コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: SANDAI ( No.20 )
- 日時: 2014/09/28 16:21
- 名前: 墓書 (ID: w.lvB214)
徐々に文中に本性が現れた気がする墓書です。
散々悩んだ挙句、いろはのことは気にせずに行こうという結果にたどり着きました。
いろはならできるできる、ほら、できちゃうんでしょー!
書いた後に幾つかの行を消して、あえて先を縛らない書き方にしたつもりなんですけど、んーどうだろう。
まぁ、書き換える気力もないし投げますね!
がんばってくれたまえよ!いろちゃん☆
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「旅」「笛」「昆布」
起.
どうしても、ここにいたくなかった。
そんな時にテレビで見たのが、あのドキュメント番組。
どうしようもない衝動に駆られ、気付いたら準備を始めていた。
コレは僕のある夏の物語である。
日差しが肌を焼く。
火照る身体を手で扇ぎなんとか熱を冷まそうと試みるも、それは焼け石に水。
相変わらずベタついたままで気持ち悪さに耐えきれず足を止めた。
どうしようか。
ゆっくりと辺りを見渡すと、お目当てのものが見つかった。
ついてる。
そう思いながら、自転車を傍に停め歩き出す。
木の下を通ると一気に体感温度が下がった。
木陰ってこんなに涼しいんだな。
どうせなら、此方に停めていれば良かったかもしれない。
そう考えながら、さほど歩くことなく水飲み場へと辿り着いた。
蛇口をひねる。
「ぶっふぉっ!!!!???!!」
お分かりだろうか。
そう、これは水を飲むために上向きに水が出るようになっている。
それを軽く…いや、軽くしたと思う。
もしかしたら気持ちの急くあまりに思いっきりひねってしまったのかもしれないけれど、とにかく、蛇口をひねった瞬間に勢いよく水が飛び出し顔面で受け止めてしまったのだ。
慌てて蛇口を閉めようとして一度失敗する。
勢いの強い水って凶器だと思った。
仕方なく一度間合いをとってみることにした。
「あ…綺麗…」
少しだけ心が浮き上がる。
虹だ。
小さいけれど、鮮やかな光が水の粒にかかっていた。
ここはただの公園だ。
けれども、こういう小さな出来事が自分を喜ばせる。
自転車で旅を始めて未だ一週間も経っていないのに、家の中で篭っていては見れないであろう景色や経験が少しずつ見え始める。
きっと、これからもっと素晴らしいことが待っているにちがいない。
逃げるように飛び出した家に背を向けて、広い世界を知る。
衝動的に行ったこの行為がどれだけ続くか。
行く先は不安もあるけれど、それを上回るほどの期待に胸を震わせた。