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Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.32 )
日時: 2014/12/11 20:30
名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)

「松尾っち……と泉、知らなかったの?
 というか、泉とはアパートで会ったことあるんだけど?」

飯沼さんはやれやれというように肩を竦めた後、僕の方をチラッと見た。
まぁ、すぐにそっぽを向いてしまったけれども。

しかし会ったことがあると言われても、いつのことなのかさっぱり検討もつかない。
確か引っ越して来たのが春休みのこと。
四月にはもう飯沼さんとクラスで会ったことがあるから、見たらすぐに分かるはず。
だからきっと、春休みの途中に会ったのだろう。

「ん〜、覚えてないな〜……いつ会ったんだっけ?」

僕がにこやかに言い首をかしげると、飯沼さんは一つ大きなため息をついた。

「……アンタが引っ越して来た時。 えっと、アンタが誰かと二人で荷物運んでるの手伝った」

「へぇ〜。 美郷優しいじゃん!! ……てか、泉引っ越し手伝ってくれるような友達いたんだ〜」

飯沼さんは、毅然とした態度で言い放った。
どうやら、会ったのは僕が引っ越して来た日らしい。
しかし僕と一緒にいた人というのは、松尾さんは勘違いしたようだが友達ではない。

「……兄さんだな」

「宅ニイチャン、おにーさんがいるの?」

そう僕が呟くと誰かが僕の首に手を回した後、耳元で声を出した。

「うわぁっ!? ……あ、君か……」

振り向くと、あのいつもの女の子の満面の笑みがそこにあった。
僕は驚いて大声を出してしまう。
すると、今まで水谷さんと話していた堀越さんが、プーッと吹き出す。

「泉、その幼女は誰なの?」

赤くなる僕を尻目に、松尾さんが呑気な声を出した。