コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 恋涙燦燦 ~読者RESPEC ( No.266 )
日時: 2014/11/14 19:08
名前: *紗悠* (ID: lmEZUI7z)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

「……あのさぁ、言葉の選択ってもんがあるでしょうが」
「……うるさい」
「あのねぇ……」

彼は何も言わずまた口を一文字に塞いで作業に移っていた。
というか拭くの早い。

「はい、あと2つお願い。俺休憩」
分けられていたボールの山は低くなりあと2つになっていた。
「え?私の方が多いの?」
「俺11個、お前5個+2個」
真蔵くんのほうが4つ多い……
「……分かった」
「おう、がんば」

そう言って彼は後ろ姿で私に軽くヒラヒラ手を振り体育館の外へ出てった。


「やだなぁ……」

私は聞こえないくらいの小さな声で愚痴をこぼしてボールを丁寧に拭き始めた。

バスケットボールが跳ね飛び交う音と
シューズのグリップが擦れる音が

体育館にけたましく響いていた。

Re: 恋涙燦燦 ~読者RESPEC ( No.267 )
日時: 2014/11/15 08:24
名前: *紗悠* (ID: lmEZUI7z)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

ただいま8月。夏休みです。
蝉がミンミャカミンミャカ五月蠅く鳴いている夏です。
体育館の中は容赦なく蒸し暑かったから外はいくらかましかと思い外にでて休んでますが。

「あちぃ〜」
「だね……」

あ、隣にいるこちら。バスケ部員で同じ3組の前島陽南。
私はヒナって呼んでるよ。
4月に同じクラスで仲良くなって部活の休み時間とかいつも一緒にいる大の友達です。

「ね〜ハル(私への呼び方)〜」
「なに〜?」

私もヒナも暑さのせいか声が間延びしている。

「枕くんとは仲良いですか〜?」
「それ寝るときの枕じゃん。真蔵ね。くが強い」

すかさずつっこむ私。

私は慣れたけど枕と真蔵が分かりにくいみたい。

「ほいほい。んで仲良いの?」
「え〜」
「あ、まさか付き合ってたり?」

どこからその発想が。

「んなわけないない」
「ふ〜ん、でも少しかっこいいよね〜」
少しうっとりして話し出す。いや暑さにやられているのか。
「真蔵くんが?あんな性格悪いのに」
「あの顔なら性格なんざどーでもいいわ」

そー言ってアハハッと笑う陽南。

しかし陽南には……

Re: 恋涙燦燦@参照2600だ ( No.268 )
日時: 2014/11/16 20:24
名前: *紗悠* (ID: lmEZUI7z)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

「でさ〜彼氏とは上手くいってんの?ヒナ」

陽南には彼氏がいます。

もう付き合って1年だっけ?
同中の人でバスケ部員。
「まぁ〜ね〜、近すぎることもなく遠すぎることもなく
 丁度いい関係で保ってる」

中学の頃の私のカップルという考えはとてもベタベタしていたりいっつも一緒に
くっつきっぱなしの磁石みたいな関係を想像していた。

元カレにも私は影響された。
いつも「ハルミ、ハルミ」って近くにいた。
告ってきたのは向こうから。確か中3の春。
突然告白されて特に好きな人もいなかったから少し悩んでOKした。
彼の私への執着っぷりは酷く、いつもくっついていた。
ストーカーの露骨化っていうのかな。
視線を感じなくなることがほとんどなかった。
しかし別れ話を切り出せず卒業まで引きずってしまった。

進学先が違ったお陰でそれを理由に分かれた。
分かれた後の解放感はなんともいえず清々しかった。

まぁ、今は陽南の話を聞いているから

こんな程よい関係がよくて私の彼みたいな人が

『異常なんだ』って分かった。