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Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.17 )
日時: 2014/12/11 20:21
名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)

「今日来た、女の子って……」

堀越さんの言葉に、僕は思わず聞き返していた。
今日来た女の子、とは昨日今日と僕の部屋に乱入してきた女の子の事を指すのだろうか。
堀越さんは「おう」と頷き、口を開く。

「長袖のあいつの事だ。
 ……あいつの若い母ちゃん、キツイ女なんだよな〜」

そして言いながら、やれやれとため息をつく。

そういえば、あの子の部屋から若い女の人が出てきたのを見たことがある。
だが、その化粧の濃い女の人は年もせいぜい25、6にしか見えず、母親とは程遠い代物だった様な気がする。

メスの匂いがプンプンしていた。
きっとホステスやそこら辺の仕事をしているのだろう。
まさか、母親だったとはーー。

不意に頭に昨日見たあの子の傷だらけの腕を思い出し、なんだか変な気持ちになる。
それと同時に、あの時浮かんだ言葉も再び頭の中を駆け巡る。

ーー虐待?

「さっきの声はその若いお母さんが出した声なんすか……」

僕は、絞りだすように呟いた。
心の中は、何故か知らないが酷く乱れていた。

「お、おう。 なんでも、最近はあの母ちゃん子供に手をあげているようでーー」

「……進、行きますよ。
 宅君、ベットから落ちるのは痛いですからね。 気を付けて下さい」

堀越さんは、再び喋りだした。
が、それを水谷さんがやんわりと制した。

「それでは、私達はこれで」

水谷さんはキョトンとした顔の堀越さんの腕を掴み、部屋から出ていった。

……見た感じ、堀越さんは腕を掴まれ痛そうだったが平気だろうか。