コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: SANDAI ( No.61 )
日時: 2015/02/17 11:51
名前: いろはうた (ID: 16oPA8.M)
参照: http://pixiv.me/asaginoyumemishi

久しぶりな上に、いろはうたが苦手とするほのぼの系でしかも抽象的な書き方で
眉間にマッチが挟めそうなほど皺よせて悩みましたわ……
なんぞこれ。


何ぞこれ—————っっ!!??( ゜□゜)


よ、よくもまぁ……こんな……
いろはうたの趣味から離れたものを……ちくしょう。
ちくしょーーーーっ(泣







〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜







*「おおきに」


少女の声を背に店を出る。

カラカラと軽い自分の下駄が地面とこすれて立てる音だけがその場に響く。

腕の中の包みに視線を落とした。

早速つけてみたいが、こんなに丁寧に包装されているのなら、

もうしばらくこのままにしておきたい、という気もする。


「天女ってどういうことなんかなぁ」


ぽつりとつぶやく。

それに呼応するかのように足元の猫も小さく鳴く。

ゆっくりと歩きながらあたりを見渡してみるが、

確かに先程の練香の店以外はほとんどが閉まっていた。

首をかしげる。

何かあったのだろうか。

考えてみると何かあったような気もするが、うまく思い出せない。

不意にかすかな鈴の音が聞こえた。

続いて細い笛の音が響き渡る。

祭りなのだろうか。

音が聞こえてきた方に向かって歩き出す。

十字路の角を曲がる。

雲の切れ間から、まぶしい陽光が差し込み、その場を照らす。

広場がそこにあり、たくさんの人が集まっていた。

ようやく思い出した。

今日は神へ舞を奉納する日だ。

通りで、どこの店も開けていないのだ。

神に祈りを捧げるのだから、店など開けていられないだろう。

先程の練香の店が珍しいのだ。

そしてその店の娘が言っていた天女というのは、

おそらくその人ごみの中心で舞っている巫女のような舞姫のような

不思議な装束を身に付けた娘のことをいっているのだろう。

人々はただ黙って娘が優雅に舞うのを見ている。

娘が祈り舞うのと同時に、人々も祈る。

明日も笑って暮らせますように、と。

足元に猫がすり寄ってきたので、思わず笑みがこぼれた。


「綺麗やなぁ」


ぽつりと言葉がこぼれる。

光が満ちる。

何かの欠片が宙に舞う。

そのきらめきは、美しい、だなんて言葉では言い表せない。

彼女の指が領巾をとらえて、ひらりと揺れる。

それは優雅な弧を描いて風と共に舞う。

彼女は絹よりもなおつややかな髪を風に遊ばせて、微かに微笑んだ。

彼女の髪に飾った花が風に揺れる。

未開封のはずの香の匂いが鼻腔をかすめたような気がした。