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Re: SANDAI ( No.67 )
日時: 2015/08/04 11:41
名前: 墓書 (ID: CiAwflFH)

ヒャッハーーーーー!!!男、二人出してやったぜ!!!!!!!
ファンタジーにしたから、多少の無茶も出来る。
ま、いろはがんばれ☆

・・・暑いし、俺も海行きたい。

【海】【馬】【タンザナイト】


起.


鮮やかな青色とその中を揺らめく光の筋。

腕を動かすと確かな質量感があり、自分は海の中にいることがわかる。

不規則に動き回る魚の影を追いかけると、シャツの下を水が通り抜ける涼やかな感触が心地よい。

このまま、人魚のように海底で暮らしていたいと思ってしまう。

(もう少し、ここに留まっていたい・・・)

しかし、ふいに首の後ろをぐいと引かれる感覚が襲う。

首が締まりあげられ、口から大量の空気の泡が零れ出る。

地上へと向かう泡を追うように・・・











————ユイキは釣り上げられた。



「ぐっふぉ・・・!げほっがほっ・・・!!辛ぁっ・・・!」

突然肺に流れ込む空気とそれに巻き込まれて入り込む海水。

それに身体が驚き、酷く噎せこんだ。

「おっかえりぃ。あんまりにも上がってこなかったもんだから死んだかと思っちゃったぁ。」

「げほっ・・・タツ、てめぇ・・・。だからって、釣竿を使うんじゃねぇよ!逆に死ぬかと思ったわ!」

ようやく落ち着きを取り戻したユイキはこの状況の原因を睨めつけた。

にやにやとした笑みを隠すことなく、釣竿を肩にかけたタツは更に笑みを深める。

「いやぁ、ごめんねぇ?ほら、ユイキってばたまに抜けてるからさぁ。」

「こんな初期魔法。失敗なんてしねぇよ・・・。」

いくらか心当たりはあるものの、海中からの酸素供給なんて猿だってやってのける。

そもそも、ユイキは一時間も潜っていないのだ。

「まぁね、けど久しぶりだったからさぁ。先生も鬼畜だよねぇ・・・。課題以外じゃ、魔法禁止なんてさぁ?」

額を伝う汗をぬぐいながら、面倒そうにタクがぼやく。

その姿を見て、ユイキはもう一度海への思いを沸き上がらせた。

「言うなよ・・・、俺だって思ってんだから。そもそも、卒業回生なんだからもっと自由にしていいと思うんだけど。」

「校則だからねぇ・・・。だけど、十数年前の事故を引き摺らないで欲しいよねぇ。」

「けど、テーマを選んだのはお前じゃないか。」

じっとユイキがタクを見ると、タクはやれやれといったように手をあげた。

「なんでもいい、そう言って丸投げしたのはどこのどちらさんでしたっけねぇ?いいから、チャッチャと終わらせようぜぃ。」

そう言って、荷物のほうへ向かうタクの背中を見ながら、「中断させたのはお前だろうが・・・」とユイキは呟いた。