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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 人を妬み、恨んだ話。【▼番外編 が 作動 した!】 ( No.36 )
- 日時: 2014/11/30 17:37
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
【目付きの悪い不良少年は嫌がらせがお好き】
季節は真夏。
ジリジリと照りつける太陽が、もうすぐくる長期の休みを連想させる。
その太陽の光も当たらない体育館裏で堀越 進は俗に言う、ヤンキー座りをしながらフッとほくそ笑んだ。
『番長』の名は伊達ではなく、いつもの様に堀越の周りには十数人の取り巻きが居た。
堀越は、その取り巻き達に話しかける。
「……こんな日に、水浴びでもしたら気持ち良いだろうなァ。
お前らもそう思うだろ?」
「えっ……そうっすね……?」
いきなりそんなことを言われて驚いたのか、取り巻きの一人がすっとんきょうな声をあげた。
それの声を聞いて、キュッと口角を上げる堀越。
その目は新しい玩具を見つけた子供のように輝いている。
「水浴び、したいか?」
そう、声をあげた取り巻きに問い掛けながら、立ち上がりどこからともなくホースを持ってくる。
取り巻きに、拒否権はない。
「……したいっす」
自分の末路を悟ったのか、渋々頷いた。
「じゃあ、させてやるよ!な、お前ら!」
声を張り上げた堀越に同調するように、周りの取り巻きが一斉に声をあげる。
ホースからは水が発射され、その水は思いきり取り巻きの顔に掛かる。
「気持ちいいだろ? なっ!」
堀越は、心底楽しそうにケラケラと笑った。
一方、水を掛けられた取り巻きのうちの一人は、ギュッと唇を噛んでいる。
ーーもしかしたら、明日には取り巻きの中にこいつは居ないかもしれない。
そんな考えが堀越の頭をよぎったが、取り巻きの中ではこいつは目立たない方で抜けても別に不自由はしない。
堀越は楽しそうに笑い続けるのであった。
……事件は、夏休み明けに起こる。
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