの人々がここで治療を受けるつもりだ。
だけれど、現実は違った。
というのも、ここから多くの戦士が消え去り、闇の貿易港で強制労働されているのだから。
ここで強制労働されているのは数百人ともいわれている。
いくら百戦錬磨の剣闘士でも、1000戦勝利で解放されるといわれても、200戦もしないうちに戦闘不能の重傷を負う。
かといって逃げ出せば処刑。
どちらにしても解放されない運命にある。
そう、ここには極端すぎる闇と光があるのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(481) ( No.490 )
- 日時: 2016/08/17 22:40
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
前書き 急な展開で申し訳ありませんが、現実世界に戻ろうかと思います。
僕がいろいろ思っていた時だった。
急に現実世界に飛ばされた。
いや、戻されたというべきであろう。
なぜかは知らないけど急に戻ってきたのだ。
たぶん、これは夢…だったのかもしれない。
物語の世界の5日間は現実世界の一夜に過ぎない感じになっている。
つまり、5日現実世界で過ごしても、現実世界ではまだ1晩しかたっていないのだ。
でも、まあとにかくこの現実世界に戻れたことだけは良しとしよう。
けど、魔界の暗躍が進みそうなのは間違いなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(491) ( No.491 )
- 日時: 2016/08/18 22:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕は、いや僕らは何事もなく修学旅行を楽しんだ。
けど、僕らが急にファンタジー世界に飛ばされたのはなぜだろう?
その理由を澪に聞いてみた。
「うーん、それはよくはわからないけれど、それぞれの世界にひずみができたからじゃないかな」
「ひずみ?」
「うん、魔界も展開もここ人間界もすべての世界の間には不干渉地帯があるんだけど、その不干渉地帯に魔界軍が攻めてきてるとしたら?」
「そっか」
瑠璃が手をたたいた。
「それじゃ道理でいきなり飛ばされたりするわけだ」
大魔王は青竜院を遅らせたが失敗した。
思い詰めて考えたのがこれだったのか。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(492) ( No.492 )
- 日時: 2016/08/19 23:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
11月…ついにやってきた文化祭。
小中高合同でやるのが毎年恒例になっている。
これは、第1回が始まった時からずっとそう。
ここはエスカレーター式の学校だけど、地域の子供たちがこぞって受験…いや志願してくるから、偏差値にどでかい差ができるのだ。
けれど、それでも洛西で人気が高いのは自由な校風。
小1〜高2までが出し物、縁日、模擬店やらをする。
高3でも、店を回るということは許されている。
他校の友人や家族でも、招待券があれば回れるのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(484) ( No.493 )
- 日時: 2016/08/20 23:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
でも、3年3組のメンバーはというと思う存分楽しめたのだけど、1つ不安なことがあった。
それは、大魔王率いる魔界軍のことだ。
彼らの暗躍は現実に始まってしまってる。
その結果、みんなを巻き込むことになってしまったら…
そんなことを考えただけでも…ぞっとする。
でも、修学旅行以来何も起きてはいない。
けれど、これからも用心が必要なのは事実。
これからも、魔界軍の動向がどうなるのかはじっくり見ていくことにしよう。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(485) ( No.494 )
- 日時: 2016/08/22 00:01
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
前書き 何か物語のペースが速くなっている様子ですが、そこに関しては気に品でください。
そして、文化祭が終わったその日の夜…
午前1時を回った時だった。
あの少年少女たちがドアを開け、僕らを連れ去った。
それは真夜中の京都で起きたことだった。
しかも、こっそり秘密裏で行われたことで…
さて、そんなことも知らない僕らは目を覚ますと、森の中にいた。
スマホとか着替えとかご丁寧にバッグの中にある。
そうだ、スマホを起動してGPSで場所を確認すると、思いもよらない場所だった。
岩手県遠野市だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(486) ( No.495 )
- 日時: 2016/08/22 22:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それににびっくりしていた時、何やら声がしてきた。
森の奥からだ。
僕は声をたどって出てみると、そこは修練場のようだった。
あそこには、2年前にとある廃工場に立てこもってあれこれしていた連中が鍛錬していた。
僕は心底びっくりしていた。
みんなこんなところで鍛錬していたのかと。
見とれていたその時、僕は英治に見つかった。
「ん?お前はあの時の…」
僕の顔を覚えていてくれていたんだ。
よかった。
「ようこそ。遠野へ」
「ようこそって言われても、みんなは?」
「あいつらなら、みんな寝ちまってる。俺たちの別荘で」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(487) ( No.496 )
- 日時: 2016/08/23 22:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「ここは…修練場?」
「そうだ。実はというと俺たちは休暇中、ここで体を鍛えたりしているんだよな。いたずらのプラン作成とか」
「え?でも東京でやったほうが…」
「あそこはいろいろうるさいからな…どうせなら自然のあるところやろうっていうやつらがいてさ、それでちょうどいいところが遠野だったってわけ」
「そうなんだ…」
「遠野は、妖怪伝説が豊富だし、いたずらのプラン作成にはもってこいかなって…」
「やっぱり妖怪もあるんだ」
苦笑する僕。
「ま、俺たちはこの土地の風情が一番好きなんだけどさ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(488) ( No.497 )
- 日時: 2016/08/24 22:48
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それで、僕は遠野にある大きな屋敷に案内された。
そこには、遠野妖怪の主である、赤河童が住んでいるという。
僕は屋敷の中に入り、部屋に通された。
「こいつが噂のぬらりひょんの血を引くものか…」
「でもこいつ人間の血も引いてるんだってよ」
「中途半端だなそれ」
多くの妖怪たちが、僕の陰口をこぞって囁いたりする。
「お前がぬらりひょんの末裔、熊本健太郎か」
「はい」
「お前の仲間たちや菊地殿と修行に努めてくれたまえ」
「はい、身に余る光栄です」
僕は深々と礼をした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(488) ( No.498 )
- 日時: 2016/08/25 22:47
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕は遠野の森で修練に励むこととなった。
もちろんみんなと一緒だ。
でも、それは京都にいる時では経験できないことだらけ。
洗濯をしたり料理を作ったり。
正直言って、これが修行になるのかとびっくりするようなものとかもある。
京都にいたときは普通にやっていたことなのに。
だけど、それでもみんなといれば乗り越えることはできるのだ。
それから10日間…
武道やら勉強やらもやっていた。
だけど、僕には病より恐ろしい奴が命を狙おうとしていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(490) ( No.499 )
- 日時: 2016/08/29 22:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それはある日のことだった。
