コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.12 )
- 日時: 2014/12/11 20:20
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
「まぁ、そんなこんなで美郷はフられちゃった訳でー。
あ、あと愛梨ちゃんの話だとこいつは重度のシスコンでねー」
松尾さんは、何故知っているのか僕の中学生時代の黒歴史やら昨日の告白事件なんかを交えながら、ベラベラと話し続ける。
相変わらず僕は誰とも目を合わさぬよう本で顔を隠して居るので、よくは分からないが周りのざわつきから察するに、かなり人ーー、それも女子が集まって来ている。
そして、その女子達は一斉に僕に非難の目を浴びせている。
これは、顔を上げなくとも分かる。
というか鬼の様に目を吊り上げた女子が、目の端で見えている。
泉 宅……かなりのピンチだ。
周りには女子。
……しかも目を吊り上げた。
「ーー意外に、ちゃらんぽらんな人なんだね。 泉君」
近くで聞こえた女子の一人のその言葉に、僕の学園ライフの終わりを感じた。
その直ぐ後、その言葉に同調すようにザワザワと囁きの輪が広がる。
聞き取れるだけでも「ね、意外」「シスコンって……ないわー」など、かなりヒドイ事を言われているのが分かる。
あぁ、この感じもう耐えられない。
「ちょっ、ちょっとだけトイレ行ってきますねー」
顔を上げ上ずった声で謎の報告をすると、目に飛び込んできたのは、兎に角女子だ。
僕の周りには勿論、廊下でも他のクラスの女子が何事かと見物に来ている。
ーーえぇい、もうどうにだってなれ。
「ハハ……モテる男は辛いなぁ……」
僕はバッと席を立ち、女子の視線から逃げるように廊下を駆け出した。
廊下の野次馬達を掻き分け、飛ぶように走る。
「あっ、逃げたっっ!!待ちなさい!!」
後ろから慌てたような飯沼さんの声に、
「いいぞ、もっとやれ!!」
興奮した男子の声。
後ろを向くと、どこか楽しそうに走る女子達の姿が見えた。
まぁ、そんなこんなで僕は女子に追い掛けられる羽目になってしまった。