コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 恋涙燦燦 参照400感 ( No.91 )
日時: 2014/10/01 00:24
名前: 五線譜P(紗悠) (ID: lmEZUI7z)

図星で何もいえなくなる。
「何かあったんやろ?俺でよかったら聞くよ?」


また、あの時の姿勢だ。
『涼架……てか俺これからそう呼んでいい?』
彼の声が頭に共鳴する。
机につっぷし上目遣い。
これに私は弱いです。
湊くんの方が普段は身長高いのに、こんな時は私の目線より低くなる。
甘えてる(つもりはないと思うけど)様子に負けてしまう。

話す、べきか……

話す、かな……

「実はね……」



私は聞いてみた。たった3ヶ月しか続いてない関係なのに。
どこか安心感と信頼感があった。
私は昨日から悩んでいることを打ち明けた。
自分が分からないこと。
空っぽになっていそうなこと。
特徴がなさそうなこと。
私はどう見えているのか、
私は一体何なのか。



湊くんは私の長い話を最後まで飽きることなく聞いてくれた。
「……私って、何なんだろうな〜って……」
じっくりと間に一言も入れず湊くんは聞いてくれた。

Re: 恋涙燦燦 参照400感 ( No.92 )
日時: 2014/10/01 22:28
名前: 五線譜P(紗悠) (ID: lmEZUI7z)

私が話し終わると湊君は頬杖をついて目線を少し左下に向ける。
目を反らしているように見えて、考え込んでいるようにも見える。
「み……なとくん?」
一分ぐらい黙ってて不思議だったけどその数秒後彼は顔をあげた。

「俺は柳浦(遥美)とか大野(小夜)とかより涼架との付き合いは短いから分かんないけど
 自分はこういう人間だなんていくら考えても分からないだろ」

「え?」

予想外だった。
昨日は○○ちゃんは〜なキャラと考えていたから同じ風に答えてくれるかと思っていた。
でもそんなことすらなくなんとも不思議な答えだった。
湊君は続ける。

「自分のことは自分が一番知っているとか言うけどさ
 実際他人から見た自分がどう見えているかなんて自分で分かる訳ないもんな。
 俺も涼架ほど深刻に考えたことはないけど
 自分はこんな人間だってのは分かんないな」

椅子を引いて少し背伸びをする彼。
やっぱり私より背が高い。
少しくだけた笑顔が逆光に照らされる。



[紗悠place]PSPの制限泣ける