京都の陰の妖怪、土着の妖怪の1人がやってきた。
鬼童丸というもう高齢の妖怪だ。
1000年以上前に生まれた子の鬼は、安倍晴明と相対立し、これまでに戦いを挑んできた。
そして、源平の戦乱の時、急遽現れたメフィストという悪魔に仕えるようになった。
それでもって落ち着く場所を得た彼は、京都の闇の世界で暗躍して、メフィストの勢力を日本で広げていった。
でも、それは長くは続かなかった。
というのも、僕らの先祖がしでかしたのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(491) ( No.500 )
- 日時: 2016/08/29 22:40
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
前書き 思えば2年かけて更新してきたこの小説も間もなく500話…
ぜひ、お気に入り登録してほしいです。
目次3 2学期〜修学旅行>>206->>493
それが慶長の間に起きたことだったのだ。
戦国時代から急激に西日本・東日本で勢力を伸ばした来たのが僕らのご先祖だ。
本拠地は岡山・山形・石川にあった。
この3つの派閥が同盟したのが僕らのご先祖なのだ。
彼らは自分たちが妖の主となるために九尾の狐を引きずり下ろしに団結したのだ。
大阪城に殴り込みに行く前のこと。
こんな事があったという。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(492) ( No.501 )
- 日時: 2016/08/30 22:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
ある日、京都の町で京妖怪の下っ端を打ち破っていた日々のこと。
ある屋敷には、立派なお姫様がいた。
名前は桜姫(さくらひめ)。
僕の回復力の速さは彼女に遺伝する。
というのも、彼女は回復魔法を使えたのだ。
それを金もうけに利用する父親によって屋敷の奥の部屋に閉じ込められ、世間を知らずにいた。
それによって病で倒れた人を癒せないことを悩んでいたのだ。
そんな時にやってきたのが僕の先祖、16代目ぬらりひょん、『熊本経久』だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(493) ( No.502 )
- 日時: 2016/08/31 23:40
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
彼は夜中、桜姫を屋敷の外にある、彼らの京都で滞在していた宿に連れて行った。
そこには、多くの妖怪たちがいた。
京都一の絶世の美女にみんな興奮する。
噂には聞いていたとはいえ、まさかここまで美人だったなんて知らなかったからだ。
そんな中焼きもちを焼いているのは雪女。
それでもって、小さな歩兵妖怪たちが投扇興という江戸時代のゲームに誘う。
桜姫は箱入りで、世間をよく知らなかったのだけれど、投扇興で高得点をたたき出して見せた。
桜姫はただ運が良かっただけと謙遜する。
それで今日が盛り上がったところで、経久は求婚する。
みんな驚いた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(494) ( No.503 )
- 日時: 2016/09/01 22:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
カラス天狗は正気か真意を問う。
何しろ桜姫は人間だ。
妖怪とはわけが違う。
でも雪女はそっちよりもむしろやきもちのほうが気持ちが勝っている。
でも、桜姫は思っているよりもよっぽど美しいお姫様だ。
さて、こちらは京妖怪…
ある2人の家来らしき男が桜姫の父のもとへやってきた。
というのも、時の豊臣家の当主、秀頼の側室を探しているのだという。
桜姫の父は冷酷な守銭奴で、金をもっと搾り取ろうと思った。
しかし、1人の男がそれを見破り、もう1人の男をして撲殺されてしまったのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(495) ( No.504 )
- 日時: 2016/09/05 23:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
実をというと、大阪城には妖怪が出入りしているといううわさが横行していた。
大阪夏の陣の2か月ほど前の話だが、結構持ちきりだったという。
まあ、九尾の狐も九尾の狐で結構不安なことがあた。
秀吉が死んで、豊臣家がここまで力がそがれていくとは思わなかっただろう。
秀頼はまだ秀吉ほどの実力はない。
もし仮に徳川の天下となってしまえば、妖にとっては生きづらい時代となることは目に見えていること。
だからこそ、九尾の狐には生まれてくる子供のために力を得ねばならないのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜 ( No.505 )
- 日時: 2016/09/06 20:27
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そんなある日のこと。
いつものように桜姫の屋敷に訪れた。
しかし、そこには桜姫はいなかった。
経久はとっさに思い当たった。
あの九尾の狐だ。
九尾の狐は、乱世に生まれてはめぼしい幼子と同じ容姿となって成長し、その幼子の心の闇が頂点に達した時に成体となる。
人間の姿を羽織りながら人間界に災をもたらす転生妖怪だ。
問題は生肝を集めていることだが、それはメフィストを育てるために必要なものだからだ。
幾多の若き名将豪傑、美しい姫君というような者の生肝を欲していた。
しかしながら、それでいて百鬼夜行を束ねていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(507) ( No.506 )
- 日時: 2016/09/12 23:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
しかし、こちらとて桜姫をあきらめるわけにはいかない。
けれども、相手は百鬼夜行の主だ。
ならば、どうすればいいかなんて分かりきったこと。
その主を超えていくまで。
大阪城では、幾多の豪傑や多くの姫君たちが集っていた。
豪傑の1人が生き胆を食われていく。
口を伝って生き胆が食われていく。
そして、その豪傑はあっけない最期を遂げてしまった。
そんな中、怖気づいた姫君が逃げようとした。
しかしながら、それもむなしく家臣に止められ、生き胆を食われていった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(498) ( No.507 )
- 日時: 2016/09/13 22:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
桜姫もそれを見て自分もここで最期を迎えるのか…
そうあきらめていたその時だった。
侵入者が現れたことで城内は大騒ぎ。
こちらには3万もの兵力があるのだが、それを一気に蹴散らされるというありさま。
そして現れたのがぬらりひょんだった。
後に続く盟友たち。
陽の百鬼夜行の軍勢が現れた。
しかし、京都妖怪も負けてはいない。
京都妖怪の切り込み隊長、熊童子が先頭きってぬらりひょんの首を狙う。
しかし、物の数ではなく、熊童子はあっさり一刀両断された。
続く各部隊たち。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(499) ( No.508 )
- 日時: 2016/09/14 22:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
互いに対峙するのは、しょうけらVS首無、鬼童丸VS狒々、茨木童子VS雪女、狂骨VS鎌鼬、鞍馬天狗VS牛鬼という様子。
もちろん、ぬらりひょんも用があるのは九尾の狐。
桜姫を返してもらうため。
しかし、相手は尻尾が12本。
転生した数だけ増えていく厄介な尻尾。
それゆえにぬらりひょんは手も足も出せずにいた。
しかしながら、あの刀がどういうものかは知らずに手を付けた。
その刀は敵の妖力を破る刃だった。
要は、対妖怪用の片根で、もともとは桜姫の護身用に作られた妖刀だった。
それがどういうわけか彼の手に渡った。
それでもって、激しく押される中でぬらりひょんは桜姫への思いを語る。
そして、ついにその時がやってきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(500) ( No.509 )
