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Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.21 )
日時: 2014/12/11 20:23
名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)

「…………う……」

ピピ、という機械的なアラーム音が聞こえる。
呻き声をあげながら、僕はうっすらと目を開けた。

体が燃えるように熱く、息が苦しい。
あぁ、この感覚はーー。

僕は、カッターシャツの脇の辺りを手探りでゴソゴソと触る。
案の定、アラームを鳴らした体温計が挟まっていた。
そこには、『38.2』という文字列が並んでいた。

……三年ぶり程の発熱だ。

起き上がる気力もなく、僕は目だけを動かして周りを探る。
上には白い天井、下には白いベット。
どうやらここは学校の保健室で、僕はその保健室のベットに寝かされている様だ。

「嫌だ〜、堀越さんったら口が上手いんですね……!」

「いや、そんなことありませんよ。 貴方は綺麗な人だ」

そしてカーテンで仕切られた向こう側からは、とても甘〜い会話が聞こえてくる。
僕が起きたことに、その声の主達は気付いていないようだった。
仕方がないので僕は重い体を起こし、フラフラしながら一歩ずつ歩き出した。

「……あの……すいません……」

そしてフラフラしながらもなんとかカーテンを開ける。

「うっ、うあっ、泉君っ!?」

「なっ、もっ、もう起きたのか!!」

まぁ、そこには手を取り合った保険の真白先生と堀越さんがいたわけだが。
僕は無言で真白先生に体温計を渡す。

「さ、38度ね……か、関係者の人も来たことだし、そ、早退になるわね……」

体温計を受け取った真白先生は、噛みまくりながらもそう僕に告げた。

「早退、ですか……というか、関係者って堀越さんなんですね……」

「お、おう」

焦りまくりの二人を見て、僕は

「後でじっくり聞かせてもらいます」

と、言った。
真白先生が真っ赤になった。