コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 恋涙*@紗悠の絵公開 ( No.344 )
日時: 2014/12/24 22:31
名前: *紗悠* (ID: w4zhaU6v)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

「も、持ってません!」

本当です。

「そんな訳無いだろ〜。だってこんな高級そうな鞄持ってさ〜」
私の持つベージュ色で銀のボタンがついたショルダーバッグ。
いかにも高級そうだけど元服飾科のお母さんが作ってくれたもの。
材料費はたぶん……500円くらい?

「あっ」
無理矢理腕から鞄をもぎ取られ中をあさくられる。
でも入ってるのは……
「す、少なっ!?」
小さな財布。ちなみにお父さんのお友達の嫁さんの使い古し。
あと、ハンカチ。ポケットティッシュ。
……くらいしか入ってないような……
メイクなんてそんな大したことはしないし。

「いや、でも財布の中身……」

もう私の持ち物検査のレベル。
凄いイヤだけど手は出せない。
だって……ね。

チャリンッ

「「「え……」」」
やんきぃみたいな方々、計3人。
みんな揃って声をあげた。
確か中身は……
「ご、ご、五百円……」
五百円玉一枚、以上。

これが年頃の高校生の財布の中身でしょうか。
我ながらなかなか呆れちゃいます。

Re: 恋涙*@紗悠の絵公開 ( No.345 )
日時: 2014/12/25 22:22
名前: *紗悠* (ID: w4zhaU6v)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

散々漁られた末、何事もなかったかのようにテキパキと鞄に物が直されて渡される。
もう用はないよね……こんな貧乏な私だし。
鞄を小脇に抱え、やんきぃみたいな3人組の横を通り抜けようとすると。

「ちょっと〜、帰させる訳にはいかないな〜」

……なんかすごいやっかいなことに。
分かってます。面倒くさくなることくらい。

「ちょっと貧乏な子でもこんな美少女だからねぇ……」

また一歩また一歩と近づいてくる。
気が付けば後ろの壁にまで追いやられていた。
ひんやりとしたコンクリートの感覚が背を伝う。
すると、私の顔の隣を一筋の影が貫いた。
それはやんきぃの中の金髪の人の腕だった。
そして私の目の前よりやや上にその方の顔が。

「知ってる?美少女は美少女のまま大金が稼げるんだよ?」

これは……
俗に言う「壁ドン~Kabedon~」でしょうか。
こんなにもドキドキしない壁ドンが初めてだとは。