- 日時: 2016/09/15 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そのぬらりひょんの力の真価が発揮された。
鏡花水月…それは人に自分がその場にいるのにもかかわらず、姿を幻影の中に消す力だ。
まさに鏡に映る花、水に浮かぶ月。
ぬらりくらりと変幻自在に幻影を見せる。
それこそがぬらりひょん。
そして、急接近し九尾の狐にの懐に切り込んだ。
九尾の狐はそれを察知し刀を手から弾いた。
それを再び手にするぬらりひょん。
尻尾が1本襲い掛かろうとしていた時、彼は狐の顔を切り裂いた。
傷口から、妖力がどんどん抜けていく。
それを追い、天守閣の屋根に這い上がろうとする九尾の狐。
さて、大阪の城下…
大阪城に妖が出入りしている噂が本当だということが伝わった。
この世の終わりを嘆く人々。
そんな中、ある黒づくめの男がこのことをあの方に報告しようとしていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(501) ( No.510 )
- 日時: 2016/09/20 22:18
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その頃、ぬらりひょんは下っ端妖怪の相手をしている暇はなかった。
こちらは九尾の狐を打ち取らねばならない。
階大を駆け上がり、店主の屋根にやっとの思いで這い上がったその時、かなりおぞましく、恐ろしく、不気味な妖気に触れた。
九尾の狐だった。
いくら仮に敵の見方の生き胆を100個集めようがすべて回復するかなんてわからない。
あれほどの妖気を失ったのだから。
九尾の1本がぬらりひょんの胸元に襲い掛かろうとした時だ。
ある呪文が聞こえてくる。
それが蘆屋一族最強の陰陽術、破軍。
これまでの当主の幽霊を式神として召喚する技だ。
九尾の動きは封じられた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(502) ( No.511 )
- 日時: 2016/09/21 21:41
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その刀は、妖力を切り裂く聖剣で、対妖怪に特化した特殊な刀だった。
その刀で九尾の狐を一刀両断。
あっけなく九尾の狐は斬り殺されてしまった。
その魂は眠ることはない。
ぬらりひょんの一族を許すこともない。
蘆屋一族をも許すことはない。
彼らを何百年何千年かけても呪う。
その呪いは、ぬらりひょん一族は天使や悪魔と子を為せない。
蘆屋一族は家の嫡男が早死にする呪いだ。
こうして、九尾の狐はこの町から消え去った。
この後、ぬらりひょんは桜姫と結婚し首無と雪女と合同して岡山に帰郷した。
一方、蘆屋家は京都に10の結界を作った。
並みの妖怪が抜けないような強い結界を。
400年500年続くほど強い結界を。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(503) ( No.512 )
- 日時: 2016/09/22 22:39
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
許しを得られず、京都へ戻る途中だった。
岩手県北上市…
北上川が流れるこの河原で僕らはサッカーをしていた。
それは菊地英治がやろうと言い出したもので、そもそも、彼だけではなく相原徹や中尾和人がサッカー部に所属していたからだ。
そんな河原に、ある高齢の男が現れた。
「…熊本健太郎という男はいるか?」
「それは僕のことだが、何か?」
彼は僕の目を見つめる。
「おぬし、あの姫の面影があるな…」
「あの姫って、何のことだ?」
柿沼直樹が詰め寄る。
「…ふむ、8代目、か…ずいぶんの時が流れたようだな」
「こいつ、何なんだ…?」
「思えば400年前、お前の先祖が我らの時を止めた…」
「おい!さっきから聞いてりゃいったい何を言っているんだ!?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(504) ( No.513 )
- 日時: 2016/09/26 22:19
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「それはお前たちにとっては関係のないこと。我らの目的は、熊本健太郎だ!」
「…何のために僕をつけ狙う?」
「では訊こう。なぜ貴様の一族はわれらの宿願の成就を邪魔するのだ?」
「さあな。陰の妖怪と陽の妖怪とじゃ考えが違うからな。とかく僕らの理想とは違うからに決まってるさ」
「…ならば、それを実力で思い知らせてくれる!」
鬼童丸はそう言うや否や刀を抜き、僕に斬りかかった。
僕はベンチのそばにいたものだからあの白竜で受け止めた。
「む、その刀は…」
「白竜さ」
「青竜院が刀作成をしていたのは聞いてはいたが、まさかこんな失敗作をこのような若造の手に渡るとはな…」
「失敗作?ああ、この刀は魔剣として作られるようだったけど、何かの手違いで聖剣になった…だろ?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(505) ( No.514 )
- 日時: 2016/09/27 22:51
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「いかにも」
「何だ…?あいつは何がしたいんだろう?」
頭の鈍い朗が和人に問うた。
「さあ、過去の因縁があるからな。ここで息の根を止めておきたいんだろう」
「ええっ!?」
「過去の因縁とか何のこと?」
「あいつの家はぬらりひょんだからな…」
「陰と陽じゃ対立も当然だな」
そんな会話が繰り広げられている中、僕はこの襲撃してきた鬼童丸と対峙していた。
「考えろ…ぬらりひょんはどういう妖なのか…」
そんな時、僕に一つの答えがよぎった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(515) ( No.515 )
- 日時: 2016/09/28 22:24
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「そうか…そうだったのか!」
僕はその答えに従って目を開く。
「やれ、牛力」
牛力と呼ばれた僕より図体の大きな男が僕を襲う。
まさにその動きはボディーブロー。
僕は目を閉じ、気を醸し出した。
牛陸はそのオーラに物おじせず、北上川に蹴り落とそうとした。
しかし、その攻撃は外れた。
まさに目の前の僕が幻だったかのように。
「小癪な小僧が!」
次は殴り飛ばそうとするが、やはり僕への攻撃は外れる。
「ならば、俺がやる!」
次は断鬼という若い鬼がナイフをもって僕の後ろを衝こうとした。
この攻撃が通ったと思った時だった。
僕の姿が桜のように舞い散り、別の場所に移った。
「以前、僕はぬらりひょんとはどういうものかを教えられた」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(507) ( No.516 )
- 日時: 2016/09/29 23:01
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
22代目山本五郎左衛門にぬらりひょんの性質を教えられた。
それは水に浮かぶ月を捕えてみるものだった。
当然ながら、捕まえられるはずがない。
それを見て、彼はこういった。
「ぬらりひょんとはそういう妖じゃ。敵をぬらりくらりとかわしてイラつかせる…そうやってやり過ごすものじゃ…まさに鏡に映る花、水に浮かぶ月…
」
僕はこの経緯を説明した。
「鏡花水月…か…」
鬼童丸がそう応える。
僕ではなく英治たちを睨み付け、
「どうか、お前たちも我らの側につかぬか」
「へっ、そんなのお断りだぜ」
英明が胸をそらして拒絶の意思を言い渡す。
「ならば、みな命はないと思え」
「はん、望むところだ」
宏がこぶしを胸に当てて言葉を返す。
「その意気やよし。しかし、奴らについたことを公開させてくれよう」
そう言って鬼童丸は去った。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(508) ( No.517 )
- 日時: 2016/10/14 16:58
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それでもって、僕の修行生活は過ぎていった。
そしてもってその真価が試される時。
