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Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.31 )
日時: 2014/12/11 20:29
名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)

雅子さんが声をかけると「ふぁ〜い」と、いう気の抜けた返事と共に堀越さんが一番に入ってくる。
その影で水谷さんが、

「きちんと返事はしましょうね」

と堀越さんにやんわり注意した。
堀越さんは、チッと一つ舌打ちをして僕の部屋の畳の上に座り込んだ。

「うるせぇーよ、カッパ野郎」

そして水谷さんに向かってあっかんべーっと舌を出す。
しかし、皆を僕の狭い部屋に招き入れる(最近僕の部屋、集会室みたいになってないか?)のに一生懸命で見向きもしない。

「……困りました、皆さん全員は入りませんね〜」

困惑した表情で水谷さんは首をかしげた。
まぁ、確かに八人なんていう大人数は僕の部屋には入りきらないだろう。
すると、ドアの外で

「あ、じゃあ俺帰りますよ。 泉、またな」

と素っ気ない声が聞こえた。
多分、鈴音君の声だ。
そうか、鈴音君帰っちゃうのか……

「あ、玲が帰るなら私も! 泉君、お大事にね!」

と、僕が少し残念に思った途端に、ほんわかした声が僕の耳に飛び込んできた。
そして、

「ねっ、玲一緒に帰ろ〜」

「……おう」

というような会話を仲睦まじく交わしながら、そんな二人の足音は遠ざかっていった。

「ホント仲いいよね、かのんと鈴音はさぁ……」

松尾さんがしみじみと呟く。

「まぁ、幼馴染みだしねぇ〜」

それに同調するように、飯沼さんがフッと僕のことを嘲笑うかのように見た。
……やっぱり、フラレたことを根に持っているのだろうか。

「美郷、そんなこと言ってはいけませんよ?」

すると、雅子さんが少し厳しい調子で飯沼さんに注意した。
雅子さんがそんな風に人に注意するのを見たのは初めてだったため、少し違和感を感じた。
でも、飯沼さんは全く気にしない様子で

「はぁい……おばあちゃん」

と、肩をすくめた。
飯沼さんが発した言葉の意味が分からず、思わず松尾さんの方を見やる。
すると、松尾さんと目が合った。

「「え……おばあちゃん!?」」

その後に、思いきり二人でそう叫んだ。