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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.20 )
- 日時: 2014/10/08 21:54
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
思わず深い深いため息をつきそうになるのを堪え、僕は黙って愛想笑いを返した。
「いやぁ、あの後の先コウの機嫌の悪さといったら!
平気なのかしら『差別、ですか?』なんて言っちゃってさぁ」
しかし松尾さんは喋り続ける。
「あんたはチビでそのうえバカだから、先コウの中でも有名だったみたいよ。
まぁ、それに加えて昨日起こした大騒動。
半分はわたし達のせいでもあるけど、あれで他の学校の先コウにも名前が知られちゃったみたいねー」
「め、恵ちゃん……泉君は身長のことと頭のこと、気にしてるんだよ……?
ズバッと言っちゃダメだよ……?」
『チビ』だの『バカ』だの、松尾さんが放った言葉が僕の心に突き刺さった。
すぐに御園さんのフォローが入ったが、只でさえ疲れている僕のライフポイントはすでに0に近い。
しかも、実際テストの順位は下から数えた方が早いし、身長なんて161㎝だ。
事実なだけに、グサッとくるものがある。
「いや……頭はしょうがないとして、身長は伸びるから……まだ伸びるから……」
「元気出しなさい。 こんなことでめげてたら男じゃないぞ」
僕ががっくりと項垂れると、松尾さんに頭をベシベシと軽く叩かれた。
だが、僕に取りついた異常なまでの倦怠感は相変わらず拭えない。
「めげてるわけじゃないんだけどね……」
そう呟くと、物凄い眠気に襲われる。
僕の意識が、急に遠退いていった。
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