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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サンマをください。 ( No.4 )
- 日時: 2014/09/15 16:04
- 名前: 珊瑚 ◆Wjgitxm3QY (ID: jyOVwInT)
- 参照: Potpourri
第一話
リュックに詰めた大量の旅行用品
両親が貯めて置いてくれた、わずかな金貨や銀貨・・それから銅貨。
自分や、周りのがお小遣いとしてもらっていた、銅貨よりも金額の低い、プラチナコインがある。
「父上、起きていますか?」
「どうぞ。」
中から声が聞こえてきた。
「レイトか。どうした? 今日は出発前だ。明日は良い天気だそうだ。旅にもってこいだな。」
「——…本当に行かなければいけませんか?」
そう言うと、目の前に居た父親は、ふっと息をついて、組んでいた足を元通りにした。
「本当は俺だって 行かせたくはないんだ。——王の命令だからな。」
じれったそうに、手元の書物をめくり、何か挟んでもらったものを開いて、俺の手に無理矢理おしこむように、持たせた。
「これは、本当は明日、渡そうと思ってたんだが」
と、渋々言った。
「王からもらったものだ。情報は正しいものだと思われるが、誰かに奪われたりするのは、仕方がないことだ。紙面だから、落としたり盗まれたりもする。」
俺は頷いた。
「六人の選ばれし者と出会ったら、目指すべき幻のサンマがある場を目指すだろう。その時にとても役立つ。サンマのありかと思われる場の地図だ。長い旅になるだろう。」
「おまえなら、行けるよな?…」
俺は頷くしかなかった。
本当は行きたくない。
怖い。
父親にそんなことを言うのが、弱がってるみたいで、父の期待を裏切りそうで、嫌だった。
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