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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 少年少女の甘酸っぱい青春物語(の、つもり) 【イラスト・有】 ( No.34 )
- 日時: 2014/11/16 19:46
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
「……じゃあ、私達はそろそろ帰るわね」
空がオレンジ色になって来た頃、松尾さんは伸びをしてそう言った。
すると、美香ちゃんの頭を撫でていた飯沼さんや他の人達も頷き、立ち上がった。
「じゃ、またな宅」
「宅ニイチャン、早く良くなってね!」
「お大事にしてください、宅君」
「じゃあ学校でね!」
皆それぞれ僕にめいめいの言葉をかけて行ってしまう。
僕はそっと息を吐く。
「ねぇ、泉」
が。
僕の後ろからそんな声がした。
誰もいないと思っていたので、口から心臓が飛び出しそうになる。
その声の主は、壁にもたれかかりツンとすました飯沼さんだった。
「……!? い、飯沼さんっ!? いたの!?」
僕がそう言うと飯沼さんはいちゃ悪い?とでも言う風に鼻を鳴らした。
そして唐突に切り出す。
「……あの子のことなんだけど」
「え? あの子って?」
「美香ちゃん」
飯沼さんは、僕の質問に間髪入れず答える。
そしてイライラしたように舌打ちをした。
「あの子のこと、どれぐらい知ってる?」
そして僕の方をジッと見た。
「……えっと……お母さんが厳しい人だってことと……それくらいかな」
僕がしどろもどろに答えると、飯沼さんは目を伏せた。
「ふぅん……あれは、厳しいっていうレベルじゃない。 児童相談所も来たことあるんだけどね〜」
「………そうなんだ」
「ま、それだけだから。 じゃ」
それだけ言うと、飯沼さんはドアを開けて行ってしまった。
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