僕はあまたの妖怪たちに悟られぬようにと、鏡花水月を発動した。
妖怪たちが姿を追い求めようとしたが僕はすぐそばにいる。
だけれども、僕の姿は見えない。
まさにぬらりくらりと変幻自在に姿が変わる。
それがぬらりひょんだ。
赤河童がのもとに駆け付けるや否や、僕はその手で酒の入った徳利をつかみ、その酒を盃に注いだ。
姿が見える頃にはもう、その杯には酒がなみなみと注がれていた。
この姿を見て赤河童は、
「ふむ…この力、自由に使いこなす素質があるな…合格じゃ」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(509) ( No.518 )
- 日時: 2016/10/15 16:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
みんなこの結果に顔色を明るくし、拍手喝采をした。
何とかこの結果も出せたわけだし、あとはあの九尾狐との因縁をつけねばならない。
だけれど、その頃の京都では、第6の結界の守護者が両目を失った状態で戦死し、第5の結界の守護者ですら自ら敵の大将の首を取ろうと直に用の力を体内に取り込む陰陽術で勇敢にかかっていったが、あっけなく一瞬で敗死してしまうという始末。
着々と結界は破られていく。
ついに僕が合格を認められた時に、第4の守護者も敗北しては逃げて行ってしまったので、そこで眠っていたがしゃ髑髏が解放されてしまった。
これで残す結界はあと3つ。
京都市北区にある鹿苑寺。
上京区にある相国寺。
中京区にある二条城。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(509-1) ( No.519 )
- 日時: 2016/10/15 16:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、10の結界の所在地をここにまとめておきました。
滋賀県大津市坂本 延暦寺 第10
京都府京都市左京区 慈照寺 第9
伏見区深草 伏見稲荷大社 第8
西京区桂 桂離宮 第7
右京区 竜安寺 第6
東山区清水 清水寺 第5
下京区堀川花屋町 西本願寺 第4
北区 鹿苑寺 第3
上京区今出川烏丸 相国寺 第2
中京区 二条城 第1
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(510) ( No.520 )
- 日時: 2016/10/15 16:35
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そして九尾の狐は鹿苑寺庭園に来ていた。
ここから池を挟んで鹿苑寺のきらびやかな姿が見えるところにたたずむ九尾の狐。
護衛の鬼や虫の妖怪たちを見張らせながらついにここまで来た。
その時、狐は光の結界の中に閉じ込められた。
星空奈々と彼女の側近がが急な襲撃をしてきたからだ。
まず手始めに丑凱の最強の結界『洛中洛外全方位金屏風』で動きを縛り、次に七星の最強の式神『虎松』で押さえつけたうえで、本人の最強の妖刀で首を取る。
そういうスタンスで勝つつもりだった。
しかし、思いもよらないことでこれが破綻することになってしまった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(511) ( No.521 )
- 日時: 2016/10/17 22:45
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そんな説明かましているうちにがしゃ髑髏が遅れてやってきた。
どうも九尾の狐を探しているようだ。
「待て待て、ここからが楽しみの時間じゃ」
その声を聞いた途端、がしゃ髑髏がそちらに向かって丑凱先輩結界を大きな手の骨で破壊してしまった。
「まさか…おれの結界を…」
破片となって消えていく結界を見てあっけにとられる丑凱先輩。
「そんな…どうするつもりですか星空さん!」
七星先輩も詰め寄る。
「さあ見せてみよ、その最強の続きとやらを」
「…」
彼女は言い放った。
「私がやつを攻撃する。2人はサポートに回って」
「え?」
「400年前、私たちの先祖は破軍、そしてあの白竜黒竜をもってあなたを葬った。あれから現在まで私たちのご先祖は陰陽術を磨いてきた。そうやって強化していた以上…破軍や白竜黒竜など必要ない!!」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(512) ( No.522 )
- 日時: 2016/10/18 22:08
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そう星空先輩は吐き捨てると、あの力を解放した。
「何じゃ、その姿は?」
彼女の肘より先が槍となったのだ。
「蘆屋家陰陽術・憑依一体。妖槍と人体を共鳴させることで攻撃力・機動力を大幅に上げる陰陽術よ」
「なるほど。陰陽師ながら禁術に手を染めたか。まさに鬼のような娘じゃな」
「九尾の狐は仕留める。いや、私が絶対に仕留めるべき相手。九尾の狐よ、覚悟なさい!」
「フフフ…」
さて僕はというと…
合格を認められた後、遠野にさよならをした。
そしてもって、京都に行くつもりだ。
だけどその前に、家族の皆にLINEで京都に行ってくると報告したうえで出発するつもりだ。
でも、僕らの場合は京都に住んでいるわけなので、その必要はない。
でも、京都の町は荒れに荒れていることを僕は知らなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(513) ( No.523 )
- 日時: 2016/10/19 23:02
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はというと…
東京都で出発の支度をしていた。
何せあのあたりには英治たちの自宅がある。
久美子の父さんは現在汚職事件で送検されている身なので、山梨県に移るかもしれなかったけれど、必死になって引き留めてくれたのでここにいる。
それでもって彼女は今は一人暮らしの身だ。
さて京都では、九尾の狐と星空先輩のつばぜり合いが続いていた。
それで状況は星空先輩が不利。
あの時、今の当主からこう言われていた。
破軍なしでは絶対に九尾の狐には勝てない。
けれども、彼女は粘る。
しかし、彼女は心の闇が蠢いていた。
それを見ていたものがいた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(514) ( No.524 )
- 日時: 2016/10/24 22:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、その闇に気づくものはおそらく誰もいなかったのかもしれない。
たとえあの側近2人でも。
「ひっひっひっ、心の闇見〜つけた」
武器な笑い声で心の闇を捕らえた老年の妖怪がいた。
鏖地蔵だ。
なんでも山本五郎左衛門の傍流から出た陰の妖怪だが、現在の嫡流と対立して離反、京都の九尾の狐の側に走ったのだ。
それで、九尾の狐の参謀として働くようになったのだ。
彼の宿願は今の嫡流に取って代わること。
そのために今の嫡流に不満な者たちを引き連れて離反した。
彼はその闇を見つけて彼女めがけて突進した。
「う…きゃああああああ!!」
断末魔のような叫びとともに星空先輩は倒れた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(515) ( No.525 )
- 日時: 2016/10/25 23:39
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
はてさて、僕はそのことも知らずして京都に向かっていた。
僕は京都に向かう新幹線の中で、京都の荒れようを想像していた。
京都の洛西学園都市も例外ではなく、町から1人1人が九尾の狐に捕らえられては生き胆を食らわれている姿。
京都の立派な寺院が多くの妖怪たちによって荒らされている姿。
どれもこれも考えるだけでも背筋がぞっとする。
さて、京都駅に着いた。
しかし、僕はそこから皆に会おうとした時、京妖怪の洗礼を受けることになったのだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・(516) ( No.526 )
- 日時: 2016/10/26 22:52
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕が京都駅に着いた時には曇り空。
とはいっても普通の曇り空とはわけが違う。
京妖怪によって京都の残る2つの封印、相国寺と二条城が落ちてしまって、今や魔物の住む都と化していた。
