コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.127 )
日時: 2014/12/21 23:19
名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)

第三十五話 <対抗戦編・了>

ふいに、大剣の落下が止まった。

「!?…止まったっ」

ライムが信じられないというように叫ぶ。

そして、グラリと瀞竜の体が傾くと同時に、大剣は元からそこに無かったかのように消滅した。

「フィルッ!!」

ジークは走って両腕を差し出す。腕の中にずしりとした重みがあり、自分の腕の中には見慣れた幼馴染の顔があった。

「は…ったく、心配かけさせんじゃねえよ。」

いつものように笑おうとしたが、自分の口から出たのは消えるように情けない声で。

全身の力が抜け、フィリアに覆いかぶさるようにうずくまった。

数秒おいて、

「ジークせんぱーーーいッッ!」

元気な少年の声が迫ってくる。それから数人の足音も。

誰かに後ろからガバっと抱きつかれ、振り向いてみればうれしそうなハクの顔があった。「やっと会えました!」

「うんうん、運命の再開だねえ……くうっ、泣けるねぇ!」

「はあ、本当に良かった。…でもちょっとくっつきすぎかも」

「生き残りに成功。ボクとしては頑張った」

同級生達(と下級生一名)は口々に言う。あの緊迫した場面からよくそんなリラックスできるよな。


っ……そういえば!!


ジークは、フィリアを抱えたままバッと立ち上がった。「お前ら、あの転校生トリオは!?」

「「ああっ!」」

全員が慌てて後ろを振り返ると、バリバリバリというすさまじい音が聞こえてきた。

一瞬にして姿を現したのは、黒いヘリコプターだった。

クッソ!逃がしてたまるかよっ。

だが、時すでに遅し。

転校生達は、もうヘリコプターに乗り込んでいた。

一人は悔しそうな、一人は安堵した、一人は複雑そうな表情をした三人を乗せ、ヘリコプターは遠ざかっていく。

……あのメロークってヤツも回収済みかよ。

小さくなっていくヘリコプターを見ながら、ジークは漠然とそんなことを思った。


     いよいよ対抗戦編終了!お次はどんな展開に?お楽しみに☆