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Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.24 )
日時: 2014/10/11 22:12
名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)

「ほら、宅。 これに乗って帰るぞ」

堀越さんは僕を支えながら校庭まで来ると、一台のバイクを指差す。
見たところかなり改造がしてある。
これは……かなりヤバイやつではなかろうか。
法律ナントカ条に今にも引っ掛かりそうな代物だ。

「あ、あの……本当にこれで帰るんすか……?」

僕は震え声で堀越さんに訪ねる。

僕はバスだろうがジェットコースターだろうが、車輪の付いているものであれば絶対に酔う程重度の車酔いをする。
只でさえ今日は熱のせいで気持ちが悪いというのに、こんなものに乗ったら……
あぁ、最悪の事態がいやでも頭をよぎる。

「ん? どうした、顔色が悪いぞ。 熱が上がったか?」

「病人ですよ、僕」

僕の顔を覗き込む堀越さんに、僕は静かに言った。

「僕、病人なんすよ。 こんなバイク乗れませんよ」

堀越さんは、ビックリしたように僕の顔を見た。
基本人と目を合わせたくない僕は即刻顔を伏せる。

「お前、じゃあ歩いて帰るか……?」

「無理っす」

「じゃあ俺がおぶって帰ろうか……?」

「………………」

バイクに乗ってプライドを捨てるか、歩いて帰りのたれ死ぬか、堀越さんにおぶられプライドを捨てるか。
究極の三択をつきつけられ、僕は思わず頭を抱える。

くそう、プライドを捨てるかのたれ死ぬしか僕の末路はないのか……

「じゃあ……じゃあバイク乗ります……」

僕は消え入りそうな声で言った。