コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.16 )
- 日時: 2014/12/11 20:21
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
「なんで出来ないのっっっ!!」
そんなヒステリックな声と共に、お皿の割れるような音がアパートに響き渡った。
雅子さん特製の赤飯を食べ終え、なんとなくベットに横たわり「もう寝ようかな」なんて気持ちよくなっていた僕は、ビックリして見事にベットから転がり落ちた。
ドッシーン、というかなり大きな音が響き渡る。
床に仰向けに伸びてしまった僕は、打ち付けて痛くなった腰をさすりながら、上半身を起こす。
ーーったく、夜中になんだっていうんだよ
僕は今日何度目か分からないため息をつきながら、タンスの上の時計をチラリと見た。
その時計は、少なくともあんなヒステリックな大声を出すべきではない時間を指している。
「クソ……っ、今日は運悪いな……」
未だ痛む腰をさすり、僕は再びベットに入る。
こんな日は、早く寝てしまうのが一番だ。
ふわっと僕の瞼が重くなる。
そして……僕が…………眠ろうとすると………………
「おーい、宅。 ドッシーンってスゲェ音したぞ。 平気か〜」
「夜分遅くにごめんなさいね。平気ですか〜?」
そんな、聞き覚えのある声と共に突然ドアが開いた。
「入って来ないで下さい」
僕は毛布に頭までくるまって、冷たく言った。
「だってよぉ、本当にドッシーンっと……」
なのにそんな声が、近付いて来る。
「寝かせて下さいよ、堀越さんに水谷さん……」
僕は毛布から頭だけを出し、歩み寄ってくるオッサンコンビを睨み付けた。
こっちは眠いのだ。
オッサンの相手なんてしている暇は、ない。
「ベットから落ちただけです」
不服そうな顔のオッサン達に、そう付け足して「帰れ」と目で合図する。
だが、「う、うん……」と帰ろうとした水谷さんと違い、堀越さんは話し始めた。
「あの声でだろ?」
「あぁ……はい、そうですね。 なんなんすか、あの声」
僕は、肩を竦めた。
「今日来た女の子の、母親の声だよ」