PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋涙燦燦 参照100感 ( No.28 )
- 日時: 2014/09/17 22:34
- 名前: 峰川紗悠 (ID: EHK9H4Vk)
「う、うん。いいよ、駒沢君……」
これ以上目を合わせていたら頭が爆発しそうだからおもむろに顔を外に向け目をそらす。
「駄目」
「へ?」
何が駄目なんだろう。
「俺の名前呼んでみ?」
「こ、駒…沢…く…ん……?」
なんで疑問形になったんだろう。
そんなこと関係ないけど。
「違う。涼架」
何故だろう。名前をいったのに。
「へ?(二回目)」
彼はほんの少し顔を赤らめ体勢を元になおした。
……照れて……る?
「ん、す・ず・か」
一文字一文字合わせて私を人差し指でツンツンと指す。
「うん」
「俺は?」
次は駒沢くん自身に指を向け指を動かす。
「……?」
「早く……分かるだろ?」
指がリズムを刻んでいる。
まるで今さっきのように。
『す・ず・か』のリズム。
「……ん…と、こ・ま・ざ・わ」
「じゃ・な・く・て」
「み・な・と」
「……」
「…………」
- Re: 恋涙燦燦 参照100感 ( No.29 )
- 日時: 2014/09/18 05:07
- 名前: 峰川紗悠 (ID: EHK9H4Vk)
彼はさっき以上に顔を赤く染め腕を下ろす。
私は今自分が何を言ったか思い出し照れる。
二人の間にまた沈黙が流れる。
でもそれはネタが尽きたような空白の間ではない。
恥ずかしさと緊張感と勇気に包まれた色鮮やかな間だった。
「……」
「……くん」
「……おい」
「……へへっ」
「おい、結局『くん』付くのかよ」
「だって呼び捨て慣れてないんだもん〜」
その後2人で笑い合った。
それはそれは幸せそうに。
2人の頬はほんのり赤く染まっていた。
窓から差し込む夕方の大きな大きな太陽が彼女らを照らして。
1.「起点」~fin~
PR