コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 人を妬み、恨んだ話。【▼番外編 が 作動 した!】 ( No.38 )
- 日時: 2014/12/04 20:38
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
《優男の乱入》
「こんにちはーっ!
……あれっ、皆元気ないですねぇ。 どうしたんですかぁ」
いきなり堂々と教室に入ってきた見知らぬ男に、教室内はシンと静まりかえった。
皆、困ったようにお互いの顔を見つめ合う。
しかし堀越だけは別で、さっき飛ばされて軽く痛めてしまったジンジンと痛みが広がる腰を気にしながら、衝動的に勢いよく席から立ち上がってしまった。
「ちょっ、おま……っ! なんでこんな所にいるんだ!?」
マズイと思った時には既に後の祭り。
口からは情けなくも裏返った声が漏れ、目も驚いたように見開いてしまった。
今まで堀越が培ってきたクールな番長キャラは崩壊の道へ進んでいる。
誰かの笑い声も聞こえて、頭を抱えたくなるがそこはグッと堪える。
ジャージ姿の侵入者は手に持った段ボール箱(堀越を先程突き飛ばしたものと思われる)を教師用の机に置きながら、不思議そうにこちらを見てくる。
「……ほり……こし君でしたよね。 腰は大丈夫ですか?
えっと、説明するので席に着いてください」
「大丈夫なワケねぇだろ!」
相手にジッと見つめられ、捨て台詞を吐きながら堀越は席に着く。
恥ずかしさから、無意味に隣に座っている女子を睨みつける。
その女子は、全く反応を示さなかったが。
「では、皆さん着席したところで説明しまーす!」
ジャージ姿の男は、掛けている黒縁の眼鏡の向きを直しながら皆に向き合った。
そして、少し緊張したように話し始めた。
「……今日から僕が、皆さんの担任の先生となります。
はじめまして、水谷といいます」
皆、訳が分からないというようにジャージ姿の男ーー水谷を見つめた。
水谷は大きな目をしている上に丸顔で、背も堀越よりも少し小さい位。
とても教師だと思える代物ではない。
それだけに、その言葉は堀越ら教室の皆に衝撃を受けさせた。
「まぁ、せいぜい一ヶ月程度なんですけどね。
宜しくお願いします〜」
水谷はペコリとお辞儀をした。