ここは鬼や怨霊の巣窟。
京都の町では、戒厳令が敷かれていて皆に外に出ないように警察は呼び掛けているんだけれど、妖怪たちは皆九尾の狐のために生き胆をかき集めることに精いっぱいだから、陰陽師から警察官から攻撃しているという。
これで京都府警のうちの4分の1が九尾の狐によって生き胆を食われてしまった。
陰陽師に至ってはもはや3分の1が犠牲になって戦死している。
もう、ここは僕の知っている京都ではない。
魔京だった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(517) ( No.527 )
- 日時: 2016/11/01 22:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、僕らが洛西学園都市に帰ってみると、青竜院兄弟のうちの上3人が今回のことについて話し合っていた。
「あら、お帰りなさい熊本君」
「結構こっちも学校からの電話がうるさくて参ってた時や」
「それで、お前はどこに行っていたんだ?どこかへ修行でもしに行っていたのか?」
「うん、遠野のほうだけどね」
「遠野?ああ、妖怪さんたちの忍者の里として有名だって魔界にも聞こえているあそこやな」
「そうだよ」
「それでもって、こっちは大変なことが起きてしまってね…」
「何があったんだ?」
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(518) ( No.528 )
- 日時: 2016/11/01 22:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「それがね、こういうことなの」
澪が事細かに洗いざらい全部京都で何が起きていたのか教えてくれた。
実はというと九尾の狐の動きがここ最近活発化していて、伏見稲荷大社を皮切りに次々と結界を破り、現在は相国寺の結界も丸腰になってしまったのを衝かれて破られてしまったということ。
下っ端京妖怪が言うには、二条城の結界を破ったらそこを本拠として、そこで九尾の狐は自らの子を出産するというのだ。
「やっぱり、あのメフィストという悪魔を産むため…」
「そうよ。だからここでいろいろ話し合っていたの」
やっぱり、あの九尾の狐にあのことを問うてみたい。
あの事件のことを。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(518) ( No.529 )
- 日時: 2016/11/03 00:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、ここは二条城…
ついに九尾の狐はここの結界を落とした。
九尾の狐はここを拠点として、自らの子であるメフィストを産む。
悪魔には階級がある。
その一番上位なのがメフィストだ。
そのメフィストの母親は絶対に九尾の狐でなくてはならない。
メフィストは全悪魔を統べる王だ。
大魔王の後継ぎとなるべき人物だ。
メフィストは第14代目を最後に、メフィストが未だ生まれずして九尾の狐が死んでしまうことが多発するようになったので、ほかの兄弟が跡目を継ぐことが多くなった。
大魔王の側室もまた、九尾の狐である。
だが、彼には立派な正室の大女神がいる。
彼は大女神を愛しているがゆえに魔力減少の束縛をやむなく受けるしかなかった。
それを九尾の狐は面白くなく思っている。
この戦争は、九尾の狐VS大女神という構図からできている。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(520) ( No.530 )
- 日時: 2016/11/07 22:59
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、戦いのほうに戻って僕らは京都の町へ出た。
その時の京都は普段だったら稀有な景色があった。
京都の町はまさに京妖怪がうろうろしており、まさに魔京というべき状態だった。
京妖怪がまずメフィストに力を与えるためには人間…その中でも強い力を持った人間の生き胆が必要だ。
それらの生き胆は精気があると信じられている。
その精気を吸うことでメフィストの力の源がたまる。
それが多いほどメフィストは強くなるという感じだ。
そんなこと考えているうちに、京妖怪の軍団が現れた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(521) ( No.531 )
- 日時: 2016/11/08 23:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その僕の前に現れたのは、白蔵主という僧侶の様ないでたちの狐の神だ。
「お前たち、葛の葉狐様にあったことはあるか?」
「え?まだ、会った覚えはないけれど…?」
「そうか…私は京妖怪には間違いないのだがな、九尾の狐とは真っ向から考え方が対立しておってな、私は出奔してきたのだ」
「出奔て…」
「つまり、あなたは九尾の狐と対立して逃げていったってわけね」
澪が言う。
「逃げてなどいない!私は卑怯なことが嫌いなものでね」
白蔵主が反論する。
「じゃあ、あなたの仲間はどうしたの?」
「それがな…私は同志ともに逃げていたのだがな、気づけば皆…」
彼は唇を噛み、無念そうな眼をした。
「つまり、あんたの同志は…」
雫が意味を察する。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(522) ( No.532 )
- 日時: 2016/11/09 22:09
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「…その通りだ」
「つまり、追っ手に…」
白蔵主がうなずく。
「彼らとは、いまだに再会できてはいない。もしかすると、もう殺されているかもしれん」
「はぁ、あいつらって裏切り者には容赦ないんだな」
「まだ仲間には会えていないのはよく分かったけど、ところで葛の葉狐って誰?」
「晴明様のお母さまでな、今でも、祭られている偉大な稲荷様だ」
「晴明?ああ、安倍晴明か…俺たちは青竜院の家の人なんだけどな…」
「なんと!では晴明様の血を引いているのか!?」
「あ、ああ、俺たちは青竜一族の一派だからな…」
「なるほど、葛の葉狐様はとても物知りなお方でな、もしやすると、慶長の封印を再建する方法をも知っているかもしれんぞ」
「なるほどそうですか、ありがとうございます」
僕は無性に葛の葉狐に会ってみたくなった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(523) ( No.533 )
- 日時: 2016/11/14 22:53
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その日はもう遅いので、さすがに夜の妖怪の町で歩きすることは躊躇われる。
今夜はゆっくり眠ることにした。
翌日、僕は葛の葉狐に会うことにした。
大阪府和泉市…
ここには、信太森葛葉稲荷神社という社がある。
この神社には葛の葉狐が祀られている。
僕は誰もいないその社の中に入った。
11月とはいえ、少し温かみのある日で、北風も弱い穏やかな晴天だった。
皆はあの神社の鳥居の下で僕を待つことにした。
僕はその葛の葉狐に出会って、九尾の狐とはどういう妖なのかを聞かされた。
九尾の狐は、葛の葉狐とは全く同じ先祖を共有するのだけれど、いつの頃からか、彼女たちは分裂してしまった。
九尾の狐は、そこらにいるような妖とは違う。
転生妖怪だ。
人間という衣を羽織ってこの世に災いを為す。
乱世に生まれては心の闇を持っていそうな子供にとともに過ごし、彼女を操らせる。
その心の闇が頂点に達したときに生体となり、メフィストを孕む。
生き胆を集めているのは、メフィストに力を与えるためだという。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(524) ( No.534 )
- 日時: 2016/11/15 22:24
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その力をもって百鬼夜行を当時最強の勢力を誇ったとされる。
しかし、メフィストの出産未だならずして悉く失敗に終わってしまっている。
一番の致命傷といえるべき事件が慶長の時に起きた。
それは、秀吉が死んで頼みとしていた豊臣家が関ヶ原の戦いで一諸侯に転落してしまい、徳川幕府当局がその不安を取り除こうとしてあれこれ頭を絞っているころだった。
それでもって、あの方広寺鐘銘事件だ。
