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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋涙燦燦 参照300記 ( No.71 )
- 日時: 2014/09/27 23:04
- 名前: 峰川紗悠 (ID: lmEZUI7z)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
「お、俺はお前のことが好きだ」
好 す ス
き き キ
だ だ ダ
一瞬にして脳の思考回路が停止した。
人生初の告白されただった。
「だ、だから付き合ってほしい……」
彼の顔はとても赤い。
勇気の大きさが滲んでくる。
差し出している手も震えている。
「……どう?」
どうって聞かれたって……
「……」
分からない。
付き合うとかどうとか……
「ごめんなさい。付き合うとかどうとか分からないから……」
とてもか細い声だった。
断るという行為そのものに慣れてないからか声が出なかった。
普通泣くはずのない告白された側。
でも私はこの時、少しでも気が緩んだら大粒の涙を流してしまいそうだった。
私はそれに耐え、一度お辞儀をしてその場を去った。
彼の横を通り過ぎた数秒後、私の頬に一筋の水滴が流れた。
そして帰りのバス。
騒ぎはしゃぐバス内の元気な声の隙間から彼の啜り泣く声が微かに。
私の目も何故か潤んでしまった。
人生初の逆告白は自分の無知により悲しく幕を閉じた。
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