コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.19 )
- 日時: 2014/12/11 20:22
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
「おい、泉どうしたんだ」
教室に入り、自分の席に座った時のクラスメイトの発言で37回目。
……泉 宅、16才。
朝の堀越さんの発言といい、今のクラスメイトの発言といい、なぜか今日は「めちゃくちゃ心配されるデー」らしいです。
別に「女子に追い掛けられ、教師に啖呵を切り、クラスメイトのリア充ぶりを見せ付けられ、部屋へ帰ったら帰ったでオッサンやその他諸々の奴等に振り回され、夜は若い女の叱り声と悪夢に苦しめられる」という、昨日の出来事で疲れが溜まっただけだ。
別に体調なんかは悪くない筈なのだが……
「あ、僕になにかついてますかね……?」
「い、いや……酸欠の魚みたいな顔してたから」
僕が問い掛けると、皆怯えたように逃げるしな……
(魚を売りつけようとした魚屋のオヤジは別だが)
僕は席に戻ってしまったクラスメイトの背中を見つめた。
あぁ、なんだか眠くなってきた。
昨日なかなか眠れなかったからな……
「おっはよ〜!! ぐっもーにん、えぶりばてー!!」
初夏の丁度いい日差しに照らされ、いい感じにボーッとしていた僕は教室のドアの方から聞こえた大声に、目を見開いた。
「うわっ!!」
……そして、無様に椅子から滑り落ちる。
しかし、自分達のグループでめいめい会話に花を咲かせるクラスメイト達には気付かれて居ないようだった。
僕がホッとして椅子に座ろうとすると
「うわぁ、泉ーー!? 平気なの、今椅子から滑り落ちたけどぉ!?」
「だ……大丈夫……?」
……明らかに悪意のこもった大声と、純粋に僕を心配する声。
二種類の声が僕の耳に入ってきた。
振り返ると、案の定居たのは……
「松尾さんに御園さんじゃないですか〜……何か用ですかね」
意地悪そうな笑みを浮かべる松尾さんと、にこやかに微笑む御園さんだった。
「おはよう。 先コウに啖呵切った泉」
松尾さんは、意地悪な笑みのままで言った。