これで家康の挑発にまんまと乗ってしまったことで、大坂冬の陣が起きた。
それでも、大阪城五人衆として後世名もなき市民によって尊敬される浪人たちをはじめとした豊臣の軍隊が家康を大阪城に入れることを許さなかった。
しかし、力が圧倒的だってのでやむなく堀の埋め立てを承認してもらう形で講和となった。
そのあとのことだ。
当時、京阪のあたりでは京妖怪が暗躍していた。
九尾の狐は、徳川時代が始まれば妖にとっては住みにくくなる…
そう考えると、早くメフィストのために力を蓄えねばと考えていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(525) ( No.535 )
- 日時: 2016/11/16 23:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、九尾の狐と僕の因縁…
それは8年前の東京であった。
僕は当時、山本五郎左衛門という妖怪の世界のもとでは神格化されていた男の子孫のもとで修業を積んでいた。
その時、今の九尾の狐の幼き日の姿と思われる少女と出会った。
僕はその少女と次第に打ち解けていき、次第に自分たちの夢について語り合うようになった。
それなのに、あの日だった…
東京の梅雨入りの日…
6月9日であっただろうか…
あのアジサイの花が咲く日に、彼は殺された。
赤黒い鮮血をその地に曝して…
その日以来、あのことを入梅のごとに思い出さずにはいられない。
子の因縁を完全に白日の下にさらすまでは。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(526) ( No.536 )
- 日時: 2016/11/21 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
あれは東京に入梅の報告があった日…
それは突然だった。
ある日、五郎左衛門は例の少女とどこかへ行ったきり帰ってこなかった。
そして、その夕方…
一通の電話があった。
それは、山本五郎左衛門が、亡くなっていたという旨の電話だった。
僕は雨の中、傘をさしてあの現場に駆け付けた。
そこは、神奈川県鎌倉市にある長谷寺だ。
そこには、山本五郎左衛門が倒れていたという場所で、警察が捜査を始めていたとのことだ。
結局、今現在になっても犯人は捕まってはいない。
ただ、例の少女が返り血を浴びて僕の後ろに立っていた。
その風景は、言いきることのできない気味の悪さが漂っていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(527) ( No.537 )
- 日時: 2016/11/22 21:41
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それ以来だ。
入梅の時期になるとこのことを思い出さずにはいられなくなるのだ。
その事件は、たぶん九尾の狐のせいだとはわかっている。
だけど、その動機が今でもなおわからない。
九尾の狐は今、自分の宿願であるメフィストの誕生の儀式を行うことを成就させようとしている。
メフィストが生まれることはつまり、大魔王たるにふさわしい息子が生まれるということを意味している。
だから、かなりの生き胆を集めているのだ。
特に、頭のいい者やボディービルダーのような強く逞しいもの、特殊能力の使えるものと化の生き胆はかなりの霊力を持つとされ重宝されている。
僕がそんなことを考えているうちに、九尾の狐のもとに生き胆が着々と集まっている。
反攻ののろしが上がるのは、これからだ。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(528) ( No.538 )
- 日時: 2016/11/23 14:38
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、星空先輩率いる軍力はすでに九尾の狐のもとに降伏してしまっていた。
一方、そのことを知った3年4組たちは大騒動。
「まさかあの星空が九尾の狐に屈してしまうとはな…」
「あの人のことだから負けるはずがないと思ってたのに驚きだよ」
「さて、俺たちはこれからどうしようか」
「俺らは3組と一種の協定をもう結んじまってるからな…」
「でも、九尾の狐に俺たちが勝てると思うか?」
「勝てるとは思ってないけど、俺たちだって京都が荒らされるのは見たくもないよ」
「なるほどそうだけど…」
「俺たちは、俺たちで何かできることを探そうじゃないか」
「そうだな。だって俺たちの京都だからな」
「賛成!!」
3年4組は、荒れる京都の中で自分たちが僕らにできることを探すことにした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(529) ( No.539 )
- 日時: 2016/12/08 15:43
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
魔都となってしまった京都は言うまでもないが、昼は来ない。
雲は不気味な黒色で、空は当然ながら曇り空。
市街のいたるところに京妖怪が徘徊している。
その目的はもちろん、九尾の狐のためにより多くの生き胆をいただくためだ。
賢ければ知恵、勇ましければ武力、特殊能力が使えればその力が得られるのだ。
妖怪の世界ではそれほど重宝されないものはない。
一方、僕らはそれには興味を示さないが、自分たちの力をもって人々を魅了すること、それを生業としている。
人々はそれを江戸妖怪と呼んでいるという。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(530) ( No.540 )
- 日時: 2016/12/09 10:54
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、そのことを話すうちに、ある時に最古参の家臣が九尾の狐のもとへと来た時があった。
その最古参の家臣はもちろん九尾の狐の敵であるわけがなく、あっさり完敗して命だけは助けられて敗走した。
敗走したとは言えど、1つ確かな情報をもってかえることができた。
それは、九尾の狐が山本を殺したのは紛れもない事実だということだ。
やはり、僕はあのことを知った。
もう後戻りはできるわけはない。
あの時の敵は、宿願成就の破壊とともにとってやろうと思う。
しかしながら、現状は最悪。
まずは葛の葉狐の言っていた、延暦寺から行けということ。
僕は、延暦寺に行くことにした。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(531) ( No.541 )
- 日時: 2016/12/09 11:04
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
延暦寺…
そこにはもともと10の結界の第10番目があったところだった。
しかし、今はもうすべてが落ちて、現在は京都市街が魔京となってしまっている。
京都市街は普通であれば多くの観光客でにぎわっているはずだ。
しかしながら、今日は全く違う。
魔京となってしまって異様な雰囲気が漂う中、観光に楽しめる状況ではない。
それゆえに、人ばかりか猫1匹もいない寂しさだ。
この日、延暦寺のたもとに来た。
まさにその様子は異様以外の何物でもなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(532) ( No.542 )
- 日時: 2016/12/13 14:50
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そこには、典型的なモブの京妖怪がうじゃうじゃいた。
ひとみが、
「このくらいの京妖怪、私に任せて」
というや否や、機関銃を取り出した。
実をというと、僕が信太の森に行ったとき、九尾の狐が彼女たちに渡されたのが武器である。
どうやら武器を何も持たないようじゃ京妖怪に勝つどころか、まともに対峙することもままならないからというからだそう。
ひとみは言うと京妖怪たちをぐしゃぐしゃに撃ち落としてしまっていた。
なるほど、京妖怪の死骸が延暦寺につながる道に並べられている。
「どう?」
そう言われるものだから女子は皆拍手していた。
当の本人は嬉恥ずかしといったところだけど。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(533) ( No.543 )
- 日時: 2016/12/14 20:36
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
