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- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.107 )
- 日時: 2014/11/23 22:06
- 名前: 雪兎 (ID: hqWYiecP)
第二十六話 <対抗戦編>
「うわっ!」
「わっ!」
校舎へ向かって走っていたエリオットは、何かにぶつかってよろけた。
あとから付いてきていたリュネットが、「危ないじゃない」と言わんばかりの鋭い視線を向けてくる。
ぶつかった相手の女の子は、驚いて口元を手で押さえていた。…めずらしいピンク色の髪で、よく見ると、後ろに男の子を連れている。灰色がかった茶髪に褐色の肌。活発そうだが、どこか幼い印象だ。
「あ、ごめん。大丈夫?」
エリオットは内心ビビリながら問いかけた。どうも女性と話すのは苦手なのである。
「…君って、あの時のヒーロー君?」
「は?」
いきなり何を言い出すんだ?
「あーごめん、こっちの話。その節は、うちのフィルっちがお世話になりました!…ああ申し遅れました、あたしリリアン。こっちはハクです☆」
大げさにぴょこんと頭を下げる女の子。フィルっちって、もしかしてフィリアのことか?
そのとき、リュネットが唐突に口を開いた。「…あなたたちも、校舎へ向かっているの」
「え…?そうだけどぉ」
急に話を振られたリリアンはいぶかしむように答えた。隣ではハク君が「うっわ…すっげぇ美人」と、一人感動している。
「えっとじゃあ、君達も見たのカナ?あの黒服の人たちを」
「黒服…?見てないけど、爆発があったから飛んできたんだよ。もしかしてその人たちの仕業なの?」
「うーん、よくは分からないんだけど……」
そのとき。
「!!」
いきなり、リュネットがすごい速さで屋上に目をやった。いつもけだるそうな目が、少し見開かれている。
「えっ…どうしたんスか?」
ハク君が聞くと、リュネットは屋上から目を離さずに言った。
「…今、屋上からすごいプレッシャーを感じた。それと、微かにフィリアの気配もする」
「フィリアの!?」
「えっ、フィルっち?」
エリオットとリリアンの声が重なる。てか、リュネットってフィリアの知り合いだったのか…。
今は、そんな場合じゃない!急いで屋上へ向かわないと。
こうして合流したエリオットたち4人は、屋上へと向かったのだった。
次回、フィリアの体に起こった変化とは?お楽しみに。