僕はそこの結界が封印されているうちに第9の結界のある慈照寺に来ていた。
やはりここにもモブの京妖怪がごまんといた。
だけれど、久美子や宏がここにとどまって京妖怪殲滅を図ることにして僕らに第8の結界、伏見稲荷大社に行くよう促した。
第8の結界にはもともと封印されていたのが京妖怪側の番人、二十七面千手百足といわれる千手観音のような妖怪がそこの守備隊長だ。
僕らはそこの千本鳥居の前にいた。
晴美もそこのパンフレットを引っ張り出していた。
実をというと、僕がいるのは奥社参拝所というところ。
ここにはあるおもかる石は、一見すると何でもないような石だけれど、実は僕が思いだにしなかった場所に引きずられることになる。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(534) ( No.544 )
- 日時: 2016/12/15 16:21
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、そのおもかる石に晴海は思わず手にかけてしまった。
その感覚は自分が思った以上に軽そうに持ち上げた。
何か、いやな予感がすると思って僕は千本鳥居のほうへと入ってしまった。
その千本鳥居で事件は起きた。
その千本鳥居の奥社側から500本くらい先のところに何かしらの魔界への入り口を連想させられそうな大きな空間の裂け目が開いていた。
その空間の裂け目の中にはやはり伏見稲荷大社だったが、そこは奥社参拝所だった。
しかし、それにしては何か雰囲気が怪しく思えてきて中に入ってみるとそこには多くの小鳥居があった。
そこの中央には、二十七面千手百足が居座っていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(535) ( No.545 )
- 日時: 2016/12/19 16:20
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その二十七面千手百足の攻撃方法とは、鳥居から腕を伸ばして敵の手を捕まえて引きずり込み、そのうえで敵の腕を切り刻むというのだから恐ろしい。
千手百足は敵を見つけるなり、さっそく先制攻撃を仕掛けてきた。
それも何百もある鳥居から腕を伸ばしてくるのだから、いくら切り落としても切り落としてもきりがない。
そればかりか、切り落とした腕は地に落ちるや否や、その腕は煙のように消えてしまって二十七面千手百足のもとに再生するじゃないか。
なかなかダメージ1つ与えられない僕らが手をこまねいている間に、1つ事件が起きた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(536) ( No.546 )
- 日時: 2016/12/27 20:28
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
千手百足はもともと回復力はあるが、それは腕に関して。
心臓はあまりにも脆弱すぎるので、その回復に費やされるとその体力を消費してしまう、つまりはこれによって体力を消耗させてしまうのだ。
実はダメージを受けてはいないようで受けていたのである。
それを睨んだ零は単身千手百足の懐に切り込もうとした。
けれど、相手は千本の腕を持っているのに対してこちらは2本。
しかも一本の太刀で襲い掛かろうとしているのだから、危険極まりない真似をしでかした。
しかし、それを霞が千手百足本体に銃弾を撃ち込んだ。
もちろん頭に遠弾を撃ち込むのだから、かなりのダメージは見込められる。
そこで完全に弱り切った千手百足の胸倉に太刀筋が貫いた。
完全に戦闘不能となったところの上には大きな杭が現れた。
零は刀を胸倉から抜いた。
大きな杭は抜き終えたのを見計らったかのように落ちた。
千手百足は再封印され、第8までの再封印が完了した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(537) ( No.547 )
- 日時: 2017/01/05 22:51
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
桂離宮・竜安寺でも、多くの陰陽師が最強の名将の指揮の下でこぞって奮戦したが、結局は陰の力を吸い込んで強くなった京妖怪によって敗北、桂離宮のほうに至っては全滅というありさまに終わってしまった。
それというのも、桂離宮では星空先輩が1人で陰陽師10人がかりで襲ってきたのを一振りのもとに倒してしまった。
さて、澪は桂離宮に向かうため、自分の家のある南区鳥羽に向かっていた。
澪はここに来てから1人暮らしで、京都大学にはいつも自転車を使って通学していたのだ。
澪が桂離宮に着いた時、異様ないでたちの星空先輩がそこにはいた。
その形相ときたら人間なのか魔物なのかぱっと見では判断できない様子だった。
澪はそのいでたちにたじろいだ。
しかし、彼女の目を覚ますには戦うしかない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(538) ( No.548 )
- 日時: 2017/01/10 21:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
桂離宮の澪は見るに堪えない変わり果てた姿だとしても、やはり戦わないわけにはいかない。
「まさか、こういう人と戦う羽目になっちゃうとはね」
澪もため息をつく。
「悪魔だとしても不足はない。まずはお前から倒して、私が当主になる!」
「当主?いったい何のこと??」
澪はこのことを知らない。
実は彼女は妖刀作りのエキスパートで、幼い時から実力を出していた生まれながらの天才だ。
澪は頭がいいことは生まれながらで戦闘力に関しては努力よって身につけたもの。
澪は生まれながらの完全無欠に憧れていた。
しかし、天才だった彼女にまさかの出来事が起きて以降、彼女はナンバーワンとしての地位を守ろうと腐心する。
しかし、その末がこれだ。
澪はこの姿で傷を負いながら天才の苦しみを思いやるのだったが、どうして彼女がナンバーワンにそこまでしてしがみつこうとするのかが分からなかった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(539) ( No.549 )
- 日時: 2017/01/17 22:15
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
澪は頭がよく、人格者とあがめられていて次期当主への期待が寄っていた。
それでも、自分は実力にあった力を求めるために当主としてより個人としての研鑽を積んでいた。
彼女は当主という地位にはあまり野心がない。
せいぜい当主とは家を取り仕切るような存在なので、結婚願望のある彼女は苦手意識を持っていた。
それだから、なにも自分は当主にならなくても雫が継いでくれそうだと思っていた。
しかし、いま彼女の目の前に当主の野心を持つ女がここにいた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(540) ( No.550 )
- 日時: 2017/01/24 22:11
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
そんな彼女の前にして一瞬戦慄を覚えたとたん妖鎗が彼女の肩を切り裂いた。
もう誰にも邪魔はさせないつもりだという気持ちだ。
その意思を認めた澪は鞭を引っ張り出して触手か何かの様に絡みつけようとした。
しかしそれらはすべて妖鎗の一振りのもとに切り捨てられた。
「やっぱり天才だとは魔界にいたときからは聞いてはいたものの、この人、強い…!」
澪はその力を前にその力の源を睨み付けた。
しかし、彼女はあの鏖地蔵といわれる妖怪が取り付いていたとは知る由もない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(541) ( No.551 )
- 日時: 2017/02/02 22:02
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてこちらは竜安寺…
篤が竜安寺の枯山水のもとに足を踏み入れた。
すると現れたのは酒呑童子の配下の4人の鬼だった。
彼らは長男熊童子、次男虎熊童子、三男星熊童子、四男金熊童子の四人兄弟で、酒呑童子の配下として京都の人々を恐怖に貶めていた。
しかし酒呑童子の死後、九尾の狐の前に敗れて以降は彼女の配下として仕えている。
彼らは兄弟そろって千年前から伝わる乱暴な鬼で、感情が高ぶりやすく手が付けられないが、それでも九尾の狐の前には忠実な部下である。
しかしながら、彼らは皆呼び捨てにしている。
そのため、彼女のことを「闇の聖母」として呼び慕っているしょうけらとはそりが合わない。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(542) ( No.552 )
- 日時: 2017/02/07 23:12
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
「…何か……恐ろしそうな奴とあってしまったか…」
篤は卒塔婆で手の当てをしている4人の鬼兄弟を睨んだ。
「あ?てめえ、何だその目は?」
「いや何も、恐ろしそうだがな、ファイトがわくもんだからな…」
「なるほど、よっぽど死に急ぎたいらしいな」
4人兄弟はそろって刀やハンマーなどの武器を装備した。
さて、桂離宮…
澪は星空先輩と戦っていた。
彼女は手が傷だらけでもう鞭を持つことで精いっぱいという状態。
その恐ろしさの根源が澪には見えてしまった。
そのものは老齢の妖怪と見て取れるが、それでもやはり不気味さが恐ろしさと混じってより一層怖くしていた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(543) ( No.553 )
- 日時: 2017/02/14 22:44
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さて、陰陽師たちは再封印の作業に取り掛かっていた。
戦力的な観点でいうと、エース格を為す存在が敵に寝返ってしまった状況を考えるとその分の戦力低下は間違いない。
そのために、戦闘的なところでの指揮官は第4の結界を涙を呑んで大被害を出すのを憚って退却し、無事誰一人として犠牲者を出さなかった『下松菜々子』が代行でなっている。
星空先輩は大いに戦ったが大勢の犠牲者を出したうえに、敵に操られてしまったがために、指揮官から外されるのは時間の問題だ。
さて、戦闘に戻って状況はというと竜安寺での戦いが始まり、桂離宮での戦いでは、澪が傷だらけの中、気味の悪い何かを見出した。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(544) ( No.554 )
- 日時: 2017/02/21 22:46
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
桂離宮…
この戦いで、澪はその恐ろしいものに向かって鞭を打ち放った。
星空先輩本体には効かなかったが、傀儡子と思われるものにあたることはできた。
「ひっひっひ…よくぞわしがいたことを見破ったな。さすがは青竜院一の頭脳の持ち主」
そういって現れたのは鏖地蔵といわれる妖怪。
一切の正体はすべて不明で、ここ最近に出現が認められた妖怪だ。
「頭のいいことは認めはするけど、あなた全く知らないんだけど。いったい何者なの?」
「小娘よ、おぬしが知らぬのももっともじゃ。わしはネクロマンサー…死霊魔術師じゃよ」
「死霊魔術師?悪魔の世界じゃ聞いたことはあるけれど。なぜ生きてる人間にとりつくわけ?」
澪は星空先輩を後ろで寝かすなり問い詰めると、まさかの答えが返ってきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(545) ( No.555 )
- 日時: 2017/03/09 23:01
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
それは自分の宿願、ひとたび死んだ兵士をよみがえらせることの実験の手始めに、生きている人間を強化できるかどうかを確かめたかっただけとのこと。
澪はそんな考えを受け入れられるわけもなく、
「バカみたい。私はあんたなんかとは違って死者は甦ることはできないって思っているから」
「なるほど、さすがには受け入れてもらえはできないか…では我が力を見るがいい!」
そう言い放ち、澪の周りに多くの甲冑を着た髑髏が現れた。
「お前たちの大将では我が主を倒すことはできん。我らの力を思い知るがいい」
そういって消えてしまったネクロマンサーを追う澪だったがもう遅かった。
彼の姿は竜巻の中へと消えていった。
彼女は髑髏武者のほうへと向き直り、すべて薙ぎ払おうとして改めて鞭を構えた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(546) ( No.556 )
- 日時: 2017/03/14 22:55
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
竜安寺…
この4人の凶暴な近距離遠距離攻撃になかなか対応できず、防戦一方の篤。
その鬼は日本刀のみならず、銃火器や槍などのそれぞれ彼らが得意とする武器のコンボが展開されるので、紐でのトリッキーな攻撃を仕掛ける篤からしてみれば非常に厄介なものとなる。
「なんだ、あの野郎の家来にしてみりゃ大したことないじゃないか」
「あの23代目が継いだらもうお前の身は破滅だな」
「…」
「何だその目つきは。よっぽど死にたいらしいな」
「お望み通り地獄に送ってやるよ!!」
拳銃を構えたとたん、髪が伸びてきた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(547) ( No.557 )
- 日時: 2017/03/22 23:33
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その髪は、マルシーのものだった。
「ちっ、またしても邪魔者が入りやがってきたか…」
憎らしそうに睨む熊童子。
「Oh?私はそんなつもりじゃないけど」
「やはりあの家は忌むべき一族だったか…お前たちを全員一人たりとも残さず冥土に送ってやる」
「ふぅん、やってみなよ。けど、できるものならの話だけどね」
いたずらっぽい笑顔で挑発した。
「くぅっ、俺たち陰の妖怪の力をなめるなよ!!」
彼らは劇場に駆られてそれぞれの武器を構えた。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(548)(549) ( No.558 )
- 日時: 2017/04/03 23:03
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
さてそんな戦況だが、茨木童子たちもまた、400年ほど前は豊臣のもとで暗躍していた。
豊臣政権がわずか10年で完全崩壊した後、秀頼の力があまりにも秀吉とは遠く及ばないとした彼らは多くの人々を九尾の狐のための生贄を少しでも多くかき集めようとしていた。
そして、それは思った以上にその11年間で多く集まった。
それは高貴な一族の生まれから名に轟く猛将まで多くの力がそろっていた。
そのため多くの人々が片っ端から生き胆を失い、命を落とした。
しかしながら、それは破綻した。
というのもあの400年前にぬらりひょんたちが九尾の狐を打ち取ったからだ。
その結果主君を失った陰の妖怪の勢力は急激に弱まり、陽の妖怪たちの京都進出への足掛かりとなった。
茨木童子たちはそのあと、人間と交わるようになったことで陽の妖怪の仲間入りを果たした。
それ以降、酒呑童子の部下は例の4人兄弟たちとはたもとを分かつことになった。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(550) ( No.559 )
- 日時: 2017/04/20 22:31
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
その後400年間は、陰の妖怪たちは江戸時代から今までの記録書に暗躍していたという記録を一切記されない状態で沈黙していた。
しかしながら8年前、ある者の参加によって力を回復させていった。
さらには多くの死霊で、この世に深い執念を持ったものを次々と転生させていった。
さらには1000年前の貴族の娘を転生させた上に九尾の狐の依り代とすることに成功したのだ。
その貴族の娘は、中宮として嫁ぎ、皇子まで生んだにもかかわらず、子孫を長く保てなかった娘である。
その彼女が陰の妖怪たちを取り巻て目、悪魔と関わりを持ち、ついにここまでの勢力回復を見た。
- Re: 魔界の姫と白竜・黒竜(last) ( No.560 )
- 日時: 2017/06/18 17:45
- 名前: メカニッカー (ID: YvSbEZ.f)
これまでのお話をもってこの小説は無期限の凍結とさせていただきます。
これまでのご愛読ありがとうございます。
そしてこんな終わり方になってしまったごめんなさい。